『池上彰の未来予測 After 2040』は、私たちが避けて通れない2040年以降の未来について、池上彰さんが仕事、教育、経済、健康の5つの視点からわかりやすく解説した一冊です。
漠然とした未来の不安に押しつぶされそうになっている方におすすめです。
池上彰の未来予測の特徴は、明るい未来と暗い未来の両方をフラットに示してくれる点です。
単なる予測ではなく、私たちが今から何を準備し、どう行動すべきかを教えてくれるガイドブックとも言えます。
この記事では、池上彰の未来予測 After 2040の要約を中心に、本書の魅力と読むべき理由をご紹介します。
1. 著者の紹介
著者の池上 彰(いけがみ あきら)さんは、元NHKの報道記者であり、現在はジャーナリストとして幅広く活躍されています。
テレビ番組や執筆活動を通して、複雑な社会の仕組みやニュースを「わかりやすい言葉」で解説することに定評があります。
特に未来予測に関する著書は多く、私たち読者が主体的に未来を考えるためのきっかけを与えてくれる存在です。
本書でも、そのわかりやすさと公正な視点は健在です。
2. 本書の要約
本書は、AIや人口減少といった大きな変化が予想される2040年以降を見据え、私たちの生活に直結する五つのテーマで未来の姿を明らかにしています。
時代の変化に取り残されてしまう人と、取り残されずにスムーズに順応できる人の違いは、好奇心があるかどうかです
『池上彰の未来予測 After 2040』
仕事編:AIに仕事を奪われないために
2040年までには、多くの仕事がAIに代わると言われています。
生き残るのは、生成AIを使いこなす人や、高度な指示を出すプロンプトエンジニアです。
しかし、池上さんはそれすらも変化する可能性を指摘されています。
今後本当に必要とされるのは、AIにはできない「人間力」や「仕事の目的や意義」を常に考えられる人だと説きます。
また、日本が「ものづくり幻想」から脱却しない限り、世界の競争から取り残されるという厳しい現実も示しています。
人間には人間の感情に関わる仕事が残り、それがより大切になっていく
『池上彰の未来予測 After 2040』
教育編:未来を生きる子どもたちに必要なもの
少子化と同時に深刻なのが教員不足です。
これにより、自治体ごとの教育格差が拡大していくリスクがあります。
オンライン教育が当たり前になる中で、子どもたちに必要なのは、知識の暗記よりも変化に順応できる好奇心と多様な人間関係を築く力だと強調されています。
現在の学校制度が万能なわけではない
『池上彰の未来予測 After 2040』
AIに仕事を奪われない人は、人間力のある人だからです
『池上彰の未来予測 After 2040』
自然災害編:災害大国で生き残るための備え
温暖化によるマラリアやデング熱といった感染症のリスク増加など、身近な問題も扱っています。
世界でマグニチュード6以上の地震の約2割が日本で発生しているという事実から、災害大国として私たちが今から準備すべきことを呼びかけます。
地球温暖化の時代は終わり、地球沸騰の時代が到来した
国連のアントニオ・グテーレス事務総長
暮らし・経済編:日本経済の課題と社会保障
日本が賃金が上がらない異常な状況にある根本的な理由として、企業の内部留保の問題が挙げられています。
また、GDP(国内総生産)が国の豊かさを示す指標ではなくなっていく流れも解説されています。
社会保障については、年金は「長生きリスクへの保険」だと捉え、「元を取る」という考え方を転換すべきだと提言しています。
将来的なベーシックインカムの議論や、純資産への課税の可能性にも触れています。
日本は、「中福祉・低負担」
『池上彰の未来予測 After 2040』
アメリカは、「低福祉・低負担」
北欧諸国は、「高福祉・高負担」
国が存続する以上、年金破綻は起きない
『池上彰の未来予測 After 2040』
ただし、これまでに年金を受け取った世代のようにたっぷりと年金をもらえるかというと、そうはならない可能性は高い
年金保険料は払わない人は損をしている
『池上彰の未来予測 After 2040』
健康編:進化する医療と倫理的な問題
2040年に向けて、医療技術は驚くべき速度で進化します。
バイオ3Dプリンターによる臓器作成や、ゲノム医療による病気の予防が可能になるかもしれません。
しかし、技術が進歩すればするほど、医療費の高額化や遺伝子操作による差別といった倫理的な問題も表面化すると警告しています。
いつになっても自分を磨くために、勉強は大事
3. ココだけは押さえたい一文
池上さんが、未来への向き合い方について読者に示している、非常に重要な姿勢が表れている一文です。
未来予測の意味は、外れることも多い。しかし、事前に予測しておくことで、変化に対する心構えや準備ができる。
『池上彰の未来予測 After 2040』
未来の予測が100%当たるわけではないことを前提としています。
それでも、池上彰の未来予測に触れることで、「心構え」や「準備」ができ、時代の流れにスムーズに順応できる人になれると教えてくれています。
4. 感想とレビュー
『池上彰の未来予測 After 2040』は、ニュースを「自分事」として捉え直すきっかけを与えてくれる本だと感じました。
専門的な知識がなくても、池上彰さんの語り口で、スラスラと未来の課題を理解できます。
不安を「行動」に変える
未来を考えると、円安や大災害など、どうしても不安なことばかりに思考が支配されがちです。
しかし、著者は「未来をなるべく楽観的に考えることを心掛けている」と述べています。
この姿勢が、読者に不安に立ち向かう勇気を与え、「今からどう行動していくか」というポジティブな問いへと導いてくれます。
「延長線上にない未来」への備え
特に印象的なのは、未来には「今の延長線上」にはない「フェーズが変わる」瞬間が起こり得るという指摘です。
この本を読むことで、私たちは過去の常識に固執することなく、変化に対して柔軟に対応するための多様な人間関係や好奇心を育てていく重要性を再認識できます。
少しでも気になった方は、ぜひ本書を手に取り、未来という大きな波に乗るための準備を始めてみてください。
5. まとめ
池上 彰さんの『池上彰の未来予測 After 2040』は、仕事、教育、経済、健康といった多岐にわたる分野で、2040年以降の未来の可能性を深く掘り下げています。
この本を読む目的は、未来を知って不安になることではありません。
事前に明るい未来と暗い未来の両方を理解し、変化に対する心構えと準備を始めることです。
池上彰の未来予測を通して、他人事のように考えず、生涯を通じて社会や家族から必要とされるための行動を、今から起こしていきましょう。
最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました。
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