「時間を無駄にせず、確実に良書と出会いたい」
オランダで10万部を超えたベストセラー『脳をオフにせよ』。 その和訳を手掛けた翻訳家・児島修さんのインタビューが、日経BOOKPLUSに掲載されました。
今回は、本書の魅力と、児島さんがお薦めする「併せて読んでほしい4冊」をご紹介します。 情報に追われる毎日に、心地よい余白を作ってくれる名著ばかりです。
詳しくはこちら→『『脳をオフにせよ』と一緒に読むと「人生に本当に必要なもの」が見える4冊』
ベースとなる一冊
『脳をオフにせよ 仕事も人間関係もうまくいく集中術』
マルク・ティッヘラー、オスカル・デ・ボス 著 / 児島修 訳(日経BP)
これまでの集中力本は、仕組みを複雑にしすぎるか、逆に単純化しすぎる傾向がありました。本書はそのバランスが非常に優れており、シンプルでありながら集中力のすべてを網羅している「決定版」です。 集中を妨げる要因は「4つしかない」という明快な視点からスタートし、提示される対策も具体的で、ずっと使い続けられるシステムになっています。
訳者の児島さん自身、本作を訳したことで働き方が大きく変わったと語ります。集中して仕事を終わらせることで心身ともに快適になり、「空いている時間も何かやらなければ」という焦りから解放されたそうです。 原題のオランダ語は『Focus AAN/UIT(オン/OFF)』でしたが、「脳をオフにすることが最大のポイント」という児島さんの気づきが、この日本語タイトルのきっかけになりました。
児島修さんがお薦めする4冊
1. 『やめる 最良の人生戦略』
ジュリア・ケラー 著 / 児島修 訳(日経ビジネス人文庫) 私たちは「続けること=美徳」と考えがちで、何かをやめることにネガティブなイメージを抱きがちです。しかし本作は、生物の行動特性やトップアスリートなどの様々な事例を引きながら、思い切って「やめること」の正当性を解き明かします。 今までやらなければいけないと思い込んでいたことを一度やめてみる。すると心に大きな解放感が生まれ、実はやる必要がなかったのだと初めて気づくことができます。 『脳をオフにせよ』によって集中力を高め、生活の中に生まれた「時間の余白」を活かして、自分が本当に進むべき新しい道を見出すことにも繋がっていく、深いシナジーを持った一冊です。
2. 『DIE WITH ZERO 人生が豊かになりすぎる究極のルール』
ビル・パーキンス 著 / 児島修 訳(ダイヤモンド社)
先ほどの「やめる力」の思想を、さらに人生のスケールへと推し進めた先に行き着くのが本書です。人生の限られた時間をいかに豊かに過ごすかという問いに対し、「お金を貯めること」ではなく「どう使い切るか、どう生きるか」に焦点を当てています。 私たちは老後の不安などから資産を溜め込むことに必死になりがちですが、本当に価値があるのは「今しかできない経験」に投資することだと説きます。 自分が人生で一番やりたいことは何なのか、何のために時間とエネルギーを集中させるべきなのかを、根本から激しく考えさせてくれる現代の名著です。
3. 『奪われた集中力:もう一度“じっくり”考えるための方法』
ヨハン・ハリ 著 / 福井昌子 訳(作品社)
現代を生きる私たちが、なぜこれほどまでに集中できないのかを暴く、極めてジャーナリスティックなルポルタージュです。イギリス人の著者が、自ら3ヶ月間ネットを完全に断つという過激な実験を敢行。さらに世界各地の専門家や研究者に徹底取材を重ねました。 個人がスマホに依存しているというレベルの話ではなく、SNSのアルゴリズムやショート動画、AIなど、巨大なシステムによって社会全体から集中力が「強奪」されている現状が描かれます。 この刺激に満ちた社会の中で、システムにハックされず、人間の知性の根幹である「じっくり深く考える力」をどう取り戻していくべきかを提示してくれます。
4. 『アート・オブ・スペンディングマネー 1度きりの人生で「お金」をどう使うべきか?』
モーガン・ハウセル 著 / 児島修 訳(ダイヤモンド社)
世界的な大ヒット作『サイコロジー・オブ・マネー』の続編であり、自分にとっての「幸せなお金の使い方」を徹底的に掘り下げた一冊です。富を築くためのマインドセットの枠を超え、今度は「手に入れたお金や時間をどう使えば、人生の幸福度が最大化するのか」という実践的なヒントが語られます。 いくらお金を持っていても、使い方が下手であれば幸せにはなれません。 『脳をオフにせよ』によって生み出された貴重な「時間の余白」や、集中によって得られた成果を、自分の人生の幸福のためにどう分配していくべきか。その最高の羅針盤となってくれる作品です。
翻訳家・児島修さんの言葉から学ぶこと
数々のベストセラーを日本に届けている児島さんですが、かつては仕事量が多すぎて、自分の時間をすべて翻訳に投入せざるを得ない「時間と体力の勝負」に追われていた時期もあったそうです。当時は忙しすぎて他の本を読む余裕もなく、翻訳している原文の数ページだけが自分の世界のすべてであるような、狭く苦しい感覚を味わったと言います。
そうした経験を経て仕事量をセーブし、自分自身の「脳をオフにする時間」を確保したからこそ、読者の心に深く届く翻訳が生まれています。児島さんは「直訳か意訳かではなく、作者が本当に伝えたかった意味が読者にきちんと伝わることが一番大事」という信念のもと、読者や編集者、校正者との対話を積み重ねてきました。
今回の5冊は、どれも「限られた人生のエネルギーを、本当に大切な場所に集中させる」ための知恵が詰まっています。日々のタスクに追われて自分を見失いそうなとき、これらの本を開いて「人生のオフライントレーニング」を始めてみませんか?
最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました。
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