【3分要約・読書メモ】お金のむこうに人がいる― 予備知識のいらない経済新入門 :田内 学 (著)

BOOKS-3分読書メモ-
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ご覧頂き誠にありがとうございます。
今回は『お金のむこうに人がいる』についてレビューと要約の記事となります。

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著者

田内学
1978年生まれ。東京大学入学後、プログラミングにはまり、国際大学対抗プログラミングコンテストアジア大会入賞。 同大学院情報理工学系研究科修士課程修了。
2003年ゴールドマン・サックス証券株式会社入社。
以後16年間、日本国債、円金利デリバティブ、長期為替などのトレーディングに従事。
日銀による金利指標改革にも携わる。
2019年退職。現在は子育てのかたわら、中高生への金融教育に関する活動を行っている。
本書が初の著書。

1. 本書の概要

お金のむこうに人がいる』は、元ゴールドマン・サックスの金利トレーダーである田内学氏が、複雑な経済をわかりやすく解説した一冊です。難しい経済用語を避け、身近な例え話やストーリーを用いて、経済の仕組みやお金の本当の意味をわかりやすく伝えてくれます。

本書のテーマは、「経済は人中心に考えるべき」ということです。お金を追いかけるのではなく、お金の背後にある人々の働きや、社会とのつながりを深く掘り下げることで、経済をより深く理解できるという考え方です。

2. 本書の要約

本書では、お金の本当の意味や経済の仕組みを、以下の視点から深く掘り下げています。

  • お金は単なる道具: お金は、モノやサービスと交換するための手段であり、それ自体に価値があるわけではありません。
  • 経済は人の営み: 経済活動は、人々の生活を支えるための活動であり、そこには必ず人の想いや努力が込められています。
  • 経済と社会のつながり: 経済は社会と密接に結びついており、経済の変化は社会にも大きな影響を与えます。
  • 経済の原則: 複雑な経済の仕組みを、シンプルな原則に集約することで、誰でも理解できるように解説しています。

具体的な内容

  • ピラミッド建設の謎: 古代エジプトのピラミッド建設には、膨大な費用がかかったように思われますが、実際にはお金は使われていません。これは、現代社会でも、すべてのモノやサービスの原価がゼロであることを示唆しています。
  • 食べ放題の経済学: 食べ放題で「元を取る」という考え方は、経済学的には成立しません。なぜなら、私たちが食べているものは、多くの人の労働によって生み出されているからです。
  • お金と幸せの関係: お金は、幸せの尺度ではありません。お金よりも大切なもの、例えば、健康や人間関係など、様々な価値観が存在します。
  • 経済と社会の共存: 経済活動は、社会の一部分であり、社会全体の幸福に貢献する必要があります。

3. ココだけは押さえたい一文

  • あなたが消費しているのは、お金ではなく、誰かの労働だ。
    お金の向こうには必ず「人」がいる。あなたのために働く人がいる。
    個人にとってのお金の価値とは、将来お金を使った時に、誰かに働いてもらえることなのだ。
  • 一人ひとりの消費者が、価格のモノサシを捨てて、自分にとっての効用を増やそうとしないと、生産者も消費者も幸せになれない。
  • 価格の高さは、「どれだけ働きたくないか」を表している。
    喜んで働いてくれる人には、お金による交渉は必要ない。働きたくない人に働いてもらうときほど、強い交渉が必要になる。その結果として価格が高くなる。極端な話をすると、みんながほかの人のために喜んで働くなら、価格は存在しなくなる。
  • 社会の抱える問題の中で、お金が解決できるのは、それが分配の問題の時だけだ。
    年金問題や政府の借金の問題などは、社会全体の問題だ。分配で解決する問題ではない。社会全体の問題はお金では解決できないのだ。
  • 貿易黒字とは「外国のために働くこと」
    貿易黒字とは、今の生活を豊かにすることではなく、正体のために「労働の貸し」を作ることなのだ。
  • 僕たちの生きている社会はさまざまな問題を抱えている。それがモノや労働などの分配に偏っている問題なら、お金を配ることで解決できるかもしれない。
    だけど、社内全体の問題は、お金では解決できない。お金で解決できる気がするのは「僕たち」の範囲が狭いからだ。
  • 経済を考える時は、お金の存在を取り払って、その向こう側にいる人のことを考える。お金を受けとる時、誰かが幸せになっている。お金を払う時、誰かが働いてくれている。
    誰が働いて誰が幸せになっているかを考えるだけで、経済をシンプルかつ直感的に捉えることができる。
    お金の向こうに人がいる。
『お金のむこうに人がいる』経済の羅針盤

4. 感想とレビュー

経済学の教科書ではない、経済学の物語

お金のむこうに人がいる』は、従来の経済学の教科書とは一線を画す、新しい視点からの経済論です。難しい数式や専門用語を避けることで、誰でも気軽に経済について考えることができるようになっています。著者の田内学氏は、複雑な経済現象を、身近な例え話やストーリーを用いてわかりやすく解説しており、まるで経済学の物語を読んでいるような感覚に陥ります。

経済の根底にあるのは「人」

本書の最大の魅力は、経済の根底にあるのは「人」であるというシンプルな事実を、改めて私たちに気づかせてくれる点です。お金は、単なる交換の手段であり、その裏には必ず人の労働や創造性が存在しています。このことを理解することで、私たちは経済活動に対してより主体的に関わり、より良い社会を築くことができるでしょう。

経済学への新たな視点

本書は、経済学を学ぶ上での新たな視点を与えてくれます。従来の経済学は、お金や数字を重視し、経済を一つのシステムとして捉える傾向がありました。しかし、本書は、経済を人々の生活や社会とのつながりの中で捉え、経済活動が人々にどのような影響を与えるのかを深く考察しています。

経済の面白さを再発見

本書を読むと、経済が単なる数字の羅列ではなく、私たちの生活を豊かにするものであることに気づかされます。経済の仕組みを理解することで、日々のニュースや経済記事をより深く読み解くことができるようになるでしょう。また、経済に関するニュースを見る目が変わり、より客観的に経済状況を判断できるようになるはずです。

5. まとめ

お金のむこうに人がいる』は、経済をより身近に、そして面白く感じさせてくれる一冊です。本書を読むことで、あなたは経済に対する新たな視点を得ることができるでしょう。 特に、経済を学ぶ学生や、経済の仕組みをもっと深く理解したい社会人の方におすすめです。

最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました。

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