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今回は「なぜ「若手を育てる」のは今、こんなに難しいのか 」についての記事となります。
- ■著者
- ■まとめ
- ■第1章 「Z世代」は存在しない―二極化する価値観と、若者論のウソ
- ■第2章 「ゆるい職場」と若手の不安―若者を取り巻く変化を理解できているか
- ■第3章 若手は会社をこう見ている―職場では聞けないZ世代の本音
- ■第4章 心理的安全性だけでは活躍できない―「キャリア安全性」という観点
- ■第5章 若手を育成できる管理職、できない管理職―育成に成功しているマネジャーを科学する
- ■第6章 「ゆるい職場」時代の育て方改革 5つのヒント―質的負荷をいかに高めるか
- ■第7章 「優秀な人材ほど辞める」を食い止めるには―「二層化した若手」を適切に育てる方法
- ■第8章 若手がひらく、会社と社員の新しい関係―「ゆるい職場」時代の組織論
- ■感想
■著者
古屋星斗
リクルートワークス研究所 主任研究員。
2011年一橋大学大学院社会学研究科修了。同年、経済産業省に入省。産業人材政策、投資ファンド創設、福島の復興・避難者の生活支援、政府成長戦略策定に携わる。17年より現職。労働供給制約をテーマとする2040年の未来予測や、次世代社会のキャリア形成を研究する。一般社団法人スクール・トゥ・ワーク代表理事。法政大学キャリアデザイン学部兼任教員。著書に『ゆるい職場――若者の不安の知られざる理由』(中央公論新社)。
■まとめ
若者の定着や育成が難しくなった原因は、2つの理由に集約される。
ひとつは「若手の仕事・キャリアに関する考え方の多極化」。もうひとつは「職場環境の劇的な変化」である。
働き方改革を経て日本の職場は急激に変化しつつある。結果、労働時間が短くなり、ハラスメントが無意味で害があることと認知されたり、労働環境が良くなっていったのは間違いない。
しかしその変化によって、職業人生の始まりの時期に大切な”質的負荷”が失われつつある。
進行中の働き方改革と同時に「育て方改革」が必要。
今までの育て方とは異なる発想で、若手育成を行う必要がある。
■第1章 「Z世代」は存在しない―二極化する価値観と、若者論のウソ
・思い込み
Z世代は、これまでの世代にない独自の世界観を持っている。
まずは、それを把握しなければ。
・データが教えてくれること
Z世代の価値観は「二極化」が著しい。
「最近の若者はこうだから、こう育成しよう」というアプローチは、もはや効果が乏しい。
■第2章 「ゆるい職場」と若手の不安―若者を取り巻く変化を理解できているか
・思い込み
残業を減らして、有休をとってもらって、労働環境を改善すれば、若手社員は定着してくれる、はず。
・データが教えてくれること
「職場がゆるくて辞めたい」という若手が少なからず存在している。
■第3章 若手は会社をこう見ている―職場では聞けないZ世代の本音
・思い込み
今の管理職世代と若者世代では、過ごしてきた環境の違いから、なかなか分かり合えない。
・データが教えてくれること
上司ー部下間に、新たな接点の可能性が浮上してきている。
■第4章 心理的安全性だけでは活躍できない―「キャリア安全性」という観点
・思い込み
「心理的安全性」を高めれば、若手の離職は止められる。
・データが教えてくれること
若手の就労意欲を継続させるためには、心理的安全性(ありのままを受容する)だけでは不十分。キャリア安全性(何者かになることを促す)が必要になる。
■第5章 若手を育成できる管理職、できない管理職―育成に成功しているマネジャーを科学する
・思い込み
自分の過去の「仕事の武勇伝」を話してしまわないように・・・
気をつけなくては。
・データが教えてくれること
話す内容は何でもよく、コミュニケーションの頻度が高い上司の方が、育成成功の実感を持っている。
■第6章 「ゆるい職場」時代の育て方改革 5つのヒント―質的負荷をいかに高めるか
・思い込み
そうはいっても、「石の上にも3年」は今でも成功法則の一つだろう。
・データが教えてくれること
今の労働環境では、若手が3年我慢して職場の仕事をこなしても、成長に十分な経験は得られない。育て方を大きく転換する必要がある。
■第7章 「優秀な人材ほど辞める」を食い止めるには―「二層化した若手」を適切に育てる方法
・思い込み
あの若手は、会社を気に入っているようだし、今の業務で活躍しているから、そう簡単に辞めないだろう。
・データが教えてくれること
自社を高く評価し、いきいきと業務に向かっている若手が、必ずしも定着しているわけではない。
■第8章 若手がひらく、会社と社員の新しい関係―「ゆるい職場」時代の組織論
・思い込み
若手を育ててもやめてしまうのであれば、育成は結局、ムダでしかない。
・データが教えてくれること
むしろ、辞めてしまった人材を、「関係人員」として自社に活かせるような組織の在り方を考えなければ、もはや「人で勝つ」会社にはなれない。
■感想
若者の働き方に関する意識など、データに基づいた分析がされている。
『若者は、「どちらともいえない」という中間回答が減少し、「二極化」が進んでいる。そのため、Z世代はこうだからこうしよう、という平均的なアプローチは効果が乏しくなっている。』という指摘もあり、若者ひとくくりではなく、一人ひとりに向き合い、理解することの重要性を学ぶことができた。
働き方改革により、労働環境はよくなってきている。同時に、20代に経験できる業務負荷が軽減している。それは、プライベートの充実にもつながることだが、単純に、過去3年で経験できたことが、5年かかるようになっていることでもある。仕事ができる社員ほど、軽負荷の仕事から自身のキャリアへの不安を感じ転職をする。若手育成問題の本質は「質的負荷の高い仕事を、いかに量的負荷や関係負荷なく与えるか」。若手メンバーを指導するリーダーや、若手育成に悩む組織のマネージャーにおすすめの一冊。
最後まで読んでいただきて、ありがとうございました。
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