褒めるだけじゃ、もったいない! ~心を動かし、成長を加速させるポジティブフィードバックの力~

凡人の戦略-僕が部長に慣れた理由-
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いくら頑張っても認められなかった20~30代を過ごした凡人の自分が、どのように42歳で上場企業の部長になったのか、年収1000万を目指すビジネスパーソンに向けて、等身大の経験と知恵を発信したいと思います。

凡人の戦略<マネジメント>
褒めるだけではダメ

皆さん、こんにちは!日々のマネジメント、本当にお疲れ様です。部下や後輩の育成、チームの活性化、試行錯誤の連続ですよね。特に、「褒める」という行為、大切だと頭では分かっていても、いざ実践してみると「なんか効果が続かないな…」「本当に相手のためになっているのかな…」と、様々な疑問や壁にぶつかることもあるのではないでしょうか。

今回のテーマは、まさにそこ。「褒めるだけではダメ」。これは決して、褒めること自体を否定するものではありません。むしろ、褒めることの重要性を深く理解した上で、さらに効果的な方法、相手の心を真に動かし、持続的な成長を加速させるためのポジティブフィードバックについて、じっくりと、そして熱く語りたいと思います!

なぜ「否定せずに褒める」ことが重要なのか? ~心理的安全性と内発的動機付けの魔法~

マネジメントにおいて、土台となるのは、何と言っても心理的安全性の構築です。これは、チームの誰もが、安心して発言し、質問し、新しいことに挑戦できる、文字通り「心理的に安全な」環境のこと。否定されることを恐れて意見を言えなかったり、失敗を恐れて行動を躊躇したりするような環境では、個人のポテンシャルも、チームのパフォーマンスも、最大限に引き出すことはできません。

そこで鍵となるのが、「否定せずに褒める」というアプローチ。相手の良いところ、頑張っているところ、努力しているところをしっかりと見つけ、言葉で伝える。たったこれだけのことで、相手は「自分は受け入れられている」「自分の努力はちゃんと見てもらえている」と感じ、安心して行動できるようになるのです。

これが、内発的動機付け、つまり、外からの報酬や命令ではなく、自分の内側から湧き上がる「やりたい!」という気持ちを育む魔法のスイッチとなります。

例えば、部下が新しい企画に果敢に挑戦したとします。結果がどうあれ、まずはプロセスを褒める。「その発想、すごく面白いね!」「よくここまで形にしたね!」と、努力や着眼点を認め、褒めることで、部下は「また新しいことに挑戦してみよう」「自分の考えを形にしてみよう」という意欲を掻き立てられます。逆に、「結果はイマイチだったね…」と否定的な言葉を最初に言ってしまうと、せっかくのチャレンジ精神を萎縮させてしまうかもしれません。

褒めるだけでは、なぜやる気が継続しないのか? ~対等な関係と成長への視点~

しかし、ここで立ち止まって考えてみましょう。褒めるだけで、本当に相手のやる気は持続するのでしょうか?残念ながら、答えは「NO」です。褒めるという行為は、ともすれば上から目線になりがちです。上司が部下を評価するという一方通行の構図になり、対等な関係が築けなくなってしまうことがあるのです。

相手の真の成長を願うのであれば、上下関係を超えた、対等な関係を前提としたコミュニケーションが不可欠です。そこで重要になるのが、単なる褒め言葉を超えた、感謝、敬意、勇気づけの言葉を伝えること。これらは、相手を尊重し、認め、可能性を信じる、というメッセージが込められた、心のこもった言葉です。

  • 感謝の言葉: 「〇〇さんがいてくれて本当に助かっています」「今回のプロジェクトが成功したのは、〇〇さんの粘り強い交渉のおかげです」など、具体的な行動や貢献に対して感謝の気持ちを伝えることで、相手の存在価値を認め、貢献意欲をさらに高めることができます。
  • 敬意の言葉: 「〇〇さんの発想力はいつも刺激になります」「〇〇さんの分析力にはいつも感服しています」など、相手の能力や個性、才能に対する敬意を示すことで、相手は尊重されていると感じ、自己肯定感を育むことができます。
  • 勇気づけの言葉: 「〇〇さんなら、きっとこの難題を乗り越えられると信じています」「もし何か困ったことがあれば、いつでも相談してください。私が全力でサポートします」など、相手の可能性を信じ、挑戦を後押しする言葉を伝えることで、相手は自信を持って行動できるようになります。

これらの言葉は、単に「良いですね」「素晴らしいですね」と褒めるだけでなく、相手を一個人として尊重し、対等な立場でコミュニケーションを取ろうとする姿勢を示すものです。これにより、表面的な関係ではなく、心の通った、深い信頼関係が構築され、より効果的なフィードバックが可能になるのです。

成長を加速させるポジティブフィードバック ~3つの魔法のステップ~

では、具体的にどのようなフィードバックが、相手の成長を真に加速させるのでしょうか?その秘訣は、結果だけでなくプロセスにしっかりと光を当て、未来への問いを優しく投げかけること。まるで魔法の呪文のような、3つのステップをご紹介します。

①結果ではなくプロセスにフォーカスする ~努力と工夫にスポットライトを~

結果だけを見て一喜一憂するのではなく、その結果に至るまでのプロセス、つまり、どのような努力をしたのか、どんな工夫を凝らしたのか、どんな試行錯誤を繰り返したのか、そこにしっかりと光を当て、ポジティブな側面をフィードバックします。「この資料、すごく分かりやすいね!特に図解の使い方が秀逸だね。どういう意図でこの図を使ったの?」「プレゼン、堂々としていて素晴らしかったよ!準備、相当頑張ったんじゃない?どんな工夫をしたの?」など、具体的な行動やプロセスを褒めることで、相手は「自分の努力や工夫がちゃんと評価されている」と感じ、次へのモチベーションに繋がります。

②プロセスがどのような結果につながったのかを明確に伝える ~貢献を可視化する~

褒めたプロセスが、どのような具体的な結果につながったのかを明確に伝えることで、フィードバックの効果は劇的に高まります。「図解が分かりやすかったおかげで、会議の参加者全員がスムーズに内容を理解できたよ。議論も深まって、本当に助かった!」「堂々としたプレゼンのおかげで、クライアントからの信頼を勝ち取ることができたね。次のステップに進むことが決まったよ!」など、具体的な成果と結びつけることで、相手は自分の行動がどのように貢献したのかを明確に認識し、達成感と自己効力感を高めることができます。

③未来への問いを優しく投げかける ~自律的な成長を促す~

最後に、未来への問いを優しく投げかけることで、相手の自律的な成長を力強く後押しします。「今回の経験を活かして、次はどんなことに挑戦してみたい?」「この部分をさらにレベルアップさせるとしたら、どんな方法があると思う?」「今回の学びを、他のプロジェクトでどのように応用できると思う?」など、相手に主体的に考えさせ、内発的な気づきや学びを引き出すことで、自ら課題を見つけ、解決していく力を育むことができます。

この3つのステップを踏むことで、単なる表面的で一時的な褒め言葉ではなく、相手の心に深く響き、持続的な成長を真に促す、魔法のようなポジティブフィードバックを行うことができるのです。

例えば、部下が新しい顧客向けの提案資料を作成したとします。結果は、残念ながら受注には至りませんでした。しかし、そこで「今回はダメだったね」と一言で終わらせるのではなく、以下のようなフィードバックを行うことで、部下の成長を大きく促すことができます。

  • ①プロセスへのフォーカス: 「資料、すごく丁寧に作られていたね!特に、顧客の課題を分析した部分は、本当に良く調べられていて感心したよ。あの分析にはどれくらい時間をかけたの?」
  • ②結果との繋がり: 「顧客の課題を深く分析したことで、提案の方向性は明確になったと思う。惜しくも今回は受注には繋がらなかったけど、顧客からは『ここまで深く分析してくれた提案は初めてだ』という言葉をもらえたよ。これは大きな前進だよね!」
  • ③未来への問い: 「今回の経験を活かして、次に提案資料を作成する時は、どんな点を意識してみたい?今回の顧客の反応を踏まえて、何か改善できる点はあると思う?」

このように、結果だけでなくプロセスに焦点を当て、未来への問いを投げかけることで、部下は失敗を単なる失敗として捉えるのではなく、貴重な学びの機会として捉え、次へのステップに繋げることができるのです。

この3ステップは、まるで魔法のトライアングルのように、ポジティブフィードバックの効果を最大限に引き出す力を持っています。ぜひ、日々のマネジメントに取り入れてみてください。

「褒めるだけではダメ」という言葉の真意、それは、褒めることを否定するのではなく、より深く、より効果的なコミュニケーションを通して、相手の成長を真に支援すること。感謝、敬意、勇気づけの言葉を添え、プロセスに光を当て、未来への問いを投げかける。

これらの要素を意識することで、あなたは単なる「褒め上手な上司」ではなく、部下や後輩の心を動かし、成長を力強く後押しする、真のリーダーとなることができるでしょう。

最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました。

背伸びしない等身大の経験とアイディアのコラムも書いています。
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