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今回は「手放す練習 ムダに消耗しない取捨選択」についての記事となります。
■著者
ミニマリストしぶ
1995年生まれ、福岡県出身。2017年に開始した「ミニマリストしぶのブログ」は開設1年で月間100万PVを超える人気ブログに。海外2カ国でも翻訳された著書『手ぶらで生きる。見栄と財布を捨てて、自由になる50の方法』はAmazonベストセラー1位を記録。2018年に「Minimal Arts 株式会社 」代表取締役に就任。ミニマルな機能美を追求するアパレルブランド「less is _ jp」を監修。
■ミニマリスト入門
・モノを減らせば幸せになれる理由
モノを減らせば幸せになれる理由は、「”選択のパラドックス”から抜け出すことができるから」である。(パラドックス=矛盾・逆説)選択のパラドックスとは、「選択肢が多ければ多いほど、人は不幸を感じやすくなってしまう」という心理。心理学者バリー・シュワルツによると、選択肢が多いことのデメリットは3つ。
①無力感が生まれる(=選ぶのが大変)
②満足度が下がる(=選択に疑問と後悔が生じる)
③期待値が上がりすぎている(=比較する対象が増える)
多くの人は、「選択肢は多ければ多いほどいい」と思いがちだが、科学的な視点ではむしろ逆で「選択肢は絞れば絞るほどいい」ということになる。
・手ぶらは貴族のステータス
持てるけど、あえて持たない。
言葉を選ばずに言うならば、低所得の人ほど、取捨選択が下手で、「いかに得するか」を基準に物を買う。
「買う理由が値段ならやめなさい。迷う理由が値段なら買いなさい」「簡単に得られるものは失いやすい」という言葉があるが、本来、そのものに価値を感じるかどうかに、値段の大小は関係ないはずだ。そして、支払った金額は覚悟の大きさに比例する。
セールなどお得な時に買おうと値引きのタイミングを待つことは、そのものが必要かどうかは関係なく、「いかにお得か」を見定めているだけ。
■なぜミニマリスト需要が高まったか
・「増やす」よりも「減らす」法が結果が出やすい
自分のリソース(お金・時間・エネルギー)を「増やす方向」に回るより先に「セーブする方向」に知恵を絞ったり、工夫を重ねるほうが簡単で結果が出やすい。
「何が自分の人生に幸せをもたらし、何が自分にとって、どうでもいいことか」を知っておかなければ、物でもデジタルでも疲弊してしまう。
■余白がないとバカになる
・「いつでもやめられる」から100点の結果になる
「余白のない人たち」は視野が狭くなってしまい、もっと効率的な方法があっても、それに気づけない。ひたすら量をこなして解決しようとするだけだ。
何事においても、一つのことに「全力投球」でフルコミットするのではなく、方向転換できるよう少しの余力を残しておく。変化の激しい時代には、余地を残して柔軟に対応できることが、結果として最高のパフォーマンスにつながる。
■手放すコツは江戸時代から学べ
・いつでも引っ越しできる状況が大事
「生活を維持できない」という理由で、退職をためらう人は珍しくない。でも、コンパクトな暮らしで生活水準をあえてダウンさせれば、自分の貴重な人生を「労働時間」として切り売りする必要がなくなる。
・制限するから工夫が生まれる
江戸時代の幸せを要約すると下記になる。
①幸せは「引き算」でつくる
②たくさん歩いて、シェアをする
③いつでも引っ越しできるモノの量
④人と比較しない・口出ししない文化
オモチャが少ない環境で育った子供の方が「1つのオモチャでいろいろ遊び方を発見するため集中力108%増に」「16種類のオモチャで遊んだ子供グループより、4種類のオモチャで遊んだ子供グループのほうがクリエイティブになった」という、トレンド大学の研究結果もある。
■人生に余白を戻す「減らし方」
・ミニマリスト式「モノ減らしロードマップ」
- 土日や連休でまとまった時間を作る。「少しずつ」より「短期集中」を意識
- まず一番に「何も置いていない床面積」を30%作る
- 理想の生活から「捨てるモノ」ではなく「残したいモノ」を決め、それ以外を捨てる
- 「所有コストが大きいモノ」から減らし「持たないコストが大きいモノ」は残す
- 売るでも譲るでもなく「ごみで捨てる」
- なぜ捨てることになったのか考える
- 捨てられない人は「モノのダウンサイジング」
捨てられない人の3大言い訳がある。「もったいないから」「売れるから」「譲れるから」の3つだ。
基本方針として「手放す前提で勝っていないものは、全部捨て」でいい。
最速最短で「最小限の所有」を目指すのが、一番のエコになる。
■無駄に持ちすぎないための「増やし方」
・「モノより経験」は科学的にも証明されている
心理学者のリーフ・ヴァン・ボーウェン、トーマス・ギロヴィッチによる研究で「モノよりも経験にお金を使う方が満足度が高い」ことが証明されている。この論文の内容は以下の通り。
- モノによる幸福感は長続きしない。新鮮さにはすぐ慣れる。
- お金をモノに置き換えても形として残るため誰かから奪われる。経験は奪われない。
- 人は幸福感に慣れやすい。モノを手に入れても「次はもっと上を」とよく法が増す可能性が高く、グレードによって価格差があるぶん、つい他人と比較してしまう。
結論は「モノにお金を使いすぎるな」というシンプルなもの。
■感想
四角大輔氏の「超ミニマル主義」で紹介されていたため、手に取った。本書では、ミニマリストが注目されている理由から、ミニマリストのライフスタイルのメリット、モノの減らし方が書かれている。ミニマリストが単純にものを持たない人達というイメージだったが、人生そのものに対する考え方や、人生を幸せにする方法としてとらえている点が新しい発見だった。
- 「モノを手放すことで人生に”余白”をデザインする」
- 生き方をデザインするとは「いちいち悩まないで済むよう、何をしないかを決めること」
- 「所有はコスト」必要以上のモノたちが、無駄な動きやプレッシャーに繋がり、あらゆる悩みに直結する
- 安心するために買い集めたモノたちは逆に「失うと自分を保てないのではないか」と不安のタネに変わる
人間は、”慣れ”てしまう動物。どんなに欲しいモノでも、手に入れて時間が経過するとその効用はなくなる。そして、また新しいモノが欲しくなる。その無限ループから降りたのがミニマリスト。本書では、単にモノを減らすということよりも、自分の人生を取り戻す手段としてミニマリズムが語られている。
ミニマリストに興味がある、貯金ができない、欲しいものが沢山ある、そんな人にこと手に取ってほしい本です。
最後まで読んでいただきて、ありがとうございました。
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