「時間を無駄にせず、確実に良書と出会いたい」
長倉 顕太さんの「本を読む人はうまくい」に掲載されていた「人生が好転し、視野が広がる「おすすめ本101冊」リスト」から哲学書の9冊を紹介します。
長倉 顕太氏は、「読みやすい」という点を重視して選定しています。
まずは読みやすい本を読んで本を好きになってもらい、読書を習慣化してもらいたいという思いが詰まったリストです。
読んだらどんどんアウトプットしていくと人生が好転し視野が広がります。
「本を読む人はうまくいく」に関して詳しく知りたい方は、こちら↓

1. 『快楽主義の哲学』
(澁澤 龍彦 /文藝春秋)
禁欲を美徳とする従来の考え方を批判し、快楽にこそ生の本質があると説く知的で官能的な文明批評です。
単なる享楽ではなく、真に豊かな生き方とは何かを哲学的に問いかけます。
「人生を楽しむ」という行為を、哲学という視点から肯定的に捉え直すことができます。
この本を読むことで、日々の生活や行動に対する考え方が変わり、自己肯定感を高めるきっかけになるでしょう。
既成概念に囚われず、自分の欲望と正直に向き合う勇気を与えてくれる一冊です。
2. 『怠惰への讃歌』
(バートランド・ラッセル、柿村綾訳、堀秀彦訳/平凡社)
労働を美徳とする社会通念に対し、逆説的な視点から「怠惰への讃歌」を捧げる文明批評です。
哲学者ラッセルは、「暇こそが創造性と幸福の源である」と主張します。
常に忙しいことが良いとされる現代社会の価値観に、鋭く疑問を投げかけます。
効率や生産性に追われる日々から一歩立ち止まり、人間的な自由とは何かを考えさせられるでしょう。
真の豊かさは、立ち止まって思索する時間の中にあることを教えてくれる、現代にこそ読むべき古典的な名著です。
3. 『水木サンの幸福論』
(水木しげる/KADOKAWA)
戦争体験や極貧生活など、鬼気迫る人生を歩んだ漫画家・水木しげる氏が、幸福の本質を優しく、ユーモラスに説いた一冊です。
のんびり生きること、欲張らず自然体でいることの大切さを、自身の経験を通じて語っています。
「なまけ者になりなさい」というメッセージは、頑張りすぎる現代人にとって、心の荷を下ろすための処方箋となります。
人生の成功とは、世間的な評価ではなく、自分自身の心の満足にあることを教えてくれます。
肩の力を抜いて、軽やかに生きるための知恵が詰まった、温かい哲学書です。
4. 『思いがけず利他』
(中島岳志/ミシマ社)
この本は、意図しない「利他」の行為こそが、人間社会を豊かにしていると説く温かな哲学書です。
私たちは、意識的に誰かを助けようとするだけでなく、予期せぬ瞬間に、自然発生的に他者を思いやる行動をとることがあります。
それは、計算や見返りを求める行動とは異なる、人間の根源的な優しさに基づいています。
著者は、こうした偶然性の中にある利他の可能性を、哲学的に深く掘り下げています。
人間関係の根底にある、信頼と優しさについて考えさせられるでしょう。
社会のつながりの本質を理解するための、心に響く一冊です。
5. 『暇と退屈の倫理学』
(國分功一郎/太田出版)
人間が逃れられない「暇」と「退屈」を、哲学的に捉え直した一冊です。
現代社会において「退屈」は悪とされがちですが、著者はそれを生の意味を問いかける重要な時間と位置づけます。
常に忙しくしていることが、生の意味から目を背けるための手段ではないかという、鋭い問題提起を含んでいます。
時間を持て余すことの倫理的意味を深く考察することで、現代における「生きる」ことの意味を問い直すことができます。
時間の使い方や価値観について、哲学的な視点から深い洞察を与えてくれるでしょう。
6. 『新版 動的平衡』
(福岡伸一/小学館)
生命科学者である福岡伸一氏が、生命とは安定ではなく、絶え間ない変化、すなわち「動的平衡」によって成り立っていると説く一冊です。
食べることで自己を更新し続けるという生物の本質に迫り、生命のダイナミズムと美しさを解き明かしています。
細胞レベルでの絶え間ない分解と再構築という視点は、人生や仕事における変化と成長のあり方にも通じます。
「変わらないことはない」という事実を、ポジティブな変化の源として捉え直すことができます。
生命の神秘と、自己変革の哲学を学ぶための、知的好奇心を刺激する最前線の科学書です。
7. 『実力も運のうち 能力主義は正義か?』
(マイケル・サンデル/早川書房)
ハーバード大学の政治哲学者であるマイケル・サンデル教授が、現代の能力主義(メリトクラシー)の限界と、社会的公正について哲学的に問い直す一冊です。
個人の成功が努力や実力だけによるものなのか、それとも「運」によってもたらされているのではないかという、根源的な問いを投げかけます。
格差の拡大が進む現代社会において、成功者が持つべき謙虚さと、社会全体の連帯の重要性を訴えます。
「正義」とは何か、公正な社会とは何かを考えるための、必読の現代哲学書です。
8. 『同調圧力 日本社会はなぜ息苦しいのか』
(鴻上尚史、佐藤直樹/講談社)
劇作家の鴻上尚史氏と、社会学者の佐藤直樹氏が、日本社会に根付く「空気を読む文化」が生む「見えない圧力」の正体に迫った対談形式の哲学書です。
同調圧力が、個人の自由な意思決定や多様な価値観をいかに阻害しているかを分析します。
なぜ日本社会は息苦しいのかという多くの人が抱える疑問に対し、歴史的・社会学的な視点から明快な答えを提示しています。
多様性を許容する社会の必要性を訴え、自分らしく生きるためのヒントを与えてくれる、現代の日本社会を読み解くための重要な一冊です。
9. 『利己的な遺伝子 40周年記念版』
(リチャード・ドーキンス/紀伊國屋書店)
生物学者リチャード・ドーキンス氏が、遺伝子を生存競争の主体と見る革新的な視点で、生物進化の本質を解き明かす科学名著です。
個々の生物は、遺伝子の乗り物に過ぎないという衝撃的な主張は、当時の学界に大きな議論を巻き起こしました。
「利己的」という言葉が持つイメージを超え、自己犠牲や利他行動までもが、遺伝子の戦略として説明されます。
生命の根源的な仕組みを理解し、人間の行動を生物学的な視点から捉え直すための、知的刺激に満ちた必読書です。
最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました。
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