ご覧頂き誠にありがとうございます。
今回は『深津式プロンプト読本』についてレビューと要約の記事となります。
著者
深津貴之
インタラクションデザイナー。株式会社thaを経て、Flashコミュニティで活躍。2009年の独立以降は活動の中心をスマートフォンアプリのUI設計に移し、株式会社Art&Mobile、クリエイティブファームTHE GUILDを設立。現在はnoteのCXOなど、領域を超えた事業アドバイザリーを行う。執筆、講演などでも精力的に活動
岩元直久
ITジャーナリスト/ライター。慶應義塾大学理工学部卒業、同大学院修士課程修了。日経BPでIT、PC系を中心にした雑誌、Web媒体で記者、副編集長を歴任。独立後はコンシューマー向けからエンタープライズ向けまでIT関連を中心にWeb、雑誌、書籍など幅広く執筆する。近著に「Office 365 Teams即効活用ガイド」「Microsoft Power Automate かんたん活用ガイド」（日経BP）がある。
1. 本書の概要
『深津式プロンプト読本』は、ChatGPTやその他の生成AIを効率的に活用するためのプロンプト技術を解説した一冊です。著者の深津貴之さんと岩元直久さんは、特にビジネスシナリオにおけるプロンプトの活用に焦点を当て、仕事の効率化や創造性の向上に役立つ具体的なテンプレートやテクニックを紹介しています。生成AIが登場して以来、プロンプトの重要性が増しており、この本はその実用的な指南書です。
2. 本書の要約
本書では、まず生成AIの基本的な理解から始まり、プロンプトの重要性を説明しています。その後、具体的なビジネスシナリオにおけるプロンプトの使用方法が詳述され、以下の章に分けられています。
- 第1章：はじめに – ChatGPTに触れてみよう
ChatGPTの基本操作や使い方を簡単に紹介し、初心者でも直感的に触れられるように説明しています。ここでは、基本的な質問からクリエイティブな出力までを試すことが推奨されています。 - 第2章：ChatGPTと生成AIの基本理解
生成AIの仕組みや動作の基本原理、特にプロンプトが生成AIの結果にどのように影響を与えるかを解説しています。プロンプトが「命令文」として、AIの動作を制御する最も重要な要素であることを理解できます。 - 第3章：ビジネスシナリオでのChatGPT（基礎）
ビジネス現場での生成AIの基本的な活用例を紹介します。ここでは、簡単な報告書の作成やアイデア出し、メールの自動化などの具体的な例を通して、AIがどのように業務効率を向上させるかを説明しています。
- 第4章：プロンプトの力を引き出す
プロンプトの書き方によって生成結果が大きく変わるため、効果的なプロンプトの書き方に焦点を当てています。曖昧な命令文を避け、具体的かつ精度の高いプロンプトを作るためのコツが紹介されています。 - 第5章：ビジネスシナリオでのChatGPT
プロフェッショナルなビジネス環境におけるプロンプトの応用をさらに進め、より高度なシナリオにおける活用例を提供します。たとえば、プレゼン資料の作成、プロジェクト管理、戦略策定などの場面で役立つプロンプト例が登場します。 - 第6章：カスタマイズしたChatGPTを作る
ChatGPTのパーソナライズ化や、特定のビジネスシナリオに特化したプロンプトのカスタマイズ方法を学びます。これにより、より効率的で使い勝手の良いAIツールを構築できるようになります。 - 第7章：リスクの認識と管理
AIの活用におけるリスクについても触れています。誤った情報やバイアスが含まれる可能性をどのように認識し、対策するかが解説されています。AIの限界を知ることも重要です。 - 第8章：組織での活用とさらなる応用
組織全体で生成AIを導入し、業務全体を効率化するための戦略が提示されています。導入後のフォローアップや、応用範囲を広げるための方法も紹介されています。
3. 深津式プロンプト
深津式プロンプトの基本
- ロールを与える
ChatGPTに役割を与えることで適切な回答を引き出す - コンテキスト（文脈）を与える
どのような回答を求めているかの文脈を支持することで適切な回答を引き出す - 制約条件を与える
回答を導く上での制約条件を定義することで適切な回答を引き出す - 出力フォーマットを与える
どのような項目で回答を記述するかを指定する - プロセスを与える
回答の考え方などをステップで指定する
あなたは優秀なWebキャンペーンのマーケッターです。
『深津式プロンプト読本』
SNSでみんながシェアしたくなる「秋の読書キャンペーン」の企画を考えてください。
###制約条件###
・誰もが気軽に参加できること
・ハッシュタグをつけて投稿すること
・投稿を読んだ人が、自分も言及したり投稿したりしたくなるものであること
・ペイド広告を用いないバズキャンペーンであること
###出力フォーマット###
以下のフォーマットで出力してください
・企画名
・企画概要
・企画の強み・弱み
・企画を成功させるポイント
###出力ステップ###
まずシェアされるSNS企画とはどのようなものか分析し、その後に企画を出力してください。
4. 活用できるテンプレート
Wikipediaを検索して、任天堂の概要をまとめた簡単なレポートを作成してください。
『深津式プロンプト読本』
以下のレポートをまとめてください
『深津式プロンプト読本』
###
＜ここにレポートをコピペ＞
あなたはXXXXをわかりやすくまとめるAIです。
『深津式プロンプト読本』
以下の資料を、非専門家の人でもわかりやすい簡潔なサマリーにまとめてください。
###
資料の文章をコピペ
あなたはXXXXに関する分かりやすいFAQを作成するAIです。
『深津式プロンプト読本』
以下の資料に対して、非専門家がする質問を想定した分かりやすいFAQを作成してください。
###
資料の資料のXXXXのアイディアを考えます。アイディアを考えます。
横須賀市のキャッチコピーを考えて。
『深津式プロンプト読本』
いくつか考えたので、この方向性でつづきを作ってください。
###方向性の例###
・きらり！☆横須賀
・大好き♡横須賀
・自然がいっぱい♪横須賀
XXXXのアイディアを考えます。
『深津式プロンプト読本』
まず発散として、多様なアイディアを列挙し、
次にそれぞれのメリデメを評価し、
最後に一番良いものを選択してください。
以下のニュース記事を、より魅力的な記事にするためには何が必要ですか。またその理由は何ですか？
『深津式プロンプト読本』
###
記事本文をコピペ
以下の制約条件をもとに、多様性をテーマにした魅力的なエッセイを作成してください。
『深津式プロンプト読本』
###制約条件###
・文章はワンパラグラフの短いものにする
・読者は新入社員にする
・会社で多様性が重要になるような具体的な例やシチュエーションを入れる
この文章を60点とした場合、100点にするには何が足りませんか？
『深津式プロンプト読本』
地球温暖化のレポートを作りたいと考えています。
『深津式プロンプト読本』
Wikipediaを検索して、以下のフォーマットでサマリーを作成してください。
Wikipediaで確認できる情報のみからレポートを作成すること
###フォーマット###
・概要
・歴史的経緯
・課題点
・各国の取り組み
あなたはユーザーインタビューのトレーニングを行うためのAIです。架空のユーザーペルソナをロールプレイして、インタビューワーの質問に対応してください。
『深津式プロンプト読本』
###条件###
・30代のインフルエンサー
・アメリカに在住
地球温暖化に関するエッセイを書くために、ブレインストーミングを行いたいと思います。地球温暖化と直接関係ない分野の単語を1つ組み合わせて、魅力的なタイトルを列挙してみてください。
『深津式プロンプト読本』
5. 感想とレビュー
『深津式プロンプト読本』は、AIをビジネスに効果的に活用するための具体的なガイドラインを提供してくれる素晴らしい本です。特にプロンプトの重要性を強調し、どういったプロンプトが適切であるかを理解できるように段階的に説明されているのが特徴です。これにより、初めて生成AIを触れる人から、すでに業務で使っている人まで、幅広い読者層が効果的に活用できる内容になっています。
実際に私もこの本を読んで、生成AIのパワーを最大限に引き出すためのプロンプト技術に驚かされました。これまではAIに対して曖昧な指示をしていたことが多かったのですが、具体的で精確なプロンプトを使うことで、より望ましい結果が得られることを実感しました。また、ビジネスシナリオに特化した内容が多いため、業務に直接応用できる部分が豊富に含まれている点が特に役立ちました。
一方で、AIやプロンプトに慣れていない人にとっては、最初の数章はやや理論的な部分が多いと感じるかもしれません。しかし、そこを乗り越えると、具体的なシナリオやテンプレートが豊富に提供されており、すぐに実践に移すことができるので、読み進める価値は十分にあります。
6. まとめ
『深津式プロンプト読本』は、生成AIの最大のポテンシャルを引き出すための必読書です。特にChatGPTなどのAIを使って業務を効率化したいと考えているビジネスパーソンにとって、この本は非常に実践的で有用なツールを提供してくれます。
深津式プロンプトの具体例やテンプレートは、日々の業務の中で簡単に使えるものであり、AIの性能を最大限に活用するための鍵を握っています。ビジネスの効率化や創造的なアイデア出しを求めている人にとって、この本は強力な味方となることでしょう。
また、AIのリスク管理についても触れられている点は、この本のバランスの取れた魅力の一つです。生成AIを利用する際の注意点やリスクについても理解を深め、より安全に効果的に使うための指針を提供してくれます。
生成AIの技術は今後ますます進化し、ビジネスシーンでの活用が広がることが予想されます。この本を通じて、AI活用の基礎をしっかりと学び、未来の仕事に備えるための準備を整えることができるでしょう。
最後まで読んでいただきまして、
ありがとうございました。
背伸びしない等身大の経験とアイディアのコラムも書いています。
日々の仕事やライフスタイルのヒントになればうれしいです。
X（Twitter）、Threads、instagram、Blueskyもやっているので、もしよかったら覗いてください。
