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今回は「CDO思考」についてのレビュー記事となります。
■著者
石戸亮
千葉県松戸市出身。上智大学理工学部在学中に千葉県柏市でフリーペーパーを創刊し事業を運営。卒業後、2006年サイバーエージェントへ入社し、デジタルマーケティングの子会社2社の取締役を務める。Google Japan(グーグル合同会社)において企業のデジタルマーケティングを支援した後、イスラエル発のAI企業のデートラマでは日本市場参入を推進。その後パイオニアでは、全社CDO(Chief Digital Officer / 最高デジタル責任者)やカンパニーCMO(Chief Marketing Officer / 最高マーケティング責任者)として非上場後の再成長期に貢献。小林製薬では2021年よりデジタル戦略アドバイザーを務めた後、2023年より執行役員CDOユニット長として全社のDX推進を牽引している。
■第1章「デジタル人材」と呼ばれるものの本質
・そもそも「デジタル人材」とは何か
事業とIT、経営と現場、市場と会社、双方の言葉を使って、当たり前のようにデジタルな要素を頭に入れながら、目的達成のために物事を進める。いわばビジネスの「通訳」のような人材。アナログ世代とデジタル世代、双方が理解しやすいように言語を「翻訳」できる人材こそが「デジタル人材」です。
・これからのデジタル人材は「ソフトスキル」が大切
実は大切なのはコミュニケーション能力や調整力、傾聴などといった「ソフトスキル」。
■第2章「ビジネス脳」を鍛えるトレーニング法
・デジタル人材が持つべき習慣・セルフチェックリスト
・顧客の声や一次情報を得る習慣
顧客の声を直接聞くこと、カンファレンスやセミナーに言って直接人と繋がることは重要です。一次情報は何よりも大事。
・新規サービスを任されたときの最初の2週間
新規事業のターゲットのペインやニーズを2、3週間以内で具体化するために必要な行動。
- X(旧Twitter)でターゲットとなりうる方を50名くらいフォロー
- すべての通知をONにしてすべての投稿に目を通す
- ターゲットが何時に投降したか、なぜ投稿したか、なぞその内容なのかを、考察しながら見る
- 大丈夫そうな方にメッセージを送り、個別インタビューをさせていただく
- 関連するYouTube動画を30本くらい見る。再生速度は 1.5倍で
- ターゲットの仕事現場に行き、少し仕事に関わらせてもらい、リアルを見る
- ターゲットをある程度知ったうえで、「ビズサク」で10名ぐらいインタビューする
■第3章 待っているだけではチャンスはつかめない
・尊敬する人に「出会い方」を聞く
自分の市場価値を知る方法として、著しい結果を出している方や尊敬している方に「どうやってそのポジションについたか」「だれの紹介でそれが実現できたか」を直接聞いてしまう。
・「わらしべ長者」になるために
セミナー登壇者と名刺交換後のメールで、いきなり製品説明のアポイント候補日を一方的に送ったり、すぐに翌週のランチに誘うよりも、セミナーで聞いた内容についての感想を、簡単でもいいので送ってみるのがおススメ。先方は、感想をもらえたことで、参考になりますし、別のセミナーでまた会うことができれば、印象にも残りやすいです。
■感想
30代で小林製薬という老舗の上場企業の執行役員になった著者。キラキラの経歴で、共感できないかと思いきや、やっていることは基本に忠実で、実に泥臭い。寛容、配慮、敬意、感謝、傾聴といった相手との信頼関係構築を基盤として考えて、その基盤があるから、夢・目的に対してワクワクして挑戦できる。
本書では、著者が考えるデジタル人材が、ビジネスの現場でどのように求められているのか?本当に需要があるデジタル人材として成長するためには、どのようなスキルを身につければよいのか?をToDoとして一冊にまとめられている。特別なスキルを持った人ではなく、ToDoを意識して実行することで市場価値の高いデジタル人材になれる。そんな再現性のこだわった本です。
最後まで読んでいただきて、ありがとうございました。
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