最近、「日本企業って元気がないな…」「日本のモノづくりはもうダメなのか…」なんて、ちょっと閉塞感を感じていませんか?
グローバル化が進む現代において、私たちはどうすれば世界で戦っていけるのか、日本の未来はどうなるんだろう、と不安に思うこともあるかもしれません。
今日ご紹介するのは、そんな日本の閉塞感を打ち破り、私たちに「世界へ挑む」勇気と具体的な戦略を示してくれる一冊、徳重 徹(とくしげ とおる)さんの『世界へ挑め!』です!
著者の徳重徹さんは、あのテレビ東京『夢の扉+』や『NHKスペシャル』でも特集された、電動バイク(EV)ベンチャー、テラモーターズの代表です。創業わずか2年で国内シェアNo.1を獲得し、東南アジア市場へ果敢に進出。なんと、新卒1年目の20代社員を現地駐在員に抜擢するなど、常識破りのスピード感と権限移譲で世界を攻めています。
本書では、徳重さんがシリコンバレーでの学びや東南アジアでの実体験を通して見出した、「仕事」「成長」「企業」「国境」「人生」の5つの「枠」を打ち破る戦略が語られています。それは、単なるビジネス書に留まらず、私たち一人ひとりの生き方、考え方にも大きな示唆を与えてくれる、熱いメッセージが詰まった一冊です。
今回のブログ記事では、この刺激的でパワフルな一冊の魅力を、以下の構成で深掘りしていきます。
ぜひ最後までお付き合いいただき、あなたも徳重さんの「クレイジー」な挑戦から、世界で戦うヒントを見つけてみませんか?
1. 著者の紹介
本書『世界へ挑め!』の著者である徳重 徹(とくしげ とおる)さんは、日本のベンチャー企業「テラモーターズ」の創業者であり、代表取締役社長を務める、革新的な起業家です。
1970年山口県生まれ。九州大学工学部を卒業後、住友海上火災保険(現三井住友海上火災保険)にて商品企画や経営企画に従事されました。大企業での経験を積んだ後、退社し、アメリカのサンダーバード経営大学院にてMBA(経営学修士)を取得。その後、シリコンバレーに身を置き、コア技術ベンチャーへの投資やハンズオン支援に携わることで、最先端のビジネスモデルとグローバルな視点を培いました。
そして2010年4月、当時日本ではまだ珍しかった電動バイク(EV)のベンチャー企業、テラモーターズを設立します。設立からわずか2年で国内シェア・ナンバーワンを達成し、電動バイク市場のリーディングカンパニーへと成長させました。
テラモーターズの挑戦は国内に留まらず、東南アジア市場へも積極的に進出。特にフィリピンでは、国家プロジェクトである電動バイクの入札に食い込むなど、短期間で目覚ましい飛躍を遂げています。徳重さんの経営スタイルは、従業員わずか16人という少数精鋭ながら、現地駐在員に新卒1年目の20代を抜擢するなど、大企業では考えられないようなスピード感と大胆な権限移譲で知られています。
本書は、そんな徳重徹さんのこれまでの経験と、世界で戦うための独自の「戦略」が凝縮された、彼の初の著書となっています。
2. 本書の要約
徳重徹さんの著書『世界へ挑め!』は、テラモーターズの創業者である著者が、自身の起業経験とグローバルビジネスでの奮闘を通して、日本が再び世界で輝くための「5つの枠を打ち破る」戦略を提示するビジネス書です。
この本は、単なる成功談に終わらず、日本の現状への強い危機意識と、そこから脱却するための具体的な行動指針が詰まっています。
本書は、以下の5つの章で構成され、それぞれが「枠を打ち破る」というテーマに沿って展開されます。
第1章:「仕事」の枠を打ち破れ 頼るべきは会社ではなく自分
この章では、現代のビジネスパーソンが陥りがちな「会社に依存する働き方」に警鐘を鳴らします。著者は、会社ではなく「自分」を軸に置くことの重要性を説きます。
終身雇用が当たり前ではない時代において、個々人が自らのキャリアを主体的にデザインし、会社に頼りすぎない自立した働き方を追求することの必要性を訴えます。オフィスを大きくしないテラモーターズの例を挙げ、社員がコスト意識を持ち、現地で自律的に動くことの重要性を強調しています。
高い壁を乗り越えて、
『世界へ挑め!』
昨日までできなかったことができるようになっている自分に気づくのは、たまらなくうれしい
そういう機会を与えてくれるのが仕事なのである
第2章:「成長」の枠を打ち破れ 挑戦しないことこそ最大のリスク
多くの日本企業が現状維持を重視し、リスクを避ける傾向にある中で、著者は「挑戦しないことこそが最大のリスクである」と断言します。新しい産業やイノベーションを生み出すためには、論理や計算だけでなく、「クレイジー」だと言われるような大胆な発想や理想を追求する「夢想家」が必要だと主張。
シリコンバレーで学んだ「60%OKならGo」というスピード感を重視する姿勢や、論理先行で行動しない「中途半端に頭がいい人」への批判を通して、リスクを恐れず行動することの重要性を力説します。
徹底的に「量」を積み重ねていけば
『世界へ挑め!』
あるときそれが「質」に転化するだろう
第3章:「企業」の枠を打ち破れ 私が「世界で戦う会社」をつくった経験
テラモーターズの具体的な事業展開を通して、著者がいかにして「世界で戦える会社」を築き上げたかが語られます。従業員16人という小規模ながら、東南アジアで大手企業と渡り合うその戦略の核心には、「自国を変える信念」と「現場を理解する視点」があります。
アジア各国のリーダーたちが持つ「自国の産業を興す」という強い信念に触発され、テラモーターズも単なる金儲けではない、「日本をよくする」という大義を持ってビジネスに取り組むことの重要性を説きます。
日本の大企業が「NATO(No Action, Talking Only)」と揶揄される現状も指摘し、スピード感と意思決定の欠如がグローバル市場での敗因となっていることを分析します。
どうすればモチベーションを維持させられるか?
『世界へ挑め!』
それは寝ても覚めてもやりたいと思うことを仕事にするのが一番だ。
第4章:「国境」の枠を打ち破れ 世界で勝てる本物のグローバル人材
グローバル人材に求められるのは、単なる語学力やコミュニケーション能力だけではないと著者は主張します。それ以上に重要なのは、「仕事に対する自分の軸」と「自国や民族に対する誇り」を持つことだと説きます。
現地の人々から尊敬されるリーダーとなるためには、自国のことを真剣に考え、その文脈でビジネスを語れる情熱が必要だと力説。自身の英語力がブロークンでも、相手を「インスパイア」できるのは、そうした情熱と論理を持っているからだと語ります。
アメリカでの経験を通して、日本への愛と誇りを再認識したエピソードも紹介され、それが徳重さんの原動力となっていることが分かります。
「なんとかこれをわかってほしい」
『世界へ挑め!』
そういう自分の気持ちを、
目を見て真剣に話せば、
それが外国人だろうが、
その思いは間ならず相手に届くのである
第5章:「人生」の枠を打ち破れ 親の期待に縛られるな
最後の章では、よりパーソナルな視点から「人生の枠」について語られます。著者は、親や社会の期待に縛られず、自分自身の「こうあるべき」という理想を追求することの大切さを訴えます。「できない理由」を探すのではなく、「こうあるべき」という強い信念を持って行動することの重要性を説きます。
そして、現在の日本が迎えている「時代の節目」において、新しい成功モデルをベンチャー企業が作り出すこと、そして次世代のアントレプレナーを育成することへの強い使命感を表明しています。
本書は、日本のビジネスパーソンが閉塞感を打ち破り、世界で活躍するための羅針盤となる、熱いメッセージに満ちた一冊です。
3. ココだけは押さえたい一文
本書『世界へ挑め!』の、徳重徹さんの起業家精神と、日本に対する熱い思い、そして本書全体の核となるメッセージを凝縮した「ココだけは押さえたい一文」は、間違いなくこれです。
「私は、日本がいまのままではダメだと真剣に思っています。日本に必要なのは新しい成功モデルです。」
『世界へ挑め!』
この一文は、単にビジネス戦略を語るだけでなく、著者が本書を執筆した根源的な動機、そして彼がテラモーターズというベンチャーを立ち上げ、世界に挑み続ける「大義」を示しています。日本の現状への強い危機意識と、そこから新しい未来を切り開こうとする彼の並々ならぬ情熱が凝縮されており、読者に最も強く訴えかけるメッセージと言えるでしょう。
4. 感想とレビュー
徳重徹さんの『世界へ挑め!』は、まさに「雷に打たれたような」衝撃と、胸の奥から湧き上がる熱い感情を覚える一冊でした。
日頃、グローバル市場での競争激化や国内市場の縮小といった課題に直面している中で、「このままではいけない」という漠然とした危機感はありました。しかし、徳重さんの言葉は、その危機感を明確な「行動への推進力」に変えてくれました。
まず、著者が「不器用な少年」だった過去や、泥臭いベンチャー立ち上げの裏側を包み隠さず語っている点に、並々ならぬ人間力を感じました。そして、従業員16人の会社が、大企業が苦戦する東南アジア市場で堂々と渡り合っている事実に、「やればできるんだ!」という希望を強く抱きました。
特に印象的だったのは、「挑戦しないことこそ最大のリスク」というメッセージです。
私たちは「リスクを取らない」ことを安全だと考えがちですが、変化の激しい現代においては、現状維持こそが最も危険な選択であるという指摘は、まさにその通りだと深く納得しました。
私自身も、新しいプロジェクトや市場開拓において、「失敗したらどうしよう」と考えてしまうことがありますが、この本を読んで、「まず60%OKならGo」という精神で、もっと大胆に挑戦する必要があると強く感じました。
また、「グローバル人材に求められるのは、単なる語学力ではなく、自国への誇りと情熱だ」という徳重さんの言葉には、ハッとさせられました。確かに、現地のビジネスリーダーが自国の発展を真剣に考えている姿に触れ、「金儲けだけでは尊敬されない」という彼の考察は、マーケティング戦略を立てる上でも非常に重要だと感じました。
単なる「顧客ニーズ」を満たすだけでなく、その国の社会や文化に貢献するという大義を持つことが、真の信頼関係と成功に繋がるのだと再認識しました。
この本は、以下のような方々に心からお勧めしたいです。
- 閉塞感を感じ、現状を変えたいと思っているビジネスパーソン
- 起業を考えている、または新しいビジネスに挑戦したいと考えている方
- 「グローバルに活躍したい」という漠然とした目標を持つ若手社員
- 組織の変革や新しいリーダーシップの形を模索している経営者・管理職
- 日本の未来に希望を見出したい、すべての人
『世界へ挑め!』は、単なるビジネスの成功法則を語る本ではありません。それは、「情熱」と「行動」、そして「大義」を持って世界に挑むことの尊さを教えてくれる、私たち日本人への熱いエールです。この本を読んで、あなたも自分の中の「枠」を打ち破り、新しい挑戦の一歩を踏み出してみませんか?
5. まとめ
今回は、徳重徹さんの著書『世界へ挑め!』について、著者の紹介、本書の要約、ココだけは押さえたい一文、そして感想・レビューをお伝えしました。
本書は、テラモーターズの創業者である徳重徹氏が、自身の起業とグローバルビジネスでの経験を通して、日本が世界で再び輝くための「5つの枠を打ち破る」戦略を提示する、熱いメッセージに満ちた一冊です。
この本の重要なポイントを改めてまとめると、以下のようになります。
- 「自分」を軸に置く働き方:会社に依存せず、個々人が主体的にキャリアを築き、自律的に行動することの重要性。
- 「挑戦」こそが最大のリスク回避:論理だけでなく、大胆な発想と理想を追求し、リスクを恐れず行動することが、イノベーションを生む鍵。
- 「大義」を持ったグローバル戦略:単なる金儲けだけでなく、自国や現地の産業発展に貢献するという強い信念が、真の信頼と成功を築く。
- 「国境」を越える情熱と軸:語学力だけでなく、「仕事への軸」と「自国への誇り」こそが、世界で戦える本物のグローバル人材を育む。
- 「人生の枠」を超えた挑戦:親や社会の期待に縛られず、自らの理想を追求し、新しい成功モデルを創造する。
もしあなたが、今、閉塞感を感じ、何かに挑戦したいと思っているなら、ぜひこの本を手に取ってみてください。徳重さんの言葉は、きっとあなたの背中を押し、「自分も世界を変えられるかもしれない」という無限の可能性を感じさせてくれるはずですよ。
最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました。
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