【3分要約・読書メモ】経営中毒 社長はつらい、だから楽しいー仕事の醍醐味が「ここ」にある

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今回は「経営中毒 社長はつらい、だから楽しい」についての記事となります。

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■著者

徳谷 智史(とくや さとし) 
(エッグフォワード株式会社 代表取締役社長/GOLDEN EGG Ventures 代表パートナー) 京都大学卒業後、大手戦略コンサルティング会社入社。海外法人の立上げとアジア代表を経て、「いまだない価値を創り出し、人が本来持つ可能性を実現し合う世界を創る」べく、エッグフォワードを創業。企業向けには、大手からスタートアップまで、1000 社超の企業変革コンサルティングを手掛ける他、出資×コンサルティングのVC スキームで「スタートアップ共創のエコシステム創造」を目指す。個人向けには、2 万人を超えるビジネスパーソンの意思決定・キャリアを支援。 NewsPicks キャリア分野プロフェッサー、Podcast「経営中毒~だれにも言えない社長の孤独~」メインMC、PIVOT「社長改造コーチ」、著書に『キャリアづくりの教科書』(NewsPicks パブリッシング)など。趣味はハンドボール・サウナ。

第1章 「資金繰り」は最初に直面する、社長共通の悩み―人徳が問われる「カネのマネジメント」

  • 創業初期は、「カネのマネジメント」が計画通りいかず「残念な現実」に直面するケースが多い。
  • 会社のかじ取りをすべき社長が「資金繰り」に奔走してしまうと、事業が推進できず、成長は必ず止まる。
  • 「会社のカネ」を正確に把握するには、P/L、B/S、C/Fすべてをチェックすること。「全部を見ないといけない」ということの意味に、経営してはじめて気づく。
  • 経営においては、未来を見据えた「資金計画と調達のサイクル」を、前倒しかつ高速で回すことが不可欠。
  • 株式(エクティ)の調達は不可逆。投資家選びは非常に重要であることを肝に銘じる。
  • 投資家や銀行が判断する企業の価値は、必ずしも数値的な指標だけでは決まらない。経営チームの実績や事業の将来性なども大きく関係する。なにより「社長本人」の資質を見られている。
  • カネがあってこそ、会社が成り立つ。人を雇えて、給料を払える。自分や自社の未来を信じて応援してくれる投資家や金融機関の存在、支払いできることへの感謝を常に忘れないこと

第2章 会社は99.9%、「人の問題」で崩壊する―会社の未来を左右する「ヒトのマネジメント」

  • 人の問題は創業1年目前後に必ず起こる。創業時のメンバーとは、会社の舵取りにかかわることで「ケンカ別れ」になるケースも。この時期を乗り越えられるかどうかが経営を成功させるためのカギになる。
  • ケンカ別れの原因は給料(株の配分)絡みのケースが多いが、それが解消されてもさらなる問題が起きる
  • 人を採用する際は、創業メンバーと目線を合わせる。その人自身の価値観と組織の向かう先が一致しているかどうかをしつこいくらい確認する。
  • 会社のフェーズが進むにつれて、同質性だけでは成長が止まる。経営陣ほど、「マインドは共通、スキルセットは異質」を肝に銘じる。
  • パフォーマンスが出ていない下位層だけに目を向けるのではなく成果が出ない原因を探り、同時に中位や上位を伸ばすことにも目を向ける
  • 社員の退職は避けられない。功労者だからと情をかけるのではなく、フェーズによって「会社のものさし」に応じて適切な新陳代謝を模索すること。

第3章 営業VS.エンジニア、中途VS.古参……組織の崩壊はとつぜん起きる―文明の衝突を起こさない「組織のマネジメント」

  • 組織の崩壊は、企業の規模を問わず起こりうる。解決策は大きく二つ。HRに経営陣がリソースを割くか、組織運営の構造を整えるか。
  • 社長の考え方に問題がある場合は、制度を整えるだけでは組織の体質は変わらない。社長自身が自分の心を向きあう覚悟が問われる。
  • 組織が成長しない背景には、構造的な問題が潜んでいる。特定の人や組織を追求する「犯人探し」に終始せず、組織全体を分解し、どこにメスを入れればいいのかを検証するしかない。
  • 社長の思いの大きさ、思想の深さによって、組織のカタチは全く変わるという意識を持つ。とはいえ、組織の責任を社長一人で抱え込まないようにする。
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第4章 最初に考えたプロダクトはなぜうまくいかないのか―0→100を可能にする「事業のマネジメント」

  • ユーザーに試してもらいながら事業(プロダクトやサービス)をつくっていく手法は大企業でも、スタートアップでも欠かせない。その際、課題(ニーズやペイン)、提供価値(競合との違い)、価格(ビジネスモデル)の三つを満たすプロダクトやサービスを目指す。
  • 「課題」を見つけるにはペルソナを細かく設定して検証していくのが基本だが、スタートアップや中小企業の場合は、「熱狂的なユーザー」を見つけ出すのがより効果的。
  • 「ほかに負けない圧倒的な価値は何か」という軸に沿ってビジネスモデルをまず決めてから、お客様に納得してもらえる価格を設定していく。この順番が逆にならないように注意する。
  • お客さんの意思決定構造や外部要因によってまったく売れないこともあるし、意外な形で当たることもある。プロダクト開発に近道はなく、粘り強く改善を重ねていくしかない。
  • それでもうまくいかなかったら、顧客・提供価値・課題のいずれかをピボットして、事業を再検討する。
  • プロダクトは表面をパクるのではなく、その構造を捉え、自社の強みを活かして磨き上げる。
  • 事業とは、常に進化させ続ける宿命があるものだということを社長は誰よりも強く認識する。

第5章 「事業の売却」から新たな経営がスタートする―失敗しない「スタートアップの出口戦略」

  • 投資家から見ればIPOやM&Aは「出口」になるが、社長にとっては「新たな始まり」。上場すれば特に、資金調達しやすくなり、信頼度も上がるが、その反面、社会の公器として外部からの目も厳しくなる。
  • 事業が好調であればM&Aを検討するのもいいが、移籍する(残る)社員の待遇など考慮して慎重に進めるべき。
  • いずれにしても、「社長自身がどうありたいのか」が極めて強く問われる意思決定であることは忘れない。
  • 「会社を閉じてもいいかな」と頭によぎったら、まずは会社の存在意義を思い返す。さらに創業の原点に立ち返り、自分を見つめ直す時間をつくる。あるいは、信頼できるパートナーに相談する。それでも無理だと思ったら、自分の心に従うこともありうる。

第6章 「24時間悩み、365日決断」難しいがクセになる経営判断―会社の未来を左右する「社長の意思決定」

  • 大小さまざまな事案について判断を迫られる立場にいる社長だが、自分の意思決定が揺らがないように、「壁打ち役」を作ることが重要
  • 意思決定は先延ばしにしてはいけない。しかし、「撤退」の判断は拙速に行うべきではなく、収益性や将来性といったガイドラインを設定して起き、総合的に判断するといい。
  • トップになって初めて、自分が目標を立てる側に立つ。そのとき、どの程度の目標を掲げられるか、その目標に社員が共感してくれるかどうかで組織の見たいが決まる。
  • 完璧な意思決定はない。常に悩み、時に後悔もしながら、意思決定の精度を高めていく必要がある。

■感想

自信のサクセスストーリーが語った社長の本は多いが、この本には、社長のリアルな悩み、苦しみ、失敗、後悔が書かれている。

「会社の経営はそんなに甘くない」
ページをめくると3ページ目に飛び込んできた言葉だ。

著者自身も、独立してから軌道に乗るまで、創業メンバーが全員退職したり、資金がショートしそうになったり、数々の修羅場を乗り越えてきた。本書では、ヒト・モノ・カネにまつわる多くのトラブルに直面した社長の姿がそのままに紹介されている。

社長にしか見えない世界、社長にしか享受できない喜び・やりがいがある。社長の醍醐味は、社長にしか味わえない。起業や経営を目指すビジネスパーソンだけでなく、チームをマネジメントするうえでも「社長の視点」を持つことは重要なスキルの一つ。

もし自分が社長だったら、、、、、
あなたの視座を高める一冊。

Podcast「経営中毒~だれにも言えない社長の孤独~」のファンなので、Podcastで話されていた内容と被ることもあり、内容を深く理解することができた。Podcastファンはもちろん、まだ、Podcastを聞いていない方にもおすすめ。読了後にPodcastを聞いてみると、徳谷さんの声のトーンから、よりリアルな社長の視点を得ることができます。

最後まで読んでいただきて、ありがとうございました。

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