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今回は『宙わたる教室』についてレビューと要約の記事となります。
著者
伊与原新(イヨハラ・シン)
1972年、大阪生れ。神戸大学理学部卒業後、東京大学大学院理学系研究科で地球惑星科学を専攻し、博士課程修了。2010年、『お台場アイランドベイビー』で横溝正史ミステリ大賞を受賞。2019年、『月まで三キロ』で新田次郎文学賞、静岡書店大賞、未来屋小説大賞を受賞。他の著書に『八月の銀の雪』『オオルリ流星群』『宙(そら)わたる教室』『青ノ果テ 花巻農芸高校地学部の夏』『磁極反転の日』『ルカの方舟』『博物館のファントム』『蝶が舞ったら、謎のち晴れ 気象予報士・蝶子の推理』『ブルーネス』『コンタミ 科学汚染』などがある。
1. 本書の概要
『宙わたる教室』は、定時制高校の科学部を舞台に、年齢も背景も異なる生徒たちが、火星のクレーター再現という壮大な目標に向かって奮闘する青春小説です。著者の伊与原新氏は、この作品で、第70回青少年読書感想文全国コンクール課題図書に選ばれ、大きな注目を集めました。
物語は、それぞれに悩みを抱えた生徒たちが、科学という共通の目標に向かって協力し、成長していく姿を描いています。個性豊かなキャラクターたちの葛藤や友情、そして科学への情熱が、読者の心を揺さぶります。
2. 本書の要約
東京・新宿にある都立高校の定時制。そこには、様々な事情を抱えた生徒たちが通っていました。負のスパイラルから抜け出せない21歳の岳人、子ども時代に学校に通えなかったアンジェラ、起立性調節障害で不登校になり、定時制に進学した佳純、中学を出てすぐ東京で集団就職した70代の長嶺。
「もう一度学校に通いたい」という思いのもとに集まった生徒たちは、理科教師の藤竹を顧問として科学部を結成し、「日本地球惑星科学連合大会」で発表することを目標に、「火星のクレーター」を再現する実験を始めます。
実験を通して、生徒たちはそれぞれが抱える問題と向き合い、成長していきます。岳人はディスレクシアという学習障害を抱えながらも、藤竹先生のサポートのもと、文字を読むことを克服し、科学の楽しさを知ります。佳純は、実験に没頭することで、過去のトラウマを乗り越え、自信を取り戻していきます。
3. 感想とレビュー
『宙わたる教室』を読んだ私は、感動と学びの両方を味わいました。
まず、登場人物たちの成長に心を打たれました。それぞれが異なる背景を持ち、様々な困難を抱えていますが、科学という共通の目標に向かって努力する姿に、私は大きな感動を受けました。特に、岳人がディスレクシアという障害を乗り越え、科学の楽しさを知っていく様子は、読者に勇気を与えてくれます。
また、この作品は、学校が単に知識を学ぶ場所ではなく、人として成長できる場所であることを教えてくれます。定時制という特殊な環境だからこそ、年齢もバックグラウンドも異なる生徒たちが集まり、互いを尊重し合い、協力し合うことができる。そんな温かい人間関係が描かれていることに、私は心を打たれました。
さらに、科学の面白さを知ることができました。火星のクレーター再現という実験を通して、科学の奥深さや面白さを垣間見ることができました。そして、科学が私たちの生活と密接に関わっていること、そして科学の力で未来を切り開くことができるということを学びました。
この作品は、単なる青春小説にとどまらず、読者に多くのことを考えさせてくれる深い作品です。例えば、私たちはなぜ学ぶのか、何のために生きているのか、といった根源的な問いを投げかけてくれます。
4. まとめ
『宙わたる教室』は、年齢も背景も異なる生徒たちが、科学という共通の目標に向かって成長していく姿を描いた、感動と学びにあふれた青春小説です。この作品を通して、私たちは、友情、努力、そして科学の素晴らしさについて深く考えさせられます。
もし、あなたが、何か新しいことに挑戦したい、あるいは、自分自身の可能性に挑戦してみたいと考えているのであれば、ぜひこの作品を読んでみてください。きっと、あなたも何かを感じ、そして前に進む勇気をもらえるはずです。
最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました。
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