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今回は「家族のトリセツ」についての記事となります。
■著者
黒川 伊保子
㈱感性リサーチ代表取締役、日本ネーミング協会理事、感性アナリスト
奈良女子大学理学部物理学科卒業後、コンピュータメーカーにて人工知能開発のエンジニアに。自然言語解析の現場に早くから従事し、1991年には、当時の大型機(メインフレーム)では世界初と言われたコンピュータの日本語対話に成功。現在はこの技術をネーミングに応用、企業ネーミングのコンサルタントとして、「いきなり核心に切り込み、腹落ちするネーミングを必ず見つけ出す、ドクターXみたいなコンサルタント」と呼ばれている。2020年には、コロナ禍の家族を救うために、家族のトリセツシリーズをコンプリート(『妻のトリセツ』『夫のトリセツ』『娘のトリセツ』『息子のトリセツ』『家族のトリセツ』)。
■まとめ
・完璧主義から抜け出す。
この世の中に、「いいことだけ」「悪いことだけ」のモノはない。
・勤勉で「世間の理想」を遵守して、「上の命令」に従う資質は、高度成長期には必要だった。けど今は「個性の発揮」「感性のジャッジ」が必要になっている。
ひと昔前の正義を今の正義とはき違えない。ひと昔前の正義もその時に作られたものだから。
・家族は甘やかした方がいい。人間も家族愛も甘やかした方が強くなる。
・笑顔のない家庭の子は頑張れない。
・親が結果にコミットしすぎない。親が結果に一喜一憂すると子供は失敗を恐れるようになる。親は子供以上にがっかりしたり有頂天にならない。
・志は高く、結果に無頓着。
・失敗しても誰のせいにもしない。
・過去の失敗をくよくよ言わない。
・未来の失敗をぐずぐず言わない。
・正義とは、時に家族を切り裂く刃にもなる。
確かに正しいことでも、それが正解とは限らない。
・他人を許せる人は、自分の失敗も他人が許せると信じられるため、自分の失敗にビビらない。
・家族が帰りたくなる「家」を作る。傷ついた翼を休ませられる家。
・家族に「世間」を持ち込まない。
他人目線を家族に持ち込むと「イラつく家族」になる。
理想のカタチがあり、そこから引き算で子供を見るからイライラする。
外に出ればどうしたって世間の目は冷たく子供に突き刺さる。
わざわざ家庭できつい思いをさせる必要はない。
・失敗は責めなくても良い
叱られる、あやまる、それで罪の意識が償還されて一件落着となり、心に残らない。
叱ると罪の意識が残らない。
・5W1H系の質問をぶつけない
何かやらないことがあった場合、
×「どうしてやらないの?」 Whyの質問
〇「大丈夫?どうしたの?」 What’s happened?
日本の子育てが「ゴール設定」に満ちている。
ご飯だけ食べさせて、宿題やらせ、風呂に入れ、早く寝る。中期では、試験に合格、長期では、立派な大人。
→だから問題解決型になってしまう。
いきなり「5W1H」は禁止。まずは「心の対話」から入るようにする。
→ほめる、気遣う、ねぎらう、感謝する
たとえ、絶対的に妻や子供が悪くても、彼女の「敵」を責めることがか始める。
公平で客観的な視点のアドバイスは、その後で良い。
圧倒的に肩を持ってあげれば、脳はバランス感覚を持っており、本人が公平になってしまうもの。
・家族は甘やかしていい。
自分も甘やかしていい。
私にとって、「家」とは、そういう場所である。
・平和な国には、平和な国の苦しみがある。
どこまでも理想を追い求めることができる環境だから、
もっといい成績、
もっといいい暮らし、
もっといい評価、
しかも、もっと楽しく、もっと簡単に。
常に「もっと、もっと、もっと」という心の飢餓とともにあり、それが「他人目線」に依存させる。
どう頑張っても自己満足成されない。
心赴くままに生きようとする人を、激励や正義という大義名分でぼこぼこになることさえもある。
■感想
娘二人がいる父親だが、この本には、共感する部分が多く、自分が「家」に「世間」を持ち込んでいることに気づかされた。『男は敷居を跨げば七人の敵あり』という諺がある。その意味は、「男子たるもの家の外に一歩出れば、さまざまな敵がいる」ということだが、それは男子だけにが限ったものではない。学校では、どうしても他人と比較してしまうし、小学生でも友達通しの付き合いは気を遣う。SNS、学校崩壊、いじめ。男女関係なく、外に出れば、敵ばかりだ。
そんな子供にとって、傷ついた翼を休ませられる家。家族が帰りたくなる「家」を作るのが僕の目標だ。子供のことを思って、「勉強しろ」「もっと頑張れ」「高い目標を持て」と言いたくなるが、一番大事なのは、辛い外の世界で傷ついたり、疲れた翼を休ませてあげること。そんな当たり前のことに気付かされた一冊。小学生や中学生の子供を持つ親に読んでもらいたい一冊です。
最後まで読んでいただきて、ありがとうございました。
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