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今回は『妻が余命宣告されたとき、 僕は保護犬を飼うことにした』についてレビューと要約の記事となります。
著者
小林孝延
1967年福井県出身。編集者。月刊誌ESSE、天然生活ほか料理と暮らしをテーマにした雑誌の編集長を歴任。女優石田ゆり子の著作『ハニオ日記』を編集。プロデュースした料理や暮らし周りの書籍は「料理レシピ本大賞」で入賞・部門賞などを多数獲得している。2016年からは自身のインスタグラム@takanobu_koba にて保護犬、保護猫にまつわる投稿をスタート。料理研究家の桑原奈津子、なかしましほ、イラストレーターの平澤まりこと共にムック『保護犬と暮らすということ』(扶桑社)シリーズもリリースした。(敬称略)
1. 本書の概要
『妻が余命宣告されたとき、 僕は保護犬を飼うことにした』は、小林孝延さんが執筆したノンフィクションで、余命半年と宣告された妻と、絶望の中で一匹の保護犬「福」と出会い、家族が再び一つにまとまる過程を描いています。家族が病気の辛さに向き合い、バラバラになりかけたところに福がやって来ることで、家族の日常が少しずつ変化していく姿は、読む人に感動を与えます。
著者の小林氏は、妻・薫さんの闘病生活の最中、保護犬を迎える決断をしました。動物が家族に与える癒しや力は、彼らにとって希望の光となり、日常に少しずつ変化をもたらしていきます。福の存在が、家族全員にとってかけがえのないものとなり、病との闘いにおいても心の支えとなりました。
2. 本書の要約
『妻が余命宣告されたとき、 僕は保護犬を飼うことにした』は、がんと闘う妻と家族の物語を、保護犬「福」との出会いを軸に展開しています。以下、主要な流れをご紹介します。
妻の病気と家族の苦悩
物語は、妻・薫さんが乳がんの末期と診断され、余命半年と宣告されるところから始まります。この知らせは家族全員にとって衝撃的で、絶望の中でどうやって過ごしていくべきかがわからない状況に陥ります。小林家は、妻の病状と向き合う中で、次第に家族としての会話やコミュニケーションが途絶え、孤立感が漂っていました。
保護犬「福」との出会い
そんな時、小林氏は友人から「犬を飼ってみては?」というアドバイスを受け、山口県にある保護シェルターに足を運びます。そこで出会ったのが、「福」と名付けられた保護犬でした。福は、虐待を受けていた過去があり、心を閉ざしていた犬でした。しかし、どこか困ったような表情をした福を見て、小林氏は「この犬を家に迎えよう」と感じます。福が家にやって来ることで、家族の日常が少しずつ変わり始めます。
家族の再生
福との生活が始まると、これまで避けていた家族の会話が少しずつ戻ってきます。福の世話を通じて、家族は自然に役割を分担し、互いの予定を確認するようになりました。また、休日には福を連れて散歩やドッグランに行くなど、家族が一緒に過ごす時間が増えていきます。かつてバラバラだった家族が、福を中心に絆を取り戻し、笑顔が増えていきます。
妻の薫さんも、福と過ごすことで少しずつ元気を取り戻していきます。福の存在は、家族にとって単なるペット以上のもので、心の支えとなりました。福との時間が、家族の心を癒し、病気との闘いにおいても希望を与えてくれたのです。
僕たち家族は、
『妻が余命宣告されたとき、 僕は保護犬を飼うことにした』
もう一度我が家に笑顔を取り戻すために
保護犬を飼うという選択をした。
一匹の命を救うことで
実は救われたのは僕たち家族だった。
最期の別れと感謝
薫さんの病状は最終的に悪化してしまうものの、その最期まで家族は福とともに過ごし、温かな時間を共有しました。福は家族全員にとっての癒しであり、彼の存在がどれほど大きな影響を与えたかが描かれています。福を迎えたことで、家族は再び一つになり、困難な時期を乗り越えることができたのです。
3. 感想とレビュー
『妻が余命宣告されたとき、 僕は保護犬を飼うことにした』を読んで感じたのは、家族の絆と保護犬の力の素晴らしさです。福が小林家にもたらしたものは、単なるペットとの生活ではなく、心の再生と希望でした。保護犬という背景を持つ福が、家族全員の心に寄り添い、特に病気の妻にとっての精神的な支えとなる姿は、深い感動を呼びます。
著者の小林氏が福を家族に迎え入れる決断をした時、その選択がいかに大きな意味を持っていたかを、物語が進むにつれて強く感じました。保護犬を迎えるというのは、ただ犬を飼うだけではなく、その犬との絆を築き、互いに支え合うことだと、この本を通じて理解できました。
また、家族の再生というテーマが、本書の中心に据えられている点も印象的です。がんという非常に重いテーマを扱いながらも、福という存在が家族の日常に明るさをもたらし、困難な時期においても笑顔や希望を忘れさせない役割を果たしています。福との出会いが偶然でありながら、家族にとってはまさに「必然」のように感じられる瞬間が、読者にも伝わってきます。
特に感動的だったのは、福が病気の妻・薫さんに寄り添い、彼女に生きる希望を与えていく様子です。福はただの犬ではなく、彼ら家族にとって「生きる力」としての存在でした。物語の中で描かれる家族の再生は、読者に深い感動を与え、動物と人間の絆の力を強く感じさせます。
4. まとめ
『妻が余命宣告されたとき、 僕は保護犬を飼うことにした』は、がんと闘う家族と保護犬「福」との絆を描いた感動的な物語です。絶望的な状況の中で、家族が再生し、笑顔を取り戻していく過程は、誰もが共感できるテーマです。福の存在が、家族にとっての癒しと希望をもたらし、互いに支え合う姿は、読む人に深い感動と温かさを与えます。
保護犬というテーマも、本書の魅力の一つです。福を通じて、家族が再び一つにまとまり、病気や困難に立ち向かう姿は、動物が持つ力を再認識させられるものです。福の無償の愛情が、家族にとってどれほど大きな存在であったかを感じさせる本書は、動物愛護や家族の絆に興味がある方にとって、ぜひ読んでほしい一冊です。
保護犬や闘病生活という重いテーマでありながら、福の存在が物語を明るく温かいものにしてくれます。家族の再生と保護犬の素晴らしさを伝えるこの物語は、多くの読者に感動を与え、深い共感を呼ぶことでしょう。
最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました。
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