2025年7月18日の日経BOOKPLUSに、話題の本 書店別・週間ランキング（2025年7月第2週）が特集されていた。
サイトでは、丸善 丸の内本店、丸善 日本橋店、紀伊國屋書店 新宿本店の3書店で、ビジネス書、ノンフィクション、フィクション、新書、文庫など様々なカテゴリーランキングが紹介されている。
本ブログでは、丸の内で働く40～50代の会社員が多いと思われる丸善 丸の内本店のビジネス（経営）のランキングを紹介する。
【経営ビジネス書ランキング】
1. 『中堅・中小企業のためのサイバーセキュリティ対策の新常識』
那須 慎二 著、東洋経済新報社
デジタル化が加速する現代において、企業規模に関わらずサイバーセキュリティ対策は経営の最重要課題となっています。本書は、特にリソースが限られがちな中堅・中小企業に焦点を当て、サイバー攻撃のリスクとその具体的な対策を「新常識」として分かりやすく解説しています。専門用語を避け、実務に即した具体的なステップや事例を豊富に盛り込むことで、経営層や情報システム担当者が、自社のセキュリティレベルを確実に向上させるための指針を示します。顧客情報の漏洩、事業停止、ブランドイメージの失墜といった深刻な事態を未然に防ぎ、事業継続性を確保するためには、もはやサイバーセキュリティは「専門家任せ」にできる領域ではありません。DX推進の裏側にある潜在的なリスクを理解し、堅牢な経営基盤を築きたいと考えるすべての経営者・ビジネスパーソンにとって、具体的な行動を促す必読の一冊です。
2. 『もうけの仕組み』
会社四季報業界地図編集部／井上 達彦 著、東洋経済新報社
企業の根幹をなす「もうけの仕組み」について、詳細かつ分かりやすく解説した一冊です。ベストセラーである『会社四季報業界地図』の編集部が、多岐にわたる業界のビジネスモデルを分析し、それぞれの企業がどのようにして収益を上げているのかを具体的な事例とともに紐解いています。単に財務諸表を読むだけでなく、その背後にあるビジネスモデルの構造、競争優位性の源泉、そして収益性の高さの理由を深く理解するための視点を提供します。なぜある企業は高収益を上げられるのか、なぜ同じ業界でも企業によって差が生まれるのかといった疑問に対し、具体的な図解や比較を通じて明確な答えを示してくれるでしょう。経営者や事業開発担当者だけでなく、投資家や就職活動中の学生、そして自社の「もうけの仕組み」を再考したいすべてのビジネスパーソンにとって、業界を横断したビジネスの理解を深めるための実践的なガイドブックとなるでしょう。
3. 『生成AI活用の最前線』
バーナード・マー 著、東洋経済新報社
急速な進化を遂げる生成AI（人工知能）が、ビジネスの現場にどのような変革をもたらしているのか、その最前線の活用事例と将来性について深く掘り下げた一冊です。著者のバーナード・マー氏は、データサイエンスとAI分野の第一人者であり、専門家としての知見を基に、生成AIが持つ可能性と、企業がそれを戦略的に活用するための具体的な方法論を示しています。コンテンツ生成、顧客対応の自動化、R&Dの加速、意思決定支援など、多岐にわたる分野での導入事例を豊富なデータとともに紹介することで、読者は生成AIのポテンシャルをリアルに感じることができるでしょう。単なる技術解説に終わらず、倫理的な課題や将来的なリスクについても触れることで、企業が生成AIを導入する上での包括的な視点を提供します。AIがビジネスの常識を塗り替える現代において、競争優位性を確立したい経営者や事業開発担当者にとって、必読の戦略書となるでしょう。
4. 『ガバナンスを語る』
中村 直人 著、商事法務
現代企業に不可欠な経営テーマである「ガバナンス」について、その本質と実践的なあり方を深く考察した一冊です。著者は、長年にわたり企業法務やガバナンスに携わってきた専門家であり、コーポレートガバナンス・コードの導入や不正会計問題など、近年注目されるガバナンスの課題に対し、企業が取るべき姿勢と具体的な対応策を解説しています。株主、取締役会、監査役といったステークホルダーそれぞれの役割と責任を明確にし、健全な企業経営を実現するための仕組み作りを提案。単に形式的なガバナンス体制を整えるだけでなく、企業文化としてガバナンス意識を根付かせることの重要性も強調しています。企業の不祥事が社会問題化する中で、企業価値の向上と持続的な成長を実現するためには、強固なガバナンス体制が不可欠です。経営者、役員、そして法務・コンプライアンス担当者にとって、現代の企業ガバナンスの羅針盤となるでしょう。
5. 『会社四季報 業界地図 2025年版』
東洋経済新報社
日本の主要産業における最新の動向と勢力図を、詳細なデータと分かりやすい図解で網羅した、ビジネスパーソン必携の一冊です。毎年改訂される本書の2025年版は、最新の業界再編、技術革新、市場の変化などを反映し、各業界の現状と今後の展望を俯瞰的に理解することができます。主要企業のシェア、M&A情報、成長分野、課題などがコンパクトにまとめられており、短時間で効率的に業界知識をアップデートすることが可能です。例えば、AIの進化が各業界に与える影響や、脱炭素化に向けた企業の取り組みなど、現在のホットなトレンドがどのように業界構造を変えているかが詳細に分析されています。新規事業の企画、競合分析、転職活動、投資判断など、あらゆるビジネスシーンにおいて、マクロな視点から市場を捉えるための強力なツールとなるでしょう。
6. 『両利きのプロジェクトマネジメント』
米山 知宏 著、翔泳社
変化の激しい現代において、企業が競争優位性を確立するためには、「知の探索」と「知の深化」という「両利きの経営」の考え方をプロジェクトマネジメントに応用することが不可欠です。本書は、イノベーション創出のための「知の探索」型プロジェクトと、既存事業の効率化や改善を図る「知の深化」型プロジェクトを、いかにバランスよく推進していくかという課題に対し、実践的なマネジメント手法を提示しています。アジャイル開発やデザイン思考といった最新の手法も踏まえつつ、プロジェクトの特性に応じた最適なアプローチを選択し、異なる性質のプロジェクトを並行して管理するための具体的なノウハウが解説されています。新規事業開発やDX推進に携わるリーダー、そして既存事業の競争力強化を目指すプロジェクトマネージャーにとって、組織全体のイノベーション能力を高めるための実践的なガイドとなる一冊です。
7. 『実務解説 新リース会計基準のすべて』
有限責任監査法人トーマツ／神谷 陽一／宗延 智也 著、中央経済社
企業会計の中でも特に複雑で、実務への影響が大きいとされる新しいリース会計基準について、その詳細と実務上の留意点を網羅的に解説した専門書です。IFRS（国際財務報告基準）の導入や日本基準の改正に伴い、リース取引の会計処理は大きく変化しており、多くの企業がその対応に追われています。本書は、新基準の背景にある考え方から、具体的な仕訳処理、開示要求事項、そして実務上の論点までを、豊富な図表と事例を用いて丁寧に解説。リース資産のオンバランス化に伴う財務諸表への影響や、システム改修の必要性など、企業経営に直結する重要な論点についても深く掘り下げています。経理・財務部門の担当者、公認会計士、監査法人関係者、そしてリース取引に関わるすべてのビジネスパーソンにとって、新リース会計基準を正確に理解し、適切に対応するための必携のバイブルとなるでしょう。
8. 『AIエージェント革命 「知能」を覆う時代へ』
シグマクシス 著、日経BP
単なるAIブームに終わらない、真の「AIエージェント革命」がビジネスと社会にどのような影響を与えるのかを、最先端の視点から考察した一冊です。本書は、これまで個別のタスクを自動化してきたAIが、自律的に思考し、行動する「AIエージェント」として進化することで、ビジネスモデルや人間の働き方が根本的に変化する未来を予見します。RPAやチャットボットといった既存のAIツールから一歩進んだ、より高度な意思決定や複雑な業務遂行を可能にするAIエージェントの具体的な機能や、それがもたらす産業構造の変革について、豊富な事例とともに解説。企業がこの革命を乗りこなし、新たな競争優位性を確立するための戦略的なアプローチを提示しています。次世代のビジネスリーダー、DX推進担当者、そしてAIがもたらす未来の社会像に関心を持つすべての人にとって、未来を洞察し、戦略を立てるための羅針盤となるでしょう。
9. 『トリニティ組織』
矢野 和男／平岡 さつき 著、草思社
企業が持続的に成長し、イノベーションを生み出すために不可欠な「トリニティ組織」という新しい組織モデルを提唱する一冊です。本書は、従来のヒエラルキー型組織や、アジャイル型組織の限界を乗り越え、企業全体が有機的に連携し、高い生産性と創造性を発揮するための組織デザインについて解説しています。特に、個々の社員が自律性を持ちながらも、組織全体の目標と連動し、知が循環するような仕組みを構築することの重要性を強調。データサイエンスと行動経済学の知見も取り入れながら、社員のモチベーションを高め、チームのパフォーマンスを最大化するための具体的なアプローチが示されています。組織変革を検討している経営者や人事担当者、そしてより効率的で創造的な働き方を追求したいと考えるビジネスパーソンにとって、これからの時代に求められる組織のあり方を深く考えるための示唆に富む一冊となるでしょう。
10. 『全社デジタル戦略 失敗の本質』
ボストン コンサルティング グループ 著、日経BP
多くの企業がデジタルトランスフォーメーション（DX）を推進する中で、なぜその取り組みが「失敗」に終わってしまうのか、その本質的な原因と成功への道筋を明らかにする一冊です。世界的なコンサルティングファームであるボストン コンサルティング グループ（BCG）が、豊富なコンサルティング経験に基づき、DX失敗の共通パターンを分析。単にテクノロジーを導入するだけでなく、組織文化、リーダーシップ、人材育成、そして戦略策定の甘さなど、多岐にわたる要因が失敗に繋がることを指摘しています。本書は、単なる成功事例の羅列ではなく、失敗事例から学ぶことの重要性を強調し、企業がDXを成功させるために、どのような「全社戦略」を構築し、いかに実行すべきかを具体的に解説しています。DX推進の責任者、経営企画部門、そして企業のデジタル戦略に関わるすべてのビジネスパーソンにとって、失敗を回避し、真のデジタル変革を達成するための羅針盤となるでしょう。
最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました。
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