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今回は『世界の一流は「雑談」で何を話しているのか』についてレビューと要約の記事となります。
著者
ピョートル・フェリクス・グジバチ
連続起業家、投資家、経営コンサルタント、執筆者。プロノイア・グループ株式会社 代表取締役、株式会社TimeLeap取締役、株式会社GA Technologies社外取締役。モルガン・スタンレーを経て、Googleで人材開発・組織改革・リーダーシップマネジメントに従事。2015年に独立し、未来創造企業のプロノイア・グループを設立。2016年にHRテクノロジー企業モティファイを共同創立し、2020年にエグジット。2019年に起業家教育事業のTimeLeapを共同創立。ベストセラー『NEW ELITE』他、『パラダイムシフト 新しい世界をつくる本質的な問いを議論しよう』『世界最高のコーチ』など執筆。ポーランド出身。
1. 『世界の一流は「雑談」で何を話しているのか』の概要
まずは、この本がどのような内容なのかをご紹介します。タイトルからわかる通り、ピョートル・フェリクス・グジバチさんは、「雑談」に着目し、その価値と重要性を解き明かしています。
雑談とは、ただの暇つぶしや無駄話ではありません。ビジネスの世界では、雑談こそが信頼関係の構築や、クリエイティブなアイデアの源泉となることが多いのです。
一流のビジネスパーソンたちは、雑談をただの軽い会話として捉えるのではなく、戦略的に活用しています。この本は、そのノウハウを具体的に解説してくれるものです。
雑談をするには自己開示が必要ですが、その前に、「自己認識」が必要です。「きちんと自分自身と向き合う」ことで、自己開示ができる。
自己認識で大事なポイントは、3つ。
①「価値観」何を大切にしているか?
②「信念」何が正しいと思っているか?
③「希望・期待」何を求めているか?
2. 一流のビジネスパーソンが雑談を大切にする理由
本書の中で特に印象的だったのは、一流のビジネスパーソンたちが雑談を「ツール」として見ている点です。雑談は、表面的には軽い会話に見えますが、その裏には深い戦略が潜んでいることが多いのです。
彼らが交わしているのは、日本的な雑談ではなく、「dialogue=対話」に近いものです。
具体的には、5つの意図をもって、ビジネスの相手と対面しています。
①状況を「確認する」
②情報を「伝える」
③情報を「得る」
④信用を「作る」
⑤意図を「決める」
一流のビジネスマンは、明確な意図をもって相手と向き合い、「雑談」を武器としてフル活用することで、仕事のパフォーマンスを上げ、成果を出すことを強く意識しています。
彼らが雑談を通して「手に入れたい」と考えているのは3つ。
①お互いに「信頼」できる関係を気づく
②お互いが「信用」できることを確認する
③お互いを「尊敬」できる関係を作る
雑談を通して、「信頼」と「信用」、「尊敬」のある関係を築いて、心理学でいう「ラポール」を作ることが目指しています。
ラポールとは、お互いの心が通じ合い、穏やかな気持ちで、リラックスrして相手の言葉を受け入れられる関係性を指します。
相手と信頼関係を気づくには、予断や偏見、思い込みを捨てて、相手の意見に耳を傾けることです。
大切なのは、無条件の肯定的関心だけでなく、「empathy」(エンパシー)をもって会話すること。
エンパシーは「共感」と訳されますが、ただ相手の考えや気持ちを理解したり、想像するだけで終わるのではなく、「相手の感情に合わせる」ことや「相手の隠れた意図を汲み取る」ことまで含みます。
3. 雑談を成功させるための具体的なテクニック
『世界の一流は「雑談」で何を話しているのか』では、雑談を成功させるための具体的なテクニックが多数紹介されています。
雑談の最初のミッションは、「確認作業」。
注目ポイントは3つ。
①相手の状況の確認
②ビジネス状況の確認
③新たに必要となる情報の確認
相手の状況を確認することが、良い雑談をするベースとなる。
雑談をする時にはしっかりとした目的意識を持つ必要がある。
目的意識がなければ、雑談は細切れの会話となり、方向性を見失う。
目的は4つある。
①「つながる」相手との距離を縮めて信用を作る
②「調べる」最新の動向や現状に関する情報を収集する
③「伝える」自社の意向や進捗状況などを報告する
④「共有する」最新の情報を相互に認識する
ラポールを作るための「3原則」
①相手が「何を大切にしているか?」を知る
②相手が「何を正しいと思っているか?」を知る
③相手が「何を求めているか?」を知る
この原則を知るための方法として、「7つの質問」がある。
質問①あなたは仕事を通じて何を得たいですか?
質問②それはなぜ必要ですか?
質問③何をもっていい仕事をしたといえますか?
質問④なぜ今の仕事を選んだのですか?
質問⑤去年と今年の仕事はどのようにつながっていますか?
質問⑥あなたの一番の強みは何ですか?
質問⑦あなたは今どんなサポートが必要ですか?
「聴きにくいこと」を質問する時は、「素朴な疑問なのですが」と前向きして、ストレートに質問する。
5. 『世界の一流は「雑談」で何を話しているのか』を読んでの感想
この本を読み進める中で、雑談の重要性と、それを効果的に活用するためのテクニックが身につきました。特に印象に残ったのは、雑談がビジネスの成功に直結するツールであるという考え方です。
また、著者のピョートル・フェリクス・グジバチさんの語り口調は非常に親しみやすく、難しいビジネス書にありがちな堅苦しさがありません。実際のエピソードや具体的なテクニックが豊富に紹介されているため、自分の仕事や日常生活にもすぐに活かせる内容となっています。
個人的には、雑談に対する見方が大きく変わりました。これまでは、仕事の合間に交わされる軽い会話として捉えていましたが、本書を読んでからは、雑談をより戦略的に活用するようになりました。特に、新しいプロジェクトを立ち上げる際や、初対面の相手と信頼関係を築く場面で、雑談が持つ力を実感しています。
まとめ
『世界の一流は「雑談」で何を話しているのか』は、ビジネスパーソンにとって必読の一冊です。雑談の価値とその活用法を学ぶことで、ビジネスにおける人間関係をより深め、成功への道を切り開くことができるでしょう。
世界基準のビジネスの最前線では、「明確な意図を持ちそこに向かって深みのある会話ができる人」こそが「雑談の上手い人」とされています。
ビジネスの場における雑談では、どんな話をする場合でも、次の4つのポイントを常に意識することが大切です。
- 相手を脅かせないレベルでの「自己開示」をして、自分という人間を知ってもらう
- 好奇心を持って、相手の「人間性」や「人となり」を知ろうとする
- 「信頼関係」の構築が目的であることを忘れない
- 相手と「ラポール」を作れているか、客観的な目で観察しながら話す
もしビジネスにおけるコミュニケーションで情報を探している方がこのレビューにたどり着いたなら、ぜひ本書を手に取ってみてください。一流のビジネスパーソンたちが実践する雑談のテクニックを学び、あなた自身のビジネススキルをさらに高めるチャンスです。
最後まで読んでいただきまして、
ありがとうございました。
背伸びしない等身大の経験とアイディアのコラムも書いています。
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