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今回は『子育てで絶対やってはいけない35のこと』についてレビューと要約の記事となります。
1. 著者の紹介
アグネス・チャンは、香港出身の歌手・タレントであり、教育者、作家、ユニセフ親善大使としても幅広く活躍されています。カナダのトロント大学で児童心理学を学び、アメリカのスタンフォード大学で教育学の博士号を取得。単なる芸能活動にとどまらず、アカデミックな知識と、3人の息子を全員スタンフォード大学に進学させた母親としての豊富な実体験に基づいた子育て論は、多くの親から共感と支持を得ています。国際的な視野と温かい人柄で、子育てに関する講演や執筆活動を通じて、親子のより良い関係構築を提唱し続けている、まさに子育てのロールモデルと言えるでしょう。
2. 本書の概要
『子育てで絶対やってはいけない35のこと』は、アグネス・チャンが自身の児童心理学と教育学の知識、そして3人の息子たちを育て上げた実践経験に基づいて、「子育てで絶対やってはいけない」35の具体的な行動や考え方をまとめた一冊です。「親子がともに楽しく成長していくために」という温かいメッセージを軸に、子供の個性を尊重し、能力を最大限に引き出すためのアグネス流子育ての極意が凝縮されています。子供を他人と比較することの弊害、子供の主体性を奪う親の過干渉、勉強と遊びを分離することのデメリットなど、多くの親が陥りがちな子育ての落とし穴を指摘し、具体的な事例とともに、子供の脳と心を健やかに育むためのヒントを提供します。0歳から思春期まで、子育てのあらゆる段階で役立つ普遍的なメッセージが込められた、子を持つ親にとって必読の書と言えるでしょう。
3. 本書の要約
『子育てで絶対やってはいけない35のこと』は、「個」「力」「絆」「習」「愛」「尊」「家」「食」「危」「心」「善」という11のキーワードに分けられ、それぞれのテーマにおいて「絶対やってはいけないこと」が具体的に解説されています。
【個|Self】
01 子供を他人と比べてはいけない: 他の子と比較することで、子供は自信を失い、自己肯定感が低下する。親は子供の個性を認め、その子の持つ良いところを伸ばすべきである。
02 子供を赤ちゃん扱いしてはいけない: 子供の成長を信じ、年齢に応じた自立心を育むことが大切。過保護は子供の成長を妨げる。
03 子供の個性を殺してはいけない: 子供一人ひとりの興味や才能を尊重し、画一的な価値観を押し付けない。
04 子供の代わりに選択してはいけない: 小さなことから自分で決める経験を積ませることで、主体性と責任感を育む。
【力|Strength】
05 同じような毎日を過ごさせてはいけない: 新しい経験や刺激を与えることで、子供の好奇心や探求心を育む。
06 文字嫌いな子にしてはいけない: 絵本を読んだり、文字に触れる機会を積極的に作り、文字への興味関心を育む。
07 子供が質問をしたら、「ちょっと待って」と言ってはいけない: 子供の知的好奇心を大切にし、どんな質問にも真摯に向き合い、一緒に考える姿勢を持つ。
【絆|Communication】
08 一方通行で子供の話を聞いてはいけない: 子供の気持ちに寄り添い、共感しながら、じっくりと話を聞く姿勢が大切。
09 子供が望むまで別々に寝てはいけない: 子供の不安な気持ちを受け止め、安心感を与えることが大切。無理な一人寝は逆効果になることもある。
10 子供との約束を破ってはいけない: 親子の信頼関係を築く上で、約束を守ることは非常に重要。
11 我が家独特の「暗号」の力を軽く見てはいけない: 家族間での特別な言葉やジェスチャーは、絆を深める大切な要素。
【習|Learn】
12 勉強と遊びを区別してはいけない: 遊びの中に学びの要素を取り入れたり、学びを楽しいものとして捉える工夫をする。
13 結果だけを重視してはいけない: 努力する過程を認め、褒めることで、子供のモチベーションを高める。
14 習い事を無理やり続けさせてはいけない: 子供の興味や適性を尊重し、嫌がる習い事は見直すことも大切。
【愛|Love】
15 子供にイライラしてはいけない: 親も人間だが、感情的に怒るのではなく、冷静に子供と向き合う努力をする。
16 兄弟に、愛情の差をつけてはいけない: 子供たちは親の愛情に敏感。公平な愛情表現を心がける。
17 高校時代の恋愛は止めてはいけない: 健全な恋愛は、人を愛する気持ちや思いやりを育む良い機会となる。
【尊|Respect】
18 子供にやってほしくないことは親もやってはいけない: 親は子供の模範となるべき存在。
19 大人だけで会話してはいけない: 子供も家族の一員として尊重し、会話に含める。
20 暴力で躾をしてはいけない: 体罰は子供の心に深い傷を残し、暴力的な解決方法を学習させてしまう。
21 仕事を最優先にしてはいけない: 子供との時間はかけがえのないもの。仕事とのバランスを意識する。
【家|Family】
22 家事の役割分担を固定してはいけない: 子供の年齢や能力に合わせて、家事への参加を促す。
23 親子は友達関係になってはいけない: 親は子供にとって安心できる保護者であり、時には厳しさも必要。
24 子供に依存してはいけない: 子供の成長を喜び、自立を促すことが親の役目。
【食|Food】
25 子供にひとりでご飯を食べさせてはいけない: 家族で食卓を囲む時間は、コミュニケーションを育む大切な機会。
26 食べ物の好き嫌いをうるさく言いすぎてはいけない: 嫌いなものも少しずつ挑戦させる姿勢は大切だが、過度に強制しない。
27 子供に甘い飲料水を飲ませてはいけない: 健康的な食習慣は、心身の成長に不可欠。
【危|Danger】
28 インターネットを無条件に使わせてはいけない: 利用ルールを設け、適切な使い方を教える。
29 子供を漫画中毒にさせてはいけない: バランスの取れた生活を送れるよう、漫画以外の活動も促す。
【心|Heart】
30 ご褒美を「物」にしてはいけない: 物ではなく、一緒に過ごす時間や言葉による称賛を大切にする。
31 お小遣いで金銭感覚を教えてはいけない: お金の大切さや使い方を教える機会を持つことは重要。
32 思春期のホルモンのメカニズムを無視してはいけない: 思春期特有の心身の変化を理解し、寄り添う姿勢が大切。
33 アイデンティティーの確認をおろそかにしてはいけない: 子供が自分自身を見つめ、自己肯定感を育むサポートをする。
【善|Goodness】
34 自己中心的な子に育ててはいけない: 他者への思いやりや感謝の気持ちを育む。
35 感謝の気持ちを忘れてはいけない: 日常の小さなことにも感謝する心を育む。
『子育てで絶対やってはいけない35のこと』は、アグネス・チャン自身の経験に基づいた具体的なアドバイスが満載で、子育てに悩む親にとって、道しるべとなる一冊です。
4. ここだけは押さえたい一文
「子供を他人と比べてはいけない
『子育てで絶対やってはいけない35のこと』
もし比べるなら、自分自身と比べる。
昨日の自分より良くなったか?優しくなったか?」
「個性」は最大の武器
『子育てで絶対やってはいけない35のこと』
「違い」の楽しさと面白みを教える
子どもの質問に「ちょっと待って」といわない
『子育てで絶対やってはいけない35のこと』
質問することは良いことだと教える
無関心な子はIQも学力も下がる
「よく聞いてくれたね!」と言い、質問することを励ます
子どもとの約束を破らない
『子育てで絶対やってはいけない35のこと』
自分の約束を破ったり、嘘をつく人間になる
結果だけを重視しない
『子育てで絶対やってはいけない35のこと』
本当の人間の良さは、試験ではわからない。
『子育てで絶対やってはいけない35のこと』
でも最低限の点を取らないと、社会は認めてくれず、自分がなりたい自分になれない。
どうせやるなら楽しく勉強しよう
『子育てで絶対やってはいけない35のこと』
結果ありきの評価は、個性のない同じような人間を育ててしまう。
『子育てで絶対やってはいけない35のこと』
子どもにイライラしない
『子育てで絶対やってはいけない35のこと』
なんでも前向きにとらえて、笑い飛ばしてしまう発想
高校時代の恋愛は止めない
『子育てで絶対やってはいけない35のこと』
人を好きになることは自然なこと。子どもの自然な成長を止めてしまう。
「学生としてやらなければいけないことは、しっかりやるように」
それだけ言う。
子どもにやってほしくないことは、親もやらない。
『子育てで絶対やってはいけない35のこと』
親は自分の役割から逃げてはいけない。
『子育てで絶対やってはいけない35のこと』
親を尊敬できる子供は幸せ。
尊敬される存在にならないといけない。
子どもに依存しない。
『子育てで絶対やってはいけない35のこと』
親がテストの点にこだわると、「いい点を取らないと、いい子ではない」と子供が思う。
子どもにはプレッシャーをかけない。
子どもを自立させることが子育ての目標。
ご褒美を「モノ」にしない。
『子育てで絶対やってはいけない35のこと』
ご褒美になれると、自分から勉強することをしなくなる。
「モノ」ではなく、大刹那時間や、体験をご褒美にする。
ホルモンのメカニズムを無視しない。
『子育てで絶対やってはいけない35のこと』
そのイライラはホルモンのせい。
子どもが反抗しているのではない、成長している。
君たちのせいではない、ホルモンのせいと教えてあげる。
感謝の気持ちを忘れさせてはいけない
『子育てで絶対やってはいけない35のこと』
感謝の気持ちを持たない人は一生満たされない。
自分が今持っているものは決して当たり前ではない。
5. 感想とレビュー
『子育てで絶対やってはいけない35のこと』を読み終えて、アグネス・チャンさんの温かい眼差しと、子供たちへの深い愛情がひしひしと伝わってきました。ご自身の豊富な知識と経験に基づいた35の「やってはいけないこと」は、どれも具体的で、子育て中の親なら誰もが共感したり、ハッとさせられたりするのではないでしょうか。
特に印象に残ったのは、「子供を他人と比べてはいけない」というメッセージです。SNSや情報過多の現代において、ついつい自分の子供と周りの子供を比べてしまいがちですが、本書は、それぞれの子供の個性と成長を尊重することの大切さを改めて教えてくれます。また、「勉強と遊びを区別してはいけない」という考え方も、子供の知的好奇心を自然に育む上で非常に重要だと感じました。
アグネスさんの子育ては、決して甘やかすのではなく、子供の自立心や考える力を育むことを重視しているのがよくわかります。子供の質問に真摯に向き合う姿勢や、親子間の信頼関係を築くための具体的な方法など、すぐに実践できるヒントが満載です。
また、長男の和平さんによる「息子の視点」コメントも、親の意図が子供にどのように伝わっていたのかを知る上で非常に貴重でした。親と子の両方の視点から子育てを考えることができるのは、本書の大きな魅力の一つだと思います。
子育てに正解はないと言われますが、『子育てで絶対やってはいけない35のこと』は、親として大切にすべき普遍的な価値観や、子供の成長をサポートするための具体的な方法を示してくれます。子育てに悩んでいる方、これから親になる方はもちろん、子育てが一段落した方にも、改めて子育てについて考える良いきっかけを与えてくれる一冊だと感じました。アグネス・チャンさんの温かいメッセージに触れ、肩の力を抜いて、子供との成長を楽しんでいきたいと改めて思いました。
6. まとめ
『子育てで絶対やってはいけない35のこと』は、アグネス・チャンが自身の豊富な知識と3人の息子の子育て経験に基づいて、「子育てで絶対やってはいけない」35の行動や考え方を具体的に解説した一冊です。子供の個性を尊重し、能力を最大限に引き出すためのアグネス流子育ての極意が凝縮されており、子育てのあらゆる段階で役立つ普遍的なメッセージが込められています。「子供を他人と比較しない」「勉強と遊びを区別しない」「子供の質問を大切にする」など、親として大切にすべき考え方や、すぐに実践できる具体的なヒントが満載です。子育てに悩むすべての親にとって、温かい励ましと具体的なアドバイスを与えてくれる、心強い一冊となるでしょう。
最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました。
背伸びしない等身大の経験とアイディアのコラムも書いています。
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