【3分要約・読書メモ】ゆるストイック ── ノイズに邪魔されず1日を積み上げる思考:佐藤航陽 (著)

BOOKS-3分読書メモ-
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「ストイックに頑張る」と聞くと、どんなイメージを抱きますか?

毎日ストイックに筋トレをしたり、夜遅くまで勉強したり。
自分を追い込んで、無理をして頑張る…そんなイメージかもしれません。

でも、その頑張りは、本当に持続できますか?

今回ご紹介するのは、佐藤航陽さんの著書
『ゆるストイック』です。

この本は、「ストイック」と「ゆるさ」という、一見すると正反対の考え方を組み合わせた、新しい生き方を提案しています。

無理なく、でも着実に自分を成長させていく方法が、この一冊にすべて詰まっていますよ。

もしあなたが、
「頑張っているのに、なかなか報われない」
「周りと比べて焦ってしまう」
「これからどう生きればいいか分からない」

そんな風に感じているなら、きっとこの本が、あなたの人生を変えるヒントをくれるはずです。

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著者の紹介

著者の佐藤航陽さんは、若くしてIT企業を設立し、20代で上場を果たした、稀代の起業家です。

その後、IT業界から宇宙開発の分野へ転身。
株式会社スペースデータを創業し、人工衛星から仮想現実を構築するという、壮大なプロジェクトに挑戦しています。

米経済誌「Forbes」の「30歳未満のアジアを代表する30人」にも選出されるなど、その活躍は世界的に認められています。

特に印象的なのは、SNSから姿を消して、仮想現実と宇宙開発の専門家になるために没頭したというエピソードです。

まさに「自分にストイック」な生き方を体現している方ですね。
著者の実体験に基づいた言葉は、とても説得力があり、読む人の心に深く響きます。

本書の要約

第1章 時代が「ゆるストイック」を求めている

現代社会は、個人の働き方や生き方が多様化しています。
でも、その一方で、「自己管理」の重要性がますます高まっていると著者は指摘します。

企業が一律に教育を施すことが減り、「やる気がある人にだけ教育のリソースを割く」という流れが一般的になりました。

つまり、「自己管理」を知らない人は、成長が止まってしまう時代なのです。

かつての「意識高い系」とは違い、「ゆるストイック」は自分の活動を他人に押し付けたりしません。

「自分は自分、他人は他人」と割り切り、黙々と自分を律しながら成長を積み重ねる。

それが、これからの時代を生き抜く新しい自己防衛の形だと語られています。

ゴールを急ぐのではなく、続けることそのものを楽しむ

『ゆるストイック』

今あらゆるところで「二極化」が起きていて、先進国は企業も個人も「超格差社会」に突入している

『ゆるストイック』

やる気のない人に関わるのはコスパが悪い

『ゆるストイック』

第2章 ゆるストイックの心の準備

ストイックになるためには、まず心の準備が必要です。
この章では、古代ギリシャのストア哲学から学ぶ、3つの考え方が紹介されています。

  1. コントロールできないことに焦点を当てない
    他人の評価や天気に悩んでも意味がありません。
    自分で変えられるのは、自分の行動・思考・判断だけ。
    この考え方を習慣にすることで、無駄なストレスから解放されます。
  2. リスクが0だとリターンも0と考える
    「ゼロリスク思考」では、一歩も前に進めません。
    転職や副業など、どんな行動にもリスクはつきもの。
    小さなリスクを恐れずに行動することで、大きなリターンを得るチャンスが生まれます。
  3. 自分の周囲5メートルに集中する
    遠くの大きな問題に心を乱されるよりも、自分の身近な世界に集中すること。
    日々の小さな積み重ねが、やがて大きな結果につながるのです。

頭に入れる「情報」を変えるだけで、「考え方」も自然と変わって行きます。

『ゆるストイック』

頑張ったことや正しいことをしたことと、それが報われることには実は関係がありません。

『ゆるストイック』

「努力が必ず報われるわけではない」という現実を冷静に受け入れる

『ゆるストイック』

自分ができることにフォーカスする

『ゆるストイック』

「自分の力で成功をつかむ」ような自己責任論が広まることで、権力者たちは、「自分たちが偉くなれたのは自分たちの勤勉のおかげだ」と周囲に信じさせることができた。

『ゆるストイック』

リスクがなくなるのを待ち続ける姿勢では、チャンスを逃すだけ

『ゆるストイック』

競争社会では、
「リスクがゼロである状態」=「すでにリターンもゼロ」
と考えるべきです

『ゆるストイック』

失敗に慣れ、失敗を受け入れることが成長のカギ

『ゆるストイック』

ロジカルシンキングは、人を「説得」するのには役立ちますが、意思決定の「正確さ」を保証するものではない

『ゆるストイック』

自分が変えられないことに悩むのではなく、「今できるとこ」に目を向けて行動する

『ゆるストイック』

古い価値観
「努力は報われる」
「周りのせいにする」
「自分一人の責任にする」
「リスクをゼロにする」
「失敗を避ける」
「すべて合理的に考える」

新しい価値観
「努力が報われるわけではない」
「自分ができることを考える」
「自分や環境の影響を考える」
「リスクを前提にする」
「失敗のプロになる」
「合理的にも限界があると考える」

『ゆるストイック』

第3章 「世の中の仕組み」をゆるく理解する

この章では、「独自性」と「タダ乗り」という、一見相反する2つの力を組み合わせることの重要性が語られています。

YouTuberやインフルエンサーは、独自のコンテンツ(独自性)を持ちながら、YouTubeやTikTokという巨大なプラットフォーム(タダ乗り)を活用して成功しています。

ベンチャー企業も、独自のビジネスモデル(独自性)を確立しながら、既存のインフラ(タダ乗り)を巧みに利用しています。

「集中すべきところに集中し、手放すべきところは手放す」

この効率的な切り替えこそが、これからの時代に求められるスキルです。

成功とは「環境が作り出す現象」の一種

『ゆるストイック』

人々は「論理(ロジック)」よりも「物語」を好む傾向がある

『ゆるストイック』

ほんの少し他人より優れた特徴があれば、それだけで十分にチャンスを掴むことはできる

『ゆるストイック』

自分が向けうべきこと。
自分が手を抜くべきこと。
この2つのポイントを整理する

『ゆるストイック』

第4章 ゆるストイックに過ごす方法

この章では、日常生活で「ゆるストイック」を実践するための具体的な方法が解説されています。

自分に合ったペースで、無理なく努力を続けるためのヒントが満載です。

例えば、新しい習慣を始める際に、完璧を目指さないこと。

そして、自分が心から「好き」と思えることに没頭すること。

情熱を持って取り組むことで、努力は苦痛ではなく、喜びに変わるということが語られています。

自分が活躍できるほどニッチな領域に絞り込む

『ゆるストイック』

「周りから褒められるが、自分にとっては楽にこなせること」を見つけることで、自分御個性や強みが浮かび上がる

『ゆるストイック』

・好きなこと
・得意なこと
・需要があること
この3つか重なる領域が見つかれば理想的ですが、ここでは順番が重要です。

『ゆるストイック』

「好き→得意→需要」の順で考えることが最も成功確率が高くなります。

『ゆるストイック』

不安や失敗への恐怖にとわらわれそうになった時は、目の前のことにとことん没頭する

『ゆるストイック』

世の中のチャンスは常に変化の周辺にあるので、自分も変わり続ける努力をすることで、チャンスに遭遇する確率も上がっていきます

『ゆるストイック』

「己を知り、没頭し、変化し続ける」という、この3つの軸で努力を重ねることで、自分らしい方向性が見つかり、運と才能のバランスが取れた成長を目指せるでしょう

『ゆるストイック』

世界には「正解がない」ということが当たり前

『ゆるストイック』

あらゆることをゲーム化して楽しく取り組む

『ゆるストイック』

第5章 ゆるストイックを持続するコツ

ストイックな努力を持続させるには、コツが必要です。
この章では、努力を継続するための考え方が紹介されています。

成功は「努力」「運」「環境」「才能」など複数の要素が絡み合って生まれるもの。

うまくいかないときに、一つの要因だけに注目せず、広い視野で捉えることが大切だと教えてくれます。

「予測できない世界」に慣れる
状況が変わるたびに自分の行動や考え方を適応させる。
それでいて、長期的な目標を見失わない。
そんなバランス感覚が求められている

『ゆるストイック』

「運のいい人」とは、
「チャンスにそうグルする確率が高い行動をしている人」
つまり、「試行回数の多い人」

『ゆるストイック』

自分の大好きなことに没頭していれば、周りの評価も気にならなくなり、自然と試行を続けられるようになる

『ゆるストイック』

「複数のコミュニティ」に属する

『ゆるストイック』

意思決定のうまい人は「朝令暮改」

『ゆるストイック』

35歳までは全力疾走し、習慣化によって35歳の壁を乗り越える

『ゆるストイック』

第6章 不確実な未来に備える

変化の激しい現代社会で、不確実な未来に備える方法が語られています。
それは、「己を知り、没頭し、変化し続ける」という3つの軸で努力を重ねることです。

表面的な成功や外部からの評価ではなく、内側から湧き上がる充実感や自己の成長を追求すること。

これが、真に持続可能な幸福へとつながる道だと教えてくれます。

正しさの存在しない世界に生きる

『ゆるストイック』

人類は、「唯一絶対の正しさ」を求める時代から「複数の多様な正しさ」を前提とする新しいフェーズに差し掛かっている

『ゆるストイック』

人間の脳は、強いプレッシャーにさらされ続けると2つの極端な状況に陥りやすくなります。
一つは、「うつ」状態。
もうひとつは、極端な行動や非現実的な思考に陥る状態です。
後者の状態では、非科学的な話や神秘主義を信じやすくなり、普通ならば受け容れないような荒唐無稽な思想や考えも受け入れやすくなるのです。
その結果ポピュリスト・新興宗教・独裁者が指示されやすくなります。

『ゆるストイック』

これからの時代、エビデンスや合理性だけで人々を説得することがますます困難になると考えられます。

『ゆるストイック』

人々が信じる「正しさ」がバラバラに分断され、複数の真実が存在することを前提に、他者を理解して共存する方法を模索しなければならない時代

『ゆるストイック』

「自分は自分、他人は他人」
他人の姿勢や意見に対しては「ゆるく」構える。
自分の目標に対しては徹底的に「ストイック」である。

『ゆるストイック』

「言葉」は不完全なコミュニケーションツール
容姿や声といった情報の方が、言動よりも人々を動かす力が強い

「日本人の約8割が小学校高学年の国語と数学の問題を正しく解けない」
つまり、知識社会に適応できた人類の割合は多くの人々が考えるよりも少なく、大目に見ても全体の2割という事実が浮かび上がってきます。

『ゆるストイック』

言語はあくまで「補助的」なツールです

『ゆるストイック』

目の前に理解できない出来事があったとしても、それを「くだらない」「ばかばかしい」「世も末だ」と一蹴するのは、思考を停止している態度に他ならない。
実際には、全ての出来事にはそれぞれの背景や理由があり、それを選択する人々がその時点で最適だとを考える行動をとっていると考えたほうがいい。

『ゆるストイック』

自分の視点だけで他者の行動を評価してはいけない

『ゆるストイック』

「もし何の制約もなかったとしたら、自分は何をするだろうか?」
この質問にぱっと思いつく答えこそが、「本心」である可能性が高いです。

『ゆるストイック』

ココだけは押さえたい一文

本書を読んで、私が最も心に響いたのはこの一文です。

「自分にはストイックに、他者には寛容に接する生き方」

『ゆるストイック』

この言葉は、この本の核となる考え方です。

自分を律し、淡々と努力を積み重ねながらも、他人の価値観や生き方を否定しない。

「自分は自分、他人は他人」と割り切ることで、他者との比較で焦ったり、無駄な摩擦を起こしたりすることがなくなります。

この絶妙なバランスこそが、二極化が進む現代社会を生き抜くための、新しい強さの源となるのだと感じました。

感想とレビュー

私はこれまで、「ストイック」という言葉に、少し窮屈なイメージを持っていました。

自分を厳しく律しすぎて、疲れてしまうのではないか、と。
でも、この本を読んで、その考え方がガラリと変わりました。

「ストイック」は誰かと比べるためのものではなく、「自分の理想の姿」に近づくためのもの。

そして、「ゆるさ」は、他者を否定しない寛容さや、完璧主義を手放す柔軟性なのだと気づかされました。

特に、「遠くの問題より、自分の周り5メートルに集中する」という考え方には、とても共感しました。

SNSやニュースを見ていると、どうしても遠くの大きな問題に心を乱されがちです。
でも、まずは自分の身近な課題に目を向け、できることを一つずつ積み重ねていく。

その積み重ねが、やがて大きな変化を生み出すのだと、勇気をもらいました。

この本は、単なる自己啓発書ではありません。
現代社会の仕組みを深く洞察し、「これからの時代をどう生きるべきか」という哲学的な問いに、具体的な答えを与えてくれます。

「諦めの悪い人」のために書かれたという著者のメッセージに、私は強く心を動かされました。

「まだ諦めたくない」「もっと自分を成長させたい」
そう思っているすべての人に、ぜひ読んでほしい一冊です。

まとめ

『ゆるストイック』は、自分自身には厳しく、他人には優しく生きる、新しい時代の羅針盤です。

この本が教えてくれるのは、
・自分でコントロールできることに集中すること
・リスクを恐れず、一歩踏み出すこと
・独自の強みと、既存の仕組みを組み合わせること
・そして、自分にとっての「物語」を持つこと

これらの考え方を実践することで、情報過多な現代でも、静かに、そして着実に成長を積み重ねることができます。

無理に頑張るのではなく、自分軸をしっかりと持ち、淡々と努力を続ける。
それが、自分らしい人生を築くための、最強の生き方だと感じました。

ぜひこの本を読んで、あなたも「ゆるストイック」な生き方を始めてみませんか。

最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました。

背伸びしない等身大の経験とアイディアのコラムも書いています。
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