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今回は『うまく「雑談できる人」と「できない人」の習慣』についてレビューと要約の記事となります。
1. 著者の紹介
松橋良紀氏は、30年以上にわたり話し方や聴き方のスキルを研究し続けているコミュニケーション心理学の専門家です。『聞き方の一流、二流、三流』や『すごい雑談力』など、数々のベストセラーを持つ著者としても知られています。かつては売れない営業マンだったそうですが、30歳の時に心理学を学んだ結果、たった1ヶ月で450人中の1位にまで登りつめたという驚異的な経歴の持ち主です。本書『うまく「雑談できる人」と「できない人」の習慣』では、長年の研究と実践を通して培われた知見をもとに、「雑談が上手い人」の習慣を50の具体的な項目にまとめ、誰でも実践できるように分かりやすく解説しています。
2. 本書の概要
『うまく「雑談できる人」と「できない人」の習慣』は、NLP心理学に基づき、「雑談が上手い人」と「できない人」の習慣を比較しながら、会話がはずみ、人脈が広がり、チャンスを掴むための具体的な方法を解説した実践的な指南書です。単に会話のテクニックを教えるだけでなく、深層心理にまで踏み込み、苦手意識を克服する方法も紹介している点が特徴です。「雑談のはじめ方」「言葉選び」「リアクション」「話し方」「マインド」という5つの観点から、50の習慣を学ぶことで、人と会うのが楽しくなり、より豊かな人間関係を築けるようになるでしょう。
3. 本書の要約
本書は、5つの章で構成されており、それぞれ「雑談のはじめ方」「言葉選び」「リアクション」「話し方」「マインド」というテーマに焦点を当てています。ここでは、特に重要なポイントを要約してご紹介します。
第1章 心をつかむ「雑談のはじめ方」編
- 質問から入る: 自己紹介から始めるのではなく、相手への質問から会話を始めることで、相手にリラックスしてもらい、会話の主導権を渡すことができます。「今日は暑いですね。エアコンの調子はいかがですか?」といった質問は、相手への気遣いを示すとともに、会話のきっかけを作ります。
- 名刺を話題にする: 初対面の場合、名刺交換は格好の雑談のきっかけになります。名刺に書かれた情報(会社名、役職、出身地など)から質問をすることで、自然な流れで会話を始めることができます。
第2章 人脈を増やす「言葉選び」編
- 「あなたはどう?」と聞く: 自分の話ばかりするのではなく、相手に質問をすることで、相手に話す機会を与え、会話を盛り上げることができます。「あなたはどう思いますか?」「あなたはどうでしたか?」といった質問は、相手への関心を示すとともに、会話を双方向のものにします。
- 自己開示をする: 自分のことを少し話すことで、相手との距離を縮めることができます。「実は○○に悩んでいて…」といった自己開示は、相手に親近感を与え、より深い会話につながる可能性があります。ただし、過度な自己開示は相手に負担を与える可能性があるため、注意が必要です。
第3章 ネタがなくても話が弾む「リアクション」編
- 「どんな○○?」と質問する: 相手の話に対して、「○○ですか?」と単に肯定・否定を求める質問をするのではなく、「どんな○○ですか?」と具体的に内容を掘り下げる質問をすることで、会話が広がりやすくなります。
- 質問ボメを使う: 「すごいですね!」と単に褒めるのではなく、「○○がすごいですね!どうやってやったんですか?」と質問を交えて褒めることで、相手をより深く理解することができます。これは、相手の功績を認めつつ、さらに会話を深める効果があります。
- 5S言葉を使う: 「最高です!」「素敵です!」「素晴らしい!」「すごい!」「さすがですね!」といったポジティブな言葉を使うことで、相手の自己肯定感を高め、会話を盛り上げることができます。
第4章 信頼される「話し方」編
- 絵が見える話をする: 理論的な説明だけでなく、具体的なエピソードや例え話などを交えて話すことで、相手に内容が伝わりやすくなります。相手が情景を想像できるような話し方を意識することで、会話がより vivid になります。
- 聴覚イメージを使いこなす: 相手の言葉遣いや声のトーンなどを意識して話すことで、相手に合わせたコミュニケーションを取ることができます。相手のペースに合わせることで、よりスムーズな会話ができます。
第5章 雑談上手の「マインド」編
- 一期一会を気にしない: 「この出会いを最後にしよう」と考えると、かえって緊張してしまい、うまく話せなくなることがあります。気軽に会話を楽しむことを意識することで、自然なコミュニケーションを取ることができます。
- ネガティブ思考を受け入れる: ポジティブ思考だけでなく、ネガティブ思考も受け入れることで、よりバランスの取れたコミュニケーションを取ることができます。ネガティブな感情を無理に抑え込むのではなく、適切に表現することで、相手との信頼関係を深めることもあります。
- 相手に合わせる(ペーシング): 言葉、声のトーン、ボディランゲージを相手に合わせることで、信頼関係を築きやすくなります。言葉のオウム返し、声のトーンやテンポを合わせる、相手の姿勢や仕草をさりげなく真似るなどが具体的な方法です。
- 共感する: 相手の感情に寄り添い、共感することで、深い信頼関係を築くことができます。「かわいそうに」といった同情ではなく、「そうなんですね。あなたは○○な気持ちなんですね」と相手の感情をそのまま受け止めることが重要です。
4. ココだけは押さえたい一文
「会話というのは’いかに相手目線に立てるか’というのがキーなのかもしれません。」
『うまく「雑談できる人」と「できない人」の習慣』
この一文は、本書のメッセージを端的に表しています。雑談が上手くなるためには、自分のことばかり話すのではなく、相手の気持ちや状況を理解し、相手目線で会話を進めることが何よりも重要です。
上手く雑談できる人は内容がスカスカな話をし、
『うまく「雑談できる人」と「できない人」の習慣』
できない人は充実した話をしようとする。
一期一会に期待しない。
『うまく「雑談できる人」と「できない人」の習慣』
一回で相手をどうにかしようとせず、
回数を重ねて仲良くなる。
自然体で緊張感を感じさせない人が、
『うまく「雑談できる人」と「できない人」の習慣』
最強の雑談の達人
5. 感想とレビュー
『うまく「雑談できる人」と「できない人」の習慣』は、単なる会話テクニック集ではなく、コミュニケーションの本質に迫る一冊です。NLP心理学に基づいた理論と、著者の実体験から得られた具体的な事例が豊富に盛り込まれており、読者は共感しながら実践的なスキルを学ぶことができます。特に、「相手目線」を重視したコミュニケーションの重要性を繰り返し説いている点は、本書の大きな特徴と言えるでしょう。雑談が苦手な人だけでなく、コミュニケーションスキルをさらに向上させたい人にとっても、多くの気づきと学びがあるはずです。
良かった点
- 具体的なテクニックと実践性: 50の習慣として、具体的なテクニックが紹介されているため、読者はすぐに実践に移せる点が大きな魅力です。抽象的な理論だけでなく、具体的な言葉遣いや行動例が示されているため、どのように応用すれば良いのかが明確に分かります。
- NLP心理学に基づいた理論: NLP心理学の理論に基づいた解説は、単なる経験則ではなく、科学的な根拠に基づいているため、読者は納得感を持って学ぶことができます。心理学的な視点からコミュニケーションを捉えることで、より深く理解することができます。
- 苦手意識の克服方法の提示: 単にテクニックを教えるだけでなく、なぜ雑談が苦手なのかという深層心理にまで踏み込み、苦手意識を克服する方法も紹介しているため、雑談が苦手な人でも安心して読むことができます。「承認欲求」との向き合い方など、心理的な側面からのアプローチは、他の会話術の本にはあまり見られない特徴です。
- 章ごとの明確なテーマと構成: 「はじめ方」「言葉選び」「リアクション」「話し方」「マインド」と、章ごとにテーマが明確になっているため、必要な情報を探しやすく、体系的に学ぶことができます。段階的にスキルアップしていくことができるような構成になっています。
- 著者自身の経験に基づいた説得力: 著者の過去の経験談が効果的に使われており、読者は共感しやすく、内容が頭に入ってきやすい構成となっています。特に、売れない営業マンからトップセールスマンへと変貌を遂げた経験は、読者に大きな勇気と希望を与えます。
- 「相手目線」を徹底的に重視: 本書全体を通して、「相手目線」を重視したコミュニケーションの重要性が繰り返し説かれています。自分のことばかり話すのではなく、相手の気持ちや状況を理解し、相手に合わせたコミュニケーションを取ることこそが、良好な人間関係を築く上で最も重要であることを教えてくれます。
- 共感とペーシングの重要性の強調: 相手の感情に寄り添う「共感」と、言葉、声、ボディランゲージを相手に合わせる「ペーシング」の重要性を強調している点は、非常に実践的で効果的なテクニックです。これらのテクニックを意識することで、相手との信頼関係をスムーズに築くことができるようになります。
特に共感した点
- 「質問から入る」というアプローチ: 自己紹介から始めるのではなく、相手への質問から会話を始めるというアプローチは、初対面の人との会話をスムーズに進める上で非常に有効です。相手に話す機会を与え、相手への関心を示すことで、良好な第一印象を与えることができます。
- 「あなたはどう?」と聞くことの重要性: 自分の話ばかりするのではなく、相手に質問をすることで、会話が双方向のものになり、より深いコミュニケーションにつながるという点は、非常に共感できます。相手への関心を示すことで、相手も心を開きやすくなります。
- 「5S言葉」の活用: ポジティブな言葉を使うことで、相手の自己肯定感を高め、会話を盛り上げることができるという点は、すぐに実践できるテクニックです。
- 「共感」と「同情」の違いの明確な解説: 「共感」と「同情」の違いを明確に解説している点は、非常に役立ちます。相手の気持ちに寄り添うことと、見下すような態度を取ることの違いを理解することで、より適切なコミュニケーションを取ることができます。
6. まとめ
『うまく「雑談できる人」と「できない人」の習慣』は、NLP心理学に基づいた理論と、著者の実体験から得られた具体的な事例を通して、「雑談が上手い人」の習慣を分かりやすく解説した、非常に実践的な指南書です。単なる会話テクニックだけでなく、深層心理にまで踏み込んだ解説は、読者に深い気づきと学びを与え、行動変容を促す力を持っています。雑談が苦手な人だけでなく、コミュニケーションスキルをさらに向上させたいすべての人におすすめの一冊です。この本を読むことで、あなたはより豊かな人間関係を築き、人生をより楽しく、充実したものにすることができるでしょう。
特に以下のような方におすすめです。
- 雑談が苦手な人
- 初対面の人との会話に緊張してしまう人
- 人見知りの人
- 営業職、接客業など、人と接する仕事をしている人
- コミュニケーションスキルを向上させたい人
- 人間関係をより良くしたい人
最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました。
背伸びしない等身大の経験とアイディアのコラムも書いています。
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