ご覧頂き誠にありがとうございます。
今回は『努力革命』についてレビューと要約の記事となります。
著者
伊藤羊一(いとうよういち)
アントレプレナーシップを抱き、世界をより良いものにするために活動する次世代リーダーを育成するスペシャリスト。2021年より武蔵野大学アントレプレナーシップ学部(武蔵野EMC)を開設し学部長。 23年6月にスタートアップスタジオ「Musashino Valley」をオープン。「次のステップ」に踏み出そうとするすべての人を支援する。また、LINEヤフーアカデミア学長として次世代リーダー開発を行う。 代表作『1分で話せ』は60万部超のベストセラーに。
尾原和啓(おばらかずひろ)
IT批評家。京都大学大学院で人工知能を研究。マッキンゼー、Google、iモード、楽天執行役員、2回のリクルートなど、事業立上げ・投資を専門とし、内閣府新AI戦略検討、経産省対外通商政策委員等を歴任。現在13職目。NHK「令和ネット論」にてChatGPT/DXなどを解説。『モチベーション革命』は、 2018年Amazon KindleUnlimited年間1位。『アフターデジタル』は元経済産業大臣・世耕弘成氏より推挙され、11万部超のベストセラーに。『プロセスエコノミー』は「ビジネス書グランプリ2021」にてイノベーション部門受賞。著書は、韓国・台湾・中国などで多数翻訳されている。
1. 本書の概要
『努力革命』は、尾原和啓氏と伊藤羊一氏によって執筆された書籍で、テクノロジーの進化に伴う「努力」の新しい形を探求しています。本書は、AIやChatGPTのようなツールがもたらす新しい学びや成長の方法を紹介し、「努力」がどのように変わるかについて詳述しています。従来の努力観に囚われず、現代のツールを活用することで、誰もが効率よく成果を上げられるようになることを目指しています。
2. 本書の要約
『努力革命』は、AIが私たちの努力の在り方をどう変えるのかを、8つの章に分けて解説しています。
序章: ChatGPTがもたらした3つのゲームチェンジ
AIの登場で「80点」が合格ラインではなくスタート地点になる、あらゆる物事が「個別化」していく、そして正解主義から修正主義へと変わる3つの変化が紹介され、これまでの成長や成功の方法が180度変わったことが強調されています。
ChatGPTがもたらした3つのゲームチェンジ
『努力革命』
①「80点」が合格ラインでなくスタート地点となる。
②あらゆる物事は個別化していく
③正解主義から修正主義へ
第1章: ChatGPTで壁打ちする
ChatGPTを使って問題を段階的に解決するための「壁打ち」アプローチが提案されています。「ざっくり→じっくり」というプロセスを経ることで、深い理解と実践的な解決策が得られることが説明されています。
「ざっくり→じっくり」
『努力革命』
ChatGPTで壁打ちする5つのステップ
1:まずはザックリ
2:問題を小分けにする
3:打ち手を考える
4:絞り込む
5:じっくり質問を繰り返す
第2章: 「頭の良さ」はコピーできる
ChatGPTを利用して「頭の良さ」をコピーする方法が解説されています。特に、マッキンゼー流の「意味ある情報」の引き出し方や、「抽象化→転用」のプロセスが簡単に実行できることが強調されています。
「つまり?」と「たとえば?」を繰り返す
『努力革命』
抽象化とは、一言でいえば「つまり?」です。
具体化とは、一言でいえば「たとえば?」です。
思考を深めるには、「つまり?」と「たとえば?」、すなわち抽象化と具体化を行ったり来たりするプロセスが大事。
『努力革命』
第3章: 「経験」はコピーできる
従来の「下積み10年」が不要となり、ChatGPTを使って一流の経験を仮想的に学ぶ方法が紹介されています。職人の「目」や「技」を簡単に習得できる新しい時代の到来が示唆されています。
経験やノウハウそのものは簡単にコピーできるようになる。
『努力革命』
本当に大事なところだけ時間をかける。
人の思考や経験もトレースすることができる。
例
孫正義さんの著書の要約を探してきて、それを簡潔にまとめてください。そのまとめから孫正義さんのキャラクターを想定して、10個のアドバイスをください。
第4章: 「センス」はコピーできる
AIの力でセンスもコピーできる時代が来たことが説明されています。クリエイティブな発想やイノベーションの起こし方についても、ChatGPTを活用することで容易に学べるようになります。
仮置き状態でまずは動かす。
『努力革命』
上手くいかないところは走らせながら軌道修正する。
仮説検証のループを回すスピードの速さこそが、競争力に直結する。
第5章: ChatGPT時代の学び方
従来の受験勉強が無意味になる時代の到来が語られています。自分のペースで、必要な知識を自分用にカスタマイズして学ぶ方法が紹介されています。
第6章: それでもコピーできないものがある
AIに頼り過ぎることの限界や、最後に必要なのは「飛ぶ力」であることが説明されています。自己の軸を見つけるために、インプットとアウトプットの繰り返しが重要であることが強調されています。
ほとんどの停滞・モヤモヤの原因はアウトプット不足
『努力革命』
ChatGPTに自分専属のコーチになってもらい、対話を通じて、自分の内面を言葉にしていく。
第7章: 「やるべき」でなく「やりたい」を起点に
モチベーションを保つためには「やるべき」ことではなく「やりたい」ことを起点に行動する重要性が説明されています。これにより、長期的な成功が得られることが示されています。
「ないものを埋める」から「欲しいものをつくる」への転換。
『努力革命』
「なにがほしいですか」と顧客に尋ねるのではなく、「こんなものを作りたい」という熱に共感してくれる人を増やす。
そして、人を動かすのは「何をするか」ではなく。「なぜやるのか」というその人の思い。
「Why you?(なぜ、あなたがそれをやるのか)」が問われるようになる。
第8章: 普通の人だってこんなに高くまで行ける
最後の章では、普通の人でも高い目標を達成できる方法が紹介されています。「クレイジーキルトの原則」に従い、目標達成に向けて必要な装備を歩き出しながら調達するという実践的な方法が提案されています。
逆算思考は、試験勉強や、来期の目標達成のためには役立つ考え方です。
『努力革命』
しかし、キャリアゴールや人生のゴールは、逆算思考だけでは決められません。生きていくうちには、自分のコントロールがおよばないところで環境がどんどん変わり、予測できないことが起こるのが当たり前だからです。
時代はロジカルシンキングからアブダクションへ。
アブダクションとは、3つか4つくらいの事実から「こう言えるのではないか」という法則を見出して、ちょっと違ったなと思ったら、どんどん修正を繰り返していく思考法。
正しさに囚われると、僕たちは遠くに行けなくなってしまいます。
3. 感想とレビュー
『努力革命』は、現代社会における「努力」の意味を再定義し、テクノロジーを活用して効率よく成長するための実践的なガイドです。著者の尾原和啓氏と伊藤羊一氏は、AI技術を効果的に活用することで、従来の努力観から解放され、より効率的に成果を上げることができると主張しています。
本書の最も魅力的な部分は、ChatGPTを活用した新しい努力のアプローチです。従来の努力が求められる分野でも、AIの力を借りることでより効率的かつ効果的に成果を上げることができるという考え方は、非常に新鮮で革新的です。例えば、第1章で紹介されている「壁打ち」のプロセスは、問題解決において非常に実用的であり、誰でも簡単に取り入れることができる方法です。
また、第2章から第4章にかけて紹介されている「頭の良さ」「経験」「センス」をコピーする方法は、これまで時間と労力をかけて習得してきたスキルを、AIを使って効率的に身につけることができるという点で、未来を感じさせる内容でした。特に、センスやクリエイティビティをAIで強化するというアイデアは、これからの時代における自己成長の新しい形を示唆しており、非常に興味深いです。
『努力革命』は、現代の働き方や成長のあり方に疑問を抱くすべての人にとって、非常に価値のある一冊です。特に、効率よく成果を上げたいと考えるビジネスパーソンや、自己成長を目指す人にとって、この本は強力なツールとなるでしょう。
4. まとめ
『努力革命』は、AI技術がもたらす新しい努力の形を探求し、効率的に成果を上げるための具体的な方法を提供する一冊です。従来の努力観にとらわれず、ChatGPTのようなツールを活用することで、より楽しく成長し、多くのチャンスを掴むことができることを示しています。本書を通じて、努力の新しい定義とその実践方法を学び、これからの時代をサバイブするための知識とツールを手に入れることができるでしょう。AIが進化する中で、どのように自分の力を最大限に引き出し、効率的に成長していくかを考えるすべての人にとって、この本は必読の一冊です。
最後まで読んでいただきまして、
ありがとうございました。
背伸びしない等身大の経験とアイディアのコラムも書いています。
日々の仕事やライフスタイルのヒントになればうれしいです。
X(Twitter)、Threads、instagram、Blueskyもやっているので、もしよかったら覗いてください。