皆さん、こんにちは!今日もそれぞれの場所で、リーダーシップを発揮されていることと思います。
さて、今日のテーマは、少し意外に感じる方もいるかもしれません。「実績がないリーダーをお手本にする」という、一見すると矛盾しているような考え方について、深く掘り下げていきましょう。
この記事は、『できるリーダーは、「これ」しかやらない』 伊庭 正康 (著) を参考に書かせていただきました。
私たちは、どうしても「リーダーたるもの、卓越した実績や経験がなければ務まらない」と考えがちです。まるで、登山家がエベレスト登頂経験を持つように、リーダーも輝かしい成功体験を積み重ねていなければ、人を導く資格がないと思ってしまうのかもしれません。
しかし、今日の話は、そんな固定観念を大胆に覆すものです。やり方によっては、プレーヤーとしての実績や経験がないことこそが、リーダーにとって大きなアドバンテージになり得るのです。
この記事を通して、「経験がない」という一見ネガティブな要素を、いかに最強の武器に変え、周囲を魅了するリーダーシップを発揮できるのか、その秘訣を一緒に探っていきましょう。
実績と経験の呪縛 ~「ある」ことの落とし穴~
もちろん、実績や経験は、リーダーシップを発揮する上で重要な要素となることがあります。過去の成功体験は自信となり、困難な状況を乗り越えるための知恵を与えてくれるでしょう。
しかし、実績や経験がある人ほど、実は気をつけなければならない落とし穴も存在します。
それは、「自分の成功体験に固執してしまう」という罠です。「以前、このやり方でうまくいったから、今回も同じようにすれば大丈夫だろう」と、過去の成功パターンに頼りすぎてしまい、変化の兆しを見逃したり、新しいアイデアを受け入れることが難しくなったりするのです。
また、「自分は経験豊富だから、部下の意見を聞く必要はない」「自分のやり方が一番正しい」といった、傲慢な態度につながる可能性もあります。これでは、部下の主体性や創造性を奪い、チーム全体の成長を阻害してしまうでしょう。
「”経験”がない」は最強の武器 ~固定観念を打ち破る力~
一方、「”経験”がない」ことは、一見するとハンディキャップのように思えますが、実は強力な武器になり得ます。
なぜなら、「”経験”がない」からこそ、既存のやり方にとらわれず、フラットな視点であらゆる可能性を探ることができるからです。過去の成功体験という名のフィルターがないため、部下や取引先の声に耳を傾け、多様な意見を柔軟に受け入れることができるのです。
また、「”経験”がない」ことは、大胆な決断を可能にします。「もし失敗したらどうしよう…」「過去にうまくいかなかったから、今回も難しいだろう…」といった、経験者ならではの躊躇や恐れがないため、既成概念にとらわれない、革新的なアイデアを実行に移すことができるのです。
ヒアリングこそが羅針盤 ~多様な声が示す未来への道標~
「”経験”がない」リーダーにとって、最も重要な羅針盤となるのが、部下や取引先の声のヒアリングです。
実績や経験がないからこそ、「自分は全てを知っている」という思い込みがなく、謙虚な姿勢で周囲の声に耳を傾けることができます。
部下の現場の声、取引先の率直な意見、そういった多様な声を丁寧に聞き取ることで、課題の本質を見抜き、最適な解決策を見つけ出すことができるのです。
ヒアリングは、単なる情報収集ではありません。それは、相手への関心と尊重を示す行為であり、信頼関係を築くための重要なコミュニケーションです。部下や取引先は、「自分の意見がきちんと聞いてもらえている」と感じることで、リーダーへの信頼感を深め、積極的に協力してくれるようになるでしょう。
大胆な決断は、未来への投資~常識を覆すイノベーション~
「”経験”がない」リーダーは、時に周囲を驚かせるような大胆な決断をすることがあります。それは、過去の成功体験や失敗経験にとらわれていないからこそできる、常識を打ち破るイノベーションの種となる可能性があります。
もちろん、無謀な決断は避けるべきですが、「”経験”がない」というフラットな視点から生まれる斬新なアイデアは、停滞した状況を打破し、新たな成長のチャンスを掴むための突破口となるかもしれません。
大切なのは、無計画に突っ走るのではなく、「自分なりの仮説」を立てておくことです。過去のデータや周囲の意見を参考にしながらも、「もしこうすれば、うまくいくのではないか?」という自分なりの考えを持つこと。そして、その仮説に基づいて、大胆に実行に移す勇気を持つことが、「”経験”がない」リーダーの強みとなるのです。
「自分なりの仮説」という羅針盤 ~不確実な海を航海する勇気~
「”経験”がない」リーダーにとって、羅針盤となるのは、徹底的なヒアリングと、そこから導き出す「自分なりの仮説」です。
過去の成功体験という地図がないからこそ、周囲の声という風向きを敏感に感じ取り、自分自身の頭で考え抜いた仮説という羅針盤を頼りに、不確実な未来の海を航海していくのです。
その航海は、決して平坦な道のりではないかもしれません。時には嵐に巻き込まれ、方向を見失うこともあるでしょう。しかし、「”経験”がない」からこそ持つ柔軟性と、周囲の声を真摯に受け止める謙虚さがあれば、必ず荒波を乗り越え、新たな目的地へとたどり着くことができるはずです。
そして、その航海の軌跡こそが、「実績がないリーダー」ならではの、唯一無二の成功物語となるのです。
具体例
例1:未経験から大抜擢された若手リーダー
業界未経験で入社したばかりのAさんは、そのフラットな視点と、誰に対しても分け隔てなく耳を傾ける姿勢が評価され、異例のスピードでチームリーダーに抜擢されました。経験豊富なベテランが多いチームでしたが、Aさんは臆することなく、一人ひとりの意見を丁寧にヒアリングし、そこから得られた情報をもとに、これまでのやり方にとらわれない大胆な改革を提案。最初は戸惑いもあったチームでしたが、Aさんの熱意と、改革によって生まれた成果を目の当たりにし、次第にAさんを信頼するようになりました。
例2:顧客の声から生まれた大ヒット商品
全く新しいジャンルの商品を開発することになったB社のプロジェクトリーダーCさんは、過去の成功体験に頼るのではなく、徹底的に顧客の声に耳を傾けました。ターゲットとなる顧客層へのインタビューやアンケート調査を繰り返し、顧客が本当に求めているものを探り当てたのです。その結果、これまでの常識を覆す、全く新しいコンセプトの商品が誕生し、大ヒットを記録しました。
例3:大胆な決断で危機を乗り越えたリーダー
業績不振に陥っていたD社の立て直しを任されたEさんは、業界経験はあったものの、D社特有の事情には詳しくありませんでした。そこでEさんは、まず現場の社員一人ひとりとじっくりと対話し、現状の問題点や改善策について意見を求めました。そして、そこで得られた情報と、自身のこれまでの経験から導き出した仮説に基づき、大胆な事業再編を断行。周囲からは反対の声も上がりましたが、Eさんの強い信念とリーダーシップによって改革は実行され、D社は見事に業績を回復させました。
まとめ
今回のテーマ「実績がないリーダーをお手本にする」は、リーダーシップに対する私たちの固定観念を揺さぶり、新たな可能性を示唆してくれるものです。
卓越した実績や経験は、必ずしもリーダーシップの絶対条件ではありません。むしろ、やり方によっては、「”経験”がない」ことこそが、固定観念にとらわれない柔軟な発想や、周囲の声を真摯に受け止める謙虚さを生み出し、強力な武器となるのです。
実績や経験があるリーダーは、過去の成功体験に固執することなく、常に新しい視点を取り入れる努力を怠ってはなりません。
一方、「”経験”がない」リーダーは、臆することなく、徹底的なヒアリングを通して周囲の意見に耳を傾け、そこから導き出した「自分なりの仮説」を羅針盤として、大胆な決断を実行していく勇気を持つことが大切です。
「”経験”がない」ことは、決してハンディキャップではありません。それは、既成概念を打ち破り、新たな道を切り拓くための、無限の可能性を秘めた武器なのです。
さあ、もしあなたが実績がないことに不安を感じているなら、どうか自信を持ってください。「”経験”がない」あなただからこそできる、新しいリーダーシップの形が、きっとそこにあるはずです。
詳しく知りたい方は、『できるリーダーは、「これ」しかやらない』 伊庭 正康 (著)を手に取ってください。
最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました。
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