日々の仕事や生活の中で、「考えがまとまらない」「何をどう説明していいか分からない」と立ち止まってしまうことはありませんか?
情報が溢れる現代、私たちの頭の中は常にパンク寸前かもしれません。
特に、責任ある立場でチームをリードしたり、新しい企画を練ったりする際には、複雑な問題をシンプルに捉え直す力が求められます。
「もっとスマートに考えられたらいいのに……」と、少し自信をなくしてしまうこともあるかもしれませんね。
でも、安心してください。
「考える」ことには、実は明確な「型」があります。
その型さえ知っていれば、どんなに複雑な問題も、パズルを解くようにスッキリと整理できるのです。
今日は、ビジネスリーダーの「知の羅針盤」として絶大な信頼を得ている荒木博行さんの教えを借りて、「代表的な構造表現」をたっぷりとお伝えします。
これを読み終える頃には、あなたの頭の中にある霧が晴れ、目の前の課題が「攻略可能な地図」に変わっているはずです。
この記事は、荒木博行 さんの『構造化思考のレッスン』を参考に書かせていただきました。
荒木博行さんと『構造化思考のレッスン』
まず、この素晴らしい「考える武器」を授けてくれた荒木博行(あらき ひろゆき)さんについてご紹介します。
荒木さんは、株式会社学びデザインの代表を務める傍ら、多くの企業で戦略構築やリーダー育成に携わっている「思考のプロフェッショナル」です。
また、膨大な数のビジネス書を分かりやすく解説する「本の要約」の達人としても知られています。
そんな彼が、複雑な世界をどう捉えるかを、図解とエッセンスで凝縮した名著が『構造化思考のレッスン』(ダイヤモンド社)です。
この本は、単なるフレームワークの解説書ではありません。
「物事の裏側にある繋がり(構造)」をどう見つけ出し、どう表現するかを、対話形式で優しく、かつ深く教えてくれる一冊です。
荒木さんは言います。「構造化とは、自分なりの地図を描くことだ」と。
地図があれば、私たちは迷わずに進めます。
それでは、彼が提唱する「思考を形にするための7つの表現方法」を、具体的に見ていきましょう。
1:分類図(グルーピング)
構造化の第一歩は、バラバラの情報を「同じ仲間のグループ」に分けることです。
これが「分類図」です。
例えば、新しいマーケティング施策を考えるとき。
思いつくアイデアをただ羅列するのではなく、「顧客獲得」「顧客維持」「ブランド認知」といった箱に分けてみましょう。
「これはこっちの箱だな」と整理するだけで、情報の全体像が把握しやすくなります。
分類することで、「あ、この部分のアイデアが足りないな」という「空白」も見えてくるのです。
分類のコツは、箱の名前を明確にすることです。
身近な例で言えば、お寺や神社を巡る際にも、「国宝」「重要文化財」「庭園が有名」といった分類で整理すると、旅の記憶がより深く刻まれます。
情報を整理する力は、相手に対する「優しさ」でもあります。
「分類」という箱を用意して、カオスな状態から抜け出しましょう。
2:フロー図(プロセス)
物事の「流れ」や「手順」を可視化するのが、「フロー図」です。
時間は左から右へ、あるいは上から下へと流れていきます。
ビジネスのプロセスや、顧客の購買行動(カスタマージャーニー)を整理するときに非常に強力なツールになります。
「どこで問題が起きているのか?」を探る際、フロー図を描くと一発で分かります。
例えば、製品企画から販売までの流れを描いてみましょう。
「企画→設計→試作→量産→販促」。
こう並べてみると、「試作から量産へのバトンタッチで時間がかかっているな」といったボトルネックが浮き彫りになります。
フロー図を描くことは、物語の「あらすじ」を作るようなものです。
全体の流れを共有することで、チーム全員が「今、自分たちはどこにいるのか」を確信できるようになります。
まずは、日々のルーチンワークを線で繋いでみてください。
それだけで、無駄な動きや改善ポイントが見えてくるはずですよ。
3:循環図(サイクル)
物事が一方通行ではなく、ぐるぐると回って強化されていく構造を表現するのが「循環図」です。
有名な「PDCAサイクル」もその一つですが、荒木さんはさらに「良い循環がさらに良い結果を生む」というフィードバックループの重要性を説いています。
資産運用の世界でも、利息が利息を生む「複利」の仕組みは循環図で捉えられます。
あるいは、ランニングの習慣。
「走る→体力がつく→走るのが楽しくなる→さらに走る」というポジティブなサイクル。
この循環をどう作れば、物事が自然に加速していくのか。
それを考えるのが、循環図の醍醐味です。
逆に「悪い循環」に気づくためにも使えます。
「忙しい→準備不足→トラブル発生→さらに忙しくなる」。
このループをどこで断ち切るか。それを図解することで、解決の糸口が見つかります。
あなたの人生やビジネスの中に、もっと回したい「良いサイクル」はありますか?
4:ベン図(重なり)
複数の要素が「重なっている部分」に注目するのが、「ベン図」です。
2つ以上の円を描き、その重なり合い(積集合)を見つけ出します。
これは、新しい価値やアイデンティティを発見するのに最適です。
例えば、「自分の得意なこと」と「社会が必要としていること」と「自分が好きなこと」。
この3つの円が重なる部分こそが、あなたの「生きがい」や「キャリアの核心」になります。
製品企画であれば、「競合が提供していない価値」かつ「自社が提供できる強み」かつ「顧客が熱望しているニーズ」。
この重なりを狙うのが、勝てる戦略の基本です。
ベン図を描くと、「ここは捨てる」「ここは集中する」という判断がクリアになります。
重なっている部分には、魔法のような力が宿ります。
バラバラに見える要素の中に、共通する「宝物」はないか。
円を重ねて、じっくり眺めてみてください。
5:ピラミッド図(階層)
「なぜそう言えるのか?」という論理の強固さを表現するのが、「ピラミッド図」です。
一番上の「主張(結論)」を、下の「根拠(理由)」が支えている構造です。
これは、説得力のあるコミュニケーションには欠かせない形です。
チームに対して「このプロジェクトを推進すべきだ」と伝えるとき。
その結論を支える3つの根拠(コスト、市場性、技術力)をピラミッド状に並べましょう。
土台がしっかりしていれば、結論は揺るぎません。
また、企業の理念体系(ビジョン、ミッション、バリュー)も、よくピラミッドで表現されます。
高い視点と、それを支える具体的な行動の繋がりが見えるからです。
ピラミッドを作ることは、強固な建物を建てることに似ています。
あなたの主張を支える柱は、何本ありますか?
それを整理するだけで、周囲からの信頼は劇的に高まります。
6:マトリックス(2軸)
2つの異なる「軸」を交差させて、4つの領域(セグメント)を作るのが「マトリックス」です。
「重要度×緊急度」のタスク整理などが代表的ですね。
マトリックスの魔法は、「物事を多角的に比較できる」点にあります。
例えば、新商品のラインナップを検討するとき。
「価格(高い・低い)」と「機能(シンプル・多機能)」の2軸で整理してみましょう。
すると、「高価格×シンプル」という領域がガラ空きであることに気づくかもしれません。
そこが、ブルーオーシャン(競合のいない市場)かもしれません。
マトリックスを作る上で最も重要なのは、どんな「軸」を引くかです。
軸を変えるだけで、見えてくる景色はガラリと変わります。
行き詰まったときは、あえて奇抜な軸を引いてみてください。
新しい視点が、思わぬチャンスを教えてくれるはずです。
7:ロジックツリー(分解)
一つの大きな問題を、漏れなくダブりなく(MECE)分解していくのが、「ロジックツリー」です。
大きな塊を、扱いやすい小さなパーツに切り分けていく手法です。
「売上を上げたい」という漠然とした悩みも、ツリーで分解すれば解決の糸口が見えます。
「売上=客数×客単価」
「客数=既存顧客+新規顧客」
「既存顧客=継続率×前年客数」
こうして細かく分けていくと、「あ、客単価を上げることよりも、新規顧客の獲得に課題があるんだな」と、具体的にやるべきことが明確になります。
大きな問題に圧倒されそうな時ほど、ロジックツリーは心強い味方になります。
「困難は分割せよ」というデカルトの言葉通り、小さく分ければどんな問題も怖くありません。
ツリーの枝を広げて、複雑なジャングルに一本の道を通しましょう。
まとめ:構造化は、自由になるための「翼」
荒木博行さんが教える「代表的な構造表現」は、単なるビジネススキルではありません。
それは、混沌とした世界を自分なりに解釈し、主体的に生きるための「哲学」でもあります。
① 分類し、② 流れを追い、③ 循環を見つけ、④ 重なりを探り、⑤ 支えを固め、⑥ 軸で比較し、⑦ 小さく分ける。
これら7つのツールを使いこなせるようになると、不思議と心が穏やかになります。
「分からない」という恐怖が消え、「こう考えればいいんだ」という自信が湧いてくるからです。
きっと、あなたにしか描けない、美しく力強い「思考の地図」が出来上がるはずです。
構造化思考は、一朝一夕には身につかないかもしれません。
でも、毎日の一つひとつの思考を少しずつ「図」にしてみることで、確実にあなたの翼は強くなります。
詳しく知りたい方は、荒木博行 さんの『構造化思考のレッスン』を手に取ってください。
最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました。
背伸びしない等身大の経験とアイディアのコラムも書いています。
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