今回は、西郷隆盛の名言を解説していきます。
- 1. 西郷隆盛の紹介
- 2. 各名言の解説
- 1.「人を相手にせず、天を相手にして、おのれを尽くして人を咎めず、我が誠の足らざるを尋ぬべし。」
- 2.「総じて人は己に勝つをもって成り、自ら愛するをもって敗るるぞ。」
- 3.「功立ち名顕るるにしたがい、いつしか自らを愛する心起こり、恐懼戒慎の意、緩み、驕矜の気、しばらく長じ、その成し得たる事業をたのみ、いやしくも我が事をし遂げんとまずき仕事に陥り、終に敗るるものにて、みな自ら招くなり。」
- 4.「間違いを改めるとき、自ら間違っていたと気付けばそれでいい。そのことを捨てて、ただちに一歩を踏み出すべし。」
- 5.「心慮りて白と思えば決然として行う。しばらくも猶予すべからず。心慮りて黒と思えば断然これを行わないことである。」
- 6.「道は天地自然の未知なる故、講学の道は敬天愛人を目的とし、身を修する克己をもって終始せよ。」
- 7.「己を尽くして人を咎めず。我が誠の足らざるを常にたずぬるべし。我を愛する心を以って人を愛せ。自己を許すが如く人を許せ。人を責めるが如く自己を責めよ。」
- 8.「天の道をおこなう者は、天下こぞってそしっても屈しない。その名を天下こぞって褒めても驕(おご)らない。」
- 9.「徳に勤むる者は、これを求めずして、財自から生ず。」
- 10.「小人は己を利せんと欲し、君子は民を利せんと欲す。」
- 3.まとめ
1. 西郷隆盛の紹介
西郷隆盛(1828年 – 1877年)は、幕末から明治維新にかけて活躍した薩摩藩(現在の鹿児島県)出身の武士、政治家、軍人です。倒幕運動の中心人物の一人として活躍し、明治維新の立役者となりました。しかし、維新後、政府の政策に反発し、西南戦争を起こして最後を遂げました。その波乱に満ちた生涯と、人々を惹きつける人格、そして数々の言葉は、今なお多くの人々に影響を与え続けています。特に、私利私欲を捨て、大義のために尽くすという生き方は、現代のビジネスパーソンにとっても重要な示唆を与えてくれます。
2. 各名言の解説
1.「人を相手にせず、天を相手にして、おのれを尽くして人を咎めず、我が誠の足らざるを尋ぬべし。」
この言葉は、ビジネスパーソンが陥りがちな他者との比較や評価に囚われることなく、自身の内面、すなわち天(道理、天命、良心)に従って誠実に仕事に取り組むことの大切さを教えてくれます。40代以上になると、役職や立場も確立し、周囲からの評価も気になるところですが、この言葉は、外部の評価に惑わされず、自身の誠実さを追求することこそが重要であることを示しています。また、他者を咎めるのではなく、自身の至らなさを反省することで、更なる成長につながるという深い意味も含まれています。
2.「総じて人は己に勝つをもって成り、自ら愛するをもって敗るるぞ。」
これは自己管理の重要性を説いた言葉です。自分に甘くせず、克己心を持って努力することで人は成長し、成功を収めます。逆に、自分を甘やかし、楽な方に流されると失敗につながる、という意味です。40代以上のビジネスパーソンは、若い頃に比べると体力や気力も変化し、役職に伴い誘惑も増えるかもしれません。この言葉は、そのような状況においても、自己を律し、常に向上心を持って努力することの大切さを教えてくれます。
3.「功立ち名顕るるにしたがい、いつしか自らを愛する心起こり、恐懼戒慎の意、緩み、驕矜の気、しばらく長じ、その成し得たる事業をたのみ、いやしくも我が事をし遂げんとまずき仕事に陥り、終に敗るるものにて、みな自ら招くなり。」
成功を収め、名声を得るにつれて、いつの間にか自分を甘やかすようになり、謙虚さを忘れ、傲慢になってしまう。そして、過去の成功に頼り、安易な仕事に陥り、最終的には失敗を招く。これは全て自分の招いた結果である、という意味です。40代以上のビジネスパーソンは、過去の成功体験から抜け出せず、現状維持に甘んじてしまうことがあります。この言葉は、成功した後も謙虚さを保ち、常に自己を戒め、努力を続けることの大切さを教えてくれます。
4.「間違いを改めるとき、自ら間違っていたと気付けばそれでいい。そのことを捨てて、ただちに一歩を踏み出すべし。」
過ちを犯したとしても、それを素直に認め、反省すればそれで良い。過去を悔やむことなく、すぐに前へ進むべきだ、という意味です。ビジネスにおいて、完璧な人間はいません。誰でも過ちを犯す可能性があります。重要なのは、過ちを認め、そこから学び、前向きに進むことです。この言葉は、過去の失敗にとらわれず、未来に向かって進むことの大切さを教えてくれます。
5.「心慮りて白と思えば決然として行う。しばらくも猶予すべからず。心慮りて黒と思えば断然これを行わないことである。」
熟考して正しいと思えば、迷わずに行動すべきです。少しの猶予も許されません。逆に、間違っていると思えば、断固として行うべきではありません。という意味です。ビジネスにおいては、迅速な決断が求められる場面が多くあります。この言葉は、熟考した上で正しいと判断したならば、躊躇せずに実行に移すことの大切さを教えてくれます。また、間違っていると判断した場合は、潔く撤退する勇気も必要であることを示しています。
6.「道は天地自然の未知なる故、講学の道は敬天愛人を目的とし、身を修する克己をもって終始せよ。」
真理は天地自然の中にあり、人間の知恵では完全に理解することはできません。だからこそ、学問の道は天を敬い、人を愛することを目的とし、自己を律する克己心を持って学び続けるべきである、という意味です。ビジネスにおいても、常に学び続ける姿勢は重要です。この言葉は、知識やスキルだけでなく、人間性を高めること、そして社会貢献を意識することの大切さを教えてくれます。
7.「己を尽くして人を咎めず。我が誠の足らざるを常にたずぬるべし。我を愛する心を以って人を愛せ。自己を許すが如く人を許せ。人を責めるが如く自己を責めよ。」
自分の力を尽くして他人の責任を追及するのではなく、常に自分の至らなさを反省すべきである。自分を愛するように他人を愛し、自分を許すように他人を許し、他人を責めるように自分を責めるべきである、という意味です。この言葉は、人間関係の基本を教えてくれます。特に、リーダーシップにおいては、部下を責める前に、まず自分自身の責任を考えることが重要です。
8.「天の道をおこなう者は、天下こぞってそしっても屈しない。その名を天下こぞって褒めても驕(おご)らない。」
天の道、すなわち正しい道を歩む者は、世間の人々から非難されても信念を曲げず、逆に褒め称えられても驕り高ぶることはない、という意味です。ビジネスにおいても、周囲の評価に一喜一憂するのではなく、自分の信じる道を貫くことが重要です。
9.「徳に勤むる者は、これを求めずして、財自から生ず。」
徳を積むことに励む者は、財産を求めなくても、自然と財産が生まれてくる、という意味です。これは、目先の利益にとらわれず、正しい行いを続けることの大切さを教えてくれます。ビジネスにおいても、倫理観を持って事業に取り組むことが、長期的な成功につながるという教訓です。
10.「小人は己を利せんと欲し、君子は民を利せんと欲す。」
小人は自分の利益だけを考え、君子は人々の利益を考える、という意味です。リーダーシップにおいては、自分の利益だけでなく、組織全体、そして社会全体の利益を考えることが重要です。
3.まとめ
西郷隆盛の名言は、彼の高潔な人格と深い洞察力を反映しており、現代のビジネスパーソンにとっても多くの示唆を与えてくれます。特に、自己管理、謙虚さ、責任感、そして社会貢献といった要素は、40代以上のビジネスパーソンが自身のキャリアを振り返り、今後の生き方を考える上で重要な指針となるでしょう。彼の言葉を心に留め、日々の仕事や生活に活かしていくことで、より豊かな人生を送ることができるはずです。
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