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今回は『「しやすい」の作りかた』についてレビューと要約の記事となります。
1. 著者の紹介
下地寛也氏は、コクヨ株式会社で数々のヒット商品を生み出したプロダクトデザイナーです。長年の経験から、人々が「使いやすい」と感じるプロダクトデザインの秘訣を深く理解しており、本書ではそのノウハウを一般読者向けにわかりやすく解説しています。
2. 本書の概要
『「しやすい」の作りかた』は、日常生活や仕事で私たちが日々直面する「しにくい」問題を解決するためのヒントが満載の一冊です。著者は、様々な「しにくい」状況を「分ける」というシンプルな行為によって、「しやすい」に変えることができることを示しています。具体的な事例や図解を豊富に使いながら、「分ける」技術の重要性と具体的な方法を解説しています。
3. 本書の要約
「しにくい」を「しやすい」に変えるために重要なのは、「分ける」技術です。 例えば、
- 野球場: プレイゾーンと外野が分かれていることで、ホームランが分かりやすい。
- ノート: 行数が均等に区切られていることで、書きやすい。
- スーパー: 商品がジャンルごとに分かれていることで、欲しいものが探しやすい。 のように、私たちの身の回りには「分ける」ことで使いやすくなっているものがたくさんあります。
本書では、この「分ける」技術を、日常生活や仕事、そして人生の様々な場面に応用する方法を解説しています。
「分ける」ことのメリット
- 問題の明確化: 問題を小さな部分に分割することで、解決策を見つけやすくなる。
- 効率化: タスクや情報を整理することで、作業効率が上がる。
- ストレス軽減: 「しにくい」状況を改善することで、ストレスを軽減できる。
- 創造性の向上: 新しいアイデアを生み出すきっかけになる。
「分ける」ためのステップ
- 分けたい対象を書き出す: 何を分けるのかを明確にする。
- 分け方を考える: 複数の分け方を検討し、目的に合った方法を選ぶ。
- 目的を意識する: なぜ分けるのか、その目的を明確にする。
「分ける」技術の応用 本書では、「分ける」技術を様々な場面に応用する方法が紹介されています。
- 仕事: タスクの分割、プロジェクトの分割、チームの役割分担
- 生活: 部屋の整理整頓、時間の管理、目標設定
- 人間関係: 友人関係、家族関係、仕事の人間関係
「分ける」ことの重要性 著者は、単に物を分けるだけでなく、考え方や価値観も「分ける」ことの重要性を強調しています。例えば、仕事とプライベートを分ける、目標を短期目標と長期目標に分けるなど、様々な場面で「分ける」技術は役立ちます。
4.各章のポイント
第1章 「しやすい」を邪魔する5つのバグ
・分けることを難しくする5つのバグ
1:グレーゾーン
2:複数属性
3:その他
4:不公平
5:メンテナンス
・分ける「目的」を考えれば、バグにも対処できる
第2章 「しやすい」を作る3ステップ
・「しやすい」を作るには、分け方の常識を疑うこと
・分けるときは3ステップ
①分ける対象物を書き出す
②分け方を書き出す
③目的を意識し、解決の糸口につながる分け方を選ぶ
第3章 「わかりやすい」の作りかた
・「分かりやすい」を作るためには複数の分け方を検討する
・限られた資源の分配法は、「必要原理」「平等原理」「公平原理」
・「ざっくり3つに分ける」はとても有効
・あえて3つに分けないことで、仕事を任せてもらえることがある
第4章 「動きやすい」の作りかた
・空間のレイアウトを変えることで、人の動きを大きく変えることができる。
・「床の色」を変えると、立ち位置がわかりやすくなる
・「駐車場の幅」を変えるだけで店に入りやすくなる
・セミナーの座席を「2人席」にすると快適で過ごしやすくなる
・「マネージャーを一箇所にまとめる」と社内連携が進む
第5章 「整理しやすい」の作りかた
・洋服は「バッファー」を維持し、「1~3軍」に分けると整理しやすい
・書類は「一時保管所」を作っておくと捨てられる
・人間関係は「同士、知人、友達」の3つで見直しする
第6章 「買いやすい」の作りかた
・「先味、中味、後味」の3段階に分けて演出する
・高価な商品でも、パーツを分解して安く売ることで客は買いやすくなる
・「イニシャルコスト」と「ランニングコスト」を分けることで、顧客を維持しやすくなる
・「時間」と「シーン」を分けると、新たな顧客を引き寄せやすくなる
・シェアリングエコノミーとは時間や場所などを小分けにして、売り手と買い手をつなぐビジネスモデル
・ブランドの安心感を活かしてターゲットを分けると売上獲得につながる
・商品を3段階のモデルに分けると、真ん中のモデルが売れやすくなる
・「覚えたい」性分なら、50個ぐらいは覚えてくれるし、集めたくなる
・誰も気づいていない「分け方」をみつけ、それを実現しよう
第7章 「話しやすい」の作りかた
・プレゼンは「導入」「中盤」「シメ」の3つに分けると伝わりやすい
・頼みごとは事前に「内容、目的、やり方、メリット、なぜあなたなのか」を分類して書き出しておく
・発言しやすい会議にするには「発言する順番」「メリットとデメリット」「メンバー」の3つの分けたかを変えるといい
・ホワイトボードを「問題」「原因」「解決策」に分けると話を整理しやすくなる
・1対1でもまず問題を書き出して分けると、解決策が見出しやすい
・相手の分け方を観察すると「大切にしていること」が見えてくる
終章 「生きやすい」を作るために
「生きやすい」を作る3つの分け方
①課題の分離
目の前の課題をつねに「誰の課題なのか?」という視点で、自分の課題と他者の課題に分祀していく方法。
たとえば、子供が勉強しないのは、子供の課題であって、親の課題ではない。
②20:80の法則
結局大切なのは2割ほどで、それが自分の評価や成長につながるモノ。
③分人
「本当の自分/ウソの自分」という分け方ではなく、対人関係ごとに見せる複数の顔がすべて「本当の自分」という考え方。嫌いな自分も、数多くある「分人」の一つでしかない。
5. ここだけは押さえたい一文
できる人は「分け方」がうまい
『「しやすい」の作りかた』
できる人は常に現状の分け方に疑問を持っている。そして、何か新しい分け方がないかと探している。
「分ける技術」を身につけることで、私たちは「しにくい」を「しやすい」に変え、より快適で生産的な生活を送ることができる。
『「しやすい」の作りかた』
5. 感想とレビュー
『「しやすい」の作りかた』は、日常生活の様々な「しにくい」を解決するためのヒントが満載で、とても実用的です。著者の豊富な経験に基づいた具体的な事例や図解が、理解を深めるのに役立ちます。 「分ける」というシンプルな行為が、私たちの生活を大きく変える可能性があることを改めて気づかされました。 この本を読むことで、問題解決能力が向上し、より効率的に物事を進めることができるようになるでしょう。
6. まとめ
『「しやすい」の作りかた』は、「分ける」というシンプルな行為を通じて、より快適で生産的な生活を送るためのヒントを与えてくれます。仕事でもプライベートでも、何か「しにくい」と感じることがあれば、本書で紹介されている「分ける」技術を応用してみてください。きっと、あなたの人生をより良いものに変えることができるはずです。
本書を読んだ読者におすすめのポイント
- 日常生活の効率化をしたい方
- 仕事の生産性を上げたい方
- 問題解決能力を高めたい方
- より良い生活を送りたい方
本書で得られること
- 「分ける」技術の重要性
- 具体的な「分ける」方法
- 問題解決のための考え方
- より良い生活を送るためのヒント
この本を読めば、あなたの「しにくい」を「しやすい」に変えることができるでしょう。
最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました。
背伸びしない等身大の経験とアイディアのコラムも書いています。
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