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このブログでは、ビジネスの現場で役立つ知識や、キャリアの悩み、そして組織を率いるマネジメントのヒントといったテーマに関心がある方に向けて情報を発信しています。
会社員としてキャリアを積み重ね、「昇進して部下を持つことになった!」という経験は、誰にとっても大きな喜びであり、同時に大きな責任を伴うものですよね。プレイヤーとして成果を出すことと、マネージャーとしてチームを率いることは、全く別のスキルが求められます。
実際、「優秀なプレイヤーだったのに、マネージャーになったらうまくいかない…」「部下とのコミュニケーションに悩んでいる…」「どうやったら部下が育つのか分からない…」といった悩みを抱える人は、本当にたくさんいらっしゃいます。私もマネージャーになりたての頃は、まさに手探り状態でした。
今回ご紹介する一冊は、そんな、これから部下を持つ人、あるいは部下を持ったばかりの人、そしてマネジメントに悩むすべてのマネージャーに、ぜひ「いちばん最初に」読んでほしいと心から思える本です。
それが、『部下をもったらいちばん最初に読む本』 橋本 拓也 (著) です!
著者の橋本拓也氏は、2万人以上の研修実績を持つトップコンサルタントであり、心理学をベースにした新しいマネジメント手法である「リードマネジメント」の専門家です。本書は、彼の長年の経験と理論に基づき、「マネジメントは特別な才能ではなく、誰でも学んで身につけられる技術である」というメッセージとともに、部下との関係構築、育成、そしてチーム全体のパフォーマンスを最大化するための具体的なノウハウを体系的に解説してくれます。
この記事では、私自身も現役のマネージャーとして「まさにこれだ!」と感じた『部下をもったらいちばん最初に読む本』のポイントを、以下の構成で、コンパクトにまとめてお伝えします。
なぜ優秀なプレイヤーがマネージャーになると悩むのか? 「部下とうまくいかない」本当の原因とは? そして、どうすれば部下を動かし、共に成長できるのか? マネジメントのヒントを探しているあなたに、役立つ情報をお届けします。ぜひ、最後までお付き合いください!
『部下をもったらいちばん最初に読む本』元優秀プレイヤーがマネージャーで悩む本当の原因と解決策【要約/レビュー】
1. 著者の紹介
まず、本書『部下をもったらいちばん最初に読む本』 の著者、橋本 拓也(はしもと たくや)氏をご紹介します。
橋本拓也氏は、マネジメントコンサルタントであり、特に研修講師として非常に豊富な実績をお持ちの方です。2万人を超えるビジネスパーソンに対し、マネジメントやリーダーシップに関する研修を行ってこられました。これは、様々な立場や業種のビジネスパーソンがどのようなマネジメントの悩みを抱えているのか、そしてどのような学びを求めているのかを深く理解されていることの証です。
彼の提唱する「リードマネジメント」という手法は、心理学、特に「選択理論心理学」という理論をベースにしています。「すべての行動は本人の選択である」という考えに基づき、部下を「管理・コントロールする」のではなく、「部下自身がより良い行動を自ら選択するように導く」というアプローチを重視しています。
本書は、橋本氏が長年のコンサルタント・研修講師としての経験を通じて磨き上げてきた、この「リードマネジメント」のエッセンスを凝縮したものです。単なる精神論や抽象的な理想論ではなく、現場で明日からすぐに使える、具体的で再現性のある「マネジメントの技術」として解説されています。
「マネジメントは特別な才能ではなく、誰でも身につけられる技術」であるという彼のメッセージは、マネジメントという役割に不安を感じる人に対し、大きな勇気と希望を与えてくれます。多くのビジネスパーソンを指導し、その成長を支援してきた橋本氏だからこそ書ける、実践的かつ人間的な温かさも感じられる一冊です。
2. 本書の概要
次に、本書『部下をもったらいちばん最初に読む本』 が全体としてどのような内容を扱っているのか、その概要を説明します。
本書の中心的なテーマは、「マネジメントは、誰でも学んで習得できる『技術』である」という明確なメッセージのもと、特にプレイヤーからマネージャーになったばかりの人が陥りやすいワナを明らかにし、部下との健全な関係を築き、チームのパフォーマンスを最大化するための「リードマネジメント」という具体的な手法を解説することです。
多くの組織では、仕事で優れた成果を出す「優秀なプレイヤー」が、マネージャーとして昇進します。しかし、プレイヤーとしてのスキルとマネージャーとしてのスキルは異なり、その変化に戸惑い、部下との関係がうまくいかなかったり、チームが機能しなかったりといった課題に直面することが少なくありません。本書は、まさにこの、「マネージャーになったら最初に直面する壁」に焦点を当てています。
本書は、マネージャーが部下とうまくいかない本当の原因として、「我流で教えてしまう」「自分を基準に考えてしまう」「部下に任せられない」といった、多くのマネージャーが経験するであろう、あるいは無意識のうちに行ってしまうであろう具体的な行動や思考パターンを指摘します。そして、これらの原因が、部下の成長を阻害し、チームの信頼関係を損ね、結果としてチーム全体のパフォーマンスを低下させてしまうことを明らかにします。
本書が解決策として提示するのが、「リードマネジメント」です。これは、「選択理論心理学」に基づき、部下を「コントロールする」のではなく、部下自身の「自ら行動を選びたい」という内発的な欲求に働きかけ、部下自身がより良い行動を選択するように「導く」ことに重点を置いたマネジメント手法です。
本書では、この「リードマネジメント」を実践するために必要な、以下の主要な「技術」が体系的に解説されます。
- マネージャーが最優先で身につけるべき「リーダーシップの技術」(部下に未来を示す力)
- 部下の「上質世界」(願望や理想の状態)を知り、仕事や会社をそこに繋げる方法
- 部下との「信頼関係」を築くための「尊敬」と「信頼」の勝ち取り方、そして「7つの習慣」
- 部下の成長を促し、自身の時間を確保するための「委任する技術」(任せるときの意図の伝え方など)
- マネジメントを属人的なものにせず、「仕組み化」することで再現性を高める方法
本書は、マネージャーという役割に求められる「人を通じた成果の出し方」「部下の育成」「チームビルディング」といった、マネジメントの基本でありながら最も難しい部分について、心理学に基づいた深い理解と、明日から実践できる具体的なノウハウを提供してくれる、まさに「新しいマネジメントの教科書」と言えるでしょう。
3. 本書の要約
それでは、本書『部下をもったらいちばん最初に読む本』 の核となる内容を、その要約としてさらに詳しく見ていきましょう。
本書がまず指摘するのは、プレイヤーとして優秀だった人が、マネージャーになるとうまくいかなくなるという、多くの組織で見られる現実です。その本当の原因は、主に以下の3点にあると解説します。
- 我流で教えてしまう: 自分が成功したやり方を部下全員に当てはめようとし、個々の特性や能力を無視する。
- 自分を基準に考えてしまう: 自分ができたことは部下もできて当然と考え、部下の成果を正当に評価せず、部下の失敗を責める。
- 部下に任せられない: 部下に任せるより自分でやった方が早いと思い込み、適切な委任ができない、あるいはマイクロマネジメントをしてしまう。 これらの行動は、部下の意欲や成長を阻害し、信頼関係を損ね、チームのパフォーマンスを低下させます。
本書が解決策として提示するのは、「リードマネジメント」という手法です。これは、「選択理論心理学」に基づいています。この理論では、人間の行動は外部からの強制ではなく、自身の内的な欲求を満たすための「自らの選択」であると考えます。したがって、マネージャーの役割は、部下を無理やり動かすことではなく、部下が目標達成に繋がる行動を「自ら選択したくなるように導く」ことであると定義します。
リードマネジメントでは、まずマネージャーが「リーダーシップ」を最優先で身につけるべきだと説きます。リーダーシップはチームの「行く先(意味のある未来)」を示す力であり、マネジメントはそのためのプロセスを管理する力です。部下は、自分にとって意味のある未来が見えた時に、内発的に動機づけられるからです。
部下を導くためには、まず部下一人ひとりの「上質世界」(願望や理想の状態、5つの基本的欲求を満たすイメージ)を知ることが不可欠です。部下が何を大切にし、何に喜びを感じるのかを理解した上で、仕事や会社の目標が、その部下の上質世界に繋がるように働きかけます。
部下の上質世界に入り、導くためには、信頼関係が欠かせません。信頼関係を築くためには、尊敬と信頼を勝ち取る必要があります。尊敬は、部下が目標とする分野でマネージャー自身が卓越性を示すことで得られます。信頼は、時間をかけて築かれるものであり、「傾聴する」「支援する」「励ます」「尊敬する」「信頼する」「受容する」「違いを交渉する(Iメッセージで)」という7つの習慣を実践することで深まります。
信頼を得るための7つの身につけたい習慣
- 傾聴する:相手の話を途中で遮らずに最後まで聞く
- 支援する:相手の目的・目標を達成するために必要なアドバイスや情報提供を行う
- 励ます:現状、うまくいっていない・壁にぶつかっている人や、失敗してしまった人に対して、未来へつながるプラスの力づけをする
- 尊敬する:相手を「自分よりも有能である」と考えて、具体的に自分より優れているところを言葉にして伝える
- 信頼する:相手に対して「この領域で力を発揮してくれる存在である」と、信じて任せる
- 受容する:自分と意見が異なる場合「いや、違う」と真っ向から否定しない
- 違いを交渉する:1~6までを実施したあとに「私はこう思う」など主語が「私」のメッセージで伝える。
部下の成長とマネージャー自身の時間確保のために重要なのが、「部下に任せる技術(委任)」です。単に仕事を渡すのではなく、「何のために、なぜあなたにこの仕事を任せるのか」という「意図」を明確に伝えることが重要です。任せる仕事が部下にとって「意味づけ・意義づけ」され、その仕事を通じて「実現できる未来」(部下の成長やチームへの貢献など)が見えるように伝えることで、部下は納得感を持って主体的に取り組めます。「あなたに委任する理由」を伝えることで、部下の自己肯定感も高まります。
本書の要約をまとめると、『部下をもったらいちばん最初に読む本』 は、優秀なプレイヤーが陥りがちなマネジメントの落とし穴を具体的に指摘し、心理学に基づいた「リードマネジメント」という手法を通じて、部下との信頼関係を築き、部下の内発的な動機づけを促し、適切な委任を行うことで、部下自身が主体的に成長し、チーム全体のパフォーマンスを最大化するための、体系的かつ実践的なマネジメントの技術を解説してくれる一冊です。マネジメントは特別な才能ではなく、学び、実践することで誰でも習得できる技術であるという力強いメッセージが貫かれています。
4. ココだけは押さえたい一文
本書『部下をもったらいちばん最初に読む本』 の中で、私がマネージャーという役割の本質を捉え直し、「自分にもできる!」と希望を与えてくれた、最も重要だと感じた一文があります。それは、マネジメントに対する多くの人が抱きがちな誤解を解き、本書の根幹をなすメッセージである、この言葉です。
「マネジメントは特別な才能ではなく、誰でも身につけられる技術である」
『部下をもったらいちばん最初に読む本』
マネージャーになる前、あるいはなったばかりの頃、「自分に務まるだろうか」「カリスマ性がないからリーダーに向いていないかもしれない」などと不安を感じる人は多いのではないでしょうか。まるでマネジメントが、ごく一部の限られた人にしかできない、生まれ持った「特別な才能」であるかのように感じてしまうことがあります。
しかし、この一文は、その誤解を明確に否定します。マネジメントは、自転車に乗る技術や、語学を学ぶ技術と同じように、その原理や方法を学び、繰り返し実践することで、誰でも習得できるものなのだと力強く宣言しているのです。センスやカリスマ性といった属人的なものに頼るのではなく、再現性のある「技術」として捉えることで、マネジメントは「一部の人のもの」から「誰もが目指せるもの」へと変わります。
本書が提供するのは、まさにこの「技術」としてのマネジメント、すなわち「リードマネジメント」の具体的なノウハウです。部下との信頼関係の築き方、部下の本音の引き出し方、効果的な任せ方など、一つひとつの行動が「技術」として解説されているため、非常に分かりやすく、実践に移しやすくなっています。
この一文は、マネジメントの役割を担うすべての人に対し、「あなたは特別な才能を持っていなくても大丈夫。正しい技術を学んで、実践すれば良いのだ」という、安心と同時に「学ぶこと、実践すること」への責任を促すメッセージとなっています。
本書を読む際には、ぜひこの言葉を心に刻み、「自分は今、マネジメントという技術を、どのように学び、実践すべきか?」という視点で読み進めてみてください。
メンバーが成果を出せなかったり態度が良くないのは、すべてマネージャーのマネジメントの質の結果
『部下をもったらいちばん最初に読む本』
最初に必要なのが信頼関係であり、メンバーから「あなたが言うなら」と思われる存在にならなければいけない。
『部下をもったらいちばん最初に読む本』
ある研究では、世の中の95%の人は願望があいまいだといいます。
『部下をもったらいちばん最初に読む本』
ですから、そもそも目的が明確ではない人の方が多いということを心づもりにして関りを持つようにしましょう。
良い文化に醸成して組織の水質を良いものにし、最終的にはそこに「人が育つ文化」が生まれる
『部下をもったらいちばん最初に読む本』
「感謝・応援・チャレンジ」など肯定的な発言や態度が多い人が育つ文化を作る
『部下をもったらいちばん最初に読む本』
人は変えられない、でも人は変われる
『部下をもったらいちばん最初に読む本』
5. 感想とレビュー
本書『部下をもったらいちばん最初に読む本』 は、私自身がマネージャーとして経験してきた悩みや壁に対し、「そうそう、これなんだよ!」と共感するとともに、それらを乗り越えるための非常に具体的で腑に落ちる答えを与えてくれた、まさに「管理職のバイブル」とも言える一冊でした。
私自身、プレイヤーとして成果を出し、マネージャーに昇進した際、プレイヤー時代の成功体験に引きずられて、部下にも自分と同じやり方を求めてしまったり、「自分でやった方が早い」と抱え込んでしまったりした経験があります。本書で挙げられている「我流で教えてしまう」「自分を基準に考えてしまう」「任せられない」という「部下とうまくいかない原因」は、多くのマネージャー、そしてかつての私自身が陥りがちなワナだと強く感じました。本書は、これらの原因を心理学的な側面からも分かりやすく解説しており、なぜそうなるのか、どうすれば防げるのかが明確に理解できます。
本書の最も素晴らしい点は、「マネジメントは技術であり、学べば誰でも習得できる」というメッセージを、単なるスローガンではなく、「リードマネジメント」という具体的なフレームワークと、豊富なノウハウで示していることです。特に、「選択理論心理学」に基づいた「部下の行動は自らの選択である」という考え方や、部下の「上質世界」を知り、そこにアプローチするという手法は、部下を「管理」するのではなく「導く」という、人間的で効果的なアプローチであり、非常に納得感があります。
信頼関係を築くための「7つの習慣」(傾聴、支援、励ますなど)は、分かってはいるものの、日々の忙しさの中で意識しきれていないこともある基本的なことばかりですが、本書はそれらを「信頼を勝ち取るための技術」として明確に位置づけ、実践の重要性を再認識させてくれます。
そして、多くのマネージャーが悩む「部下に任せる技術」についても、単に仕事を振るのではなく、「何のために、なぜこの人に任せるのか」という意図を伝えることの重要性や、部下にとっての意味づけ、実現できる未来を示すといった具体的なポイントが解説されており、非常に実践的です。これからの部下育成において、この「意図の伝達」を徹底しようと強く思いました。
リーダーシップとマネジメントの違い、そしてリーダーシップが最優先であるという指摘も、管理職としてチームが進むべき方向を示し続けることの重要性を再認識させてくれました。部下が「この船なら乗ってみたい」と思えるような未来を示す力が、マネージャーには不可欠なのですね。
総じて、『部下をもったらいちばん最初に読む本』 は、マネージャーという役割の本質、そして部下との関係構築、育成、チームパフォーマンス向上のために必要な「技術」が、心理学に基づいた確かな理論と、豊富な研修経験に裏打ちされた具体的ノウハウをもって、非常に分かりやすく解説されています。まさに、タイトル通り、部下を持ったら必ず最初に読むべき、そして、マネジメントに悩み始めたらいつでも立ち返るべき、実践的な「マネジメントの教科書」だと感じました。
6. まとめ
今回は、橋本 拓也氏の著書『部下をもったらいちばん最初に読む本』について、著者の紹介、本書の概要、要約、ココだけは押さえたい一文、そして感想・レビューをお伝えしました。
本書の核となるメッセージは、マネジメントは特別な才能ではなく、誰でも学んで身につけられる「技術」であるという点です。特に、優秀なプレイヤーがマネージャーになって陥りやすい「我流指導」「自分基準」「任せられない」といったワナを明確に指摘し、その解決策として「リードマネジメント」という手法を提示します。
本書では、「リードマネジメント」を実践するための具体的な技術として、部下の「上質世界」の理解、信頼関係を築くための「7つの習慣」、そして「意図を伝える」ことに重点を置いた「部下に任せる技術」などが、選択理論心理学に基づき、分かりやすく解説されています。
私の個人的なレビューとしても、本書は、多くのマネージャーが経験するであろう部下との関係性の悩みや、育成・委任の難しさといった課題に対し、心理学に基づいた納得感のある原因分析と、明日からすぐに実践できる具体的なノウハウを提供してくれた点が非常に有益でした。「マネジメントは技術」というメッセージは、学ぶことへのモチベーションを高めてくれます。
もしあなたが、
- これから初めて部下を持つことになった
- 部下を持ったけれど、どう接すれば良いか分からない
- 部下とのコミュニケーションや関係性に悩んでいる
- どうすれば部下が主体的に動き、成長するのか知りたい
- 部下に仕事を任せるのが苦手だ
- マネジメントスキルを体系的に学びたい
と考えているなら、ぜひ本書『部下をもったらいちばん最初に読む本』を手に取ってみてください。
本書は、あなたがマネージャーとして直面する壁を乗り越え、部下との信頼関係を築き、部下を育成し、チームとして大きな成果を出すための、最も基本的で、最も重要な「マネジメントの技術」を教えてくれる、まさに「最初の一歩」となる必読書となるでしょう。
この本が、皆さんのマネージャーとしての成長、そしてチームの成功の一助となれば嬉しいです。
最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました。
背伸びしない等身大の経験とアイディアのコラムも書いています。
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