あなたは、ある程度成功した後に「次のステップ」が見えなくなってはいませんか。
一生懸命頑張っているのに、なぜか人間関係でつまづいてしまったり、部下が育たないと感じたりすることはありませんか。
本書『コーチングの神様が教える 「できる人」の法則』は、世界のエグゼクティブたちが極秘で頼るコーチングの神様、マーシャル・ゴールドスミス氏が、その成功のパラドックスを解き明かした一冊です。
これまでの成功が、なぜ次の成功を妨げるのか。その根本的な原因と、具体的な改善ステップを詳細に解説します。
この記事では、『コーチングの神様が教える 「できる人」の法則』の 要約を中心に、成功者がやめるべき20の悪癖と、人間関係を劇的に改善する7つのステップを解説します。
1. 著者の紹介
著者のマーシャル・ゴールドスミス氏は、世界で最も権威あるエグゼクティブ・コーチの一人です。
彼は、GEのジャック・ウェルチ氏を筆頭に、ファイザー、グーグル、世界銀行など、名だたるグローバル企業のトップマネジメントに対してコーチングを行ってきました。
その報酬は1回あたり25万ドル(約3,000万円)超とも言われており、「コーチングの神様」と称されています。
ゴールドスミス氏の特徴は、理論や精神論ではなく、行動変容に特化した実用的なアプローチです。
成功者の行動パターンを深く分析し、「何を始めるかではなく、何をやめるべきか」を明確に提示することで、数多くのリーダーをさらなる成功に導いてきました。
2. 本書の要約
本書は、成功した人ほど陥りやすい「成功のパラドックス」を鋭く指摘し、それを乗り越えるための具体的な実践哲学を提供しています。
ここでは、「コーチングの神様が教える 「できる人」の法則 要約」を、主要なテーマに分けて詳しくご紹介します。
■成功の落とし穴:「おかげで」と「関わらず」の混同
成功した人ほど変化を嫌うという逆説から、本書は始まります。
なぜなら、これまでの成功体験が「これまでのやり方が正しい」という強い思い込みを強化してしまうからです。
成功者は、成功に導いた「正しい行動」だけでなく、「間違った行動」も行っていたにも関わらず成功している場合が多くあります。
この「おかげで(正しい行動)」と「関わらず(間違った行動)」を混同することが、次の成功を妨げる最大の原因だとコーチングの神様は指摘します。
過去の成功体験が、新しい環境や人間関係に対応できず、次のステージへ進む際の大きな障害となってしまうのです。
「もっといい人になる」目標を達成するためにやるべきことはただ1つ、「いやなヤツであることをやめる」ことだ。
『コーチングの神様が教える 「できる人」の法則』
■あなたの成長を妨げる「20の悪い癖」
本書の最も実用的な部分が、対人関係とリーダーシップにおいて成功者が無意識にやってしまう20の悪癖のリストです。
これらの悪癖は、専門能力ではなく、対人関係の質こそが昇進・昇格の鍵となるエグゼクティブレベルで特に致命的になります。
以下に、主要な悪癖をいくつかご紹介します。
悪癖 1:極度の負けず嫌い(極度に勝ちたい気持ち)
どんな状況でも、たとえ重要でない場合でも、「勝つこと」にこだわりすぎることです。
短期的には成果につながっても、長期的に見ると、チームの協力関係や部下のモチベーションを大きく損ないます。
悪癖 2:ひと言よけいなことを言う(何かひとこと価値を付け加えようとする)
他人のアイデアや提案に対して、「それは良いけど、もしこうだったらもっと良くなる」と、つい口出ししてしまうことです。
一見、建設的に見えますが、実際は相手の貢献を軽視し、自分の賢さを誇示していることになり、相手の意欲を削ぎます。
悪癖 3:善し悪しの判断をくだす
他人を評価し、自分の基準を他人に押し付けようとする癖です。
自分の価値観が絶対だと信じ、常に他人の行動に点数をつけようとするため、周囲は萎縮してしまいます。
悪癖 5:いや、しかし、でもから始める
否定的な言葉や限定的な言葉を多用することです。
これは、無意識のうちに「私が正しい、あなたは間違っている」というメッセージを伝えてしまうことにつながります。
文章を「いや」「しかし」「でも」から始めると、たとえどんなに親しげな口調であっても、相手に対するメッセージは、あなたは間違っているになってしまう。
『コーチングの神様が教える 「できる人」の法則』
悪癖 11:他人の手柄を横どりする
成功に対する自分の貢献度を過大評価し、他者の功績をきちんと認めないことです。
特にリーダーにありがちな行動であり、最も部下の信頼を失う行為の一つです。
悪癖 16:人の話を聞かない
職場の同僚や部下に敬意を払わず、話を聞く姿勢を示さないことです。
これは、相手の存在そのものを否定する、最も受動的な攻撃の形だと指摘されています。
無意味な「私らしさ」にしがみつかない
『コーチングの神様が教える 「できる人」の法則』
あなたらしさは、あなたのことではない。
他の人があなたをどう考えるか、なのだ。
■21番目の癖:目標に執着しすぎる
20の悪癖に加えて、目標への過度な執着が21番目の癖として挙げられています。
目標達成はもちろん重要ですが、それに固執しすぎると、環境の変化に適応できなくなったり、不適切な手段を選んでしまうリスクが高まります。
目標達成と同時に、状況への適応力や倫理観も失わないことが大切です。
■どうすればもっとよくなれるか?「7つのステップ」とフィードフォワード
自分の悪い癖を認識した上で、それを改善するための具体的な7つのステップが紹介されています。
- フィードバックのスキルを磨く:自分の問題点を周囲から正確に教えてもらうことです。
- 謝罪する:自分の間違いを認め、他人への影響を理解し、心から謝罪することです。
- 公表する:改善する目標を周囲に宣言し、自分に逃げ場をなくすことです。
- 聞くこと:相手に敬意を払い、最後まで遮らずに真摯に耳を傾けることです。
- 感謝する:部下や同僚への感謝を惜しまず、具体的に伝えることです。
- フォローする:改善の進捗を測定し、周囲に報告することです。
- フィードフォワードを練習する:これがゴールドスミス氏のコーチングの真骨頂です。
フィードフォワードとは、過去の行動(フィードバック)ではなく、未来の行動改善に焦点を当てたアドバイスのことです。
過去を責めるのではなく、「これからどうすればよくなるか」という建設的な対話を促進します。
自分で自分の広報担当者になろう
『コーチングの神様が教える 「できる人」の法則』
聞き上手になるポイント
『コーチングの神様が教える 「できる人」の法則』
①話す前に考えよう
②敬意をもって聞こう
③「言う価値があるか」と自問する
口を開く前に深呼吸して「言う価値があるか」と自問する、すると、私が言うとすることの50%は、正しいことであっても言う価値がゼロだということを学んだ
『コーチングの神様が教える 「できる人」の法則』
3. ココだけは押さえたい一文
本書の哲学を最もよく表している、ピーター・ドラッカーの言葉を引用した一文です。
私たちはリーダーに何をすべきか教えるのに多大な時間を使うが、何をやめるべきかを教えるのに充分な時間をかけていない。
『コーチングの神様が教える 「できる人」の法則』
成功を続けるためには、新しい何かを始めることよりも、これまでの成功を支えてきたはずの悪い習慣を断ち切ることの方が重要だと教えてくれます。
4. 感想とレビュー
『コーチングの神様が教える 「できる人」の法則』を読んで、最も衝撃を受けたのは「成功した人ほど変化を嫌う」というパラドックスでした。
自分自身の成功体験に縛られ、「このやり方で結果が出たから大丈夫」と思い込んでしまうのは、誰にでもあることだと思います。
しかし、それが知らないうちに人間関係やチームワークを壊しているという指摘は、まさに目から鱗でした。
特に「ひと言よけいなことを言う(価値判断の追加)」の悪癖は、多くのリーダーが良かれと思ってやってしまう行動だと思います。
相手のアイデアを認めつつ、つい「でも、こうした方が」と付け加えてしまう行為が、実は相手のモチベーションを下げる最大の原因だと知りました。
この本は、自分の行動を客観視するための「セルフチェックリスト」として非常に優秀です。
20の悪癖リストをチェックするだけでも、「ああ、これは自分だ」とハッとさせられる瞬間がたくさんありました。
そして、過去を責めずに未来志向で改善を促す「フィードフォワード」の概念は、部下を持つすべての管理職にとって革命的なアプローチだと感じます。
失敗を指摘しがちな従来のフィードバックに代わり、未来の具体的な行動に焦点を当てることで、部下を前向きに成長させることができます。
本書は、小手先のテクニックではなく、人間の本質と行動変容のプロセスを深く理解するための必読書です。
5. まとめ
『コーチングの神様が教える 「できる人」の法則』は、すでに成功を収めたビジネスパーソンが、さらなる成長を遂げるために何をすべきか(そして何をやめるべきか)を明確に示した実践書です。
要約でも触れた通り、対人関係を改善するための20の悪癖と7つのステップは、あなたのキャリアを次のステージへ引き上げるための確かな道筋となります。
特に、中間管理職や経営者の方々、そしてキャリアアップを目指し「自分の限界を突破したい」と願うすべての人に強くお勧めします。
行動の悪癖を言語化し、コーチングの神様の知恵を借りて、今日から「やめること」を始めてみませんか。
最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました。
背伸びしない等身大の経験とアイディアのコラムも書いています。
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