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今回は「組織力を高める 最強の組織をどうつくるか 」についての記事となります。
■著者
古田 興司(ふるた こうじ)
株式会社三景代表取締役社長。
早稲田大学大学院理工学研究科修士課程修了。松下電器産業、松下通信工業を経て、モトローラ(日本法人)にて経営会議メンバー、デルで専務取締役、UCC上島珈琲株式会社では取締役副社長を歴任。その後、事業再編・再生ファンドであるフェニックス・キャピタルの進行役員として、投資先企業の再編・再生のための経営に従事。
平井 孝志(ひらい たかし)
株式会社ローランド・ベルガー 執行役員シニアパートナー。
慶應義塾大学経営管理研究科 特別招聘教授。東京大学教養学部基礎科学科第一卒業。東京大学大学院理学系研究科修士課程修了。マサチューセッツ工科大学(MIT)スローンスクールMBA。ベイン・アンド・カンパニー、デル、スターバックス、ネットベンチャーを経て、欧州系最大の戦略コンサルティング・ファームであるローランド・ベルガーに参画。消費財、ハイテク、自動車など幅広い業界において中期経営計画・ビジョン策定、営業・マーケティング戦略立案、組織改革、及びそれらの実施支援を行う。企業再生グループのコアメンバー。また、組織力強化のためのリーダーシップ研修も手掛ける。
■第1章 「組織力」とは何か
強い「組織力」を持てるか否か、このことがまさに企業の生死・ビジネスマンの人生をも左右してしまう時代となった。
そんな「組織力」は「遂行能力」と「戦略能力」のかけ算で定義される。そのどちらかが欠けても強い組織を作ることはできない。
そしてそのカギを握るのがマネージャーである。マネージャーは「哀しき中間管理職」ではない。マネージャーは自らの「恵まれた立場」を再認識し、奮起すべきなのだ。
■第2章 なぜ「組織力」が発揮されないのか
なぜ「組織力」を発揮できる企業と、思うように発揮できない企業があるのか、「組織力」をそいでしまう原因は何なのか?
実は「組織力」をそぐ根源的な要因は人の持つ特性や能力の限界に根ざしている。そして、それらは大きく「情報の減衰」「力の減衰」「フィードバックループの減衰」「顧客の声の減衰」の四つに分類できる。
■第3章 完遂する組織・期待を超える組織をつくる「遂行能力」
「遂行能力」の第一段階は多くのマネージャーが「完遂力」を発揮することによって達成される。そして、「遂行能力」の第二段階は、それにとどまらず組織の至るところで期待を超える動きが沸き起こってくる「期待を超える組織」を作り上げることにある。
そこは、「人こそすべて」の世界であり、人を育てる喜びと厳しさが混在する。マネージャーは「オーバーアチーブのためのリーダーシップ」を発揮し、個人と組織のWin・Winの関係を勝ち取らなければならない。
■第4章 組織の戦略能力とマネジメントの「戦略マインド」
組織の「戦略能力」の土台は、マネージャーの「戦略マインド」にある。「戦略マインド」は確固たる理屈のフィルターを通して、自社の事業の本質を見極め、向上させていく力である。
マネージャーは、自社成功のためのビジネスモデルを考え抜き、それを組織の中に埋め込んでいかなければならない。そして、常に顧客起点の思考を持ち「戦略マインド」を高め、正しい意志決定を行うことが強く求められている。
■第5章 最強の「組織力」をどうつくるのか
最強の「組織力」を確固たるものにするためには、「組織とは何か」についてもしっかり理解しておく必要がある。組織はまさに「生物」のようなものである。誕生し、成長し、放っておけば、やがて衰退していくという、組織としてのライフサイクルを持っている。
優れたマネージャーは「戦略マインド」と「オーバーアチーブのためのリーダーシップ」の二つの武器に、自社が組織のライフサイクルを乗り越えていくことを可能とし、自らは「忘れられる存在」になっていくものである。
■第6章 真のリーダーを目指して
100%正しい情報にもとづく、100%正しい意志決定などありえない。それでも、日々意思決定を行わなければならないのがリーダーだ。
しかし、その意思決定に万人が納得することはない。それ故リーダーは孤独なものである。そのようなリーダーに強さを与えるのは、自分は自分という信念と使命感、人生に対する真摯な態度である。
■感想
本書は、マネージャーの視点から「組織力」を考える構成になっている。マネージャーは企業にとって、係長、課長、部長、グループリーダーなど、様々な呼ばれ方をするが、「チームメンバーを率いるリーダー」がマネージャーと定義している。
企業の強さ・弱さはマネージャーのレベルで決まる。
どうすれば自分の会社をより強い組織に変えていけるのか、どうすればよりよいリーダーになれるのか、といった悩みを持つマネージャーや、これからマネージャーになろうとしているビジネスパーソンに、ヒントを提供する一冊。
最後まで読んでいただきて、ありがとうございました。
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日々の仕事やライフスタイルのヒントになればうれしいです。