【3分要約・読書メモ】努力は仕組み化できる:根性論を卒業し、科学的に努力する方法

BOOKS-3分読書メモ-
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今回は『努力は仕組み化できる』についてレビューと要約の記事となります。

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『努力は仕組み化できる』の要約とレビュー:根性論を卒業し、科学的に努力する方法

1. 著者の紹介

山根承子氏は、株式会社パパラカ研究所の代表取締役社長であり、行動経済学をビジネスに応用する専門家です。企業研修やコンサルティングを通じて、行動経済学に基づいた組織改革や人材育成を支援しています。本書では、行動経済学と心理学の知見を基に、「努力」を仕組み化する方法を分かりやすく解説しています。

2. 本書の概要

努力は仕組み化できる』は、「努力は根性論」という従来の考え方を覆し、行動経済学と心理学の視点から「努力」を科学的に分析し、誰でも努力を継続できる仕組みを作る方法を提案する一冊です。勉強、仕事、ダイエット、習慣形成など、様々な目標達成に役立つ具体的な方法論が満載です。

3. 本書の要約

本書は大きく分けて4部構成となっており、努力を持続させるための仕組み、ナッジを用いた方法、努力を妨げる要因への対処法、そしてそれでも頑張れなかった時の考え方を解説しています。

第1部:努力が続く仕組みを作る

この部では、従来の「意志の力」に頼る努力論の限界を指摘し、行動経済学の視点から努力を捉え直します。努力を「未来の自分への投資」と捉え、行動経済学の基本的な概念を紹介します。また、「努力が勝手に続く」ための4つの仕組みを提案しています。

  1. フィードバック: 努力の進捗や成果を可視化することで、モチベーションを維持します。ハビットトラッカーや日記などが有効です。
  2. フィードフォワード: 事前に計画を立てることで、行動への納得感を高め、継続を促します。
  3. 努力の自動化: 行動を習慣化することで、意志力に頼らずに努力を続けられるようにします。約2ヶ月続けることで習慣化される可能性が高いとされています。
  4. 教育の力: 行動の目的や効果を理解することで、努力への意味付けを行い、モチベーションを高めます。

第2部:「ナッジ」で、頑張らずに努力並の結果を得る

この部では、行動経済学で用いられる「ナッジ」という手法を紹介します。ナッジとは、人々が自発的に望ましい行動を取るように促す方法です。ここでは、努力を無理なく続けるための2つのナッジを紹介しています。

  1. デフォルトの力: 初期設定を望ましい行動にすることで、人々の行動を誘導します。例えば、年金制度の自動加入設定などが例として挙げられます。
  2. 他人の力: 周囲の力を借りることで、努力を継続するモチベーションを高めます。例えば、友人との約束やSNSでの共有などが有効です。

第3部:努力を妨げるものとの戦い方

この部では、努力を妨げる様々な要因とその対処法を解説します。

  1. 誘惑との戦い: 誘惑に負けそうな自分をコントロールする方法、未来の自分への宣言の効果、意志の弱さを計画に組み込む方法などを紹介します。
  2. 努力しない言い訳との戦い: 「運が悪かった」「何とかなる」といった努力しない言い訳を分析し、それらに対抗するための考え方を提示します。運と実力の関係、楽観主義の落とし穴などについて考察します。
  3. 環境からの悪影響との戦い: 人の誘いを断れない、忙しくて時間がないなど、努力しにくい環境への対処法を紹介します。「心機一転」がリスクになる場合とチャンスになる場合についても解説します。
  4. 他人からの低い評価への対処: 努力を誰も認めてくれないと感じた時の対処法、人が「一生懸命な感じ」に影響される心理などを解説します。

第4部:それでも頑張れなかったときに読む2章

この部では、努力が続かなかった時の後悔との向き合い方、そして「続ける=良い」「努力=素晴らしい」という考え方の落とし穴について解説します。後悔を減らすための考え方、「せっかく○○したんだから」という心理に陥った時の対処法などを紹介します。

その他の重要なポイント:

  • 内発的動機: 外部からの報酬や評価ではなく、行動自体に楽しみを見出すこと、自己効力感を持つことが、努力を継続する上で重要であることを強調しています。
  • 動機の多様性: 達成動機だけでなく、親和動機や権力動機など、様々な動機が行動の原動力になることを示し、それぞれの動機に合わせた方策を提案しています。
  • EASTフレームワーク: 人の行動を変えるためのフレームワークとして、「Easy(簡単に)」「Attractive(魅力的に)」「Social(社会的に)」「Timely(タイミングよく)」の4つの原則を紹介しています。
  • コミットメント: 未来の自分を縛ることで、誘惑に負けないようにする方法として、コミットメントの重要性を解説します。

4. ここだけは押さえたい一文

「努力できる」を根性論ではなく科学的に考えよう。

努力は仕組み化できる

この一文は、本書のメッセージを端的に表しています。努力は単なる精神論ではなく、行動経済学や心理学の知見を活用することで、誰でも仕組み化できることを示唆しています。

人をやる気にさせる人は、フィードバックがうまい

努力は仕組み化できる

どんなことでも2か月間頑張ることができれば、その努力は意識せずとも自然に行えるようになっている可能性が高い。

努力は仕組み化できる

運動を継続している人は内発的動機付けが強く、運動を継続していない人は外発的動機付けが強い

努力は仕組み化できる

努力の継続のためには、まず自分の努力は無駄ではないのだと感じることが必要です。それが「目標をクリアする快感」に代ったら、あなたは努力できる人間に近づいているでしょう。

努力は仕組み化できる

「努力が苦手」という自覚がある人は、自分がデフォルト・ナッジの効果を受けやすいことを肝に銘じておく

努力は仕組み化できる

「結局は運で決まる」と思っている人は、あまり努力しようとはしないでしょう。逆に「全ては自分次第だ」という考えの人は、努力を惜しまないでしょう。

努力は仕組み化できる

内的統制の人は「自分で努力して減量した」人が多かった一方で、外的統制の人は「医療や健康のプロフェッショナルの力を借りて減量した」人が多かった。
「努力しないタイプ」、つまり「なるようにしかならない」「やっぱり運は無視できない」というような外的統制タイプだとわかったとしても、落胆することはありません。
外的統制であるならば、自分一人でやろうとはしないことです。家族や友人、専門家など周囲の積極的なサポートを適切に利用すれば、努力を継続づることができる可能性が高いです。

努力は仕組み化できる

運の捉え方や幸運の自覚は、努力に大きく影響します。「自分は幸運だ」「どうにかなるさ」というポジティブさは美徳である一方、努力を妨げてしまう悪癖となる可能性があります。
「たまたまうまくいっただけ」という人ほど、見えない努力をしている可能性が高いです。

努力は仕組み化できる

「こうなりたい」という習慣を持つ人たちの中に身を置いた方が、努力を継続しやすい。
それほど環境の力は大きい。

努力は仕組み化できる

私たちが気をつけなければいけないのは、頑張って続けてきた「努力」が、合理的な選択を邪魔するサンクスコストになっていないかという点です。

努力は仕組み化できる

5. 感想とレビュー

努力は仕組み化できる』は、努力を継続できないことに悩む全ての人にとって、非常に役立つ一冊です。従来の精神論に偏った努力論とは異なり、科学的な根拠に基づいた具体的な方法論が提示されているため、すぐに実践に移すことができます。

本書の特に優れている点:

  • 科学的根拠に基づいた方法論: 行動経済学や心理学の理論に基づいた方法論が提示されているため、納得感を持って実践することができます。
  • 具体的な事例と分かりやすい解説: 日常生活やビジネスシーンで起こりうる具体的な事例が豊富に紹介されており、読者は自身の状況に照らし合わせながら理解を深めることができます。また、専門用語は用いられていますが、平易な言葉で解説されており、誰でも理解しやすい構成となっています。
  • 多角的な視点からの分析: 個人のモチベーションだけでなく、環境、他者からの影響、後悔との向き合い方など、多角的な視点から努力について考察しており、包括的な理解を得ることができます。
  • 実践的なアドバイス: 理論だけでなく、すぐに実践できる具体的なアドバイスや方法が多数紹介されているため、読者は本書を読み終えた後、すぐに自身の行動を変えることができます。例えば、ハビットトラッカーの使い方、フィードフォワードの具体的な方法、ナッジの活用例、コミットメントの作り方など、具体的な方法が分かりやすく解説されています。
  • 著者の経験に基づいた説得力: 著者のコンサルタントとしての経験や、自身の経験に基づいた事例も紹介されており、読者は著者の言葉に説得力を感じます。

特に共感した点

  • 「つい」の行動と自己認識の重要性: 無意識のうちに行ってしまっている行動が、努力の継続を妨げている可能性があるという指摘は、非常に示唆に富んでいます。自分自身を客観的に見つめ直すことの重要性を改めて認識しました。
  • 内発的動機の重要性: 外発的な報酬や評価に頼るのではなく、行動自体に楽しみを見出すこと、自己効力感を持つことが、努力を継続する上で最も重要であるという点は、非常に共感できました。
  • EASTフレームワークの有用性: EASTフレームワークは、行動を変えるための非常に効果的なツールであると感じました。このフレームワークを活用することで、自分だけでなく、周囲の人の行動も良い方向に導くことができるでしょう。
  • コミットメントの力: コミットメントは、意志力に頼らずに目標を達成するための非常に有効な方法であることを改めて認識しました。周囲を巻き込むことで、自分を強制的に行動させることができるという点は、非常に参考になりました。

6. まとめ

努力は仕組み化できる』は、努力を継続するための具体的な方法論を、科学的な根拠に基づいて解説した良書です。単なる精神論ではなく、行動経済学や心理学の知見を活用することで、誰でも努力を仕組み化し、目標達成に近づけることを教えてくれます。本書は、努力が続かないことに悩む全ての人にとって、必読の一冊と言えるでしょう。また、ビジネス、教育、子育てなど、様々な分野で応用可能な普遍的な法則が示されているため、幅広い層の読者にとって役立つ内容となっています。本書を読み、実践することで、あなたは「努力」という概念に対する考え方を根本から変え、目標達成への道を力強く歩み始めることができるでしょう。

最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました。

背伸びしない等身大の経験とアイディアのコラムも書いています。
日々の仕事やライフスタイルのヒントになればうれしいです。

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