【3分要約・読書メモ】イノベーションの競争戦略―優れたイノベーターは0→1か? 横取りか?

BOOKS-3分読書メモ-
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ご覧頂き誠にありがとうございます。
今回は『イノベーションの競争戦略―優れたイノベーターは0→1か? 横取りか?』についての記事となります。

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■著者

内田 和成(ウチダ カズナリ)
東京大学工学部卒業。慶應義塾大学大学院経営学修士(MBA)。日本航空を経て、1985年ボストン コンサルティング グループ(BCG)入社。2000年6月から2004年12月までBCG日本代表。2006年には「世界の有力コンサルタント25人」(米コンサルティング・マガジン)に選出された。2006年より2022年3月まで早稲田大学教授。ビジネススクールで競争戦略論やリーダーシップ論を教えるほか、エグゼクティブ・プログラムでの講義や企業のリーダーシップ・トレーニングも行なう。著書に『仮説思考』『論点思考』『右脳思考』『右脳思考を鍛える』『ゲーム・チェンジャーの競争戦略』『異業種競争戦略』『リーダーの戦い方』などがある。

はじめに

イノベーションは企業の成長と成功に不可欠な要素です。市場での競争力を維持し、新しい機会を掴むためには、どのようにしてイノベーションを実現するかが重要です。

イノベーションの競争戦略―優れたイノベーターは0→1か? 横取りか?』は、このテーマに対する洞察を提供する一冊です。

著者は、イノベーションの本質と、それを実現するための具体的な戦略を深く掘り下げています。本書は、マーケティングやマネジメントに携わる方々にとって、非常に有益な内容となっています。

イノベーションの本質

イノベーションは単なる技術革新に留まらず、ビジネスモデルやプロセスの革新も含まれます。

著者は、優れたイノベーターは新しい市場を創造する「0→1」のアプローチを取るか、既存の市場からシェアを奪う「横取り」のアプローチを取るかに着目します

両者の違いを明確にすることで、読者は自社の状況に適した戦略を見極める手助けとなります。

0→1のアプローチ

「0→1」のアプローチは、新しい価値を創造することで市場を革新する方法です。この方法は、高いリスクとコストを伴いますが、その成功は莫大なリターンをもたらす可能性があります。

本書では、成功事例としてGoogleやTeslaなどの企業が取り上げられています。これらの企業は、全く新しい製品やサービスを提供することで市場を一変させました。

これらの企業の成功の背後にある戦略や思考法を詳細に解説し、読者に具体的なインスピレーションを提供しています。

横取りのアプローチ

一方、「横取り」のアプローチは、既存の市場からシェアを奪う戦略です。この方法は比較的リスクが低く、既存の需要に応える形でのイノベーションを行うため、短期的な成功を収めやすい特徴があります。

AmazonやSamsungなどの企業を例に挙げ、このアプローチの効果的な活用方法を説明しています。これらの企業は、既存の製品やサービスに改良を加え、より優れた価値を提供することで市場での地位を確立しました。

■まとめ

・日々の活動に浸透させてイノベーションとなる。
セグウェイは、イノベーティブな発明だった。
偉大な発明(インベンション)だったが、世の中を変えるイノベーションにはならなかった。

・イノベーションとは、これまでにない価値の創造により、顧客の行動が変わること。
技術革新、社会構造、心理変化から、価値創造し、
顧客の態度変容と行動変容を起こすこと。

・イノベーションを起こすポイント
①他社が起こしたイノベーションを徹底的にベンチマーク氏、長所&短所を調べる

②先行しているイノベーションで顧客が潜在的に満足していない点を自社の資源で埋められるかを考える

③第1のイノベーションで完全に満足している顧客は狙わず、少しずらした顧客を狙う

  1. 新しい価値を「自ら」生み出す必要はない
  2. 新しい価値は、技術革新より、社会構造の変化や消費者や組織の心理変化からもたらせる

①行動変容にコミットする
プッシュ戦略:時間をかけて、手を変え、品を変える
例:TOTO 国内は工務店、海外は富裕層

プル戦略:「面倒くさい」や「リスク」を取り除く(心理面の壁をなくす)
例:メルカリ アプリの使いやすさ

②レンズを変える
問題解決の方法から考える

不快を快に変える:紙おむつ、ウォシュレット
時短:ルンバ、クックパッド
もったいない:メルカリ

③社会構造の変化から考える
一人暮らしの増加:一人焼肉、レンチン料理
子供なし、一人っ子:墓じまい、戸建てのシェアハウス
高年齢化:眼鏡の移動販売
狭い住居:家具のサブスク

・他人のふんどしで相撲を取ることを否定しない
すでに世の中にあるものの不満を取り除くのでも良い

■感想

世の中に存在しなかった画期的な発明やサービスを生み出すことは、企業におけるイノベーションの必要条件ではない。

それよりも新しい製品サービスを消費者や企業の日々の活動や行動の中に浸透させることこそがイノベーションの本質である。

顧客の行動を変化させることをゴールとして取り組む。
イノベーションの競争戦略とは、顧客の行動を引き起こし、市場における優位性を築くこと。

ユーザーの不満に目と耳を傾け、それを改善し、
浸透させることができた会社が生き残る。

豊富な企業事例から解像度を固めることができる書籍。

最後まで読んでいただきて、ありがとうございました。

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