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今回は『売上を、減らそう。』についてレビューと要約の記事となります。
著者
中村 朱美(なかむら あけみ)
1984年生まれ、京都府出身。専門学校の職員として勤務後、2012年に「1日100食限定」をコンセプトに「国産牛ステーキ丼専門店 佰食屋」を開業。その後、「すき焼き」と「肉寿司」の専門店をオープン。連日行列のできる超・人気店となったにもかかわらず「残業ゼロ」を実現した飲食店として注目を集める。また、シングルマザーや高齢者をはじめ多様な人材の雇用を促進する取り組みが評価され、2017年に「新・ダイバーシティ経営企業100選」に選出。2019年には日経WOMAN「ウーマン・オブ・ザ・イヤー2019」大賞(最優秀賞)を受賞。同年、全国に「働き方のフランチャイズ」を広めるため、 100食限定をさらに進化させた「佰食屋1/2」をオープン。従来の業績至上主義とは真逆のビジネスモデルを実現させた経営者として、最も注目される起業家の一人。
1. 本書の概要
「たどりついたのは業績至上主義からの解放」
『売上を、減らそう。』は、京都の小さな定食屋「佰食屋」の店主である中村朱美氏が、自身の経験に基づいて書いた一冊です。売上を追求するのではなく、従業員の働きやすさを重視し、1日100食限定というユニークな経営スタイルで成功を収めた佰食屋の物語が綴られています。
本書では、従来の「売上至上主義」とは異なる、新しい働き方や経営のあり方を提示しています。従業員の幸福度を高めながら、持続可能な企業経営を実現する方法を、具体的な事例を交えて解説しています。
2. 本書の要約
本書は大きく分けて以下の3つのパートで構成されています。
第1章:佰食屋の誕生と成長
佰食屋が誕生した背景や、なぜ1日100食限定というユニークなスタイルを採用したのかが語られます。創業当初の苦労や、試行錯誤の末にたどり着いた現在の形について、具体的なエピソードを交えて紹介されています。
第2章:100食限定がもたらす効果
1日100食限定にすることで得られるメリットが具体的に示されています。従業員の働きやすさ向上、フードロス削減、経営のシンプル化など、様々なメリットが数値データとともに解説されています。
第3章:新しい働き方への挑戦
佰食屋の働き方は、従来の企業の働き方とは大きく異なります。本書では、佰食屋の働き方の特徴や、その背景にある考え方について深く掘り下げています。従業員の多様性、働き方改革、持続可能な社会への貢献など、現代の企業が抱える課題に対する解決策が提示されています。
3. 印象に残ったテキスト
「100食以上売ったら?」
「昼だけじゃなくて、夜も打ったほうが儲かるのでは?」
たしかに売り上げは上がるでしょう。
でも、働く時間は増えるのに、
給料はあんまり変わらない。
会社が儲かっても
社員が報われないのはおかしい。
「営業時間を伸ばせば伸ばすほど売上は上がる。だから頑張れ」
売上が落ち込んでいると「頑張れ」
元気がないと「頑張れ」、連休前も、連休中も、連休明けも、いつも「頑張れ」
もう「頑張れ」なんて言いたくない。
わたしは「仕組み」で
人を幸せにしたい。
「残業ゼロなんて、うちは業種も規模も違うから無理」
「佰食屋だからできるんでしょう?」
「同じだけテナント料を払うなら、なるべく長い時間できる限り商売しよう」
ちょっと待ってください。
そもそも終業時間内に
利益を出せない商品とか企画って
ダメじゃないですか?
「会社を存続させるためには、ビジネスをスケールさせ、利益を追求することが重要だ」
「多店舗展開をしよう。今年も前年比を更新して売り上げを増やそう」
みんなが売上を追いかけて
うまくいっていないのなら、
もうそれを
追いかける必要なんてない。
会社は明日の責任を。
みんなは今日の責任を。
「会社はこれからの集客や広報に責任を持ち、お客さまにたくさん来ていただく努力をし、みんなを大切にします。」
「みんなはお客さまが限られた時間の中で最大限に満足していただけるよう、積極・調理・おもてなしの努力をし、お客様を大切にします。」
4. 感想とレビュー
『売上を、減らそう。』は、従来のビジネスモデルの常識を覆す、衝撃的な一冊です。売上至上主義が当たり前となっている現代において、従業員の幸福度を重視し、持続可能な経営を目指す佰食屋の取り組みは、多くの読者に大きなインパクトを与えるでしょう。
本書の素晴らしい点は、具体的な数字やエピソードを交えながら、佰食屋の経営哲学が丁寧に説明されている点です。読者は、佰食屋の成功の裏側にある仕組みを深く理解することができます。また、本書は単なる成功物語にとどまらず、現代社会が抱える問題に対する一つの解決策を提示しています。
5. まとめ
『売上を、減らそう。』は、ビジネスパーソンだけでなく、働き方や生き方について悩んでいるすべての人におすすめの一冊です。本書で紹介されている佰食屋の取り組みは、私たちに、仕事と生活のバランスを大切にし、より人間らしい生き方をすることの大切さを教えてくれます。
もしあなたが、今の働き方に疑問を感じていたり、より良い社会を作りたいと考えているなら、本書を読んでみることを強くおすすめします。本書は、あなたの考え方に大きな影響を与えるかもしれません。
本書を読んだあなたへ
- あなたは、今の働き方に満足していますか?
- あなたは、仕事とプライベートのバランスを大切にしたいと思っていますか?
- あなたは、より良い社会を作りたいと考えていますか?
もし、これらの問いに対して「はい」と答えたなら、『売上を、減らそう。』はあなたにとって、まさに求めていた一冊かもしれません。
最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました。
背伸びしない等身大の経験とアイディアのコラムも書いています。
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