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今回は『ニュータイプの時代』についてレビューと要約の記事となります。
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著者
山口周(やまぐち・しゅう)
1970年東京都生まれ。独立研究者、著作家、パブリックスピーカー。ライプニッツ代表。
慶應義塾大学文学部哲学科、同大学院文学研究科修了。電通、ボストン コンサルティング グループ等で戦略策定、文化政策、組織開発などに従事。
『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?』(光文社新書)でビジネス書大賞2018準大賞、HRアワード2018最優秀賞(書籍部門)を受賞。その他の著書に、『劣化するオッサン社会の処方箋』『世界で最もイノベーティブな組織の作り方』『外資系コンサルの知的生産術』『グーグルに勝つ広告モデル』(岡本一郎名義)(以上、光文社新書)、『外資系コンサルのスライド作成術』(東洋経済新報社)、『知的戦闘力を高める 独学の技法』(ダイヤモンド社)、『武器になる哲学』(KADOKAWA)など。神奈川県葉山町に在住。
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1. 本書の概要
『ニュータイプの時代』は、山口周氏による新しい時代の思考や行動様式を提案する一冊です。20世紀型の「オールドタイプ」の価値観が限界に達し、今後は「ニュータイプ」の価値観が求められると強調されています。本書では、社会変化や技術革新に対応するための6つのメガトレンドを背景に、24の新しい思考・行動様式が示されており、これからの時代をしなやかに生き抜くためのガイドとなっています。
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2. 本書の要約
メガトレンドと社会の変化
山口周氏は、社会構造の変化を「6つのメガトレンド」として分類しています。これらは「モノの飽和と意味の枯渇」や「社会のVUCA化」などで、従来の成功モデルでは対応できない問題が増えていることを指摘します。具体的には、20世紀型の「問題解決型」から「課題発見型」へのシフトが必要だとし、次に来るのは「正解を見つける」よりも「問題を発見する」ことの重要性だと述べています。
ニュータイプの価値創造
従来の価値創造は問題解決に基づいていましたが、ニュータイプでは「課題設定」が重視されます。問題を解く能力ではなく、適切な課題を発見し、提案する力が今後の競争で求められると山口周氏は主張します。また、未来は予測するものではなく、構想して作り上げるものだと説いています。
ニュータイプの競争戦略
山口周氏は、これからの競争においては「役に立つ」ではなく「意味がある」ことが重要だとしています。市場や社会のニーズに合わせるだけでなく、個々の意義や目的に基づいた行動や意思決定が勝利の鍵を握ると説明しています。企業戦略や個人の働き方においても、共感を得られる「WHAT」と「WHY」が重要な要素となります。
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思考法とワークスタイル
論理だけでなく直感を取り入れる「論理+直感」の思考法や、偶然性を戦略的に取り入れることも推奨されています。さらに、個々のキャリアにおいては「ローモビリティ」から「ハイモビリティ」へのシフト、すなわち一つの組織や職業にとらわれず、柔軟に移動することが求められるとしています。
キャリア戦略と学習法
山口周氏は、成功の鍵は大量の試行錯誤にあり、うまくいったものを残すことが肝心だと述べています。さらに、学習法においては、従来の「ストック型」から「フロー型」へと移行し、常に新しい問いを生み出すことが重要です。
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3. 印象的なテキスト
「オールドタイプ」から「ニュータイプ」へ
『ニュータイプの時代』
・「正解を探す」→「問題を探す」
・「予測する」→「構想する」
・「KPIで管理する」→「意味を与える」
・「生産性を上げる」→「遊びを盛り込む」
・「ルールに従う」→「自らの道徳観に従う」
・「一つの組織に留まる」→「組織間を越境する」
・「綿密に計画し実行する」→「とりあえず試す」
・「奪い、独占する」→「与え、共有する」
・「経験に頼る」→「学習能力に頼る」
- VUCA化進行による価値の変化
経験の無価値化:環境がどんどん変化するため
予測の無価値化:変化する環境に対して柔軟に適応することが大切
最適化の無価値化:環境が変化するので最適化という概念の見直し、柔軟性が大切に - 今、「不満・不便・不安」がなくなりつつあり、問題を解決する能力が「供給過剰」。
競争力の源泉が「問題解決」から「問題発見」にシフト。 - セグウェイは、どんな問題を解こうとしているのか、はっきりしない製品だった。
テクノロジーが最先端でも、社会的課題の解決に繋がらなければ価値はない。 - イノベーションの停滞は「問題の希少化」によって発生
- 「未来予測」は原理的に不可能。
未来を構想し、実現に向けてアクションに移すことが重要。
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- 「部下がだらしない、使えない」
→「部下を動機付ける意味が与えられていない」オールドタイプ - 1980年以前は「モノ」が希少で「意味」が充足している時代
現代は、「モノ」が過剰で「意味」が希少
→若者はその時代の足りないものにハングリーになる - ピーチアビエーションのミッション:「戦争をなくすため」
若い人が海外で異なる文化に触れることが戦争をなくす。
この意味があるから「コストを下げる」「路線を増やす」に意味がある。 - 人の能力は与えられた「意味」によって大きく変わる。
- 役に立つものはコピーされやすい。意味はコピーできない
- 人は意味を感じることができない仕事が最もつらい。
働き方改革で量の削減の取り組みが進んでいるが「質」に対して議論がされていない。
What:何をするために存在するのか?
Why:なぜそれは重要なのか?
How:どのように実現するか? - 「何が役に立つのか」ということ「だけ」を考えて将来に準備するのはオールドタイプ。
将来を見通すのは難しく、直感と予感が大切。 - GDPなど経済指標は「豊かさ」や「健全性」を示す指標としては無意味
「幸福」や「生きがい」や「意味」といった「質的評価」が関心が高い。 - 緻密に計画し粘り強く実行する
→とりあえず試し、ダメならまたやり試す。 - 何が良いかは試さないとわからない。
大量に試して、うまくいったものを残す。
(amazonの新規事業も30%は失敗する)
「緻密な計画」はむしろ成功確率が下がる。
(失敗しながらアジャイルする)
→試すためには、やめることも必要。 - 「一貫性がある」「ブレない」が良いとするのはオールドタイプ。
- 生物の進化の過程で「痛みを感じる」ことが生存にとって極めて重要。
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3. 感想とレビュー
『ニュータイプの時代』は、従来の固定観念や古い成功モデルにとらわれている人々にとって、目から鱗の一冊です。山口周氏の洞察は、急速に変わりゆく社会やビジネス環境において、今後何が必要になるかを鮮明に描き出しています。特に、既存の価値観が通用しなくなった現代において、問題発見型のアプローチや、意味を求める価値創造がいかに重要かが具体例を交えながら説明されている点が強く響きます。
本書を読んで印象的だったのは、「問題を解決すること」が中心だった時代から、「課題を発見し、設定すること」が価値を持つ時代への転換という考え方です。これは、特に企業経営や組織マネジメントにおいて非常に重要な視点であり、これまでの成果主義や目標管理型のマネジメントとは対極にあるものです。
また、個人の働き方においても、固定したキャリアプランや組織への依存を脱却し、多様な組織やプロジェクトに関わりながら自己を成長させていくことが重要だとしています。特に「ハイモビリティ」の概念は、現代の複雑な職場環境やテクノロジーの進化に対応するために非常に参考になります。
ただし、全体的な内容は理論的で抽象的な部分も多く、具体的なアクションプランや実践的なヒントが不足していると感じる読者もいるかもしれません。特にビジネスの現場で直ちに役立つ情報を求める読者には、もう少し具体例や手法が示されていると良かったかもしれません。
とはいえ、これからの時代に必要とされる「ニュータイプ」の思考法や行動様式を体系的に学べる貴重な一冊であり、特に若い世代やこれからキャリアを築く人にとっては必読の書と言えるでしょう。読後感としては、従来の枠にとらわれず、新しい視点で物事を考える大切さを再認識させられました。
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4. まとめ
『ニュータイプの時代』は、現代社会の変化に対応するための新しい思考法や行動様式を提示する一冊です。山口周氏は、旧型の「オールドタイプ」から新型の「ニュータイプ」への移行が不可避であることを説き、新しい時代を生き抜くための24の方法を解説しています。ビジネスやキャリア、さらには個人の生き方においても、これからは「課題発見型」のアプローチが求められることが本書を通じて理解できるでしょう。特に、これからの時代において重要なのは、単に問題を解決するだけでなく、意味や価値を創造し、柔軟に適応していく力です。
最後まで読んでいただきまして、
ありがとうございました。
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