皆さん、こんにちは!日々の業務、本当にお疲れ様です。
チームの目標達成と、メンバーとの良好な人間関係、どちらも大切にしたいけれど、どうすれば両立できるのか、悩んでいる方も多いのではないでしょうか?
「売上は上がったけど、なんだかチームの雰囲気がギスギスしている…」 「人間関係は良いけれど、なかなか目標達成までには至らない…」
そんな経験、もしかしたらあるかもしれませんね。
今日のテーマは、まさにこのジレンマを解決するための鍵、「好業績と良好な人間関係を両立させる『仕組み』」について、深く掘り下げていきます。
この記事は、『部下をもったらいちばん最初に読む本』 橋本 拓也 (著)を参考に書かせていただきました。
カリスマ性や個人の努力だけに頼るのではなく、誰もが実践できる「仕組み」を組織に組み込むことで、チームは目標に向かって力強く進み、同時にメンバー同士の絆も深まる、そんな理想的な状態を創り出すことができます。
この記事を通して、あなたのチームが「成果も出るし、一緒に働くのが楽しい!」と言われる、最高の場所に変わるためのヒントを得ていただければ幸いです。
組織の目的・目標を言語化し、共通言語としてまとめる ~羅針盤を胸に~
好業績と良好な人間関係を両立させるための最初のステップは、組織の目的・目標を明確に言語化し、それを「共通言語」としてチーム全体で共有することです。
「私たちは何のために存在し、どこを目指しているのか?」
「なぜ、この目標を達成する必要があるのか?」
この羅針盤が明確でなければ、メンバーはそれぞれがバラバラの方向を向き、一体感が生まれません。結果として、非効率な業務が増えたり、意見の衝突が起こりやすくなったりします。
- 会社のパーパス(存在意義)やミッション(使命)を明確に定義し、誰もが理解できる言葉で表現しましょう。
- 具体的なビジョン(目指す未来)を絵に描くように提示し、メンバーが「自分たちの手でその未来を創るんだ」とワクワクするようなイメージを共有しましょう。
- 日々の業務に落とし込まれた具体的な目標も、なぜその目標が必要なのかという背景と共に明確に伝えましょう。
これらの目的・目標を、社内報、ミーティング、掲示板、社内SNSなど、あらゆる機会を通じて繰り返し発信し、メンバーの心に深く刻み込むことが重要です。共通の目的を胸に抱くことで、メンバーは自らの仕事に意味を見出し、協力し合い、困難な状況でも一丸となって乗り越えることができます。
メンバーが常に目的・目標に立ち返り、言葉にする場を設ける ~内省と共有の習慣~
目的・目標を言語化するだけでは不十分です。それが「絵に描いた餅」にならないためには、メンバーが常に目的・目標に立ち返り、それを自分の言葉で表現する場を日常的に設けることが不可欠です。
人間は、一度聞いたことをすぐに忘れてしまう生き物です。また、漠然とした共通認識ではなく、自分自身の言葉で語ることで、目的・目標はより深く腹落ちし、自分事として捉えられるようになります。
具体的な場としては、以下のようなものがあります。
- 週次・日次のミーティングの冒頭: その日の業務に入る前に、「今日のこの仕事は、〇〇という目標にどう繋がるのか?」「今週の目標達成のために、自分たちは何のために集まっているのか?」をメンバーに一言ずつ話してもらう。
- 1on1ミーティング: マネージャーがメンバーに対し、「あなたの担当業務は、会社のどんな目標に貢献していると思う?」「半年後の目標達成に向けて、今、最も意識すべき目的は何だと思う?」といった質問を投げかける。
- プロジェクト開始時: 「このプロジェクトの成功は、〇〇という顧客の課題を解決し、最終的に△△という会社のビジョンに繋がる。みんなにとって、このプロジェクトの最も大切な目的は何だろう?」と、メンバー同士で話し合う時間を設ける。
このような場を設けることで、メンバーは目的・目標を単なる「会社から与えられたもの」ではなく、「自分たちが実現すべきこと」として捉え、自律的に行動するようになります。また、お互いの目的意識を共有することで、相互理解が深まり、良好な人間関係の土台が築かれます。
マネージャーは「バリューマネジメント」で価値観を全体にメッセージする ~行動の指針を示す~
組織の文化は、日々の行動や判断の積み重ねによって形成されます。その行動や判断の根底にあるのが「価値観」です。好業績と良好な人間関係を両立させるためには、マネージャーが「バリューマネジメント」を意識し、組織全体に共通の価値観をメッセージとして浸透させることが重要です。
「バリューマネジメント」とは、組織が大切にする価値観(例:顧客への誠実さ、挑戦する心、チームワーク、透明性など)を明確にし、それを日々の意思決定や行動の指針として活用することです。
マネージャーは、ただ価値観を掲げるだけでなく、以下の点を意識してメッセージしましょう。
- 具体的な行動に落とし込む: 「チームワーク」を大切にするなら、「困っている仲間がいたら積極的に声をかけよう」という具体的な行動を促す。
- 成功事例と紐づける: 「〇〇さんのプロジェクトが成功したのは、まさに『顧客第一』という価値観を体現した結果だね!」と、具体的な行動と価値観をリンクさせて称賛する。
- 困難な状況での判断基準にする: 迷った時、「この状況で、私たちが最も大切にすべき価値観は何だろう?」と、メンバーに問いかけ、価値観に基づいて意思決定するプロセスを示す。
マネージャーが自ら価値観を体現し、繰り返し発信することで、メンバーはそれを自分たちの行動規範として内面化していきます。共通の価値観が浸透すれば、メンバーは自律的に正しい判断を下せるようになり、チーム全体の結束力も高まります。これが、組織効率の向上に直結するのです。
モデルとなる人材を表彰する機会を作る ~「手本」を示す承認の場~
「価値観を大切にしよう」「協力し合おう」と口で伝えるだけでは、なかなか行動には繋がりません。人が最も影響を受けるのは、具体的な「手本」です。好業績と良好な人間関係を両立している組織では、モデルとなる人材を表彰する機会を積極的に作っています。
この表彰は、単に業績が良い人を称えるだけではありません。重要なのは、「組織が大切にしている価値観を体現し、好業績にも貢献している人」を具体的に示すことです。
例えば、
- 「〇〇さんは、今回のプロジェクトで、目標達成のために驚くべき粘り強さを見せてくれました。まさに『挑戦』という私たちの価値観を体現してくれました。」
- 「△△さんは、自分の業務が忙しい中でも、常にチームメイトの相談に乗り、積極的にサポートしてくれました。これが私たちの目指す『協働』の姿です。」
- 「□□さんは、お客様の期待をはるかに超える提案で、新たな価値を創造してくれました。『顧客第一』を実践する素晴らしい手本です。」
このように、単に「おめでとう」で終わらせるのではなく、その行動が組織のどんな価値観や目標にどのように貢献したのかを具体的に語ることが重要です。
表彰の機会を作ることで、称えられたメンバーはモチベーションを高め、周囲のメンバーは「なるほど、こういう行動が評価されるんだな」「自分もあの人のように行動したい」と、具体的な行動を学ぶことができます。これは、組織文化を醸成し、行動変容を促す強力な「仕組み」となります。
朝は今日1日の流れと最重要目標を明確にしてスタートする ~集中と一体感の習慣~
効率の良い組織は、漫然と一日をスタートさせません。好業績と良好な人間関係を両立させる組織では、朝のスタート時に今日1日の流れと「最重要目標」を明確にする習慣を身につけています。
これは、たった5分、10分の短い時間で構いません。
- 個人レベル: メンバー一人ひとりが、今日自分は何に集中すべきか、何が最も重要なタスクかを明確にする。
- チームレベル: マネージャーが、今日チームとして何を最優先で達成すべきか、そのために各自がどう連携するかを共有する。
例えば、
- 短時間の朝礼: 「今日の最重要目標は、〇〇プロジェクトの提案書を完成させること。そのためには、△△さんの協力が必要になります。各自、今日の流れの中でこの目標を意識して行動しましょう。」
- 共有ツールでの発信: 「今日の一番の目標はこれ!みんなで力を合わせて達成しよう!」と、チャットツールや共有ボードでシンプルにメッセージを出す。
- 自身の行動で示す: マネージャー自身が、朝一番にその日の最重要目標に関するタスクに取り掛かる姿勢を見せる。
この習慣は、日中の業務における集中力を高め、無駄な迷いを減らします。また、チーム全体で「今日、私たちはこれを一番に頑張るんだ」という一体感が生まれ、協力体制が自然と築かれます。一つ一つの小さな目標達成の積み重ねが、大きな成果へと繋がり、同時に、目標に向かって協力し合う過程で、メンバー間の良好な関係性も育まれていくでしょう。
まとめ
今回のテーマ「好業績と良好な人間関係を両立させる仕組み」は、組織の成果を最大化しつつ、メンバー全員が心地よく働ける理想的な環境を創り出すための、具体的な「仕組み」について深く探求してきました。
まず、組織の目的・目標を明確に言語化し、共通言語としてまとめることが、チームの羅針盤となります。全員が同じ方向を向くことで、一体感が生まれ、効率的な協働が可能になります。
そして、メンバーが常に目的・目標に立ち返り、自分の言葉で表現する場を日常的に設けること。これにより、目的・目標がより深く腹落ちし、自分事として捉えられるようになります。
マネージャーは「バリューマネジメント」を意識し、会社が大切にしている価値観を全体にメッセージする役割を担います。言葉だけでなく、自ら行動で体現することで、その価値観は組織文化として深く根付いていくでしょう。
さらに、モデルとなる人材を表彰する機会を作ることで、具体的な「手本」を示し、望ましい行動を促します。これは、メンバーのモチベーションを高め、文化を醸成する強力な仕組みとなります。
そして、朝は今日1日の流れと最重要目標を明確にしてスタートする習慣を身につけること。これにより、日中の集中力が高まり、チーム全体の一体感が育まれます。
これらの「仕組み」を意識的に導入し、継続的に運用することで、あなたの組織は、単に好業績を上げるだけでなく、メンバー全員が互いに信頼し、協力し合い、そして何よりも「一緒に働くのが楽しい!」と感じる、最高のチームへと進化していくはずです。
さあ、今日からこれらの「仕組み」をあなたの組織に取り入れてみませんか?きっと、あなたのリーダーシップが、チームと組織を、より一層輝かせることになるでしょう。
詳しく知りたい方は、『部下をもったらいちばん最初に読む本』 橋本 拓也 (著)を手に取ってください。
最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました。
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