【3分要約・読書メモ】知ってそうで知らなかった ほんとうの株のしくみ:山口 揚平 (著)

BOOKS-3分読書メモ-
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ご覧頂き誠にありがとうございます。
今回は『ほんとうの株のしくみ』についてレビューと要約の記事となります。

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著者

山口揚平(やまぐち・ようへい)
早稲田大学政治経済学部(小野梓奨学生)・東京大学大学院修士(社会情報学修士)。
1999年より大手外資系コンサルティング会社でM&Aに従事し、カネボウやダイエーなどの企業再生に携わったあと、独立・起業。企業の実態を可視化するサイト「シェアーズ」を運営し、証券会社や個人投資家に情報を提供する。2010年に同事業を売却したが、のちに再興。複数の事業、会社を運営するかたわら、執筆、講演活動を行っている。

著書に、『なぜか日本人が知らなかった新しい株の本』(ランダムハウス講談社)『デューデリジェンスのプロが教える 企業分析力養成講座』(日本実業出版社)『そろそろ会社辞めようかなと思っている人に、一人でも食べていける知識をシェアしようじゃないか』(アスキー・メディアワークス)『なぜゴッホは貧乏で、ピカソは金持ちだったのか?』(ダイヤモンド社)『10年後世界が壊れても君が生き残るために今身につけるべきこと』(SBクリエイティブ)などがある。

1. 本書の概要

ほんとうの株のしくみ』は、山口揚平氏による株式投資の真髄を解き明かす一冊です。本書は、株式投資がギャンブルのように見える要因を解説し、実際には企業の本質的な価値を理解することで、感情に左右されない安定した投資判断ができると説いています。特に、株式の本質的な価値を短時間で計算する具体的な方法が紹介されており、初心者から経験者まで役立つ内容になっています。一時的な株価変動に振り回されず、長期的な利益を得るための投資哲学を学べる一生もののバイブルと言えるでしょう。

2. 本書の要約

本書は株式投資における基本的な考え方と、実践に役立つスキルを具体的に解説しています。以下がその主なポイントです。

  • 株式投資の誤解: 株式投資がギャンブルのようだと考えるのは誤りであり、株価の変動を短期的に見るのではなく、企業の本質的価値を理解することが重要です。短期的な値動きに捉われず、企業の価値に注目することで、より冷静で合理的な判断ができるようになります。
  • 企業価値の計算方法: 本書では、わずか5分で企業の本質的な価値を算出する方法が紹介されています。これにより、投資家は株価が割安なのか、割高なのかを瞬時に判断できるようになります。この手法を身につけることで、投資の際に冷静な判断ができ、感情に流されることがなくなります。
  • 感情に左右されない投資の重要性: 投資家が陥りがちなミスとして、感情に基づいて売買を行うことが挙げられます。本書では、こうした感情的な判断を排除し、確実に利益を積み上げていくための戦略が解説されています。
  • 株価と企業の本質的価値: 株価は市場の需要と供給によって変動しますが、これが企業の実際の価値と一致しているとは限りません。長期的な視点で企業の本質的な価値を見極め、その上で投資判断を下すことが重要です。
  • 株式投資の基本的な哲学: 投資を長期的に捉え、企業の成長を見守る姿勢が必要です。短期的な利益に捉われず、持続可能な成長を期待できる企業に投資することが推奨されます。

3. ポイント

  • 妥当な株価×期待利回り=毎年の利益
  • 世の中に出回っている金融商品の利回りの高さは、通常、単にリスクの高さを意味している。
  • 投資とは、「買値よりも高く売り抜くこと」ではありません。
    投資とは、「今ある資産(現金)より価値のある資産(証券や現金)に交換するプロセス」
  • 会社を丸ごと買う気がないなら、その1株も買ってはいけない。
    企業丸ごとの価値÷発行済み株式数=1株当たりの価値
  • 株の価値
    ①「事業価値」を見積る
    ②「財産価値」を見積る
    ③負債(借金)を引く
    ④発行済み株式数で割って1株の価値を出す
  • 事業価値
    事業価値は、営業利益の10倍とおく
    事業価値=営業利益×0.6(税率40%を控除)÷0.06(期待利回り5~9%)   
        =営業利益×10(倍)
  • 財産価値”
    流動”資産はお金に換えやすい(1年以内に換金されるもの)
    ”固定”資産は1年以内にお金に換えれないもの
    財産価値=流動資産ー(流動資産×1.2)+固定資産のうちの「投資その他資産」

  • 利益の源泉を見抜く4つの質問
    ①その企業は「なに」で稼いでいるか?
    ②「なぜ」稼げているのか?
    ③今後、稼げる仕組みに変化はあるか?
    ④これから「いくら」稼げるのか?
  • 価値の源泉は、通常たった一つしかない。
    「その会社の強みを一言でいうと・・・・」
  • 市場の魅力度は、需要の伸びか、競争の少なさ。
  • 高い利益率の源泉
    ①多くのことをうまくやる企業(高い業務効率)
    ②他に任せる企業(フランチャイズ、ネットワーク)
    ③誰もできないことをやる企業(知的財産)
    ④信頼が厚い企業(ブランド、ロイヤリティ)

事業の有望性
①需要構造
・今後日本でどのような需要が生まれるか知るには、欧米を見るとよい。
・今後中国などアジア各国でどのような需要が生まれるか知るには、1980年代の日本を想い出すとよい。

②競争環境
・規制産業とインフラ産業は利益を維持しやすい。
・需要があるところに競争あり。いずれ収益性は下がるもの。
 →成長率ではなく、成長機関に着目する。

③高い利益率
・多くのことをうまくやる(高い業務効率)
・他に任せる(フランチャイズ、ネットワーク)
・誰もできないことをやる(知的財産)
・信頼が厚い(ブランド、ロイヤリティ)

④横展開の可能性
・同じ顧客に違う商品を売り込む
・違う顧客に同じ商品を売り込む

ほんとうの株のしくみ

  • 聞いたことがある企業と聞いたことがない企業がある場合、聞いたことのない企業への投資の方が成功する。
  • 上がりそうな株と下がりそうな株への投資の場合、下がりそうな株への投資の方が成功する。
  • 株価は、短期的には相場のムードや人気によって上下動しますが、中長期的には、株主価値に収斂する。
  • 株を買う時は、「株価が上がるトーリー」に期待しない。
    割安度、つまり、価値と価格の差を重視する。
    長く持っていれば、株価は必ず価値に収斂していくため。
  • 良い投資先とは、
    ①価値と価格の差が大きい
    ②その差が解消されるまでの期間が短い
  • 人の紹介で株を買うと、株価が上がっても下がっても、その理由がわからない。
  • 「後悔」と「プライド」が損を招く
    「儲けを確実に手にしたい」から少しでも利益が出ていれば売ってしまう。「損はできるだけ帳消しにしたい」から損を確定できず売れない。
  • 投資に役立つ習慣
    1. 株価が「上がるか下がるか」を予測するのではなく「割安かどうか」に着目する
    2. 意見ではなく、事実に基づいて判断する
    3. 結果ではなく、その裏にある原因を見つめる
    4. すべてを知る必要はない。価値の本質を見抜く
    5. 投資は手段であって、目的ではない。
    6. 毎月最低収入の一割を証券口座に振り替える
    7. 謙虚に学び続ける
  • 人間は「目的」には感情が伴うが、「手段」には感情が伴わない。
    「株価下落時の不安」、「短期ハイリターンの欲望」など感情の罠にはまらない。

4. 感想とレビュー

ほんとうの株のしくみ』は、株式投資の初心者だけでなく、経験者にとっても非常に役立つ一冊です。著者の山口氏は、株式投資が単なるギャンブルや運ではなく、企業の本質的な価値を理解することで理論的にアプローチできることを強調しています。多くの人が投資において犯しがちなミスを解説し、それを回避する方法が具体的に書かれている点が素晴らしいです。

特に印象的だったのは、企業価値をわずか5分で算出する手法です。これにより、短期的な市場の動きに惑わされることなく、冷静に判断を下す力が養われます。この実践的な手法は、投資家にとって大きな武器となるでしょう。また、感情的な投資判断を排除し、長期的に利益を積み上げていくための哲学が説かれていることも、この本の大きな魅力の一つです。

一方で、専門用語が多く含まれているため、株式投資に初めて触れる人にとっては少し難解に感じる部分もあるかもしれません。しかし、具体例を交えて説明されているため、読み進めるうちに理解が深まっていくでしょう。

総じて、本書は株式投資の本質を理解し、確実に利益を積み上げたいと考える人にとって、非常に価値のある一冊です。理論的でありながら実践的な内容が詰まっており、一度読めば何度でも参考にしたくなる内容です。

5. まとめ

ほんとうの株のしくみ』は、株式投資の真髄をシンプルかつ実践的に解説している一冊です。株式投資はギャンブルではなく、企業の本質的な価値を理解することで理論的に行えるものだという考え方が、初心者にも経験者にも新たな視点を提供します。特に、企業価値を短時間で計算する手法や、感情に流されない投資判断の重要性が強調されており、投資家にとっては一生もののバイブルとなるでしょう。

この本を通じて、株式投資に対する不安や誤解が解消され、冷静かつ合理的に投資を行う力が身につくこと間違いありません。長期的な利益を目指し、企業の成長を見守る姿勢を学びたい方に、ぜひおすすめしたい一冊です。

最後まで読んでいただきまして、
ありがとうございました。

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