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今回は「最高の働きがいの創り方 」についての記事となります。
■著者
三村真宗(みむら まさむね)
株式会社コンカー代表取締役社長。1993年、慶應義塾大学法学部卒業。
同年、日本法人の創業メンバーとしてSAPジャパン株式会社に入社。
以後13年間に渡り、BI事業本部 長、社長室長、CRM事業本部長、製品マーケティング本部長、戦略製品事業バイスプレジデント等を歴任。
2006年、マッキンゼー・アンド・カンパニーに入社し、金融、通信、ハイテク企業等の戦略プロジェクトに従事。
2009年、電気自動車インフラ会社であるベタープレイス・ジャパン株式会社において、シニア・バイスプレジデント。2011年10月から現職に就任。
2002年に日経コンピュータ「ITを変える50人」に選出。
著書として『新・顧客創造』、『次世代自動車 実用化と普及拡大に向けて』
など。
■第1章 最高の働きがいは企業文化の醸成から生まれる
・働きがいを高める3つのドライバー
人材という最も希少な経営資源の価値を最大限に発揮させる3つのドライバー。
①夢や志、大義との一体感
自分でコミットできる会社の「大義」と自分の成果を関連付ける。
②視座の高さと裁量の大きさ
指示や命令されてする受動的な仕事よりも、自らの意志で取り組む能動的な仕事の方が、同じ成果を出してもより大きなやりがいを感じることができる。
③成果や失敗を通じた成長の実感
「高い視座」を持ち、「大きな裁量」が与えられて仕事に取り組むことにとによって、自分の仕事の成果に対するオーナーシップが強まる。
■第2章 戦略の可視化・実行
・情報を開示すればするほど、意欲や信用は高まり、協力が生まれる。
・いいことだけでなく、課題も共有するから、社員が経営に近い感覚を持つようになる。情報公開は、社員の視座を上げるのに効果的。
■第3章 モニタリング・フィードバック
・建設的に、すぐに、総合にフィードバックすることで、社員同士が「高め合う」文化が生まれる。
・すべてのお客様の生の声を聴くことで、マーケットが求める戦略を生み出す。耳の痛い話も、あえて聞く。そうすることで、お客様の実情に対応した戦略が作れるようになる。
■第4章 認知・感謝
・数字に表れにくい貢献にも光を当てる。
非営業系の社員も金銭的なインセンティブではなく、感謝を伝えることの方が重要。「しっかり認知していまます」というメッセージを会社として発信する。
■第5章 連帯感・コミュニケーション
・上司との軋轢は「気づいたときにはもう手遅れ」となりかねない。1on1ミーティング以外でも、長期の相談や仕事から離れた家族や趣味なことなど話せる関係性を構築する仕組みと取り入れる。
・上司ー部下の関係ではなく、他部署の上司、同僚など立て・ヨコ・ナナメで双方向のつながりを強める。
■第6章 人材採用
・採用で妥協すると、ボディーブローのように経営へのダメージになる。
・採用こそが最大の経営戦略。文化に合うかを判断するために、「社長が必ず最終面接」をしている。
■第7章 人材開発
・長期の視点でキャリアを作る制度を用意する。
年初に全社員が「目標シート」を提出する。「目標シート」では、1年間の目標設定だけでなく、「4年後」「10年後」を記載することで、長期的なキャリアを本人と上司が一緒に考える機会になっている。
・目標を置くことで、逆算して何をやればいいのかがはっきりしてくる。
・大きな目標や夢は大事、でも機会を仕組みとして作っておかないと考えることもしない。
■第8章 人材評価
・納得感を最大化し、目立たない努力に目を配る。
・処遇の不平等感をなくすため「ジョブグレード」を作る。
社員の育成に焦点を当てる。給与や昇給・昇格の仕組みを透明化するとともに、自分のキャリア志向を明らかにし、次のステップに何が必要かを考える機会を提供する。
・できる人は「活動量」「スピード感」「規律」の3つがそろっている。
■第9章 働きやすさ
・「ワークライフバランス」と多様性に配慮し、休みがとりやすい、柔軟に働ける仕組みを作る。
・休みやすい雰囲気づくりのため「有給休暇奨励日」を設定。
有給休暇はなかなか消化しきれない、だから、使う機会を会社が作ってあげたほうがいい。
■感想
『「働きがいのある会社」づくりは、経営戦略である』。とてもシンプルなことだが難しい。今、ヒトが最も希少な経営資源になりつつある。そののパフォーマンスを大きく左右するのがモチベーション。報酬や福利厚生では、モチベーションを維持することはできない。「働きがい」を高めることが、人のパフォーマンスを最大限に発揮して、企業の業績を高めるうえで最重要の経営戦略である。
コンカーが働きがいのある会社ランキング1位を獲得するために実践した具体的なアクションが詰まった一冊。すべての企業にフィットするかはわからないが、マネジメントに関して参考になる記載が多い。採用、育成、制度など様々な施策が紹介されているためまずは、自分ができるところから始めることができる。トップのコミットメントで会社と働く人は変わる。経営層や、人事関連の仕事の方だけでなく、チーム運営や若手の育成に悩んでいるビジネスパーソンにおすすめの一冊。
最後まで読んでいただきて、ありがとうございました。
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日々の仕事やライフスタイルのヒントになればうれしいです。