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今回は『「今、ここ」に意識を集中する練習』についてレビューと要約の記事となります。
心を穏やかに、人生を豊かに。「今、ここ」に意識を集中する練習で始めるマインドフルネス入門🧘♀️
1. 本書の概要
『「今、ここ」に意識を集中する練習』は、私たちが日々の忙しさの中で忘れがちな「今この瞬間」に意識を向け、心の平穏を取り戻すための実践的な53のエクササイズを紹介した一冊です。著者のジャン・チョーズン・ベイズ氏は、長年にわたりマインドフルネスの実践と指導に携わってきた専門家であり、本書では、仏教の禅の考え方を基礎としながらも、宗教的な要素を排除し、現代人が日常生活に取り入れやすい形で「マインドフルネス」を解説しています。
「マインドフルネス」とは、「今、ここで起きていることに意識を完全に向け、評価することなく受け入れること」。本書では、この概念を、座禅のような特別な瞑想だけでなく、食事、呼吸、歩行、さらには日常的な動作といった、私たちの生活のあらゆる瞬間に応用できる具体的な訓練として提示しています。
グーグル、インテル、ナイキ、マッキンゼー、ゴールドマン・サックスといった世界をリードする企業が社員研修に導入したり、プロテニス選手のジョコビッチ氏のようなトップアスリートがパフォーマンス向上に取り入れたりするなど、「心のエクササイズ」として世界的に注目を集めているマインドフルネス。本書は、その扉を、忙しい現代人にも優しく開いてくれる入門書と言えるでしょう。
過去の後悔や未来への不安に囚われがちな私たちの心を、「今、ここ」に引き戻し、余計な考えから解放することで、日々の生活の中に新たな「気づき」と感謝の気持ちを育み、人生をより豊かにしてくれる。本書は、そのための効果的な実践的な手引きとなるはずです。
2. 本書の要約
『「今、ここ」に意識を集中する練習』は、「今、ここ」に意識を集中するための53の実践的なエクササイズを、仏教の禅の考え方をベースに、現代人が日常生活に取り入れやすい形で紹介しています。各エクササイズは、短い指示と、実践する上でのコツ、そしてその訓練から得られる「気づき」や、より深い人生の教訓、実践を続けるための動機付けとなる言葉で構成されています。
『「今、ここ」に意識を集中する練習』で紹介されているエクササイズの例をいくつか挙げると:
- 練習1 利き手でないほうの手を使う: 普段何気なく行っている動作を、意識的に反対の手で行うことで、自動的な行動に新鮮な注意を向け、初心に戻る感覚を呼び覚まします。
- 練習10 電話が鳴ったら深呼吸する: 電話に出る前に、短い深呼吸を挟むことで、行動を一時停止させ、体と心の緊張を和らげ、穏やかな状態でコミュニケーションを取ることを促します。
- 練習21 青いものに目をとめる: 一日に数回、意識的に周りの青いものを探す訓練を通して、普段見過ごしている周囲の世界の美しさに気づき、知覚を新鮮に保ちます。
- 練習40 「老い」の表われに目を向ける: 老いを「比較」によって感じる認識を促し、「今、ここ」を生きることで年齢への意識から解放され、現在の瞬間を大切にする視点を養います。
- 練習47 食べるものに思いをはせる: 食材が私たちの口に入るまでの過程や、多くの命のエネルギーを私たちが吸収することに認識を向け、感謝の気持ちを育み、食事をより意識的な行為にします。
『「今、ここ」に意識を集中する練習』は、これらのエクササイズを通して、日常的な生活の中にマインドフルネスを取り入れるための具体的な方法を提示します。特別な時間や場所を必要とせず、通勤中、食事中、仕事の合間など、どんな瞬間でも実践できる訓練ばかりです。
各エクササイズには、「どんな練習?」、「取り組むコツ」、「この練習による気づき」、「深い教訓」、「自分を変える言葉」という五段階の構成が採用されており、読者は段階的に理解を深め、実践に移しやすくなっています。
- 「どんな練習?」: エクササイズの具体的な内容と方法を簡潔に説明します。 「取り組むコツ」: 練習を日常的な習慣にするための具体的なアドバイスや工夫を提示します。
- 「この練習による気づき」: 実際にエクササイズを実践した人々からのフィードバックや、そこから得られた考察、困難などが紹介され、読者自身の体験と照らし合わせながら理解を深めることができます。
- 「深い教訓」: 各エクササイズのテーマをさらに深く掘り下げ、幅広い人生の教訓や哲学的な洞察を提供します。
- 「自分を変える言葉」: 練習を継続するための動機付けとなるメッセージや、読者の背中を押すような力強い言葉が添えられています。。
『「今、ここ」に意識を集中する練習』は、週に一つのエクササイズを実践していくことで、一年かけてマインドフルネスの習慣を身につけることを提案しています。多くのエクササイズがあるように見えますが、一つ一つの訓練は短く、日常生活のちょっとした隙間時間に取り組むことができます。
また、本書は、技術的な知識や難しい指示を必要としません。日常生活の中で「無意識」に行っていることを、今一度「意識」することで、「気づき」の引き出しを増やし、結果として「柔軟な思考」や根本的な「人間力」を養うことを目指しています。
3. ココだけは押さえたい一文
人生の可能性を引き出すためには、あらゆる状況で「初心」に戻ること
『「今、ここ」に意識を集中する練習』
体と心は別々のものではない。深く結びついて互いに依存している。心や気分が落ち込んでいる時は、まず体の姿勢をまっすぐにしてみる
『「今、ここ」に意識を集中する練習』
どんなに落ち込んでいるときでも、たった1つでいいから、感謝できることを探してみよう
『「今、ここ」に意識を集中する練習』
ネガティブなニュースばかり取り込めば、ココロは病んでしまう。心には、「静寂」「美」「温かい友情」などの良薬を与えよう
『「今、ここ」に意識を集中する練習』
忘れないでほしい。
『「今、ここ」に意識を集中する練習』
生と死ほど重要なものはない。
時は飛ぶように過ぎ、機会は失われる。
今日が過ぎれば、人生はまた1日少なくなる。
誰もが目覚める努力をしなくてはいけない。
目覚めよ!
心にとめよ!
人生を浪費してはいけない!
呼吸するように話を聞く
『「今、ここ」に意識を集中する練習』
先延ばししないというのは、責任を引き受けることです
『「今、ここ」に意識を集中する練習』
「怒り」は、何かあるいは誰かを取り除くさえすれば、自分はもっと幸せになれるに違いない、という誤った思い込みです
『「今、ここ」に意識を集中する練習』
そんなに慌ててこれを終わらせて、いったい何がしたいの?
『「今、ここ」に意識を集中する練習』
いらだちは、私たちの人生を盗み取っていく。いらだちを感じたら、深呼吸をし、耳を澄まし、知覚に集中して、「今このとき」に意識を戻そう
『「今、ここ」に意識を集中する練習』
いつも心から微笑んでいる人は、微笑む習慣がない人に比べて、平均で7年長生きするそうです
『「今、ここ」に意識を集中する練習』
微笑むと、あるいは微笑んでいるように口角をあげてみるだけでも、気持ちは上向きます
『「今、ここ」に意識を集中する練習』
この世の中を、自分が生きたことによって、寄り寄り場所にすることはそんなに難しいことではない。「親切である」という練習をすればいい
『「今、ここ」に意識を集中する練習』
4. 感想とレビュー
『「今、ここ」に意識を集中する練習』を読み進めるうちに、日常的な生活の中に、これまで気づかなかった多くの美しさと深みが隠されていることに、改めて認識を深めました。まるで、長年曇っていた窓を拭き掃除した後のように、周囲の世界がより鮮明に、そして多様に感じられるようになったのです。
著者のジャン・チョーズン・ベイズ氏の、穏やかで友好的な語り口は、マインドフルネスという、ともすると難解に捉えられがちな概念を、非常に分かりやすく親しみやすいものにしてくれています。仏教の教えを基礎としながらも、宗教的な偏りがなく、純粋に「心の訓練」として提示されているため、特定の信仰を持たない人でも抵抗なく受け入れられるでしょう。
『「今、ここ」に意識を集中する練習』の最大の特徴は、その実践的なアプローチです。53ものエクササイズは、どれも日常生活の中で短い時間で実践できるものばかりで、「忙しくて時間がない」と感じている現代人にとって、これは大きな魅力です。電話が鳴った時の深呼吸、食事中の「ながら食べ」をやめる、青いものを探す訓練など、些細な行動に意識を向けるだけで、驚くほど多くの「気づき」が得られることに驚きました。
特に印象的だったのは、各エクササイズに添えられている「この練習による気づき」と「深い教訓」です。実践を通して人々が実際に感じたことや考えたことが具体的に紹介されているため、読者は自身の体験と照らし合わせながら、より深い理解を得ることができます。また、「深い教訓」は、単なる訓練の説明に留まらず、人生そのものに対する示唆に富んでおり、哲学的な深みを感じさせられます。
「自分を変える言葉」も、実践を継続するための動機付けを与えてくれます。短いながらも力強いメッセージは、日常的な生活の中で困難に直面した時や、実践を妨害しそうになった時に、読者の背中をそっと押してくれるでしょう。
本書は、「頭を柔らかく、心を強くする」という隠されたテーマを持っているように感じました。技術的な知識や特別なスキルを必要とせず、日常的な「無意識」の行動に「意識」を向けるだけで、根本的な「人間力」が鍛えられ、結果として「柔軟な思考」が生まれるという概念は、非常に共感を覚えました。
また、『「今、ここ」に意識を集中する練習』は、多くのエクササイズがあるように見えますが、週に一つずつ実践していくというペースが提示されているため、「たくさんあって大変そう」と感じることもありません。一つ一つの訓練は短く、説明も簡潔なので、忙しい日常的な生活の中でも無理なく続けることができるでしょう。
『「今、ここ」に意識を集中する練習』は、ストレスの多い現代社会を生きる私たちにとって、心の平穏を取り戻し、人生をより豊かにするための、かけがえのない手引きとなるはずです。小さな一歩から小さな「気づき」を積み重ねていくことで、私たちの心は徐々に穏やかさを取り戻し、周囲の世界の美しさと、日常的な生活の深みを、より深く認識できるようになるでしょう。
5. まとめ
『「今、ここ」に意識を集中する練習』は、専門的なマインドフルネス指導者であるジャン・チョーズン・ベイズ氏が、仏教の禅の考え方を基礎としつつ、宗教的な要素を排除し、現代人が日常生活に取り入れやすい形で「マインドフルネス」を実践するための53のエクササイズを紹介した実践的な手引きです。
『「今、ここ」に意識を集中する練習』では、「今、ここ」に意識を向け、評価することなく受け入れるというマインドフルネスの概念を、座禅のような特別な瞑想だけでなく、食事、呼吸、歩行、日常的な動作といった、私たちの生活のあらゆる瞬間に応用できる具体的な訓練として提示しています。
各エクササイズは、「どんな練習?」、「取り組むコツ」、「この練習による気づき」、「深い教訓」、「自分を変える言葉」という五段階の構成で、読者は段階的に理解を深め、日常的な生活の中で無理なく実践することができます。
本書を読むことで、読者は過去の後悔や未来への不安から解放され、「今、この瞬間」に意識を集中することの重要さを認識し、日常的な生活の中に隠されている多くの美しさと深みに気づくことができるでしょう。
ストレスの多い現代社会において、心の平穏を取り戻し、人生をより豊かにするための、実践的で友好的な入門書として、『「今、ここ」に意識を集中する練習』は、小さな一歩を踏み出すための、力強い第一歩となるはずです。
最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました。
背伸びしない等身大の経験とアイディアのコラムも書いています。
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