ご覧頂き誠にありがとうございます。
今回は『すぐに未来予測ができるようになる62の法則』についてレビューと要約の記事となります。
著者
日下 公人(くさか きみんど)
評論家。1930年、兵庫県生まれ。東京大学経済学部卒業。日本長期信用銀行取締役、(社)ソフト化経済センター理事長や東京財団会長などを歴任。ソフト化・サービス化の時代をいち早く先見し、日本経済の名ナビゲーターとして活躍。未来予測の正確なことには定評がある。
1. 本書の概要
『すぐに未来予測ができるようになる62の法則』は、日下公人氏による未来予測のためのガイドブックです。著者は、経済、歴史、文化など、さまざまな観点から未来を予測する手法を提供し、日常生活やビジネスの場で役立つ「未来を読む力」を高めるための62の法則を紹介しています。本書は、変化の激しい現代社会で成功を収め、より豊かな人生を送るために、どのように時代の流れを先読みし、機会をつかむべきかを解説しています。
著者は、日本の未来や経済、政治についての深い洞察を持ち、それを分かりやすく伝えるスタイルが特徴です。ビジネスリーダーや起業家、さらには個人の人生にも役立つ内容が詰まっています。特に、未来を恐れず、むしろチャンスとして捉える姿勢を強調しており、これからの不確実な時代において、成功を収めたい人々に向けたメッセージが込められています。
2. 本書の要約
本書では、未来予測を可能にする62の法則が具体的かつ簡潔にまとめられています。各章ごとに異なる視点からの予測法が紹介されており、どれも日常生活やビジネスにおいて即座に応用できる内容となっています。以下では、各章の内容を簡潔に要約します。
第1章 「普及率」の法則
物事が広がる速度やタイミングを予測するための法則です。新しい技術やアイデアが社会にどれだけ早く普及するかを予測するためには、普及率を見極める必要があります。この法則は、テクノロジーやトレンドがどのように拡散するかを理解する助けになります。
第2章 「五感」の法則
人間の五感に基づく法則です。どのようにして新しい感覚や刺激が私たちの行動や選択に影響を与えるかを予測します。例えば、視覚的な刺激や聴覚の変化がどのようにして市場や製品開発に影響を及ぼすかを考察します。
第3章 「発展段階」の法則
社会や経済の成長ステージを理解し、その段階に応じた未来予測を行うための法則です。国や企業がどの発展段階にあるのかを正確に把握することで、次に来るトレンドや市場のニーズを予測することが可能です。
第4章 「先端国」の法則
世界の中で技術や文化、経済が先端を走る国々が、他の国々にどのような影響を与えるかを予測する法則です。特に、先進国が導入した技術や政策が、他国にどのように広がっていくかを分析します。
第5章 「さらなる成功」の法則
成功を一度収めた企業や個人が、どのようにして次の成功へと導かれるかを予測します。この法則では、過去の成功事例をもとに、持続可能な成長とさらなる繁栄のパターンを探ります。
第6章 「アイディア倍増」の法則
創造力やアイディアを倍増させるための法則です。新しいアイディアを生み出すためには、既存のアイディアをどのように組み合わせて応用するかが重要です。これにより、革新を起こすためのプロセスを学びます。
第7章 「世界の中の日本」の法則
日本の将来を予測するための法則です。世界の中で日本がどのような役割を果たし、どのように発展していくのかを考察します。また、歴史や文化的背景を踏まえた上で、日本の強みや弱みを分析し、未来への対策を提示しています。
3. ポイント
- 人間の五感を大脳における神経密度が高いものから低い順
視覚→聴覚→味覚→臭覚→触覚
人間は豊かになると、目や耳で満足する段階から舌になり、最後は匂いや肌触りになる。匂いや肌触りを満足させる商品は「本物志向」になる。 - 即答するのが良い
いつも一階級上の人間になったつもりで日頃から考える - 戦後の日本には、アメリカの魅力的な文化があったから先進文化を追いかけて発展した。それが充足されると所得は貯金され、産業は頭打ち、低成長の時代が定着した。
- 人間の行きつく快楽は、寄り集まって会話を楽しみ、知的刺激を交換し、情感を共感し確認し合うこと。
ルネサンス以降の中世ヨーロッパの「サロン」
サロンに必要なのは知的情報 - 先生は、長期間自分のために時間を費やしてくれる生徒を喜ぶ嫉妬深い動物。だからなるべく勉強に手間のかかるような問題を出す。
- 日本人は自分が勉強する。
アメリカ人はシンクタンクを作って人に勉強させる。
イギリス人は遊びが勉強になっている。 - 明るさは成功への道。
明るさは人間関係をよくするもの、
遊び心を持った人がいるかが大切 - ベンチャーの成功条件
- 動機
- 賢明さ(賢さ)
- 度胸
- 情緒の安定
- 泥んこになって、もがいて進む。
秀才は打率を気にする。
打率は下がる時代。
これからはの相手は、過去のない新人。
だから下手な鉄砲を数撃とう。上手くいけば成功する。 - 日本人は恵まれている。気候・風土。
日本人は仕上げが上手。採集経済、農業社会、工業社会も正解最高のものを作った。
仕上げに凝って、新しいものへの挑戦をしないから、転換期はいつも一歩遅れる。
日本は仕上げで勝とうとする。そして事実、勝っているから、新しいことをしない。
外国は、延長線で勝っているから、新機軸を出す。それが成功すると、日本は遅れていることになる。 - アメリカには、「老い」に関する哲学がない。
アメリカでは老化を認めると引退で、敗北と同じ。
そんな国で老人向け商品は発展しない。
3. 感想とレビュー
『すぐに未来予測ができるようになる62の法則』は、非常に実践的で、多くの場面で活用できる予測法が紹介されています。ビジネスパーソンにとって特に魅力的なのは、未来予測をただの理論ではなく、日々の仕事や意思決定に役立てるための具体的な手法が提示されている点です。
例えば、「普及率の法則」や「発展段階の法則」は、今後の市場や技術トレンドを見極めるための強力なツールとなり得ます。これにより、企業は将来のリスクを最小限に抑え、競争優位を確立するための計画を立てることができます。また、「五感の法則」や「アイディア倍増の法則」は、クリエイティブな分野や製品開発において、顧客の感覚に訴える新しいアイデアを生み出すヒントとなります。
本書のもう一つの魅力は、ビジネスだけでなく、個人の人生においても活用できるという点です。「世界の中の日本」の章では、日本の将来像が描かれていますが、そこから得られる教訓は、個人がどのように時代の変化に対応し、自分自身の成功に結びつけるかを考える際にも役立ちます。
ただし、読者によっては62もの法則がやや多すぎて、一度にすべてを理解し活用するのは難しいと感じるかもしれません。各法則は独立しているため、自分に合ったものを選んで実践していくのが賢明です。
4. まとめ
『すぐに未来予測ができるようになる62の法則』は、未来を見通し、成功を収めるための多様な手法を提供する貴重な一冊です。変化が激しい現代社会において、予測力はビジネスや個人の成功において重要な要素となります。本書に登場する62の法則は、その予測力を高め、実践的に活用するための強力なツールを読者に提供します。
ビジネスリーダーや起業家はもちろんのこと、日常生活においても未来の変化を先取りし、より充実した人生を送りたい人にとって、この本は非常に有用です。未来を恐れず、チャンスと捉え、自らの行動に活かすために、ぜひ本書を手に取ってみてください。
最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました。
背伸びしない等身大の経験とアイディアのコラムも書いています。
日々の仕事やライフスタイルのヒントになればうれしいです。
X(Twitter)、Threads、instagram、Blueskyもやっているので、もしよかったら覗いてください。