【3分要約・読書メモ】THE ALGEBRA OF WEALTH 一生「お金」を吸い寄せる富の方程式

BOOKS-3分読書メモ-
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さて、私たちの生活に切っても切り離せないもの、それが「お金」です。 将来の不安をなくしたい、やりたいことをするためのお金が欲しい、経済的に自立したい…誰もが一度は考えたことがあるでしょう。最近では「FIRE」という言葉もよく聞かれるようになり、お金に関する関心はますます高まっているように感じます。

ただ、お金の話って、ちょっと難しそうだったり、胡散臭く感じてしまったりすることも正直ありますよね。「どうすればお金持ちになれるの?」という問いに対して、シンプルで、かつ地に足の着いた答えを見つけるのは意外と難しいものです。

そんな中で、まさに「これこそ、私たちが知りたかった真実だ!」と感じた素晴らしい一冊に出会いました。

それが、今回ご紹介する『一生「お金」を吸い寄せる 富の方程式』 スコット・ギャロウェイ (著) です!

本書は、単なる投資のテクニック集でも、精神論だけでもありません。お金というものを人生全体の中に位置づけ、どう向き合えば、「十分な収入」ではなく「十分な資産」を得て、「幸福な金持ち」になれるのかを、非常に明快かつユーモアを交えて教えてくれます。

この記事では、私が『一生「お金」を吸い寄せる 富の方程式』を読んで、特に重要だと感じたポイントを詳しくお伝えしていきます。

「富の方程式」とは一体何か? どうすればそれを実践し、一生お金を吸い寄せる体質になれるのか? そして、本当の豊かさとは何なのか?

ぜひ最後までお付き合いください!

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1. 著者の紹介

まず、本書『一生「お金」を吸い寄せる 富の方程式』の著者、スコット・ギャロウェイ(Scott Galloway)氏をご紹介します。彼の経歴を知るだけでも、本書の信頼性と価値の高さがうかがえます。

スコット・ギャロウェイ氏は、ニューヨーク大学(NYU)スターン経営大学院の教授として、20年以上にわたり教鞭をとっています。彼の講義は非常に人気があり、全米屈指のビジネススクール教授として知られています。その功績から、「世界最高のビジネススクール教授50人」にも選出されています。

学術的な分野での権威であると同時に、ギャロウェイ氏は起業家としても目覚ましい実績を持っています。これまでに9社もの会社を自ら立ち上げ、成功させてきました。特に、オンライン分析プラットフォームのL2や、デジタルマーケティング会社Red Envelopeなどの創業に関わっています。

さらに、彼は40年以上の投資歴を持つベテランの投資家でもあります。理論だけでなく、自らビジネスを立ち上げ、実際に投資の世界で長年経験を積んできた実践者なのです。

ギャロウェイ氏の特徴は、その鋭い洞察力と、物事をズバッと分かりやすく、そしてユーモアを交えて語るスタイルです。彼のブログやポッドキャスト、オンラインコースなどは世界中で人気を博しており、多くのビジネスリーダーや起業家が注目しています。

本書『一生「お金」を吸い寄せる 富の方程式』は、そんな彼が長年の研究、起業、投資経験、そして人生経験を通じて得た、お金と人生に関する知恵を初めて体系的にまとめたものです。複雑に思える「お金」というテーマを、誰にでも理解できるシンプルさで、かつ本質を突いた形で提示できるのは、彼だからこそできる芸当と言えるでしょう。

本書が、Amazon.comの2024年ベスト・ブックス・オブ・ザ・イヤーのビジネス・リーダーシップ部門でベスト20に選出され、全米でベストセラーとなっていることからも、その内容の質の高さと注目度の高さが分かります。

また、『サイコロジー・オブ・マネー』の著者モーガン・ハウセル氏や、ゴールドマン・サックスCEOのデイヴィッド・ソロモン氏、NYUの同僚であるアスワス・ダモダラン教授といった、世界的な論客やビジネスリーダーがこぞって本書を絶賛していることも、ギャロウェイ氏の専門性と本書の価値を裏付けています。

まさに、お金と人生の最前線を知る権威が贈る、一生ものの知恵が詰まった一冊、それが本書の著者、スコット・ギャロウェイ氏が生み出した『富の方程式』なのです。

2. 本書の概要

さて、ここからは本書『一生「お金」を吸い寄せる 富の方程式』がどのような内容を扱っているのか、その概要を説明します。

本書のタイトルにある「富の方程式」とは、著者のスコット・ギャロウェイ氏が提唱する、経済的自立と幸福な人生を実現するためのシンプルなフレームワークです。彼は、巷に溢れる複雑なお金儲けの話や、精神論だけでは、真の豊かさは得られないと考え、誰もが理解し、実践できる本質的な原則を、この方程式に凝縮しました。

本書が目指すのは、単に一時的に収入を増やすことではありません。目指すのは、「十分な収入」を得るだけでなく、そこから「十分な資産」を築き、その資産から得られる収入(受動的所得)が生活費(消費支出)を上回る状態、すなわち「経済的自立」を達成することです。そして、さらに重要なのは、その経済的自立を土台として、人生を楽しむ「幸せな金持ち」になることです。

本書の全体像は、まさにその「富の方程式」を軸に展開されます。方程式を構成する各要素について深く掘り下げ、それが経済的自立にどう繋がるのか、そして、お金とどう向き合うことが人生の豊かさに繋がるのかを、順を追って解説していきます。

本書の中心的な考え方を表す「富の方程式」は以下の通りです。

富 = フォーカス + (ストイシズム × 時間 × 分散投資)

一生「お金」を吸い寄せる 富の方程式

この方程式の各要素が、本書の主要なテーマとなっています。

  • フォーカス (Focus): 収入を最大化するための「集中力」や「専門性」の重要性。
  • ストイシズム (Stoicism): 節約や自制心といった、浪費を抑え、賢明な選択をするための哲学や習慣。
  • 時間 (Time): 複利の力や、長期的な視点を持つことの絶大な効果。
  • 分散投資 (Diversification): リスクを管理しながら、資産を着実に増やしていくための基本的な投資戦略。

本書は、これらの要素を、抽象的な理論だけでなく、具体的な行動指針や著者自身の経験談を交えながら解説します。例えば、「3つのバケツ戦略」というシンプルなお金の管理方法や、「ストイシズムの4つの美徳」といった人格形成に関する話まで、お金に関する実務的なアドバイスと、人生観に関わる哲学的な洞察が見事に組み合わされています。

また、本書の魅力は、その語り口にもあります。ギャロウェイ氏らしいユーモアと率直さをもって、ともすれば難しくなりがちな「お金」や「投資」の話を、誰にでも分かりやすく、そして楽しく読めるように工夫されています。彼の持つ膨大な知識と経験が、読者を飽きさせないストーリーテリングで展開されていくのです。

本書の構成は、プロローグで「富の方程式」の全体像を示し、その後の章で方程式の各要素(ストイシズム、フォーカス、時間、分散投資)をそれぞれ深掘りしていくという、非常に論理的で分かりやすい流れになっています(※目次の章立ての順番は方程式の要素と完全に一致するわけではありませんが、主要な要素が丁寧に解説されます)。そして、エピローグで、お金を超えた人生で本当に大切なものは何か、という究極的な問いに答えを提示します。

経済的自立を目指したい人、お金との健全な付き合い方を学びたい人、そして、お金だけでなく人生そのものを豊かにしたいと願うすべての人にとって、本書は、そのための羅針盤となるでしょう。本書を読むことで、「富」というものが、単なる預金残高の多寡ではなく、人生をより良くするための「方程式」であり、誰にでもその解を見つける可能性があることが理解できるはずです。

3. 本書の要約

ここからは、本書『一生「お金」を吸い寄せる 富の方程式』の核となる内容を、その要約としてさらに詳しく見ていきましょう。

本書がまず明確に定義するのは、「経済的自立」です。著者は、これを「資産からの受動的所得が、望ましい消費支出(バーンレート)を上回る状態」と定義します。つまり、働かなくても資産が生み出すお金だけで生活できる状態のことです。これは、単に「高収入」であることとは異なります。いくら収入が多くても、それ以上に使ってしまえば資産は増えず、経済的自立は遠のくばかりです。目指すべきは、収入を資産に変えていくことなのです。

そして、この経済的自立を達成するための核となるのが、本書のタイトルにもなっている「富の方程式」です。

富 = フォーカス + (ストイシズム × 時間 × 分散投資)

一生「お金」を吸い寄せる 富の方程式

この方程式は、富を築き、維持するための4つの本質的な要素を示しています。著者は、これらの要素は掛け算(ストイシズム×時間×分散投資)と足し算(フォーカスを足す)で結ばれている、非常に強力な関係性にあると説きます。

  • フォーカス(Focus): これは主に、収入を最大化する力を指します。著者は、「情熱を追求せよ」といった抽象的なアドバイスよりも、まずは自分が得意な分野、すなわち「人がお金を払ってくれるような仕事」を見極め、そこに集中的に取り組むことの重要性を説きます。本業でのスキルを高め、市場価値を上げることが、資産形成の基盤となる「元手」を稼ぐ最も確実な方法だからです。目先の副業や短期的な利益に飛びつくのではなく、まずはメインの仕事に「フォーカス」し、収入の柱を太くすることが大切だと言えます。また、キャリアの早い段階からのネットワーク構築も、長期的なフォーカスを持続させる上で決定的な役割を果たすと強調されています。フォーカスとは、重要なことに「Yes」と言うために、重要でないことには「No」と言うことでもあります。経済的自立のような長期的な目標には、数十年にわたるフォーカスが不可欠です。
  • ストイシズム(Stoicism): これは、古代ギリシャの哲学に由来する考え方で、本書では主に「節約」と「自制心」を指します。著者は、いくら収入が高くても、それ以上に使ってしまえば意味がないと繰り返し強調します。現代社会は広告や誘惑に溢れており、欲しいものがまるで必需品のように感じられてしまいがちです。そんな中で、無駄遣いや衝動的な行動を避けるためには、ストイシズムの哲学、特に「自制」の美徳が不可欠なのです。ストイシズムは、「勇気」「知恵」「正義」「自制」という4つの美徳を重んじますが、これらを実践することが人格を高め、衝動に流されず、自分の価値観に基づいた賢明な選択をする力に繋がると説きます。具体的な習慣としては、衝動的に判断しそうなときに「一呼吸置く」ことや、感情に振り回されず、自分のコントロールできること(自分の反応)に意識を向けることなどが推奨されています。貯金の「筋肉」をつけていく習慣も、このストイシズムの実践と言えるでしょう。
  • 時間(Time): 時間は、資産形成における「真の通貨」であり、「最強の味方」です。その最大の力は「複利」にあります。ウォーレン・バフェット氏の資産の大部分が65歳以降に築かれたことからも分かるように、投資から得た利益がさらに利益を生む「複利」の効果は、長期になればなるほど雪だるま式に資産を増やします。少額でも早く始めることが、時間の複利効果を最大限に活用する鍵です。この時間の力は、金融資産だけでなく、習慣の形成や人間関係の構築など、人生のあらゆる領域で作用します。しかし同時に、著者は現代社会における時間の浪費にも警鐘を鳴らしており、特にソーシャルメディアを「歴史上最大の富の破壊者の一つ」と厳しく批判しています時間は有限であり、最も貴重な資産であることを認識することが重要です。
  • 分散投資(Diversification): これは、「卵を一つの籠に盛るな」という投資の基本原則です。リスクを管理しながら資産を着実に増やすために、一つの分野や銘柄に集中するのではなく、様々な資産に資金を分けることが重要です。特定の資産が下落しても、他の資産が上昇していれば全体としての損失を抑えられます。著者は、具体的な投資戦略として、全体の8割をインデックスファンドなどを活用したパッシブ投資に、残りの2割を個別株などのアクティブ投資に振り分けることを推奨しています。これは、市場全体の長期的な成長の恩恵を受けつつ(パッシブ)、より高いリターンも追求する(アクティブ)というバランスの取れたアプローチです。この分散投資戦略も、時間の力(長期視点)と組み合わさることで、真価を発揮します。短期的な市場の変動に一喜一憂せず、時間をかけて資産が成長する過程を信頼することが大切です。これは一朝一夕で成し遂げるものではなく、時間をかけて富を育てていく賢明なアプローチです。


本書では、これらの「富の方程式」の要素を踏まえ、収入を管理するための具体的な方法として「3つのバケツ戦略」を提案しています。

収入を以下の3つのバケツに分けて管理します。 ① 消費(Consumption):生活費、娯楽費、贅沢品など、日常生活で使うお金。 ② 予備費(Reserve Fund):緊急時や将来の大きな支出(車の修理、医療費、頭金、学費など)に備えるための貯蓄。数ヶ月分の生活費などが目標。 ③ 投資(Investment):資産を増やし、経済的自立のための受動的所得を生み出すためのお金。方程式の「分散投資」に回す部分。

著者は、特に若い頃は消費の割合が高くなりがちだが、意識的に消費を管理し、少しずつでも予備費と投資のバケツにお金を入れていくことの重要性を強調します。面接のためのスーツや健康のためのジムなど、一見投資に見える支出も、多くは消費であると冷静に判断すべきだと述べます。しかし、全ての消費が悪いわけではなく、人生を後悔しない程度の消費も大切だとバランス感覚も示します。重要なのは、若い時から少額でも投資のバケツにお金を入れる習慣をつけ、「貯金と投資の筋肉を鍛える」ことです。そうすることで、将来収入が上がった際に、スムーズに多くの資金を投資に回せるようになり、経済的自立への道が加速するのです。

本書の要約を締めくくる上で最も重要な点は、著者が「お金は目的ではなく手段である」と強くメッセージしていることです。本当に大切なのは、健康、人間関係、そして自己実現です。お金を増やすことに固執し、これらの人生で最も価値のあるものを犠牲にしては意味がありません。経済的自立の真の目的は、愛する人々と豊かな人間関係を築き、人生で一番大切な「時間」を、より早く、より多く共に過ごせるようになることにあります。銀行口座に多額のお金を残して死ぬことではなく、人生を楽しみ、周囲を豊かにするために、お金というツールをどう活用できるかを考えること。富の形成とは、お金を増やすだけでなく、自分自身の人格を高め、周囲との関係を深める「全人格的なプロジェクト」なのです。本書は、富の形成という経済的な側面と、豊かな人生という人間的な側面を見事な方程式で結びつけ、持続可能な豊かさへの道筋を照らしています。

4. ココだけは押さえたい一文

本書『一生「お金」を吸い寄せる 富の方程式』を読んで、私が「これこそ本書の、いや、人生の真実だ!」と強く感じ、何度も読み返した一文があります。

それは、本書の終盤、お金と人生の最も大切なものについて語られる箇所で見つけた、この言葉です。

「富の形成とは、お金を増やすだけでなく、自分自身を成長させ、周囲との関係を深める総合的な営みなのです。」

一生「お金」を吸い寄せる 富の方程式

私たちは、「お金持ちになりたい」というと、つい預金残高を増やすことや、投資で儲けることだけに目を向けがちです。もちろん、それらは富を築く上で不可欠な要素です。しかし、本書は、それだけでは不十分であり、「自分自身の人格を磨くこと」、そして「周囲の大切な人たちとの関係性を深めること」が、富を築き、そしてその富によって人生を豊かにするための、お金と並んで(あるいはそれ以上に)重要な要素なのだと教えてくれます。

ストイシズムの実践による自制心や人格の向上は、衝動的な浪費を防ぎ、長期的な視点を持つために不可欠です。また、良好な人間関係は、キャリアの機会をもたらしたり、困難な時期の支えになったり、そして何よりも、人生を喜びや意味で満たしてくれる、お金では買えない最高の「資産」です。

この一文は、お金を「手段」として捉え、その「目的」が豊かな人生であることを明確に示しています。銀行にお金を溜め込むこと自体がゴールなのではなく、そのお金を使って、自分が成長し、愛する人たちと素晴らしい時間を共有し、社会に貢献するといった、人生そのものを豊かにすることこそが真の「富」なのです。

この一文は、お金の話をしているようで、実は「どう生きるか」という哲学を問いかけてきます。本書を読む際には、ぜひこの一文を心に留めて、あなたにとっての「総合的な営み」とは何か、そして、どうすればお金というツールを使って、自分自身と周囲の人々を真に豊かにできるのかを深く考えてみてください。

「経済的自立は、どれくらい多くを稼ぐかではなく、
どれくらいの資産を保有し、
”自分は何があれば満足した人生を送れるか”を知ることに取ってもたらされる」

一生「お金」を吸い寄せる 富の方程式

「自分の怒りや恐れ、欲に目を向け、それらに振り回されない」

一生「お金」を吸い寄せる 富の方程式

「出世するのは最高の意思決定をした人ではなく、”最も多く”意思決定をした人」

一生「お金」を吸い寄せる 富の方程式

フォーカスとは、「NO」と言うことだ

一生「お金」を吸い寄せる 富の方程式

「人生は旅であって目的地ではない」

一生「お金」を吸い寄せる 富の方程式

「やる気を出すには、手っ取り早く勝つことが重要」

一生「お金」を吸い寄せる 富の方程式

時間は長期的には「見方」になり、短期的には「敵」になる

一生「お金」を吸い寄せる 富の方程式

SNSは、おそらく人類史上最大の「富の破壊者」だ

一生「お金」を吸い寄せる 富の方程式

経済的自立の基盤は、収入が増える以上に支出を増やさないことだ

一生「お金」を吸い寄せる 富の方程式

どんな資産よりも、自分の時間を大切にする

一生「お金」を吸い寄せる 富の方程式

5. 感想とレビュー

本書『一生「お金」を吸い寄せる 富の方程式』は、お金に関する本でありながら、人生全体を見つめ直すきっかけを与えてくれた、非常に示唆深い一冊でした。

正直、読む前は「富の方程式? なんだか難しい数式が出てくるのかな?」と少し身構えていましたが、蓋を開けてみれば、その方程式は驚くほどシンプル。そして、その各要素(フォーカス、ストイシズム、時間、分散投資)の解説は、これまでの私自身の経験や、仕事で見てきたこととピタリと符合するものが多く、非常に納得感がありました。

例えば、「フォーカス」の重要性です。マーケティングの現場でも、あれこれと手を出しすぎず、最も成果に繋がるターゲットやチャネルに「フォーカス」することが、限られたリソースで最大の効果を出すために不可欠です。これは、個人の収入を最大化するためにも全く同じ原則が当てはまるのだと改めて認識しました。

「時間」の力、特に「複利」についても、頭では理解していましたが、本書はそれを「真の通貨」と表現したり、バフェット氏の事例を挙げたりすることで、その絶大な力をより実感させてくれました。これは金融投資だけでなく、スキル習得や人間関係構築にも言えることです。日々の小さな努力や、人との丁寧な関わりも、時間が経つにつれて雪だるま式に大きな「資産」となって返ってくるのだと考えると、日々の行動へのモチベーションが高まります。逆に、ソーシャルメディアなどで時間を浪費することのリスクについても、耳が痛い話ですが、厳しくも現実的な指摘だと感じました。

「ストイシズム」という言葉は馴染みが薄かったのですが、要は「自制心を持って無駄遣いをなくすこと」だと理解し、これは私にとって最大の課題の一つだと痛感しました(苦笑)。

そして、本書を単なるお金の本で終わらせないのが、最後の『一生「お金」を吸い寄せる 富の方程式』についての語りです。お金は、愛する人たちとより多くの時間を過ごしたり、やりたいことを実現したりするための「手段」であるというメッセージは、日々の忙しさの中で見失いがちな、働くこと、お金を稼ぐことの根本的な「目的」を再認識させてくれました。部下をマネジメントする上でも、メンバーが仕事を通じてお金を稼ぐことに加えて、自己成長を感じたり、チームメンバーや顧客との良好な関係性を築いたりといった「見えない報酬」や人間的な豊かさを感じられるようにサポートすることの重要性を改めて感じました。

著者のスコット・ギャロウェイ氏の語り口も魅力的です。難しい話を分かりやすく、時には皮肉やユーモアを交えて語るので、楽しく読み進めることができます。彼の率直な言葉は、小手先ではなく、お金と人生の「一生モノの真実」を伝えようという熱意に溢れていると感じました。ジェームズ・クリアー氏など、私が尊敬する他の著者の名前が参考文献に挙がっていたことも、本書の信頼性を高めるポイントでした。

総じて、『一生「お金」を吸い寄せる 富の方程式』は、経済的な側面と人生の人間的な側面を統合した、稀有な「富」の入門書です。お金をどう稼ぎ、どう管理し、どう増やしていくかという実践的な方法論と、そもそも何のために富を築くのかという哲学的な問いへの答えが、分かりやすい方程式と魅力的な語り口で示されています。

経済的自立を目指したい方、お金との健全な付き合い方を学びたい方、そして、お金というツールを使って、自分自身と人生を真に豊かにしたいと願う、すべての人に心からお勧めしたい一冊です。

6. まとめ

今回は、スコット・ギャロウェイ氏の著書『一生「お金」を吸い寄せる 富の方程式』について、著者の紹介、本書の概要、要約、ココだけは押さえたい一文、そして感想・レビューをお伝えしました。

本書の核となるのは、「富=フォーカス+(ストイシズム×時間×分散投資)」という、経済的自立と幸福な人生を実現するための「富の方程式」です。これは、著者の長年の経験と、世界最先端の知見に基づいた、シンプルかつ強力なフレームワークです。

方程式を構成する「フォーカス(収入の最大化)」「ストイシズム(節約と自制心)」「時間(複利の効果)」「分散投資(リスク管理)」という4つの要素は、富を築く上で不可欠な原則であり、本書ではそれぞれが分かりやすく、具体的な実践方法と共に解説されています。特に、「3つのバケツ戦略」は、収入管理を始める上で非常に実践的なツールとなるでしょう。

しかし、本書が素晴らしいのは、単なるお金儲けの話で終わらない点です。「お金は目的ではなく手段であり、真に大切なのは健康、人間関係、自己実現である」という強いメッセージは、私たちが何のために働き、何のためにお金を稼ぐのかという、人生の根本的な問いへの答えを与えてくれます。富の形成は、お金を増やすことだけでなく、自分自身の人格を高め、周囲との関係を深める「総合的な営み」なのです。

私の個人的なレビューとしても、本書は「あるある」と感じる日々の課題(消費の誘惑、時間の浪費など)に対して、ストイシズムのような哲学や、3つのバケツのような具体的な仕組みでどう向き合うべきかを示してくれ、非常に実践的だと感じています。また、時間や複利の力を再認識し、日々の行動が長期的な「富」(お金だけでなく人間関係やスキルも含む)に繋がるのだと勇気づけられました。

もしあなたが、

  • 経済的な将来に漠然とした不安がある
  • FIREや経済的自立を目指したいが、何から始めれば良いか分からない
  • お金との健全な付き合い方を学びたい
  • 投資や資産形成に興味があるが、難しそうだと感じている
  • お金だけでなく、人生そのものを豊かにしたいと願っている

と考えているなら、ぜひ本書『一生「お金」を吸い寄せる 富の方程式』を手に取ってみてください。

本書は、あなたのお金に対する見方、そして人生に対する見方をきっと変えてくれます。そして、「富の方程式」という一生使える羅針盤を与えてくれるはずです。

この本が、皆さんの経済的自立、そしてより豊かな人生の実現の一助となれば嬉しいです。

最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました。

背伸びしない等身大の経験とアイディアのコラムも書いています。
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