「時間を無駄にせず、確実に良書と出会いたい」
ビジネスパーソンのためのニュースメディア「ライフハッカー・ジャパン」にて、「印南敦史の毎日書評」を10年にわたり連載してきた書評家・印南敦史さん。
10年間で1万冊を読破する印南さんが紹介した本は次々に話題に。ライフハッカー・ジャパンで掲載された書評の選りすぐりを105冊紹介した『いま自分に必要なビジネススキルが1テーマ3冊で身につく本』(日本実業出版社)を2022年に出版されました。
「本の要約サービスflier フライヤー」のインタビューで紹介されていた「推し本ベスト5」を紹介します。
1. 天才たちの日課 クリエイティブな人々の必ずしもクリエイティブでない日々
(メイソン・カリー 著, 金原瑞人 翻訳, 石田文子 翻訳)
本書は、歴史上の著名なクリエイターや思想家たちが、どのような「日課」を送っていたのかを詳細に紹介したユニークな一冊です。モーツァルト、ダーウィン、フロイト、ピカソなど、時代や分野を超えた偉人たちの創作活動の裏側にある、意外なほど地味で規則的なルーティンが明らかにされます。彼らがどのように時間管理をし、インスピレーションを呼び込み、集中力を維持していたのか、その秘訣を垣間見ることができます。単に偉人の生活を覗き見るだけでなく、私たち自身の生産性や創造性を高めるための具体的なヒントが随所に散りばめられています。クリエイティブな仕事に携わる人だけでなく、日々の生活の質を高めたいと願うすべての人にとって、新たな視点と実践的な示唆を与えてくれる、刺激的な読書体験となるでしょう。
2. こうやって、考える。
(外山 滋比古 著)
思考のプロセスそのものに焦点を当て、いかにして創造的な思考を深めるかを探求した一冊です。著者は、長年にわたる独自の考察に基づき、論理的思考だけでなく、非論理的な発想や直感の重要性を説いています。知識をただ詰め込むだけでなく、それをどのように結びつけ、新しいアイデアを生み出すか、具体的な思考のヒントや訓練法が示されています。メモ術、視点変換、情報の再構築など、日常的に実践できる思考の「型」を提供することで、読者が自身の考える力を向上させることを目指します。複雑な問題を解決したいビジネスパーソン、論文執筆に取り組む学生、そして、もっと深く物事を考えたいと願うすべての人にとって、思考の質を高め、知的生産性を向上させるための指南書となるでしょう。
3. 酒好き医師が教える 最高の飲み方 太らない、翌日に残らない、病気にならない
(葉石 かおり 著, 浅部 伸一 監修)
お酒を愛するすべての人に向けて、健康を損なわずに賢くお酒を楽しむための科学的かつ実践的な「最高の飲み方」を提示しています。医師が監修しているため、医学的な根拠に基づいた情報が提供されており、アルコールの代謝メカニズム、飲酒が体に与える影響、太りにくいおつまみの選び方、二日酔い対策、そして飲酒と病気の関係など、気になるテーマが網羅されています。単に飲酒を制限するのではなく、適切な量や飲み方を心がけることで、健康リスクを低減しながら、お酒との付き合い方を豊かにする方法を提案。忘年会や新年会など飲酒の機会が多いビジネスパーソンや、健康に不安を感じながらもお酒を楽しみたいと願う人にとって、賢い飲酒生活を送るための必読の書となるでしょう。
4. ビジネス教養 地政学
(サクッとわかるビジネス教養) (奥山 真司 監修)
現代ビジネスパーソンにとって必須の教養となりつつある「地政学」について、その基本概念から世界情勢への応用までを、コンパクトかつ分かりやすく解説しています。国際的なニュースの背景にある地理的要因や歴史的文脈を理解することで、世界がどのように動き、それがビジネスにどう影響するかを深く読み解く力を養います。資源、貿易ルート、人口、国家戦略といった要素が絡み合う地政学的な視点を取り入れることで、複雑な国際関係や市場の変動を多角的に分析できるようになるでしょう。グローバルな視点での意思決定が求められる経営者やビジネスパーソン、そして国際情勢に関心のあるすべての人にとって、今日のビジネスを理解し、未来を予測するための羅針盤となる一冊です。
5. 1分間瞑想法
(吉田昌生 著)
多忙な現代人が日々の生活に手軽に取り入れられる「1分間瞑想法」を提案し、その実践が心身にもたらす効果を解説しています。瞑想というと特別な時間や場所が必要と思われがちですが、本書では短い時間でも効果を発揮できる具体的な方法が示されています。集中力向上、ストレス軽減、心の安定、自己認識の深化など、瞑想がもたらす多岐にわたるメリットを具体的に紹介。呼吸法、姿勢、意識の向け方など、初心者でもすぐに実践できるステップが丁寧に解説されており、日々のスキマ時間に心の状態を整えるための強力なツールとなります。仕事の効率を高めたいビジネスパーソン、ストレスを感じやすい人、そして心穏やかな毎日を送りたいと願うすべての人にとって、実践的で示唆に富む一冊です。
印南 敦史(いんなみ あつし)
作家・書評家
1962年生まれ。東京都出身。広告代理店勤務時代にライターとして活動開始。「ライフハッカー[日本版]」「ニューズウィーク日本版」「WEBRONZA」「WANI BOOKOUT」などで連載を持つほか、「ダ・ヴィンチ」など紙媒体にも寄稿。『遅読家のための読書術――情報洪水でも疲れない「フロー・リーディング」の習慣』(ダイヤモンド社)、『世界一やさしい読書習慣定着メソッド』(大和書房)、『人と会っても疲れない コミュ障のための聴き方・話し方』(日本実業出版社)、『読んでも読んでも忘れてしまう人のための読書術』(星海社新書)など著作多数。
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