「リーダーシップは生まれつきの才能だ」と思っていませんか?
今回ご紹介する『「ついていきたい」と思われるリーダーになる51の考え方』は、そんな固定観念を根底から覆してくれる一冊です。
著者の岩田松雄氏は、ザ・ボディショップやスターバックスといった世界的な企業のトップを務めた人物。そんな華麗な経歴を持ちながら、自らを「普通のおじさん」と称する岩田氏が説くのは、テクニックではなく「人間力」の大切さです。
新しく役職に就いた方や、部下との関係に悩むマネージャー層必読の内容を、わかりやすく解説します。
1. 著者の紹介:現場を愛する伝説のCEO、岩田松雄氏
著者の岩田松雄(いわた まつお)氏は、日本を代表する経営者の一人です。
日産自動車を経て、外資系コンサルタント、そしてゲーム会社アトラスの社長として経営再建を成功させました。その後、ザ・ボディショップ、スターバックスコーヒージャパンのCEOを歴任し、現場の士気を高める独自のリーダーシップで、ブランドを飛躍的に成長させた実績を持ちます。
現在は、リーダーシップ教育を行う株式会社「リーダーシップ コンサルティング」の代表として、後進の育成に力を注いでいます。彼の語り口は非常に謙虚で温かく、まさに本書のタイトル通り、多くの人から「ついて行きたいと思われるリーダー」として尊敬されています。
2. 本書の要約:誰もが「推されるリーダー」になれる51の法則
本書『「ついていきたい」と思われるリーダーになる51の考え方』は、リーダーとして備えておくべきマインドセットを7つの章、51の項目に分けて解説しています。
カリスマ性は必要ない
多くの人が「リーダー=強力なカリスマ性」と考えがちですが、岩田氏はこれを否定します。真に「ついて行きたいと思われるリーダー」とは、周囲から「この人のために頑張りたい」と推される人のことです。
例えば、岩田氏が学生時代に野球部のキャプテンに選ばれたのは、エースだったからではなく、誰よりも早くグラウンドに来て整備をし、誰に対しても誠実に接していたからでした。こうした「徳」を積む姿勢こそが、リーダーシップの原点なのです。
ミッション(志)を掲げ、共有する
リーダーの最も重要な仕事の一つは、チームが目指すべき「ミッション」を明確にすることです。単に「売上を上げろ」と言うのではなく、「なぜこの仕事が必要なのか」「誰を幸せにするのか」という大義名分を掲げることが、大きなパワーを生みます。
岩田氏はスターバックス時代、「1杯のコーヒーを通じて人々の心を豊かにする」というミッションを掲げ、現場のパートナー一人ひとりと共有しました。これにより、スタッフは自発的に考え、行動するようになったのです。
コミュニケーションは「わかりやすさ」と「聞く力」
岩田松雄流のコミュニケーション術は、驚くほどシンプルです。
- 先に部下の意見を聞く: リーダーが先に話すと、部下は萎縮してしまいます。年次の低い社員から意見を聞き、リーダーは最後に喋る。
- わかりやすく伝える: 専門用語を使わず、中学生でも理解できる言葉でビジョンを語る。
- 「Why」から始める: 仕事を頼むときは、その背景にある「理由」をセットで伝えることで、納得感を高めます。
飲み会よりも「シラフ」の対話
本書で意外なのが「リーダーは部下と飲みに行かない」という項目です。これは完全に行かないという意味ではなく、「大事な話ほど、お酒の力を借りずに勤務時間中にシラフですべきだ」という規律を意味しています。
「何か困ったことはない?」と日常的に声をかけ、日頃から信頼関係を築いていれば、飲み会という場がなくても本音で語り合える組織になります。
3. ココだけは押さえたい一文
本書の核心を突く、最も重要な一文をご紹介します。
「上を目指すなら、人間性こそ高めよ」
スキルやテクニックは後からでも学べます。しかし、土台となる「人間性」や「徳」がなければ、人は本気でついてきてくれません。誠実であること、謙虚であること、そして誰よりも努力すること。この「当たり前」の積み重ねが、最高のリーダーシップへと繋がります。
4. 感想とレビュー:今日から実践できる「優しさ」のリーダー論
本書を読んで感じたのは、リーダーシップとは「特殊な能力」ではなく、「生き方の姿勢」そのものだということです。
「普通の自分」でも大丈夫という安心感
これまでリーダーシップの本を読んで「自分には無理だ」と感じてきた方にこそ、ぜひ読んでいただきたいです。『「ついていきたい」と思われるリーダーになる51の考え方』では、「弱くてもいい」「饒舌でなくてもいい」と優しく背中を押してくれます。
「リーダー=かっこいい存在」という呪縛から解き放たれ、ありのままの自分でどう周囲に貢献するかを考えさせてくれる良書です。
当たり前の難しさと大切さ
「挨拶をする」「悪口を言わない」「掃除をする」。本書に書かれていることは、一見すると当たり前のことばかりです。
しかし、この当たり前を社長という立場になっても徹底して実践できるからこそ、岩田氏は多くの人に慕われてきたのだと痛感しました。リーダーは「権力」ではなく「責任」であるという覚悟が、全ての項目に貫かれています。
5. まとめ
岩田松雄氏の『「ついていきたい」と思われるリーダーになる51の考え方』は、リーダーシップの本質を「人間力」という視点で解き明かしたバイブルです。
- カリスマ性よりも、誠実さと謙虚さを大切にする。
- チームの「ミッション」を言葉にし、部下を誰よりも大切にする。
- 逃げずに決断し、常に部下に関心を持ち続ける。
この51の考え方を一つずつ実践していけば、あなたも必ず「ついて行きたいと思われるリーダー」になれるはずです。
「もっと部下と信頼関係を築きたい」「チームの成果を最大化したい」と考えている方は、ぜひこの本を手に取って、一歩ずつ歩みを進めてみてください。
最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました。
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