【3分要約・読書メモ】QUITTING(クイッティング)やめる力 最良の人生戦略

BOOKS-3分読書メモ-
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今回は『QUITTING(クイッティング)やめる力』についてレビューと要約の記事となります。

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著者

ジュリア・ケラー
ピュリツァー賞受賞ジャーナリスト兼小説家
オハイオ州立大学で英文学博士号取得。プリンストン大学、シカゴ大学、ノートルダム大学で教鞭を執り、ハーバード大学ニーマン・フェロー、「シカゴ・トリビューン」紙のスタッフ・ライター、書評チーフを歴任後、ジャーナリストをやめて、執筆活動に専念する。自身の人気ミステリー小説シリーズ『検事ベル・エルキンス』の舞台でもあるウェスト・ヴァージニア州出身、オハイオ州在住。

1. 本書の概要

QUITTING(クイッティング)やめる力』は、ジャーナリストのジュリア・ケラーが書いた、現代社会で重要視される「やめる」という行為の価値について考察した一冊です。本書では、なにかを「やめる」ことが必ずしもネガティブな行動ではなく、むしろ進化や生存において重要な戦略であることを、最新の科学的知見や具体的な事例をもとに論じています。ケラーは、私たちが社会的な圧力や固定観念によって「続けること」や「忍耐」を美徳としすぎることに警鐘を鳴らし、逆に「やめる」ことの利点とタイミングの重要性を明らかにしています。やめる力を身につけることで、個人がより自由で前向きな選択を行い、人生の質を向上させる可能性を探ります。

2. 本書の要約

第1部:やめられない――それは、ただの思い込み

ここでは、「やめること」に対する誤解について解説しています。人間は「やめること」を弱さや失敗と見なしますが、ミツバチや鳥、さらにはオリンピック選手の例からわかるように、やめることは生存や成功において合理的な選択であることが示されています。最新の神経科学の研究を交えながら、「限界」に直面したときにどのように脳が反応するかが解説されます。また、メディアや社会が「やめること」をどう描いているかを分析し、ジェニファー・アニストンをはじめとした有名人の選択からその影響を考察しています。

第2部:なぜ「Quitting(やめること)」は悪い言葉になったのか

この部分では、歴史的に「やめること」がなぜネガティブなイメージを持つようになったのかが語られます。「忍耐」や「努力」が美徳とされる社会的背景や、成功者が諦めない姿勢を称賛する風潮がいかに私たちの選択に影響を与えているかを探ります。また、物事の成り行きに左右される「運」の要素も無視できないとし、計画通りにいかない状況での「やめること」の有効性が強調されます。さらに、より良い世界を作るためには時には「やめる」ことが必要だという点に焦点を当て、持続可能な未来を築くための方法として「やめる」という選択肢を提示しています。

第3部:「あきらめる」実践ガイド

ここでは、実際に「やめる」ための具体的なステップが示されています。特に興味深いのが「セミ・クイット」(半ヤメ)というコンセプトで、一時的に止めたり、方向転換を図ることで新たな可能性を探る方法が説明されています。また、仕事や人間関係など、人生の様々な場面で「やめること」の罪悪感をどう克服するか、他者を失望させたくないという感情にどう対処するかについても詳しく述べられています。SNS依存からの脱却や、同じように「やめる」選択をした人々のコミュニティを作ることの重要性も強調されています。

3. 印象に残った言葉

  • 人生戦略として「やめること」を選んでも、それがうまくいくとは限らない。やめるということは、選択を間違うかもしれない恐れに直面しながら、自分で人生の主導権を握ることだ。そして突き詰めれば、間違った選択などない。
    唯一の絶対的な間違いは、何も選択しないこと。何も選択しなければ、誰かに人生を決められることになるだけだ。
  • 人が後悔するのは、何かをやめたことではなく、「やめるべきときにやめなかったこと」なのだ。
  • 困難は、必ず乗り越えなくていい。
    始めたとことは、必ず終わらせなければならないわけではない。
    やめたいときにやめられれば、人生の可能性が広がる。
    やめることは、人生の豊かさを信じること。なぜなら、やめることは希望だから。
    それは明日について考えることでもある。やめるということは、そうせざるを得ないときに、何度でも変われるということなのだ。

  • 楽しく生産的な人生の秘密は、よく言われるような根性や決意といった資質ではなく、軽快さにあるはずだ。
    重たい荷物をおろして身軽になり、未来に大胆に羽ばたくための「あきらめる」という行為にあるはずだ。胸と躍らせながら、新しい生き方を受け入れることにあるはずだ。
    大事なのは、やめどきを知ること。
  • 私たちは、我慢強さが成功のカギだと子供のころから教わってきた。
    本やポッドキャスト、ユーチューブ動画にも、
    「やめることは悪いこと」というメッセージが溢れている。
    でも「やめること」には、もっと多面的な意味合いがある。
    やめることは、再出発の手段でもある。
    それは、現在の自分に足りないものを自覚し、
    理想の自分について考えてみることだ。
    何かをやめるのは、根気がないからとは限らない。
    無限の可能性を感じるからこそ、やめることだってある。
  • 人生には運のよい時も悪い時もある。
    誰もが、偶然に翻弄されている。
    だが、何が起きるかわからない混沌とした
    人生の中で、私たちにできる
    たしかな行為がある。「やめる」ことだ。
    あなたは必要に応じて方向展開できる。
    それは偶然に対抗する手段であり、
    自分の力を取り戻すことなのだ。

  • あなたは、戦争や貧困、飢餓やホームレスなど、
    社会の問題に関心を持っている。
    そして、長年伝え続けられてきた
    「社会から取り残された人々はもっと努力すればうまくいく」
    というメッセージに疑問を抱き始めている。
    権力者は、困窮している人々を悪者扱いするために
    「我慢すれば成功できる」という根拠のない社会通念を利用している。
    苦しい立場にある人を、「努力が足りない」と非難するのはやめよう。
    それは個人の問題ではなく、社会全体の問題なのだから。
  • あなたは他人にどう思われるかを気にしている。
    実際、ある程度はそうすべきだ。
    だが、やめることはもちろんどんな決断であれ、
    周りから100パーセント賛成してもらえることなどありえない。
    身近な人たちは、あなたが人生のベストな選択をするのを願っている。
    しかし、何が「ベスト」かを本当に決められるのはあなただけ。
    やめるということは自分の心に従うことだ—―――。
    たとえそれによって、周りの人を心配させてしまったとしても。
  • あなたはこれまで、「やめること」を敵と見なし、
    やめたいという気持ちが込み上げてきたら、
    それは打ち消さなければならないものだと
    考えてきたかもしれない。
    しかし、やめることは、友人や味方にできるものであり、
    人生の長期的で創造的でダイナミックな戦略として
    取り入れることができるものだ。
    うまくやめることができれば、様々な可能性が広がり、
    人生を輝きに満ちたものにできる。
    そうする必要があると心から感じるのなら、やめていい。
    心と頭の声に耳を傾けよう。そして、よりよい人生を生きよう。

4. 感想とレビュー

QUITTING(クイッティング)やめる力』は、従来の「諦めることは悪い」という固定観念を覆し、「やめる」ことがいかに個人の幸福や成功に貢献するかを示してくれる貴重な一冊です。ジュリア・ケラーは、科学的な根拠や実際の例を通じて、やめることが単なる逃避や失敗ではなく、むしろ新たな道を切り開くための重要な決断であることを説得力をもって示しています。

特に印象的だったのは、「セミ・クイット」という概念です。全てを投げ出すのではなく、一時的にやめることで新しい視点を得たり、柔軟に目標を修正することができるという提案は、現実的であり、多くの読者にとっても実践しやすいアプローチだと感じました。また、SNS依存の問題や、周囲からの期待にどう対処するかという点は、多くの現代人が直面する課題であり、非常に共感を呼ぶ内容です。

一方で、本書がただの「自己啓発本」ではない点も評価したいところです。単なるポジティブシンキングや努力の押し売りではなく、科学的な裏付けや具体的なデータを基にした提案がなされているため、理論的にも納得感があります。また、動物の行動や有名人の実例を取り上げているため、内容が親しみやすく、読みやすい点も魅力です。

5. まとめ

QUITTING(クイッティング)やめる力』は、現代社会において「やめること」に対する考え方を大きく変える一冊です。やめることは敗北ではなく、新たなスタートを切るための戦略であるというメッセージは、読者に前向きな勇気を与えます。科学的根拠と実際のエピソードがバランスよく盛り込まれており、誰にでも役立つ内容です。やめることに悩んでいる人や、人生の選択に迷っている人にとって、必読の書です。

最後まで読んでいただきまして、
ありがとうございました。

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