皆さん、こんにちは!今日もそれぞれの場所で、リーダーシップを発揮されていることと思います。
さて、今日のテーマは、リーダーとして誰もが身につけたい「リーダーシップの技術」について、深く掘り下げていきましょう。
この記事は、『部下をもったらいちばん最初に読む本』 橋本 拓也 (著)を参考に書かせていただきました。
「リーダーシップ」と聞くと、生まれ持ったカリスマ性や、圧倒的な実績が必要だと思っていませんか?もちろん、そういった要素もリーダーの魅力の一部かもしれませんが、実は、リーダーシップは才能だけではありません。
誰もが実践できる「技術」として、身につけることができるのです。
この記事を通して、あなたが生まれ持った才能に関わらず、実践的な技術を磨くことで、メンバーの心を動かし、最高のチームを創り上げるためのヒントを得ていただければ幸いです。
羅針盤を示す力 ~「何のために」「誰のために」「なぜ」~
リーダーシップの第一歩は、チームが進むべき方向を明確に示し、そこにメンバーを導くことです。単に「これをやろう」と指示するだけでは、メンバーは主体的に動けません。彼らが心から納得し、モチベーションを持って取り組むためには、その活動の「目的」と「意味」を伝えることが不可欠です。
具体的には、以下の3つの問いに答えることで、明確な羅針盤を示すことができます。
- 「何のために」: 私たちは、この仕事を通して、何を達成したいのか?最終的なゴールは何か?
- 「誰のために」: 私たちの仕事は、誰の役に立つのか?お客様、社会、あるいはチームメンバー自身に、どんな価値を提供するのか?
- 「なぜ」: なぜ今、これをやる必要があるのか?現状の課題や、未来のビジョンとどう繋がるのか?
これらの問いに、リーダー自身の言葉で、情熱を込めて語りかけることで、メンバーは単なるタスクとしてではなく、自分たちの仕事に意味を見出し、未来に向かって歩み出すことができます。明確な目的意識は、困難な状況に直面した時も、メンバーの心を支える強い力となるでしょう。
メンバーの「上質世界」に関心を寄せる ~それぞれの「価値」を理解する~
リーダーシップにおいて最も重要な技術の一つは、メンバー一人ひとりの「上質世界」に関心を寄せることです。
「上質世界」とは、心理学者のウィリアム・グラッサー博士が提唱した「選択理論」における概念で、私たちが心から望むもの、大切にしている価値観、理想の自分や人間関係、そして求めている行動などが詰まった、自分だけの理想の世界を指します。
例えば、あるメンバーは「仕事を通してスキルアップしたい」という価値観を上質世界に持っているかもしれませんし、別のメンバーは「チームで協力し、一体感を味わいたい」という価値観を大切にしているかもしれません。また、ある人は「安定した生活を送りたい」、別の人は「社会貢献したい」と考えているかもしれません。
リーダーは、これらのメンバーそれぞれの「上質世界」が異なることを理解し、そこに深く関心を持つ必要があります。単に指示を出すだけでなく、「あなたにとって、この仕事のどんなところにやりがいを感じますか?」「どんな時に一番楽しいと感じますか?」といった問いかけを通して、彼らの内面に触れようと努めるのです。
メンバーの「上質世界」を理解し、その価値観に沿った形で関わることで、彼らは「自分のことを理解してもらえている」「自分の個性を尊重してくれている」と感じ、自ら積極的に行動するようになります。これは、個人のモチベーションを高めるだけでなく、チーム全体のパフォーマンス向上にも繋がる強力な技術です。
率先垂範で「成果」をあげて尊敬を勝ち取る ~背中で語るリーダーシップ~
どんなに素晴らしい言葉を語っても、リーダー自身が成果を出していなければ、メンバーからの尊敬を得ることは難しいでしょう。リーダーシップの技術は、机上の空論だけでは語れません。自らが率先して行動し、目に見える形で成果を上げることが、メンバーからの信頼と尊敬を勝ち取る最も確実な方法です。
「口で言うだけでなく、自分もちゃんとやっているんだな」
「あの人が言うなら、間違いないだろう」
そう思わせることで、メンバーはリーダーの言葉に耳を傾け、その行動を模範とするようになります。これは、単なる「言うことを聞かせる」関係ではなく、心からの尊敬に基づいた、強い結びつきを生み出します。
もちろん、全ての業務をリーダーが一人でこなす必要はありません。しかし、チームの目標達成に向けて、リーダー自身が泥臭く、時には困難な課題にも積極的に挑戦し、成果を出す姿勢を見せることは、メンバーのモチベーションを高め、チーム全体の士気を向上させる上で不可欠な技術です。
「ダブルメッセージ」をしない ~一貫性が生み出す信頼~
リーダーシップにおいて、特に注意すべき落とし穴の一つが「ダブルメッセージ」です。これは、言葉と行動が矛盾していたり、言っていることが状況によってコロコロ変わったりすることを指します。
例えば、「自由に意見を言っていい」と言いながら、実際には意見を言ったメンバーを否定したり、「残業はするな」と言いながら、自分は深夜まで残業していたり、といった状況です。
このようなダブルメッセージは、メンバーに混乱と不信感を与え、リーダーへの信頼を大きく損ねます。「結局、何を信じたらいいんだ?」「あの人の言葉は当てにならない」と感じさせてしまうのです。
リーダーは、常に言葉と行動に一貫性を持たせ、メッセージを明確にすることが求められます。たとえ状況が変化しても、その背景を丁寧に説明し、なぜ変更が必要なのかを伝えることで、メンバーは納得し、リーダーへの信頼を維持することができます。一貫性は、リーダーシップの土台を強固にする重要な技術です。
「メンバーは有能だ」と捉える ~可能性を信じる視点~
「このメンバーは、もっとできるはずだ」
「あの人には、まだ眠っている力がある」
リーダーシップの根底にあるべきは、メンバーの可能性を信じる強い視点です。メンバーを「未熟な存在」や「指示を待つ存在」と捉えるのではなく、「それぞれが有能であり、自ら考えて行動できる存在だ」と捉えること。
この「メンバーは有能だ」という前提を持つことで、リーダーの関わり方は大きく変わります。マイクロマネジメントに陥らず、メンバーに裁量を与え、主体性を尊重するようになります。
もちろん、時には助言やサポートが必要な場面もあるでしょう。しかし、それは「できないから教える」のではなく、「有能なメンバーが、さらに能力を発揮するための手助けをする」という視点で行われます。
メンバーの可能性を信じ、それを言葉や行動で示すことで、メンバーは「自分は信頼されている」「期待に応えたい」と感じ、自ら積極的に成長しようとします。これは、メンバーの自律性を育み、組織全体のパフォーマンスを高めるための、極めて強力な技術です。
メンバーの「5つの欲求バランス」を満たす関わり ~心を掴むリーダーシップ~
ウィリアム・グラッサー博士の「選択理論」では、人間には誰もが満たしたいと願う基本的な5つの欲求があると考えられています。リーダーシップの技術として、これらの欲求バランスを満たすような関わりを意識することは、メンバーのモチベーションを最大限に引き出す上で非常に有効です。
- 生存の欲求: 安心・安全に働ける環境、健康、安定した収入など。
- リーダーは、メンバーが安心して働けるよう、労働環境や福利厚生に配慮し、適切な報酬を与えることを意識しましょう。
- 愛・所属の欲求: 誰かに愛されたい、認められたい、仲間と繋がりたいという欲求。
- リーダーは、メンバーの話を丁寧に聞き、承認し、感謝の気持ちを伝えることで、チームの一員としての帰属意識を高めましょう。チームビルディングやコミュニケーションを積極的に促すことも有効です。
- 力の欲求: 貢献したい、認められたい、達成したい、影響を与えたいという欲求。
- リーダーは、メンバーに責任のある仕事を任せ、成功体験を積ませる機会を提供しましょう。彼らの意見を尊重し、意思決定に参画させることで、自己効力感を高めることができます。
- 自由の欲求: 選択したい、自律的に行動したいという欲求。
- リーダーは、メンバーに裁量を与え、自分で考え、自分で判断する機会を提供しましょう。マイクロマネジメントを避け、仕事の進め方にある程度の自由を与えることも有効です。
- 楽しみの欲求: 新しいことを学びたい、遊びたい、笑いたいという欲求。
- リーダーは、メンバーが仕事を通して楽しさや喜びを感じられるよう、新しい挑戦の機会を提供したり、チームイベントを企画したり、ユーモアを交えたコミュニケーションを心がけましょう。
これらの欲求は、人によってそのバランスが異なります。リーダーは、メンバー一人ひとりがどの欲求を強く持っているのかを理解し、それぞれに合わせた関わり方をすることが求められます。5つの欲求をバランスよく満たすことで、メンバーは仕事に充実感を感じ、最大限のパフォーマンスを発揮できるようになるでしょう。
まとめ
今回のテーマ「リーダーシップの技術」は、特別な才能がなくても、誰でも実践できる、具体的な行動と意識の変革について深く掘り下げてきました。
リーダーシップの第一歩は、「何のために」「誰のために」「なぜ」という明確な目的から未来を示すことです。メンバーが仕事の意味を理解し、共感することで、主体的に行動する原動力が生まれます。
次に、メンバー一人ひとりの「上質世界」、つまり彼らが心から望むものや大切にしている価値観に関心を寄せる技術です。個々の欲求を理解し、それに沿った関わりをすることで、メンバーは「理解されている」と感じ、自らの能力を最大限に発揮しようとします。
そして、リーダー自身が率先垂範で「成果」を上げ、メンバーからの信頼と尊敬を勝ち取ること。背中で語るリーダーシップは、言葉以上に強力なメッセージとなります。
また、「ダブルメッセージ」を避け、言葉と行動に一貫性を持たせることは、信頼の土台を築く上で不可欠です。
さらに、「メンバーは有能だ」と捉え、その可能性を信じる視点を持つこと。マイクロマネジメントではなく、裁量を与え、自律的な行動を促すことで、メンバーは大きく成長します。
最後に、メンバーが持つ「5つの欲求バランス」を満たすような関わりを意識することです。生存、愛・所属、力、自由、楽しみという基本的な欲求を満たすことで、メンバーは仕事に充実感を感じ、最高のパフォーマンスを発揮できるようになるでしょう。
リーダーシップは、生まれ持った才能だけではありません。これらの「技術」を意識的に実践し、磨き続けることで、あなたは必ず、メンバーの心を動かし、最高のチームを創り上げる素晴らしいリーダーになることができます。
さあ、今日からこれらの「リーダーシップの技術」をあなたの日常に取り入れてみませんか?きっと、あなたの周りの世界が、より活気に満ち、誰もが輝ける場所へと変わっていくはずです。
詳しく知りたい方は、『部下をもったらいちばん最初に読む本』 橋本 拓也 (著)を手に取ってください。
最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました。
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