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今回は「知らないと恥をかく世界の大問題14」についての記事となります。
■著者
池上 彰
1950年生まれ。ジャーナリスト、名城大学教授、東京工業大学特命教授、東京大学客員教授、愛知学院大学特任教授。立教大学、信州大学、日本大学、関西学院大学、順天堂大学でも講義を担当。慶應義塾大学卒業後、73年にNHK入局。94年から11年間、「週刊こどもニュース」のお父さん役として活躍。2005年に独立。角川新書「知らないと恥をかく世界の大問題」シリーズ、『何のために伝えるのか? 情報の正しい伝え方・受け取り方』、角川文庫『池上彰の「経済学」講義1・2』など著書多数。
■まとめ
本書では、ユーラシア・グループが2023年の「世界の10大リスク」に沿って書かれている。ユーラシア・グループとは、アメリカの国際政治学者イアン・ブレマー氏が率いる国際的なコンサルティング会社です。
リスクランキング1位:「ならず者国家ロシア」
ロシアのウクライナへの軍事侵攻で、世界はあらゆる分野で影響を受けています。食料や電気料金の高騰だけでなく、ロシアは、ウクライナ侵攻後、北方領土で立て続けに軍事演習を行いました。ロシアでは、ウクライナとの戦争長期化によって余裕が失いつつあり、核兵器の使用もちらつかせ国際社会を揺さぶっています。
リスクランキング2位:「『絶対的権力者』習近平」
習近平は、中国共産党の総書記として、異例の3期目に突入しました。中国では、権力の一極集中が進み、習近平が共産党のトップとして自分の周囲をイエスマンで固めています。中国という大国が、一人の判断で決まることは、成果全体のリスクです。
リスクランキング3位:「大混乱生成兵器」
人工知能(AI)のことです。日本でも「ChatGPT」の利用者が爆発的に増えていますが、AIの回答を鵜呑みにするのは危険です。使う側のリテラシーが試されます。選挙時の「ディープフェイク」というAI技術で作った偽動画など、国民を大混乱に導く可能性もあります。AI技術の進化にはメリットが起きですが、逆に混乱させるリスクも高くなっています。
リスクランキング4位:「インフレショック」
日本では、給料が上がらないまま物価だけが上がる「悪いインフレ」が起きています。エネルギーや食糧そのものの価格が上がっているのに加え、円安による値上がりがおいて、私たちの家計はダブルパンチを食らっている状態です。
リスクランキング5位:「追い詰められるイラン」
イスラム教が国境にイランでは、女性のスカーフ着用が義務付けられています。2022年9月、このスマーフ(ヒジャブ)を適切に身につけていなかったという理由で、道徳警察に拘束された女性が、その後死亡してしまうという事件がありました。欧米はイランへの追加制裁を公表し、抗議の声を高めています。アメリカの影響力が低下した中東は、どこに向かうのか。
リスクランキング5位:「エネルギー危機」
ウクライナ侵攻から派生している問題。電気代が上がれば、様々な製造業のコストも上がります。ただでさえ、物価上昇、円安のダメージがある日本では、トリプルパンチ状態。日本政府は、原発推進への政策を転換しています。
リスクランキング6位:「世界的発展の急停止」
ロシアとウクライナの戦争によって、「ヨーロッパのパンかご」と言われるウクライナからの小麦やトウモロコシの安定供給に支障が出ています。特に発展途上国では、食糧不足と物価上昇が起き、豊かになるどころか貧困に逆戻りしている状態になっています。
リスクランキング8位:「分断国家アメリカ」
2024年に大統領選挙がありますが、アメリカは、「民主党と共和党の分断」だけでなく、共和党内部でも分断が起きています。アメリカで決めるべきことが何も決まらないと、世界にとってもリスクになります。
リスクランキング9位:「TikTokなZ世代」
いつの時代にとっても若者には時代を動かすようなパワーを持っています。Z世代がこれからの世界に大きな影響を持っていくのは間違いないでしょう。Z世代は新しい価値観を持つ人が多く、人権問題や環境問題にも熱心です。世界を良いほうへ導いていく可能性もあります。
リスクランキング10位:「ひっ迫する水問題」
気象変動によって雨が降らず、世界各地で水不足と干ばつが深刻な問題となっています。水不足をめぐって国際紛争が世界中で起きています。
■感想
本書では、上記のユーラシア・グループが2023年の「世界の10大リスク」について、関連する国々で起きている問題の背景から直近の状況までを理解することができる。また、日本が抱えているリスクとして①台湾有事②少子化についても詳しく書かれています。
2022年~2023年は、歴史に残る事件や出来事が続発しています。いずれ歴史の授業では、時代の転換点として紹介されるでしょう。未来はさらに不確定で予想することが困難な時代です。私たちにできることは、起きていることに対して、「善と悪」「良いと悪い」「右と左」のように単純な二項対立としてとらえるのではなく、一歩引いてメタ認知をすることだと本書を通じで学ぶことができます。
最後まで読んでいただきて、ありがとうございました。
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