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このブログでは、ビジネスの現場で役立つ考え方や、自分自身の価値を高めるヒント、そしてマーケティングの視点を活かしたライフスタイルについて発信しています。
現代は、モノやサービスが溢れる時代。競合との「差別化」を図ろうと、みんな一生懸命工夫しています。でも、「うちの商品は他と違うのに、なぜか魅力が伝わらない…」「自分の強みって何だろう?どうアピールすればいいんだろう?」と悩むこと、ありますよね。
実は、商品やサービス、そして私たち自身の「価値」をうまく伝えられない大きな理由は、「付加価値」をうまく作れていないからかもしれません。そして、本当に役立つのは「差別化」だけではなく、「付加価値化」なのだと言います。
今回ご紹介する一冊は、この「付加価値」という、分かっているようで掴みどころがなかった概念を、日本一分かりやすく、そして実践的に教えてくれる本です。
それが、『このオムライスに、付加価値をつけてください』 柿内尚文 (著) です!
著者の柿内尚文氏は、『パン屋ではおにぎりを売れ』など、累計42万部を超えるベストセラーを手がけてきた凄腕の編集者です。本という「商品」に付加価値をつけ、その魅力を伝えるプロ中のプロが、「付加価値」の正体と作り方を惜しみなく公開してくれます。
本書は、たくさんの具体的な事例とイラスト図解で、誰でも「付加価値」が作れて、それを相手にきちんと伝えられるようになるための方法を紹介しています。マーケティングだけでなく、営業、開発、人事など、あらゆる仕事、そして自分自身の強みに悩んでいるビジネスパーソンに必読の内容です。
この記事では、私が『このオムライスに、付加価値をつけてください』を読んで、これはまさに仕事に直結する!そして面白い!と感じたポイントを、以下の構成で、コンパクトにまとめてお伝えします。
「このオムライスに、付加価値をつけてください」という問いかけに隠された意味とは? 「差別化」と「付加価値化」の違い、そしてその作り方とは? ぜひ、最後までお付き合いください!
「差別化」じゃなく「付加価値化」で仕事が変わる【要約/レビュー】
1. 著者の紹介
まず、本書『このオムライスに、付加価値をつけてください』の著者、柿内 尚文(かきうち なおふみ)氏をご紹介します。
柿内尚文氏は、数々のヒット作を生み出してきた編集者です。彼の名前を聞いたことがなくても、彼が手がけた書籍のタイトルを見れば、「あ、あの本!」とピンとくる方も多いはずです。
例えば、『パン屋ではおにぎりを売れ』、『バナナの魅力を100文字で伝えてください』、『このプリン、いま食べるか?ガマンするか?』など、どれも「物の見方を少し変えるだけで、新しい価値が見えてくる」と
いった、ビジネスや日常に役立つユニークな視点を与えてくれる書籍です。これらの書籍は、累計42万部を超えるベストセラーとなっています。
編集者という仕事は、原石である企画や原稿を、読者に響く「一冊の本」という形に磨き上げ、その魅力を最大限に伝えることです。まさに、「価値を見出し、付加価値をつけ、それを相手に伝える」ことのプロフェッショナルと言えるでしょう。
本書で語られる「付加価値」の作り方や伝え方は、柿内氏が編集者として、長年かけて培ってきた、「どうすれば人の心に響くか」「どうすればモノの価値が高まるか」といった実践的なノウハウに基づいています。
価値を言語化し、魅力的にパッケージングすることにかけては、日本でトップクラスの編集者である柿内氏だからこそ書ける、説得力と分かりやすさに満ちた一冊です。
2. 本書の概要
次に、本書『このオムライスに、付加価値をつけてください』が全体としてどのような内容を扱っているのか、その概要を説明します。
本書の中心的なテーマは、「差別化」だけでは不十分であり、本当にビジネスや個人の価値を高めるためには「付加価値化」が必要であるという明確な主張です。そして、その「付加価値」の正体を明らかにし、誰でもそれを「つくる」ための具体的な方法とフレームワークを提供することにあります。
著者はまず、商品やサービス、さらには個人の「魅力」や「強さ」が伝わりにくくなっている現代において、多くの人が「差別化」ばかりを考えている現状に疑問を呈します。確かに差別化は重要ですが、それだけでは顧客に響かない。その大きな理由は、「付加価値」をうまく作れていないからだと指摘します。
本書でいう「付加価値」とは、単に機能や性能を高めることだけではありません。商品やサービス、あるいは私たち自身に、顧客が「これにお金を払いたい」「これが欲しい」と感じる「魅力」や「意味」「ストーリー」といったレイヤーを付け加えることです。
本書は、この抽象的にも思える「付加価値」という概念を、非常に具体的で身近な事例(本書タイトルのオムライスなど)や、イラスト図解を豊富に用いて、分かりやすく解説します。そして、「付加価値をつくるフレームワーク」とその活用法を紹介しながら、誰でもこのスキルを習得できるように導いてくれます。
本書のポイントは以下の通りです。
- 「差別化」と「付加価値化」の違いとその重要性
- 「付加価値」が生まれるメカニズム(オムライス事例など)
- 「付加価値をつくるフレームワーク」と具体的な技術
- 様々なビジネスシーンや日常に応用できる豊富な事例
- 作った「付加価値」をきちんと相手に伝える方法
- 自分自身の「付加価値」を見つけ、伝える方法
本書は、マーケティング、営業、開発といった職種だけでなく、人事、総務など、部署に関わらず、「自分の仕事に、あるいは自分自身に、どうすればもっと価値を生み出せるだろうか?」と悩んでいるすべてのビジネスパーソンにとって、一生役立つ内容となるでしょう。
日本一分かりやすい「付加価値」のつくり方を目指した本書は、読むことで、目の前の商品やサービス、そして自分自身を、全く新しい視点で見つめ直し、価値創造のヒントを得られるでしょう。
3. 本書の要約
それでは、本書『このオムライスに、付加価値をつけてください』の核となる内容を、その要約としてさらに詳しく見ていきましょう。
本書の中心的な主張は、現代のようにモノや情報が溢れる社会では、単に他と「差別化」するだけでは顧客に選ばれないということ。本当に重要なのは、商品やサービス、そして自分自身に、顧客が「価値がある」と感じる「付加価値」を加えること、すなわち「付加価値化」であると説きます。そして、この「付加価値」の作り方は、センスや才能ではなく、誰でも学んで身につけられる「技術」であると提示します。
本書はまず、タイトルにもなっている「オムライス」の例を使って、「付加価値」がどのように生まれるかを分かりやすく示します。見た目は普通のオムライスでも、「実はこのオムライス、有名なスポーツ選手が子どもの頃から食べていた勝負オムライスで、今回は特別にそのお母さんが作ってくれたんです」というストーリーや文脈を加えた途端、多くの人が普段の相場をはるかに超える金額を払っても食べたいと感じるようになります。これは、オムライスという商品そのものに、「ストーリー」「特別性」「感情的な繋がり」といった「付加価値」が加わったことで、認識される価値が跳ね上がったことを示しています。
本書は、この原理に基づき、「付加価値をつくるフレームワーク」と具体的な「技術」をいくつか紹介します。例えば、オムライスにケチャップで応援メッセージを書いて募金に繋げる「復興支援オムライス」は、食べ物であるオムライスを「メッセージボード」という新しい役割に「再定義」する技術。甘いものが苦手な人への誕生日プレゼントに、メッセージオムライスを贈ることは、ケーキという用途にオムライスを「当てはめる(応用する)」技術です。
高たんぱくを売りにしたオムライスも、健康志向という時代のニーズに合わせ、オムライスを「高たんぱく商品」という新しいカテゴリーに「再定義」する技術だと言えます。これらの技術を使うことで、「食べる」という軸だけでなく、「話したい」「思い出になる」「健康のため」といった、様々な視点から付加価値を考えていくことができるようになります。
また、本書では他の事例も交えながら、「付加価値化」に必要な視点を提示します。例えば、お客様が減った老舗の肉屋の例は、単に競合が出現しただけでなく、「同じことを続けていること自体が問題である」ことを教えてくれます。外部環境の変化に合わせて、サービスや価値提供の方法を進化させ続けることの重要性を示唆しています。
『のび太という生き方』という書籍のターゲットを変えた例は、提供しているものの「価値」を、どんな「相手」に届けたいか、あるいはどんな「相手」ならその価値を強く感じるのかを再分析することの重要性を教えてくれます。
思い込みではなく、実際の顧客や市場を見極めることが、新たな付加価値を生み出す鍵となります。
著者の「マイマニュアル」という考え方も、自分自身の付加価値化に通じます。自身の知識やノウハウを体系的に言語化し、共有することで、自分の考えが整理されるとともに、他者にとっての「価値」が高まります。
本書の要約をまとめると、『このオムライスに、付加価値をつけてください』』は、単なる「差別化」を超え、顧客が「価値がある」と感じる「付加価値」を、ストーリー、文脈、新たな定義、ターゲットの変更といった様々な切り口から「つくる技術」と「フレームワーク」を、豊富な事例と分かりやすい解説で提供してくれる、実践的なガイドブックであるということです。これは、商品やサービスだけでなく、私たち自身にも応用できる、価値創造の本質を捉えた内容です。
4. ココだけは押さえたい一文
本書『このオムライスに、付加価値をつけてください』の中で、私が最も「なるほど!」と膝を打ち、「付加価値」の本質をシンプルに捉えていると感じた一文があります。それは、本書の冒頭部分で、「差別化」との対比で語られる、この言葉です。
「役立つのは「差別化」ではなく、「付加価値化」なのです。」
『このオムライスに、付加価値をつけてください』
これは、私たちがビジネスの現場で当たり前だと思っている「差別化こそが重要だ」という常識に、真っ向から疑問を投げかける力強い言葉です。私たちは、つい「他の会社と違うこと」「競合にはない機能」といった「違い」を作ることに注力してしまいがちです。しかし、その「違い」が顧客にとっての「価値」に繋がっていなければ、それは単なる「変わったもの」で終わってしまいます。
この一文は、「何が違うか」だけでなく、「それが相手にとってどんな『価値』を生むのか」「それによって相手はどんな気持ちになるのか」「どんな意味を持つのか」といった、「付加価値」に焦点を当てることの重要性を明確に示しています。差別化はあくまで手段であり、目的は顧客にとっての「価値」を高め、「これにお金を払いたい」と思ってもらうこと、つまり「付加価値化」なのです。
ハワイでダウンジャケットを売るには?日本で2番目にまずい店になぜ入りたくなる?揚げ物についているパセリの付加価値は?…といった、本書が問いかけるユニークな例も、この「差別化」だけでは説明できない、「付加価値」の力が働いていることを示しています。
本書を読む際には、ぜひこの言葉を心に留めて、あなたの目の前の商品やサービス、あるいはあなた自身が提供しているものが、単に「違う」だけでなく、相手にとってどんな「付加価値」を生んでいるのか、という視点で考えてみてください。
3つの価値
『このオムライスに、付加価値をつけてください』
・既存価値
想定内の価値:ないよ整理しないもの、合格ライン
・付加価値
想定外の価値:なくても成立するが、あることが喜びや感動を生むもの
・不要価値
付加価値になっていないこと:なくても成立し、あっても嬉しくないもの
ないものに視線を向けるのではなく、あるものを付加価値化していく
『このオムライスに、付加価値をつけてください』
付加価値は、いつも自分ベースではなく、相手ベース
『このオムライスに、付加価値をつけてください』
「美味しさ200%」とか「感動のうまさ」ではなく、「3割うまい」に「ちょい付加価値」を感じます。
『このオムライスに、付加価値をつけてください』
言いすぎるとハードルが上がってマイナス効果になりかねない。
どうして売れないのか?
『このオムライスに、付加価値をつけてください』
→売れない理由を探す。ダメなところが見つかる。
どうして売れるのか?
→売れるためのポイントを探す。付加価値が見つかる。
「差別化」ではなく「付加価値化」
『このオムライスに、付加価値をつけてください』
手間をかけたほうが、脳はより価値があると感じる
『このオムライスに、付加価値をつけてください』
【分かりやすくする方法】
『このオムライスに、付加価値をつけてください』
1:名前を付ける
2:専門用語や難しい言葉を使わない
3:ビジュアル化する、見える化する
4:だとえる
5:順序立てる、整理する
6:具体例を出す
7:比較する
8:すでに知っているものにのっかる
9:シンプルにする、捨てるべきところは捨てる
5. 感想とレビュー
本書『このオムライスに、付加価値をつけてください』は、日頃から「どうすれば商品の魅力を伝えられるか」「どうすれば競合と差をつけられるか」と頭を悩ませている私にとって、まさに目から鱗が落ちるような、非常に実践的で面白い一冊でした。
マーケティングの現場では、常に「差別化」が叫ばれています。新製品の開発でも、「他社にない機能を!」と「違い」を作ることに注力しがちです。しかし、本書を読んで、その「違い」が必ずしも顧客にとっての「付加価値」になっているとは限らないのだと、改めて気づかされました。「差別化」は出発点にすぎず、その「違い」が顧客にどんな「価値」をもたらすのか、という「付加価値化」の視点が決定的に重要なんですね。
本書で紹介される「オムライス」の事例は、この「付加価値」の本質を見事にとらえています。普通のオムライスに「有名選手の勝負オムライス」というストーリーが加わるだけで、なぜこれほど価値が上がるのか?それは、単なる食べ物としての機能を超えた、「感動」「共感」「特別感」といった感情的な付加価値や、その選手のファンにとっての「意味」が加わるからです。これは、私たちがマーケティングする際にも、単なるスペックや機能だけでなく、お客様の生活にどんな「ストーリー」や「感動」をもたらすのか、という「付加価値」の視点が非常に重要であることを教えてくれます。
「付加価値をつくる技術」に関する解説も、抽象的ではなく、「再定義」や「当てはめ法」といった具体的な方法が提示されており、非常に実践的です。例えば、自社の製品やサービスを、これまでの「機能」という定義から離れて、お客様の「どんな悩み」を解決するのか、どんな「新しい体験」を提供するのか、といった視点で「再定義」してみること。あるいは、競合の製品が提供している「付加価値」を、自社の製品に「当てはめて」考えてみる、といった形で、すぐにでも応用できそうです。
お客様が減った老舗の肉屋の事例も、「現状維持は衰退」であり、常に外部環境の変化に合わせて「付加価値」を進化させ続けることの重要性を痛感させられました。私たちの業界も変化が速いので、過去の成功体験に安住せず、常に顧客が求める「新しい付加価値」を考え続けなければならないと強く思いました。
『のび太という生き方』という書籍のターゲット変更の事例も面白く、「誰に、どんな価値を届けたいか」というターゲット設定の重要性、そして、思い込みではなく実際の顧客を分析することの重要性を再認識しました。私たちの製品も、開発当初想定していなかった層に響く可能性があるかもしれない、といった新しい視点を得られました。
本書は、自分自身の「付加価値」を見つけるヒントも与えてくれます。自分のスキルや経験を、どのような「相手」に対し、どんな「価値」として提供できるのか。自分のノウハウを「マイマニュアル」として体系化することも、自身の付加価値化に繋がるんですね。
総じて、『このオムライスに、付加価値をつけてください』は、「差別化」という当たり前の概念を疑い、「付加価値化」という、より本質的な価値創造の考え方を、日本一分かりやすく、面白く、そして実践的に教えてくれる素晴らしい一冊です。
マーケティングや営業の仕事をしている方はもちろん、企画開発担当の方、そして自分自身の価値をどう伝えていけば良いか悩んでいるすべての方に、心からお勧めしたい必読書です。この本を読むことで、あなたの仕事、そしてあなたの「オムライス」が、きっと特別な付加価値を持つようになるでしょう。
6. まとめ
今回は、柿内 尚文氏の著書『このオムライスに、付加価値をつけてください』について、著者の紹介、本書の概要、要約、ココだけは押さえたい一文、そして感想・レビューをお伝えしました。
本書の核となるメッセージは、モノやサービスが溢れる現代では「差別化」だけでは不十分であり、顧客が「価値がある」と感じる「付加価値」を、ストーリー、文脈、新たな定義、ターゲットの変更といった様々な切り口から「つくる技術」と「フレームワーク」を身につけることが重要である、ということです。
本書では、「このオムライスに、付加価値をつけてください」という問いかけや、「差別化」ではなく「付加価値化」こそが役立つという主張、「再定義」や「当てはめ法」といった具体的な技術、老舗肉屋やターゲット変更といった豊富な事例を通して、付加価値の作り方と伝え方を分かりやすく解説しています。
私の個人的なレビューとしても、本書は、マーケティングの仕事における「差別化」と「付加価値化」の本質的な違いを明確にしてくれ、「オムライス」の事例などを通して付加価値が生まれるメカニズムが腑に落ちました。「付加価値をつくる技術」や、環境変化に合わせて価値提供の方法を進化させることの重要性など、日々の仕事にすぐに活かせるヒントが満載でした。自分自身の付加価値化についても考えるきっかけになりました。
もしあなたが、
- 商品やサービスの魅力をうまく伝えられない
- 競合との差別化に限界を感じている
- 自分の強みや価値が分からない
- 価値創造のアイデア発想力を高めたい
- マーケティングや企画開発の実践的なヒントが欲しい
- 「このオムライスに、付加価値をつけてください 本」の内容に興味がある
と考えているなら、ぜひ本書『このオムライスに、付加価値をつけてください』を手に取ってみてください。
本書は、あなたの「価値」に対する見方を根本から変え、モノやサービス、そしてあなた自身に、顧客が「欲しい!」と感じる「付加価値」をつけ、それをきちんと伝えるための、強力な実践ガイドとなるでしょう。
この本が、皆さんの仕事、そして皆さんの「オムライス」を、より魅力的なものにするための一助となれば嬉しいです。
最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました。
背伸びしない等身大の経験とアイディアのコラムも書いています。
日々の仕事やライフスタイルのヒントになればうれしいです。
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