「お金持ちになるには、特別な才能や運が必要…」
そう思っていませんか?
もしそうなら、その考え方が変わるかもしれません。
今回ご紹介するのは、ゴールドマン・サックスで17年間、日本の投資部門のトップを務めた田中渓(たなか けい)さんの著書『億までの人 億からの人』です。
世界中の富裕層300人以上と交流してきた著者が、彼らに共通する「マインドセット」や「習慣」を徹底的に解き明かした一冊。
この記事では、『億までの人 億からの人』の要約、著者の田中渓さんの紹介、そして個人的なレビューまで、わかりやすく解説していきます。
1. 著者の紹介:田中渓
本書の著者、田中渓(たなか けい)さんは、金融業界のトップランナーとして知られています。
2008年のリーマンショックという厳しい時代を経験しながらも、投資銀行ゴールドマン・サックスで17年間勤務し、最終的には日本の投資部門の共同統括という要職を歴任されました。在籍中には、20カ国以上、300人を超える「億」や「兆」の資産家と協業し、彼らの思考や行動パターンを間近で見てきた経験が、本書の土台となっています。
現在は投資家として、また富裕層向けアドバイザーとして活動されており、その知見は多くの人から信頼されています。
2. 本書の要約
本書は、単なる投資テクニックではなく、富裕層の「生き方」そのものに焦点を当てています。
富裕層は「お金の哲学」を知っている
田中氏が富裕層に共通して見出したのは、「お金に対する考え方」です。彼らは、お金を「目的」ではなく、「自由を得るための道具」として捉えています。
- 貯金ではなく、投資で資産を運用する:インフレでお金の価値が目減りする現代において、貯金だけでは資産は増えません。富裕層はほぼ100%が株や不動産などに投資し、お金に働いてもらう仕組みを構築しています。
- 主体的な「意思決定」:彼らは人生のあらゆる選択を他人に委ねず、自分自身で決断します。決断には責任が伴いますが、そのプロセスこそが成長と大きなリターンを生むことを知っているからです。
- 「スピード」を重視する決断術:富裕層は、完璧な答えを出すことよりも、まず早く決断して行動することを優先します。遅くて完璧な決断よりも、たとえ間違っていても早い決断のほうが、次のチャンスにつながると考えているのです。
「複利の力」を侮ることなかれ
『億までの人 億からの人』
富裕層になる第一歩目は「意思決定」を他人に委ねないこと
『億までの人 億からの人』
最優先すべきは「確実性」より「スピード感」
『億までの人 億からの人』
成果物よりププロセスを重んじる方向に施行をシフトする
『億までの人 億からの人』
お金持ちが実践する「時間」と「習慣」
富裕層は、お金と同じくらい時間を大切にしています。
- 「緊急ではないが重要なこと」を優先:彼らは、すぐに結果が出なくても、将来の自分にとって大切なこと(勉強、運動、健康管理など)に時間を投資します。
- 「早起き」と「運動」の習慣:多くの富裕層が、朝早く起きて運動することを習慣にしています。これは、心身の健康を保ち、集中力を高めるための重要なルーティンです。
- 「習慣化」の力:億を稼ぐ人たちは、面倒なことも意思の力に頼らず、全て習慣にしてしまいます。例えば、「朝起きたらランニングウェアに着替える」といった小さな準備が、継続を可能にします。
時間お使い方を間違えることはリスクだと知る
『億までの人 億からの人』
学習のスタートは「死ぬほどハードルが低いことを15分」でいい
『億までの人 億からの人』
「食事を薬と思って食べなさい。そうしないと、薬を食事のようにとらなくてはならなくなるだろう」
スティーブ・ジョブス
人生の質を高める「総合知」
田中氏は、富裕層マインドを「総合知」と表現しています。これは、単に金融知識だけでなく、以下の要素をすべて含んだ考え方です。
- 交渉術:都内の築古マンションを2,000万円で購入し、1億円で売却した著者の実例からわかるように、交渉力は資産を増やす上で欠かせません。
- 人間関係:会社だけでなく、複数のコミュニティに所属し、利害関係のない友人との交流を大切にしています。これは精神的な健康にもつながる「分散投資」です。
- 健康管理:お金、身体、心の3つを整える「カネ→カラダ→ココロ」のサイクルを重視。身体を動かすことで、仕事の効率や心の安定を保ちます。
「80/20の法則」で信頼度と仕事の精度を底上げする
『億までの人 億からの人』
「誤解は必然、理解は偶然」でコミュニケーションをとる
『億までの人 億からの人』
「メラビアンの法則」では、話の内容などの言語情報で伝わるのは7%、口調や話の速さなどの聴覚情報が38%、見た目などの資格情報が55%と言われています。
『億までの人 億からの人』
心が変われば行動が変わる。
アメリカの哲学者 ウィリアム・ジェームス
行動が変われば習慣が変わる。
習慣が変われば人格が変わる。
人格が変われば運命が変わる。
3. ココだけは押さえたい一文
本書のプロローグにあるこの一文は、この本が伝えたいメッセージを凝縮しています。
「人は想像ができないことはできません。想像ができない人にもなれません。」
『億までの人 億からの人』
この言葉は、「富裕層は特殊な人たちではない」という著者の主張を裏付けています。彼らがどんな考え方で、どのように行動しているかを知り、それを「想像」できるようになることこそが、富への第一歩なのです。
4. 感想とレビュー
『億までの人 億からの人』を読んで、私が最も印象に残ったのは、富を築く秘訣が、特別なことではなく、「当たり前」を徹底的にやり抜くことだという点です。
インフレが加速する現代において、貯金だけでは資産が目減りするという事実は、多くの人にとって非常に重要な警告です。そして、その状況を打破するために、投資を学び、自ら意思決定することの重要性が明確に示されています。
特に、時間管理や習慣化に関する具体的なアドバイスは、すぐにでも実践できるものばかりでした。「めんどくさいことを習慣化する3つの方法」や、「緊急ではないが重要なこと」に時間を投資する考え方は、日々の生活を見直すきっかけになります。
この本は、単にお金持ちになるためのノウハウ本ではありません。自分の人生をより豊かに、主体的に生きるための「マインドセットの教科書」だと感じました。
5. まとめ
『億までの人 億からの人』は、富裕層の思考法や習慣を体系的に学べる一冊です。
✔️ 田中渓氏の豊富な経験に基づく、説得力のある内容
✔️ 億万長者は「お金」「時間」「人間関係」をどう考えているかがわかる
✔️ 貯金から投資へ、受け身から主体的な意思決定へ、考え方がシフトする
✔️ 早起きや運動など、誰もが今日から始められる具体的なヒントが満載
「お金」について漠然とした不安がある方、将来に向けて何か始めたいと考えている方にとって、この本はきっと羅針盤のような存在になるでしょう。
ぜひ、この本を手に取って、あなたの人生をより豊かなものにするためのヒントを見つけてみてください。
最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました。
背伸びしない等身大の経験とアイディアのコラムも書いています。
日々の仕事やライフスタイルのヒントになればうれしいです。
X(Twitter)、Threads、instagram、Blueskyもやっているので、もしよかったら覗いてください。