「時間を無駄にせず、確実に良書と出会いたい」
『人生の経営戦略』にて掲載されていた「経営学独習ブックガイド」を紹介します。
『人生の経営戦略』は、山口周氏が提唱する、ビジネスにおける経営戦略の考え方を個人の人生設計に応用するという斬新なアプローチが詰まった一冊です。本書は、私たちの人生をあたかも一つの「プロジェクト」として捉え、目標設定から長期計画、職業選択、意思決定、学習と成長に至るまで、経営戦略のフレームワークを用いて、より主体的に、そして戦略的に人生をデザインしていくための道筋を示してくれます。
経営学独習ブックガイドでは、目標設定、長期計画、職業選択、選択と意思決定、学習と成長、その他の6つのカテゴリーで計47冊の書籍を紹介している。今回は第1弾として、目標設定、長期計画に関する書籍13冊を紹介します。
- ■目標設定について
- 「モモ」
- 『アルケミスト 夢を旅した少年」
- 「Dark Horse 「好きなことだけで生きる人」が成功する時代」
- 「モチベーション3・0 持続する「やる気!」をいかに引き出すか」
- 「イノベーション・オブ・ライフ ハーバード・ビジネススクールを巣立つ君たちへ」
- 「ORIGINALS 誰もが「人と違うこと」ができる時代」
- 「 サーバントリーダーシップ」
- 「エッセンシャル思考 最少の時間で成果を最大にする」
- 「人生は20代で決まる仕事・結婚・将来設計」
- 「 LIFE SHIFT (ライフ・シフト) 100年時代の人生戦略」
- 「トランジション 人生の転機を活かすために」
- 「その幸運は偶然ではないんです!夢の仕事をつかむ心の練習問題」
- 「人生後半の戦略書 ハーバード大教授が教える人生とキャリアを再構築する方法」
■目標設定について
「モモ」
ミヒャエル・エンデ著/大島かおり訳(岩波書店)
『人生の経営戦略』で提示した「仕事に役に立つ資本」と「人生が豊かになる資本」 の関係を考えさせてくれる。「あなたは自分にとって一番大事なことに時間資本を捧げていますか?」を問いかけてくる、大人にこそ読んで欲しい傑作童話
『アルケミスト 夢を旅した少年」
パウロ・コエーリョ著/山川紘矢、山川亜希子駅(角川文庫)
人生の目的は自室にこもって考えても見つからない。まず動いて「人生という旅」をスタートさせることの大事さを語っている。小説全体のそこかしこに「人生の指針」となる宝石のような言葉が埋まっている。
「Dark Horse 「好きなことだけで生きる人」が成功する時代」
トッド・ローズ、オギ・オーガス著/大浦千鶴子駅/伊藤羊一解説(三笠
画一的なイメージが支配する「成功へのルート」から離れ、個人が自分らしいユニークなキャリアを追求することで、思いがけない成功を収める「ダークホース」的な生き方が可能になってきていることを紹介。競争戦略論の「差別化」の観点から『人生の経営戦略』を読んでみると面白い。
「モチベーション3・0 持続する「やる気!」をいかに引き出すか」
ダニエル・ピンク著/大前研一訳(講談社文庫)
従来の「モチベーション1・0 生理的欲求」、「モチベーション2・ 報酬と前による外発的動機づけ」は、もはや現代人の動機づけとして機能していないと指摘し、代わりに「モチベーション3・0」として「自律」「熟達」「目的」の3つの内発的要素が重要だと主張。自分自身の動機づけについて考察するための示唆に溢れる。
「イノベーション・オブ・ライフ ハーバード・ビジネススクールを巣立つ君たちへ」
クレイトン・M・クリステンセン、ジェームズ・アルワース、カレン・ディロン著/櫻井祐子訳(翔泳社)
クリステンセンがハーバードの卒業生に向けて毎年おこなっていた伝説の講義が本書の元。イノベーション理論の大家が、イノベーション理論を個人の幸福や成功の追求に当てはめて解説。『人生の経営戦略』の基本的な着想の元になった本。
「ORIGINALS 誰もが「人と違うこと」ができる時代」
アダム・グラント著/シェリル・サンドバーグ解説/楠木建監訳(三笠書房)
リスクを最小化しながら新しいアイデアを試すには何が必要か? オリジナルな着想で人生を切り開いた人たちに共通して見られる思考。 行動様式を紹介。
「 サーバントリーダーシップ」
ロバート・K・グリーンリーフ著/金井壽宏監訳/金井真弓訳(英治出版)
リーダーシップの本質を「奉仕」に置く新しい考え方を提唱。「率いる人」から「支える人」へ。特に今後、長期化することが予想される 「人生の秋」以降のステージにおいて、組織や社会との関わり方について考えるための洞察に満ちている。
「エッセンシャル思考 最少の時間で成果を最大にする」
グレッグ・マキューン著/高橋頭子駅(かんき出版)
本当に大切なことに時間を集中することの重要性を指摘。「緊急だけど大切ではない」ことに戦略資源を 分散投入してしまう悪を避けるために。
「人生は20代で決まる仕事・結婚・将来設計」
メグ・ジェイ著/小西敦子訳(早川書房)
人生において「意思決定」は生涯続くが、その重要性は20代ほど高い。 なぜなら「意思決定がもたらすNPVへの影響」は若ければ若いほど大きいから。30代の意思決定が良くも悪くも人生全体に決定的な影響を与えることを指摘。
「 LIFE SHIFT (ライフ・シフト) 100年時代の人生戦略」
リンダ・グラットン、アンドリュー・スコット著/池村千秋駅(東洋経済新報社)
寿命の長期化によって、これまでの「教育」「仕事」「引退」という三段所の人生モデルがもはや機能しなくなりつつあることを指摘し、柔軟に「学び直し」「多様な働き方」「新しい人間関係」を取り入れることの重要性を強調。ライフ・マネジメントにおける長期計画の策定に多くの示唆を与えてくれる。
「トランジション 人生の転機を活かすために」
ウィリアム・ブリッジズ著/倉光條、小林哲郎訳(パンローリング)
『人生の経営戦略』で指摘したとおり、人は往々にして「つなぎ目」でつまずいてしまう。ブリッジズは、その原因を「始められないから」ではなく「終わらせられないから」と指摘する。人生に付きものである「転機」に示備し、うまく乗り越えるためのヒントがたくさん詰まっている。
「その幸運は偶然ではないんです!夢の仕事をつかむ心の練習問題」
JD、クランボルツ、A、S、レヴィン著/花田光世、大木紀子、宮地夕紀子駅(ダイヤモンド社)
人生には「運」は付きものだが、「運」は、機会を受容することで引き寄せることができる、とするのが本書。
「人生後半の戦略書 ハーバード大教授が教える人生とキャリアを再構築する方法」
アーサー・C・ブルックス、木村千里駅(SBクリエイティブ)
「成功や名声」を手放し、「幸福と目的」へとシフトすることを提案する。加齢による変化を前向きに受け入れるヒントが詰まった一冊。
詳しく知りたい方は、『人生の経営戦略』山口周(著)を手に取ってください。
最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました。
背伸びしない等身大の経験とアイディアのコラムも書いています。
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