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今回は『デンマーク人はなぜ4時に帰っても成果を出せるのか』についてレビューと要約の記事となります。
1. 著者の紹介
針貝有佳氏は、デンマーク文化研究家として長年デンマークに在住し、現地の人々との交流や社会観察を続けています。早稲田大学大学院でデンマークの労働市場政策を研究し、修士号を取得。デンマークの文化や社会、そして働き方を日本に紹介する活動を行っています。
2. 本書の概要
「デンマーク人はなぜ午後4時に帰っても成果を出せるの?その秘密が詰まった一冊!」
本書は、国際競争力が高く、幸福度も世界トップクラスのデンマークの働き方がなぜ日本で注目されているのか、その背景を詳しく解説しています。デンマーク人が午後4時に仕事を終えても高い生産性を維持できるのはなぜか、その秘密を、現地での取材や豊富なデータに基づいて解き明かします。
3. 本書の要約
本書では、デンマークの働き方の特徴として以下の点が挙げられています。
- プライベートの充実: 法定の有給休暇が長く、家族との時間を大切にしている。
- 仕事への取り組み方: 仕事は効率的にこなし、プライベートを優先する。
- 人間関係: 上司と部下の関係がフラットで、お互いを尊重し合う。
- 柔軟な働き方: フレックスタイム制など、働き方が多様化している。
- 結果重視: 結果を出せる人を評価する文化が根付いている。
これらの特徴が組み合わさることで、デンマーク人は仕事とプライベートを両立させ、高い生産性と幸福度を実現しているのです。
4. ここだけは押さえたい一文
「デンマーク人は『プライベートが充実しているからこそ、良い仕事ができる』と考えているため、優先順位1位がプライベートや家族、2位が仕事です。」
この一文は、デンマーク人の働き方の本質を最もよく表していると言えるでしょう。仕事とプライベートを両立させ、どちらも充実させることが、デンマーク人の幸福の秘訣なのです。
5. デンマーク人から学ぶ「働き方のコツ」
- 社員編
- 優先順位を明確にし、「どうしても大切にしたいもの」以外はバッサリ切る
- 退社時間を決める。プライベートライフを守る「覚悟」を
- ムリしない、ムリさせない!お互いの「タイパ」を意識
- 朝一番に大きなタスクに立ち向かう
- 楽しい仕事に取り組む時間をつくる、そばにいて楽しい人と一緒に過ごす
- 長期プランだけでなく、1週間のプランを立てる
- 失敗前提でどんどん挑戦する
- それはそれ、これはこれ。批判を個人的に受け止めない
- こだわりは捨ててもいい
- 個別タスクに集中するよりも「自分の役割」を知る
- 会議参加やメールのccは必要最小限に
- 7時間以上の睡眠時間を確保する
- マネージャー編(部下への接し方)
- 部下のプライベートの充実を応援する
- 誰よりも率先して早く帰宅する。目標は午後4時退社!
- 会議の終了時刻は5分刻みに設定。延長しない!
- イベントや会議への招集は「本当に呼ぶ必要があるか?」を考える
- 部下の仕事のダブルチェックはしない
- 部下にとってやりやすい方法を考える
- 失敗は当たり前。部下の失敗は責めない
- 部下のために、時には上司にもNOという!
- 部下に何でも付き合わせない
- 問題行動はストレートに注意する
- ドアや仕切りは開けておく
- 部下の意見は誰よりも率先して聞く
- マネージャー編(労働環境づくり)
- ワークスペースはカジュアルに、開放的に!
- 服装・形式・手続き・ルールにこだわりすぎない
- 昇降式デスクを取り入れる
- 希望者にはフレックスタイム制を許可
- フレキシブルに在宅ワークOK
- 余分に仕事をしたら、余分に休むカルチャー
- 「長期休暇取得」を義務化する
- 退勤時間中にもウォーキング奨励!
- 週に1日、社員に「やりたいこと」をさせてみる!
- 社員の関心・意欲に合わせた「適材適所」
- 失敗したら一緒に解決する
- 役職・ジェンダー関係なくみんなの意見を平等に聞く
6. 感想とレビュー
ワークライフバランスと生産性の両立、その秘訣
『デンマーク人はなぜ4時に帰っても成果を出せるのか』は、単なる「働き方改革」の本にとどまらず、現代社会が抱える様々な問題に対する一つの解答を示唆する、示唆に富んだ一冊です。著者の丹念な取材と分析に基づき、デンマークの働き方の魅力だけでなく、その背景にある社会システムや文化まで深く掘り下げています。
ワークライフバランスと生産性の両立、その秘訣
本書を通じて、最も強く印象に残ったのは、デンマーク人がワークライフバランスと生産性を両立させている点です。これは、日本社会において長年議論されてきた課題であり、多くのビジネスパーソンが抱える悩みでもあります。デンマークの事例は、この問題に対する一つの解決策を示唆していると言えるでしょう。
信頼関係に基づく組織文化
デンマークの職場では、上司と部下の関係がフラットで、お互いを信頼し合う関係が築かれています。この信頼関係が、社員の自主性を高め、生産性を向上させていると言えるでしょう。日本企業においても、このような信頼関係を築くことが、働き方改革の成功に不可欠です。
柔軟な働き方とデジタル化
デンマークでは、フレックスタイム制やリモートワークなど、柔軟な働き方が普及しています。また、DXを積極的に推進し、業務の効率化を図っています。これらの取り組みが、ワークライフバランスの向上と生産性の向上に繋がっていると言えるでしょう。
幸福度と生産性の相関関係
本書は、幸福度と生産性の間に強い相関関係があることを示唆しています。デンマーク人は、仕事だけでなく、プライベートも充実させることで、より高いモチベーションで仕事に取り組むことができるのです。
日本への示唆
本書は、単にデンマークの働き方を紹介するだけでなく、日本社会が抱える問題に対する解決策を提示しています。日本の企業は、デンマークの事例を参考に、働き方改革を進めるべきです。
本書の良かった点
- 具体的な事例: デンマークの企業や個人の事例を豊富に紹介しており、非常にわかりやすい。
- データに基づいた分析: 統計データや調査結果に基づいて、デンマークの働き方の特徴を客観的に分析している。
- 実践的なアドバイス: デンマークの働き方を参考に、日本の働き方改革に活かせるヒントが満載。
- 多角的な視点: 経済学、社会学、心理学など、様々な視点からデンマークの働き方を分析している。
改善点
- 文化的な背景: デンマークの文化的な背景が、働き方にどのように影響しているのか、より深く掘り下げて欲しかった。
- 日本の状況との比較: デンマークと日本の労働環境の違いをもう少し詳しく比較分析すると、より具体的な対策が見えてくる。
- 課題と解決策: デンマークの働き方を導入する際の課題と、その解決策について、もう少し具体的に説明があると良かった。
誰におすすめか
- 働き方改革に関心がある人
- ワークライフバランスを改善したい人
- 企業の人事担当者
- リーダーシップに興味がある人
- 社会学者、経済学者など、関連分野の研究者
7. まとめ
『デンマーク人はなぜ4時に帰っても成果を出せるのか』は、単なる「働き方改革」の本にとどまらず、より豊かな社会を築くためのヒントが満載の一冊です。本書で紹介されているデンマークの働き方を参考に、日本社会もより良い方向へと変化していくことを期待します。
最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました。
背伸びしない等身大の経験とアイディアのコラムも書いています。
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