【3分要約・読書メモ】13歳からの地政学 田中 孝幸(読書レビュー)

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今回は「13歳からの地政学」についての記事となります。

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■著者

田中 孝幸(タナカ タカユキ)
国際政治記者。大学時代にボスニア内戦を現地で研究。新聞記者として政治部、経済部、国際部、モスクワ特派員など20年以上のキャリアを積み、世界40カ国以上で政治経済から文化に至るまで取材した。大のネコ好きで、コロナ禍の最中に生まれた長女との公園通いが日課。40代で泳げるようになった。

■まとめ

・世界の貿易は9割以上が海を通っている。8割でドルが通貨として使わている。海を支配するアメリカが仕切りになっている。
→アメリカはドルで外国からものを買えるので豊かになっている。

・世界のほとんどのデータは海底を経由しているので、海の支配は情報を押さえることにもつながる。

・経済成長の度合いは、人口と技術の伸びによって決まる。

・核兵器は、
①原子力潜水艦
②海中からミサイルを発射する能力
③深くて安全な海
3つを揃えて初めて最強のアイテムとなる。

・中国は③である南シナ海を支配し、アメリカと対等になることを目標としている。

・遠くの国と仲良くして、近くの国の脅威に対応する「遠交近攻」は地政学の王道。(例)日本がアメリカと同盟を組んで中国に対する立場を強める。

・長い陸続きの国境は、管理が難しく、領土を守るのも大きな負担がともなう。

・中国など多くの大国は、自国を守ろうとする心理が強く働いている。

・少数民族を多く抱える大国は、独立や反政府の動きをいつも必死に抑え込もうとしている。

・選挙を行う利点は、暴力や流血なしに政権が変えることができること。

・小国は、遠交近攻で近くの大国に圧倒されないようにバランスを取る。

・アフリカが貧しい最大の原因は、お金が欧米などに大量に流れ出ているため。

・アフリカの政治家は、無理やり引かれた国境よりも自分たちの部族を大切にする。大きくて強い民族がほかの民族を押さえつける。だから、軍事政権や独占政権が多い。

・民族や部族の争いが多い国では、選挙を行っても国内が安定せず、発展しにくい。

・多民族国家のシンガポールのように、同じ国民としての意識を高めて、豊かになっていった例もある。

・アメリカが超大国になったのは、地理的条件に恵まれていたことが大きい。

・大国はほかの国に目が向きにくく、無知からテロや戦争を引き起こすことがある。
テロは弱い立場の人々にとって有効な戦い方。

・大国ほど、自分の母国語しかしゃべれないモノリンガルとなる。アメリカ、中国、ロシア、日本など大国では、他の国に目が向きにくく、モノリンガルが多い傾向。

・朝鮮半島のように大国に囲まれた地は争いに巻き込まれやすく、独立を保つのが難しい。

・日本が敗戦を天災のように捉えたのは、不幸のための知恵。
(例)終戦記念日
ネガティブな記憶を封印して、復興を優先した。それによって、天皇家への責任問題の回避を行った。

・世界は韓国に同情的
日本は、世界で少数派の加害者側の国。世界では、植民地として支配された国の方が多い。
日本が、解決済みと言っても、被害者側の国から理解を得られにくいし、心情として理解されにくい。

・世界では、韓国と被害者として共通点がある国のほうが多く、日本は少数派になる。<日本は大国。強者の側>

・黒人差別などの社会問題が残る限り、関連するネガティブな歴史は蒸し返され続ける。

・内向きな中国は外国との付き合いに慣れていないため世界中でトラブルが起きている。

・地球温暖化が天然資源の開発を助けるとしてポジティブに捉えている国もある。

■感想

非常にわかりやすい地政学の本。ビジネスパーソンに必要な教養を一冊で得ることができる。韓国、中国、アメリカ、ヨーロッパ、アフリカの抱えている問題だけでなく、今の社会問題がなぜ起こっているのか?を理解することができる。地政学の本を数冊読んでいるが、ポイントが詰まっていて非常にわかりやすい。ミクロな事象ではなく、社会情勢をマクロに捉えることができる一冊。

印象に残ったのは、「日本は、強者側」という指摘。日本は弱者というイメージを持っていたが、世界から見た時に、日本は強者。そのため、韓国との関りもなかなか賛同を得られない。多くの本を読んでも、なかなか気づくことができない視点も得ることができた。

最後まで読んでいただきて、ありがとうございました。

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