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今回は『厚利少売 ー薄利多売から抜け出す思考·行動様式』についてレビューと要約の記事となります。
1. 著者の紹介
菅原健一氏は、経営コンサルタントとして、数多くの企業の成長を支援してきた人物です。過去には、取締役CMOとして企業をKDDI子会社へ売却し、売上を数百億規模へ成長させた実績も持ちます。著書に「小さく分けて考える」があり、ビジネスに関する深い知見と豊富な経験を持っています。
2. 本書の概要
「薄利多売から抜け出し、高収益を実現したいあなたへ」
『厚利少売 薄利多売から抜け出す思考・行動様式』は、従来の「薄利多売」というビジネスモデルから脱却し、「厚利少売」という新しいビジネスモデルを提唱する一冊です。少数の高品質な商品やサービスを提供することで、より高い利益率を実現する方法を、具体的な事例やステップを交えて解説しています。
3. 本書の要約
本書は、以下の3つの大きな軸で構成されています。
① 厚利少売の基礎
- 厚利少売のメリット:高い利益率、顧客満足度の向上、競合との差別化など
- 薄利多売のデメリット:低利益率、顧客離れ、価格競争への巻き込みなど
- 厚利少売を実現するための4つの基本原則:提供する価値に責任を持つ、供給量をしぼる、売上脳ではなく利益脳、異常値になる
② 厚利少売の実践方法
- 付加価値の創造: 顧客が本当に求めている価値を見極め、それを提供する。
- 価格設定: 成功から逆算して価格を設定し、高価格でも選ばれる商品・サービスを作る。
- 需要の開拓: 新しい需要を見つけ出し、新たな市場を開拓する。
- マーケティング戦略: 効果的なマーケティング戦略を通じて、高価格でも選ばれる商品・サービスを世に広める。
③ 厚利少売の継続的な成長
- 顧客との関係構築: 顧客との長期的な関係を築き、リピーターを増やす。
- 組織の変革: 厚利少売を実現するための組織体制を構築する。
- 時代の変化に対応: 変化の激しいビジネス環境において、持続的な成長を実現するための方法を学ぶ。
4. ココだけは押さえたい一文
「不要なものをつくるのをやめて、本当に必要とされるものを、必要なだけつくる」
この一文は、本書の核となる考え方を端的に表しています。従来の大量生産・大量消費型のビジネスモデルから脱却し、顧客のニーズに合わせた高品質な商品・サービスを提供することで、より持続可能なビジネスを実現することができるのです。
- 薄利多売と厚利少売の違い
- 厚利少売を実現する3ステップ
- 価格を上げる
- お客さんを減らす
- 高い価格を提供する
- 価格は「相手の変化量」
「相手の変化量」が大きいプロダクトであれば、価格が高くても買ってくれる人は見つかります。 - 異常値になる
「あなた(御社)の代わりはほかにいない」と言われる存在になるためには、その相手にとっての異常値にならなければならない。
- 厚利少売で必要な「4つの基本原則」
- 提供する価値に責任を持つ
- 供給量をしぼる
- 「売上脳」ではなく「利益脳」
- 異常値になる
- 「希少なもの」は新たな本質価値のヒントになる
過剰なものを生み出しても得られる利益は少ないですが、希少なものを生み出せば大きな利益を享受することができる。
- 「どう戦うか」の前に「どこで戦うか」を正しく見極める
- 優れた起業家は「不確実な資源を追い求めるのではなく、自分がすでに手にしている手段を活用して、すぐに具体的な行動」を生みだしている
- 「私は誰か(Who I am)」
特性や興味、能力や性格など、その起業家のアイデンティティの構成要素 - 「私は何を知っているか(What I know)」
専門知識・スキルに加えて、趣味や過去に受けた教育から得た知識、あるいは人生経験を通じて獲得した経験則や信念のようなもの - 「私は誰を知っているか(Whom I know)」
頼ることができる人とのつながり、社会的ネットワーク
- 「私は誰か(Who I am)」
5. 感想とレビュー
本書は、従来のビジネスモデルに疑問を持ち、より良いビジネスモデルを探している人にとって、必読の一冊です。特に、中小企業の経営者や、起業を目指す人にとっては、具体的な戦略と実践的なノウハウが満載で、非常に参考になるでしょう。
本書の良かった点
- 具体的な事例: 豊富な事例を用いて、厚利少売のメリットや具体的な手法がわかりやすく解説されています。
- 実践的な内容: 本書で学んだことを、すぐにでも実践できるような具体的なステップが示されています。
- 思考の転換: 薄利多売から厚利少売への思考の転換を促し、新たなビジネスモデルの構築を支援します。
改善点
- 高度なマーケティング戦略: より高度なマーケティング戦略について、もう少し詳しく解説されていると、より幅広い読者に役立つと考えられます。
- 競合との差別化: 競合との差別化戦略について、より具体的な事例やノウハウが欲しかったところです。
誰におすすめか
- 中小企業の経営者
- 起業家
- 新規事業を立ち上げたいと考えている人
- ビジネスモデルを変えたいと考えている人
- より高い収益を目指したい人
6. まとめ
『厚利少売 薄利多売から抜け出す思考・行動様式』は、少数の高品質な商品やサービスを提供することで、より高い利益率を実現する方法を解説した一冊です。本書で紹介されている考え方や手法を実践することで、企業は持続的な成長を実現し、顧客満足度も向上させることができるでしょう。
最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました。
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