2025年10月24日の日経BOOKPLUSに、話題の本 書店別・週間ランキング（2025年10月第2週）が特集されていた。
サイトでは、丸善 丸の内本店、丸善 日本橋店、紀伊國屋書店 新宿本店の3書店で、ビジネス書、ノンフィクション、フィクション、新書、文庫など様々なカテゴリーランキングが紹介されている。
本ブログでは、丸の内で働く40～50代の会社員が多いと思われる丸善 丸の内本店のビジネス（自己啓発）のランキングを紹介します。
このランキングは、科学的なアプローチから休息法、スキルの習得、そしてリーダーシップ論まで、個人のパフォーマンス向上と自己成長に焦点を当てた幅広いテーマが人気を集めていることを示しています。著名な著者やコンサルティングファームの知恵を借りて、「一流」を目指すビジネスパーソンにとって、すぐに役立つノウハウや哲学が詰まったラインナップです。
【ビジネス（自己啓発）ランキング】
1. 『科学的に証明された すごい習慣大百科』
堀田 秀吾 著、SBクリエイティブ
行動経済学、心理学、脳科学といった科学的根拠に基づいて、「本当に効果のある習慣」だけを厳選して紹介した実用書です。
著者の堀田秀吾氏は、膨大な研究結果の中から、仕事の効率、健康、人間関係、集中力など、あらゆる側面で人生を好転させる習慣を分かりやすく解説しています。例えば、「朝一番に何をすべきか」「モチベーションを維持する最適な方法」「疲労回復に役立つ短い休憩の取り方」など、日々の行動に直結する具体的なノウハウが満載です。
本書は、「根性論」や「精神論」に頼ることなく、科学的に正しいアプローチで、無理なく良い習慣を身につけたいと考えるすべての人にとって、強力な羅針盤となるでしょう。自己啓発に費やす時間と労力を最小限に抑え、最大の効果を出したいと願う人におすすめの一冊です。
2. 『不夜脳 脳がほしがる本当の休息』
東島 威史 著、サンマーク出版
現代人が抱える「常に情報に触れて休めない脳」、すなわち「不夜脳」の状態を克服し、脳が本当に必要としている質の高い休息を得るための方法を解説したものです。
著者は、睡眠時間だけでなく、日中の「脳の使い方」に問題があることを指摘し、デジタルデバイスや情報過多が引き起こす脳疲労のメカニズムを解き明かします。本書が提案するのは、瞑想やマインドフルネスといった一般的なリラックス法だけでなく、脳の特性を理解した上での、情報との付き合い方や集中の仕方といった、根本的なアプローチです。
この本を読むと、疲労回復とパフォーマンス向上が表裏一体であることがわかります。多忙な日々の中で、集中力と創造性を維持したいと願うビジネスパーソンにとって、脳を最高の状態に保つための実用的なガイドブックです。
3. 『本を読む人はうまくいく』
長倉 顕太 著、すばる舎
単なる読書術の紹介ではなく、「なぜ本を読むことが人生やビジネスの成功に直結するのか」という、読書の本質的な価値を深く掘り下げた一冊です。
著者の長倉顕太氏は、編集者としての経験を通じて、多くの成功者が共通して持つ「本の読み方」と、そこから得られる「思考力と視点」の重要性を説いています。本書が主張するのは、本は知識を得るツールに留まらず、「新しい考え方や世界観をインストールするOS」のような役割を果たすということです。どのように本を選び、どう読むことで、それを自身の行動や成果に結びつけることができるのか、その具体的な方法論が示されています。
「読書をしてもなかなか成果に繋がらない」と感じている人にとって、読書を自己投資として最大限に活かすための意識改革と実践法を与えてくれる必読の書です。
4. 『HIDDEN POTENTIAL』
アダム・グラント 著、三笠書房
この本は、組織心理学の世界的権威であるアダム・グラント氏が、隠された才能（Hidden Potential）をどのように見つけ出し、開花させるかというテーマに挑んだ力作です。
グラント氏は、成功は生まれ持った才能だけで決まるのではなく、環境、学習の方法、そして自己認識によって、誰もが潜在能力を伸ばせると論じています。本書は、「成長マインドセット」をさらに進化させ、「スキル・マインド・システム」の三位一体で能力を向上させるという、新しいフレームワークを提示しています。特に、「自分自身や他者の限界を決めつけないこと」の重要性を強調し、どのようにして「伸びしろ」を見つけ、それを最大限に活用するかを具体的に示しています。
自己成長を目指す個人だけでなく、部下や組織の潜在能力を引き出したいと考えるリーダーやマネージャーにとって、科学的根拠に基づいた希望と実践的な知恵を与えてくれる一冊です。
5. 『移動する人はうまくいく』
長倉 顕太 著、すばる舎
ベストセラー『本を読む人はうまくいく』の著者による、「物理的な移動」が、いかにして思考力、発想力、そして成功に結びつくかを解き明かしたユニークな自己啓発書です。
長倉氏は、単に旅行や出張を推奨するのではなく、「いつもと違う環境に身を置くこと」が、脳に新しい刺激を与え、固定観念を打ち破るための最も効果的な方法だと説きます。新しい場所で新しい人と出会い、新しい体験をすることが、情報収集や知識のインプットとは異なる次元の「インスピレーション」を生み出す原動力となります。
本書は、どこへ、どのように移動すべきかという具体的な行動指針に加え、移動を「目的」ではなく「手段」として捉え、いかにしてそれをビジネスの成果に繋げるかという視点を提供しています。アイデアに行き詰まりを感じている人、マンネリから抜け出したい人にとって、行動と意識を変えるきっかけとなる実践的な一冊です。
6. 『AIを使って考えるための全技術』
石井 力重／加藤 昌治 著、ダイヤモンド社
AI、特に生成AIが普及した現代において、人間がAIを「道具」として最大限に活用し、「思考の質」を高めるための具体的な技術を解説したものです。
著者は、AIに仕事を奪われることを恐れるのではなく、「AIに何をさせ、人間が何を考えるべきか」という、人間とAIの新しい協働関係の構築を提唱しています。本書は、AIへの「問いの立て方（プロンプト・エンジニアリング）」から、AIが生成した情報を「検証し、統合し、新しいアイデアに昇華させる」という、人間側に残された思考プロセスを詳細に解説しています。
AIを活用する上での倫理的な問題や、情報セキュリティに関する注意点にも触れており、実務でAIを使いこなしたいと考えるビジネスパーソンにとって、即戦力となる知識とフレームワークを提供してくれる必携の書です。
7. 『コンサルタント3年目までの必修ビジネススキル』
望月 安迪 著、SBクリエイティブ
トップティアのコンサルティングファームで活躍するために不可欠な、ロジカルシンキング、資料作成、プロジェクトマネジメントなど、「3年目までに習得すべき中核的なビジネススキル」を体系的に解説したものです。
著者の望月安迪氏は、コンサルタントとしての豊富な経験に基づき、「なぜそのスキルが必要なのか」という本質的な問いから入り、現場で通用する実践的なノウハウを提供しています。本書の特徴は、スキルを個別に解説するだけでなく、プロジェクト全体をどう捉え、どのスキルをどのタイミングで活用すべきかという、コンサルタント特有の「視点」と「問題解決プロセス」を学べる点にあります。
コンサルタントを目指す人はもちろん、自身のビジネススキルを一段階引き上げたいと考える若手ビジネスパーソンにとって、プロフェッショナルとしての基礎を築くための最高のテキストとなる一冊です。
8. 『未来を照らすコトバ』
山口 周 ／長濱 ねる 著、祥伝社
この本は、時代の潮流を読み解く山口周氏と、若手世代のインフルエンサーである長濱ねる氏という異色のコラボレーションによって生まれた、「未来を生き抜くための言葉」をテーマにした対談形式の著作です。
二人が選んだ、古今東西の偉人や哲学者たちの言葉を通じて、「働くことの意義」「人生の幸福」「変化への対応」といった、私たち誰もが抱える根源的な問いについて深く考察します。本書の魅力は、異なる世代、異なる視点を持つ二人の対話を通じて、一つの言葉が持つ多様な解釈と、それが現代社会に投げかけるメッセージを発見できる点にあります。
既存の価値観に囚われず、自分自身の未来を切り開くためのヒントを探している人にとって、思考の幅を広げ、行動への勇気を与えてくれる、示唆に富んだ一冊です。
9. 『マッキンゼー リーダーの教室』
ダナ・マオール／ハンス＝ヴェルナー・カース 他 著、ダイヤモンド社
この本は、世界最高峰のコンサルティングファームであるマッキンゼー・アンド・カンパニーが、クライアントや組織内部で実践している「リーダーシップの育成と発揮」に関する知恵を公開したものです。
マッキンゼーが考えるリーダーシップは、「地位や役職」ではなく「行動」であり、「影響力」と「変革力」を持つことだと定義しています。本書は、困難な状況下での意思決定の方法、チームの多様性を活かすマネジメント、そして個人が持つ影響力を高めるための具体的なフレームワークと実践的なツールを提供しています。
特に、「組織全体に変革を起こす」ためのリーダーの役割に焦点を当てています。次世代のリーダーを目指す人、そして組織内でより大きな影響力を発揮したいと考えるビジネスパーソンにとって、世界標準のリーダーシップ哲学とスキルを学ぶための必読の書です。
10. 『EXPERT 一流はいかにして一流になったのか？』
ロジャー・ニーボン 著、ダイヤモンド社
オリンピック選手、外科医、チェスチャンピオン、音楽家など、様々な分野の「超一流（EXPERT）」が、いかにしてその能力を身につけ、維持しているのかを、科学的かつ実践的に分析したものです。
著者のロジャー・ニーボン氏は、彼らの共通する学習方法、練習への取り組み方、そしてメンタルマネジメントの秘訣を解き明かし、誰もが「一流のスキル」を習得するための普遍的な法則を抽出しています。本書は、単に「努力が報われる」という精神論ではなく、「効果的な努力」の質に焦点を当てています。特に、「意図的な練習（Deliberate Practice）」や、フィードバックの取り入れ方など、具体的な実践法が豊富に示されています。
特定の分野で最高の成果を出したい、プロフェッショナルとしての道を究めたいと願うすべての人にとって、才能を最大限に開花させるための科学的なロードマップとなる一冊です。
最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました。
背伸びしない等身大の経験とアイディアのコラムも書いています。
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