【3分要約・読書メモ】最高の体調 進化医学のアプローチで、過去最高のコンディションを実現する方法

BOOKS-3分読書メモ-
スポンサーリンク

ご覧頂き誠にありがとうございます。
今回は『最高の体調』についてレビューと要約の記事となります。

スポンサーリンク

著者

鈴木祐(すずき・ゆう)
新進気鋭のサイエンスライター。1976年生まれ、慶應義塾大学SFC卒業後、出版社勤務を経て独立。10万本の科学論文の読破と600人を超える海外の学者や専門医へのインタビューを重ねながら、現在はヘルスケアをテーマとした書籍や雑誌の執筆を手がける。近年では、自身のブログ「パレオな男」で心理、健康、科学に関する最新の知見を紹介し続け、3年で月間100万PVを達成。また、ヘルスケア企業などを中心に、科学的なエビデンスの見分け方などを伝える講演なども行っている。

1. 本書の概要

最高の体調』(鈴木祐著)は、現代人が抱える様々な不調の原因を「文明病」という観点から捉え、これを克服するための具体的な方法を提示する一冊です。鬱病、肥満、集中力の欠如、慢性疲労、不眠など、異なる問題に見えるこれらの症状が、実は共通の根源から生じているという視点を提供します。鈴木氏は科学的根拠を基に、炎症やストレス、腸内環境などの要因に着目し、生活習慣の見直しを提案しています。

本書は、多忙な現代人が本来の健康と活力を取り戻すために役立つ具体的なアドバイスに満ちています。単なる健康本ではなく、科学的な裏付けがあり、実践的な知識を身につけられる内容です。著者の鈴木祐は、科学ジャーナリストとしての経験を活かし、複雑な概念をわかりやすく解説しています。

2. 本書の要約

最高の体調』は、8つの章から構成され、それぞれが現代の健康問題の原因と解決策を探求しています。

第1章:文明病

現代社会の豊かさが引き起こす「文明病」について解説します。肥満や鬱病が過去に例を見ないほど増加している背景に、炎症と不安が関与していることが示されています。

「文明病」とは、近代社会の変化によって引き起こされる、現代に特有の病気や症状を意味します。

最高の体調

デジタルデバイスが近くにあるだけで、認知機能は大きく低下する。デバイスの存在を近くに感じた時点で、目の前の作業に仕える認知リソースは減ってしまうのだ。

最高の体調

第2章:炎症と不安

炎症は、現代病の多くの原因とされ、内臓脂肪やストレスが炎症を悪化させることが説明されます。また、不安が記憶力や判断力に悪影響を及ぼし、寿命を縮める可能性があることも述べられています。

平均睡眠時間が1日7~9時間の範囲を逸脱すると体内の炎症マーカーが増大する。
夜中に何度も目が覚めてしまうような場合も、体内の炎症は増える

最高の体調

第3章:腸

腸内環境の乱れが全身の健康に悪影響を及ぼすことが指摘され、特に食生活の見直しが重要であることが強調されます。「再野生化」というアプローチが提案され、現代の食生活がいかに腸内バリアを破壊しているかが説明されます。

腸内細菌と仲良くする
・抗生物質を無闇に使わない
・抗菌グッズや殺菌グッズの排除
・空気をきれいに保つ
・発酵食品を取る
・プロバイオティクスを取る
・食物繊維を取る

最高の体調

第4章:環境

人間が過ごす環境が、健康や精神状態にどのように影響を与えるかについて詳述されています。特に「偽物の自然」がもたらすリラックス効果や、人間関係の構築における困難さが取り上げられます。

・デジタルの自然を増やす
・観葉植物を置く
・公園の活用
・太陽光を浴びる
・アウトドア
・他人とのコミュニケーション
・コミュニティへの参加
・親密な友人を作る

最高の体調

第5章:ストレス

ストレスがどのように体に影響を与えるかを説明し、過剰なストレスが全身を破壊する可能性について触れています。特に「超正常刺激」と呼ばれる、現代社会に蔓延する中毒性の高い刺激が紹介されています。

・リアプレイザル(緊張や不安を言い換える)
・良質な睡眠をとる
・メラトニン
・昼寝(10分でも目を閉じる)
・ウォーキング
・デジタル断食

最高の体調

第6章:価値

不安を解消するための「価値」と「目標」の違いが説明され、幸福感を高めるためには「貢献」が重要であることが述べられます。

「なぜ生きるかを知っているものは、
 どのように生きることにも耐えれる。」

最高の体調

価値観の多様化が問題なのは、私たちの未来像を、ぼんやりとしたものに変えてしまうからです。

最高の体調

「もしすでに使えきれないほどの金を手に入れ、理想の仕事につき、毎日が幸福感に満ち溢れていて、誰からも尊敬されているとしたら、私はどのように行動するだろうか?自分や他者とのかかわり方はどう変わるだろうか?」
すべて満ち足りた状態でもなお行動せずにはいられない物事こそが、あなたの心の底に眠る本当の価値観なのです。

最高の体調

世の中には様々な性格テストがありますが、いくら自分の才能や得意な分野がわかっても、目の前の作業から生きがいを得られなければ人生の満足度は上がりません。

最高の体調

人間は次の4つの価値観に幸福を感じやすい性質を持っています。
・自治:どれだけ人生を自由にコントロールできるかどうか
・多様性:仕事や人間関係に多彩さがあること
・困難:人生のタスクに適度な難しさがあること
・貢献:他者の役に立っているかどうか


このなかで飛びぬけて影響が大きいのは「貢献」です。自分の行動が他者に良い影響を与えていると確信できたときほど、私たちの幸福感は高まりやすくなります。かつてキング牧師が聴衆に語りかけた「人生で最も永続的でしかも緊急の問いかけは、『他人のために、いまあなたは何をしているか』である」という言葉は、定量的なデータでも裏付けられた事実なのです。

最高の体調

第7章:死

死の恐怖に対するアプローチとして、原始仏教の教えが紹介されます。また、畏敬の念を持つことが、体内の炎症レベルを下げる効果があるとされます。

マインドフルネスとは心を無にするような困難に挑むことではなく、たんなるリラックスや幸福感の言い換えでもなく、スピリチュアルや宗教的な至高体験でもない、ごく日常的な意識のあり方です。

最高の体調

第8章:遊び

遊びの重要性について解説し、娯楽が豊富にあるにもかかわらず、なぜ楽しみが少なくなっているのかを探ります。また、メタ認知を活用したフィードバックの重要性が述べられます。

 現代人の問題を解決するには、仕事・育児・勉強といった人生のあらゆる面を「遊び化」していく必要があります。  毎朝のように通勤ラッシュにもまれ、顧客に頭を下げながら嫌々ながらの残業をくり返し、帰ったらシャワーを浴びて寝る……。  そんな当たり前の日常を、できる範囲で遊びの場に変えていくのです。

最高の体調

3. 感想とレビュー

最高の体調』は、現代社会が抱える多くの健康問題に対する包括的なアプローチを提供する素晴らしい書籍です。鈴木祐氏の洞察は、科学的根拠に基づいており、日常生活に取り入れやすい実践的なアドバイスが豊富に含まれています。

特に、炎症やストレス、腸内環境といったテーマに関する情報は、非常に有益です。これらの問題が、単なる表面的な対処法ではなく、根本的な解決策を求められるものであることが理解できます。現代社会で多くの人が抱える不調や問題を「文明病」として捉え、それを改善するための手法を提案するという点で、本書は極めて重要な役割を果たしています。

また、各章で取り上げられる具体例や科学的なデータは、読者にとって非常に説得力があります。特に、腸内環境の改善や、ストレス管理の重要性については、今すぐにでも実践したくなるような内容が詰まっています。

一方で、本書の内容は、全体的にやや専門的であるため、健康に関する基礎知識がない読者には少し難しく感じられるかもしれません。しかし、その分、学びが多く、実際に生活に役立てられる情報が満載です。

本書を読んで最も印象に残ったのは、現代社会の生活習慣がいかに健康を損なっているかという点です。過剰なストレスや炎症、腸内環境の乱れが、私たちの体と心に与える影響を理解することで、日常生活を見直すきっかけになるでしょう。

4. まとめ

最高の体調』は、現代の健康問題を根本から見直し、日々の生活に取り入れるべき具体的な改善策を提供してくれる一冊です。鈴木祐氏の提案する「文明病」からの脱却法は、誰にでも実践可能であり、持続的な健康と幸せを追求するための道筋を示しています。読者は、本書を通じて、自分自身の体調を根本から見直し、より良い生活を送るための知識とツールを手に入れることができるでしょう。

本書の情報は、実践的かつ科学的な裏付けがあり、読者がすぐに取り組める内容が多いため、健康に関心のあるすべての人にとって非常に価値のある一冊です。

最後まで読んでいただきまして、
ありがとうございました。

背伸びしない等身大の経験とアイディアのコラムも書いています。
日々の仕事やライフスタイルのヒントになればうれしいです。

X(Twitter)ThreadsinstagramBlueskyもやっているので、もしよかったら覗いてください。

タイトルとURLをコピーしました